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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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最新のお話の更新は
Call my name 12」(2/3)
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踏まれた方はご一報下さいませ♪
何かイイことあるかも?( *´艸`)


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Call my name 12

いる筈のない牧野の姿を庭の中に見付けてしまって。
悪い予感が脳裏を掠めていく。

陽は傾き始め、もう外は冷えてきている時間だ。
あいつはあそこで一体何をやってるんだ?

急いで牧野の許に向かった。
近付いていくと、地面に這いつくばるようにして、飛石に雑巾を掛けているのが見えてくる。
俺がさっき窓越しに目にしたのは、偶々立っていたタイミングだったらしい。
そうじゃなかったら見付けられなかったかもしれない。
気付けて良かった・・・と、安堵の溜息をこっそり吐いた後、一心不乱に働いている背中に向かって呼び掛けた。

「牧野。」

まず首だけ回してこっちを仰ぎ見て。
その後慌てた様子で立ち上がった。
この寒さのせいで、外気に晒されている頬も、水仕事をしている指先も赤く染まっている。

「はい。」
「お前、何してるんだ?」
「あ、あの、飛石を綺麗にしておきたくて、それで雑巾掛けを・・・」
「そうじゃなくて。
今日は親父さんの一周忌法要なんだろ?
3日間休みを取れって言われた筈だ。」
「はい・・・ 一周忌法要は終わりました。
今日と明日は実家に泊まるつもりだったのですが・・・
帰って来てしまいました。」
「それは構わないけど。
お前は休みなんだから、飛石の拭き掃除も今はやらなくていいだろ?」

俯いてしまった牧野。
ぽつりぽつりと言葉が零れ出て来た。

「お休みを頂いていたのに戻って来てしまって・・・
何もしないでいるのは落ち着かなくて・・・
勝手な事をして申し訳ありません。」

そう言って頭を下げる。
休み中に働いている事を、謝る必要なんてないのに。

「すぐに日も暮れて暗くなる。
今日はもう片付けろ。」
「はい。」
「それと、これからメシ食いに行くから付き合え。」
「はい・・・。」

俺と目線を合わせないで項垂れている牧野を認めて、もやもやとした嫌な感覚が胸に広がる。
悪い予感はどうやら当たっていそうだ。
言葉少なな牧野を車に乗せて、すっかり暗くなった道をひた走る。
牧野は事故の後乗り物が苦手になってしまったからか、車の中では押し黙ってしまうのが常だ。

「牧野、着くまで寝ててもいいぞ。
あと30分くらい掛かるから。」
「はい、有り難うございます。」

乗り物が苦手なら、乗っている間眠ってしまえたら楽なのに。
緊張のせいなのか、俺に気を使っているのか、牧野は俺が運転している時に寝た事はない。
いつも黙って窓の外に顔を向けている。
今日家族との間で何があったのか。
どうして西門に戻って来てしまったのか。
聞きたいけれど、車の運転の片手間に聞くのは憚られて、俺も黙ったままハンドルを握る。
車の中は抑えめに掛けたBGMだけが流れていた。
着いた先は鎌倉の古民家を改築した宿。
隣にオーガニックレストランを併設していて、宿の方は一棟貸切の客しか取らない、完全にプライバシーが守られる場だ。
オーガニックの鎌倉野菜を使った創作イタリアンのディナー。
毎日西門で食べている料理とは随分違ったものだから、牧野も楽しめるのじゃないかと考えた。
小鳥のように少しずつ啄むように食べて。
「美味しいですね・・・」と呟く。
その姿に、在りし日の牧野を比べてしまう。
そんな事したとしても、何にもならないというのに。
食事の最後に、俺にはコーヒーが、牧野にはハーブティーが供された。

「これ、不思議な味がします。
何が入っているのかな・・・
すうすうするから、ミントが入っているのは分かるけど、他は分からないです。」
「口に合わないか? 変えてもらうか?」
「あ、いえ、美味しいです。
初めて飲む味だから、新鮮です。」

『初めて』。
牧野にとって、色んな事が初めてになってしまった。
何を口にしても初めての味。
何処に行っても初めての場所。
誰に会っても知らない人。
初めて尽くしの毎日とは、一体どんな心持ちなんだろう?

食事を済ませて、西門に戻ると思い込んでいる牧野を伴って、隣の古民家宿に入った。
2階建ての築100年を超えている建物は、深い色合いの床や梁の色と漆喰の壁のコントラストが印象的だ。
磨き込まれた床は暖かな照明の光を映し込んで、月明かりを水面に浮かべた池のように輝いている。

「総二郎先生、ここは・・・?」

まだこれが宿だと気付いていない牧野があちこちに視線を走らせながら戸惑いの色を隠さず聞いてくる。

「私は・・・ ここにも来た事があるんですか?」

俺が牧野を外に連れ出す理由。
それはいつも牧野の記憶を呼び覚ますことを願っての、思い出の地巡りだった。
だけど今夜は違う。

「いや、初めてだ。
初めて連れて来た。
お前、今日と明日、ここに泊まれ。
たまの休みなんだから、のんびりしろよ。
昼間は鎌倉観光でもして。
邸には明後日の夕方にでも戻ってくればいい。」
「え? そんな・・・
私、帰ります。帰りたいです。」
「駄目だ。
お前、邸にいると働いちまうだろ。
休みの日は休む。メリハリ付けろよ。」
「でも、こんな広い所に1人で泊まるなんて・・・
勿体ないですし、私には分不相応です。」

この広いリビングを見ただけで恐縮してしまっている牧野。
だけど俺は、静かで、何物にも邪魔されずにのんびりする時間を牧野に与えたかった。

絶対に何かあった筈なんだ。
親父さんの一周忌の為に実家に戻ったというのに、その日のうちに西門に帰って来るなんて。

「まあ、とりあえず座ろうぜ。」

L字型に配置された二つのソファの片方に腰を下ろした。
牧野がおずおずと斜め向かいのソファに座る。
目をパチパチと瞬いて、口はへの字にきゅっと結ばれて。
何か言いたげだけれども言わないでいるように見えた。

「休みなんだから、ここでゆっくりする。
それが今日、明日、明後日の、お前の仕事だと思えばいい。」
「先生のお心遣い、有り難いですが・・・
今夜のお食事だけでもう十分です。
私は帰りたいんです、自分の部屋に。」
「何だよ、ここだっていい部屋だぜ?
庭も広くていい風情なんだ。
明日歩いてみるといい。
ちょっと奥まってるところにあるから本当に静かだし、居心地いいぞ、ここは。」
「総二郎先生、私の為にこんなお部屋、本当に勿体ないですから・・・」
「もう2泊、貸し切っちまったから。
諦めて泊ってけ。」
「そんな・・・。」

今度は眉を寄せて泣き出しそうな顔になった。
ここに泊まるのは、そんなに嫌なんだろうか?
手放しで喜んだりはしないだろうと思っていたけれど、どうにも頑な過ぎる。
その理由は何だろう?

「なあ、今日どうして実家に泊まらないで帰って来たんだ?」

暫くの沈黙の後、牧野は重い口を開いた。
でもそれは俺の質問への答えではなく、牧野から俺への問いかけだった。

「先生は、私が記憶を取り戻すべきだって思われますか?」

つい、言葉に詰まる。
俺は本当はどっちを望んでいる?
記憶を取り戻して司の許へと駆けていく牧野と。
このまま真っ新なまま俺の傍にいる牧野と。
答えは明白だ。
でもそんな事は言えなかった。
代わりに煙に巻く言葉を連ねる。

「取り戻すべきって・・・
そうじゃないだろう?
取り戻せるか否かだ。
それも努力次第でどうにかなるもんでもない。
そんなの牧野が一番よく知ってるじゃねえか。」
「私は・・・ 何も思い出したくないんです。
怖いんです、思い出すのが。
今のままの日々がずっと続いていけば、それでいいんです。
でも母は・・・ そう思っていないみたいで。」
「そりゃそうだろうな。
お袋さんは家族で過ごして来た大切な時間を思い出してもらいたいって、そう思うだろ。」
「・・・母が望んでいるのはそれだけじゃないです。
私が道明寺さんと結婚して・・・
それでお金に不自由しない暮らしをしたいって・・・
そう思っているみたいで。」

やっと牧野が実家にいられなかった理由が分かった。
司と牧野との関係修復と、その先を望むお袋さんに何かを言われたんだろう。

「私はあの人と結婚なんて・・・ 無理です。
母に『必ず迎えに来ます。』って言い置いていったそうです。
そんな言葉、怖いんです。
昔を思い出したら、私はあの人の所に行かないといけないんでしょう?
それなら記憶なんかいらない。
思い出したくない。
私は・・・」

そこまで言って唇を震わせている牧野を見て、やるせない思いが俺を襲う。

『必ず迎えに来ます。』という言葉は、いかにも司が言いそうな台詞だ。
記者会見で『4年後、必ず迎えに行きます。』と宣言した時そのままだ。
司の気持ちはあの頃と一つも変わっていないのか・・・

「牧野。」

呼び掛けても返事もしないし、こちらも見ない。
じっと何かに耐えているようだった。

「牧野。」

もう一度名前を呼んで、やっと顔を上げた牧野と目線を合わせる。

「記憶があろうとなかろうと、お前はお前だ。
お前の思うままに生きたらいい。
その為に必要な事があるなら、何だって助けてやるよ、俺も、類も、あきらも。」

自分が必ず助けると言えずに、友の名前まで出して誤魔化す俺。
司と対峙する覚悟も、牧野を手にして荒波に乗り出す決心も持たないままに、牧野を想う気持ちだけがどんどん膨らんでいく。
この想いをどうしたらいいんだろう?
牧野は俺の事なんか想ってやしないというのに。
叶うとも思えないのに。

その後も何を話しても牧野は硬い表情を崩さないままだった。
「ここに泊まれ。」というのにも首を縦に振らないから、仕方なく俺も泊まることにした。
2階のベッドルームを使えと言っているのに、どうしてもいう事を聞かなくて。
俺がベッドルームを使って、牧野は1階の和室に布団を敷いて休むことになった。
いつもも一つ屋根の下に暮らしているけれど、それとはまったく違う。
一軒の家に二人きり。
隣に寝ている訳でも無いのに、その存在が気になり過ぎて、よく眠れないまま朝を迎えた。


__________



また間が開いてしまいました。
やっとUP出来ますー。
鎌倉の古民家宿、自分が泊まりたい、自分が!

更新できない間、色々ありましてね。
PC壊れるし、またインフルエンザの波がリアル拙宅にやって来るしでヘロッヘロでしたわ。
コメントへのお返事も滞っていてスミマセン。
なるべく早くお返事したいです!


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Call my name 11

鏡の中に映った自分の顔に驚かなくなった。
やっと『牧野つくし』という名前が自分のことだと考えないで返事が出来るようにもなった。
節々が痛む身体を薬で誤魔化しつつ働く日々にも何とか慣れた。
『ママ』のヒステリックな声が耳に届かない事は、私の心をきつく締め付けていた鎖から解放していく。
西門流の中では、季節が変わっていくのに合わせる以外、自分のやらなければならない事は毎日同じだ。
過ぎていく日々の中で同じことの繰り返しを丁寧に行っていく作業は、今の自分に合っていた。
だって私は何も知らないのだ。
記憶が消えると言うのは、生まれたての赤ちゃんのように全てがゼロになるのかと思いきや、私は言葉も話せるし、歩き方も、食べ方も知っている。
でも、記憶を失くす前に大学まで行って勉強してきた知識は全く自分の中に残っていなかった。
総二郎先生が仰るには、私は英語もある程度話せたそうだけど、今はそんな事が出来る気はしない。
数字も苦手だ。
計算をするのにとても時間が掛かる。
本を読んでいても、知らない漢字が沢山出て来て、それを調べる為に手間取ってしまう。
歯痒い事は多いけれど、私はこれでいいと思っていた。
ここでこうして生きていくのが、自分にとって最善なんじゃないかとすら思っていた。
あの人が急に私の前に現れるまでは。


静かな単調な日々を打ち破るかのように、ある日突然やって来た『道明寺司』という人は、こちらを射抜くようなギラギラとした眼光の持ち主で。
背の高い身体を更に大きく見せる、激しい勢いのようなものを身に纏っていた。
『ママ』がいつも口にしていた『道明寺様』。
それがこの人なのか・・・と思ったけれど、今にも飛び掛かって来そうな獣のようで。
顔を見ても何も思い出せないばかりか、その存在は目の前から直ぐにでも逃げてしまいたい程に怖かった。
どうしてかつての『牧野つくし』はこの人に恋をしていたんだろう?
いきなりやって来て、自分の意思を押し通そうとするその言動は、到底受けとめられるものじゃない。
胸の内に、温かい思いなんてひとつも湧いてこなかった。
何故?とか、どうして?とか、怖い・・・とか、そんな気持ちにしかなれない邂逅。
最後に残していった、「また来る。」という言葉が私に重くのしかかる。
背筋を悪寒が走って、自分が酷く怯えて震えている事に気付いた。

私はあの人の許に行かねばならないのだろうか?
少なくとも『ママ』はそれを望んでいる。
想像もつかない程の大金持ちと娘を結婚させれば、自分が幸せになれると信じている。
でも私は、思い出せないばかりか、恐怖しか感じられない相手の所に行きたいとは思えなかった。
こんな壊れかけている身体と、真っ白な記憶しか持たない女が、誰かの元に嫁ぐ・・・だなんて不可能だ。
毎日ここで庭の草をむしり、落ち葉をかき、水を撒き、廊下に雑巾を掛けて、窓を磨き、畳を拭く。
記憶を失くした私にも出来る仕事がここにはあり、そうして働くことで頂いたお給料を『ママ』に渡せる。
でも、そんなお金では『ママ』は満足してくれないのだ。
私は自分のこんな気持ちを押し殺してでも、あの人と結婚しないといけないのだろうか?

そう思い詰めて、つい総二郎先生に尋ねてしまった。

「総二郎先生、私は・・・」
「ん?」
「私はここにいても宜しいんでしょうか?」
「・・・ずっといればいいって、俺はそう言っただろ?」

いてもいいんだ・・・
あの人の許へ行けと、先生は言わないんだ・・・

総二郎先生の言葉を聞いて、溜息が零れそうな程に安堵する。

「ご迷惑ではありませんか?」
「お前の居場所はここだ。
ここがお前の家で、ここがお前の仕事場だ。
他にどこへ行くって言うんだ?」

ここは私の家・・・
そう思っていいのだと言葉にしてもらって、冷え切っていた身体に温かなものがさあっと流れ込んできたような気持ちになった。

「はい、有り難うございます・・・」

初めて自分の『家』と思える場を得られたんだと感じる。
私にとって、長い時間を過ごした病室も、『ママ』と『進』と暮らしたアパートの部屋も、自分の『家』と言うには程遠い場所だった。
だから総二郎先生の言葉はそれこそ涙が出そうな程に嬉しく、安心をくれた。
明日からもここで頑張っていこう・・・
そう改めて思える言葉だった。


あの人は「また来る。」と言って去って行ったけれど、その後、姿を現すことはなかった。
総二郎先生が花沢さん、美作さんと相談しておくと言ってくれていたから、私の意思が伝わっているのかもしれない。
ただ単に忙しいからここまで来ないのかもしれない。
私はどちらでも良かった。
会わないで済むのならそれで良かった。
でも再びその存在感を痛い程感じる事になる。

『パパ』の一周忌法要。
私が事故に遭って1年経ったという事になる。
私は3日間の休みを頂いて、家族が暮らすアパートへと戻った。
そこで目にしたのは、夫が亡くなって1年の節目を迎えたというのに上機嫌な『ママ』と、それを困りつつも止める術を知らない『進』だった。
その理由がまたも『道明寺様』だと知って、何とも言えない気持ちになる。

「ねえつくし、この前道明寺様とお会いしたんでしょ?
何か思い出した?
何て仰ってた?」
「え・・・?」
「ここにも来て下さったのよ!
パパのお仏壇に手を合わせたいって仰ってね。
お優しいわよねー。
それにほら、ウチにあったのは小っちゃくてボロボロの古ーい仏壇だったでしょ。
あれじゃパパが可哀想だって思って下さったみたいで。
こーんなに立派なお仏壇を贈って下さったのよ。
有り難いわね。
パパも絶対に喜んでるわよ!」

部屋の一角には、このアパートの部屋には不釣り合いな大きさの黒光りしている仏壇が据えられ、そこに置かれた『パパ』の遺影は恐縮しているようにしか私には見えなかった。

「こんな・・・」

高価な物を・・・と言いそうになった時、畳み掛ける様に『ママ』が興奮気味に話してくる。

「それだけじゃないのよ。
綺麗なお花もお供えして下さってね。
つくしの事もいっぱい心配して下さってたわよ。
『今はまだ無理だけれど、落ち着いたら必ず迎えに来ます。』って、頭を下げられたの!
あの道明寺様がよ!」

そう『ママ』がうっとりと呟く台詞に、また背筋をぞくりとした感覚が走り抜けていった。
「必ず迎えに来ます。」だなんて・・・
「また来る。」よりも恐怖を呼び覚ます言葉だった。

私はあの人の許には行きたくない。
もう会いたくない。
怖い。
怖い。
怖いとしか思えないのに。
何故『ママ』はこんなに嬉しそうに笑っているの?

上手く言葉も紡げないまま、3人でお寺へ行き、一周忌法要の読経をぼうっとした意識の中聞いた。
焼香の作法は、事前に本で読んでいたが、初めての事で戸惑ってしまう。
『ママ』の真似をしてなんとかやり遂げた。
和尚様の法話も、何を話されたのか憶えていない。
お寺の近くにあるお墓にお参りしてから、帰路についた。
アパートに帰って来て、『ママ』はそそくさと喪服から普段着に着替え、「今日はお鮨を取りましょ!」と嬉しそうに電話を掛け始める。

「姉ちゃん・・・」

『進』が小声で私に話し掛けて来た。

「ごめん、ママあんな調子で・・・
道明寺さんが来てからずっとあんな風なんだ。
香典をいっぱいもらっちゃったっていうのもあって、気持ちが大きくなってるんだと思う。」
「こうでんって?」

そう聞き返した私を一瞬驚き顔で見た後、私からすっと目を逸らした『進』が答える。

「うーんと・・・ 亡くなった人に供えるお金の事かな・・・」
「お金をいっぱいもらったって事?」
「う、うん。
葬儀にも、姉ちゃんの入院中にも来られなかったから、その見舞いも兼ねてって。
急な出費があったろうから、その足しにして下さいって言ってくれたみたいだ。」
「いっぱいって、どのくらい?」
「・・・500万円。」

『進』がますます私から顔を背けていく。
私はそんなに険しい顔をしてしまっているのだろうか?

「だからママは機嫌がいいの?」
「・・・そうみたいだね。」

500万円が大金だというのは分かる。
私が毎月『ママ』に渡しているお給料の何十倍もの金額だ。
自分の胸の中で、何か嫌な感じのものがぐるぐると渦を巻き始め、放っておいたらそれが口から飛び出してきそうな気がした。

「ごめん、進。
私、今日はこれで帰るね。
仕事があるから・・・」
「姉ちゃん、仕事は休みだって・・・」

そう言い掛けて止めた『進』にもう一度「ごめん。」と呟いて。
呆気に取られている『ママ』に短い言葉で言い訳をして、アパートの部屋から飛び出した。

ごめん、進。
あなたに『ママ』を押し付けて逃げて。
でもどうしたらいいのか分からないの。

帰れる場所は一つだけ。
早く『家』に帰りたい・・・と、それだけを強く思いながら、一歩、また一歩と道を歩いた。


__________



色々ありまして・・・
すっかり間が空いてしまいました(;^ω^)
お久しぶりの「Call my name」です。
この話、長くなりそうで怖い((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
つくしママ、すっかり悪者でゴメンナサイ。
でも少なからず自分の中のママのイメージってこんなです。

年末年始、インフルでダウンでしたが。
今度は周りの人達が次々とインフルに罹ってます!
各地で猛威を振るっているそうですね。
インフル対策は、手洗い、マスク、加湿、こまめな水分補給!だそうですよー。
(罹った管理人が言うのもなんですが・・・)
皆様、しっかり対策で乗り切って下さいね!
管理人もB型に罹らない様に気を付けます・・・
(先日A型に罹ったからさ。)
因みにまだ初詣に行けてません!


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つくしの新年第一声獲得レース 結果発表

F4の誰もが狙っている。
新年になった瞬間に、自分が一番最初につくしからの「明けましておめでとう。」や「今年もよろしく。」を聞きたいと。
一番にそれを聞けたからと言って、つくしとの関係が急に近付く訳でも何でもないけれど。
互いの間には、あいつらだけには負けたくない・・・という、変な対抗心がある。

NYと東京の時差は14時間。
日本の方が早く年が明ける。
それをうっかり見誤って、司はあっさり戦線離脱。

同じ日本にいたとしても、どうにもならない家業の男もいる。
総二郎の年末年始は忙しい。
次期家元という立場故に、絶対に抜けられない大晦日と元旦の茶事。
家元と、家元夫人、総二郎と、家元直近の内弟子だけで行われる、大福茶。
その合間につくしに電話したりする余裕は全くなく・・・
気持ちはあれども、伝わらない。
そんな訳で、総二郎も脱落。

こんな時、一番キッチリしていそうなあきらに分がある。
いつも自分に纏わりついている双子たちはもう夢の中。
両親は2人でリビングの暖炉の前で、グラスを傾けながら、年甲斐もなくイチャイチャしている。
自室に戻って、窓辺に立って空を見上げて。
電話が繋がったら、「おめでとう。」だけじゃなく、「そこから星見える?とっても綺麗だよ、今夜は。」なんて言ってみよう・・・と思う。
携帯の時刻表示を見ながら、掛けるタイミングを計って・・・
0時ピッタリにつくしの番号をタップする。
だけど、何度コールしてもずっと話し中!

そう、つくしの新年第一声を聞けたのは、類。
類はしっかり見抜いていた。
司が日本時間に合わせて電話してきたり出来ない事も。
総二郎が多忙な事も。
あきらが日付が変わった瞬間を狙っている事も。
つまり、実質的な敵はあきらのみ。
そのあきらを封じ込めるには・・・
0時になる前からつくしと電話していればいい。
たっぷりと昼寝をして、これに備えておいたから、23時45分につくしに電話を掛けられた。
紅白歌合戦を観ていたというつくしの、「あの歌、すっごい感動しちゃった!」だとか、「あんなコラボあるなんてもうビックリ!」なんていうちょっと興奮気味な声を聞いているうちに、日付けは変わる。

「あ、年明けたー!
類ー、明けましておめでとー!
今年もよろしくねっ!」
「うん、おめでと、牧野。
こちらこそよろしくね。」
「うふふ、なんかいいね、たまたま電話してて、新年になって。
おめでとうって言い合うなんて。」
「そうだね。
今年の初めに聞いた声が牧野だなんて、明るい1年になりそ。」
「いや、あたしの声にそんな効果はないけどさ・・・」

何も知らないのはつくしだけ。


<勝者・花沢類さんの談話>
別に・・・
策略家なんかじゃないから、俺。
牧野とあいつらを見てれば自然と分かっちゃう事でしょ。
俺、牧野が好きだから、牧野の『初めて』は何だって俺が貰いたいんだ。
だから、今年のファースト「明けましておめでとう。」も貰ったよ。
まあ、来年も、再来年も、俺が貰う事になるけどね。


__________



明けましておめでとうございます。
昨年は、色んな事があって、お話の更新もいっぱいお休みを頂いちゃいました。
今年はコンスタントにUPしていけたらな・・・と思っています。
これからも応援宜しくお願いします<(_ _)>

ちょっと時間があったので、新年早々おバカな妄想をしてみました。
色んなパターンを考えても、どうやっても類が勝者になる気がしてならない(笑)

インフルエンザの波がリアル拙宅を襲いまして。
エライ目に遭いました。
12月23日から発熱、24日に高熱に。25日にインフル検査陽性2名。
それを看病してて、28日に自分もインフル陽性。
発症後5日、解熱後2日を経過しないと外出はしない方がいい・・・とのことで。
元日の今日も自宅に閉じこもってテレビ三昧です。
皆様もどうぞお気を付け下さいませー。


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