He is my Prince Charming 4
急遽決めた帰国。
今は木曜日の午後。
明日の昼のロンドン-羽田便には絶対に乗りたい。
そうすると、仕事できるタイムリミットは明日の朝まで。
帰国をつくしに合わせるなら、帰りのフライトは水曜日だ。
明日と水曜は有給休暇を使うとして…
月曜と火曜は東京のオフィスに仕事を回せばなんとかなるか?
とりあえず飛行機の席を押えて、目の前にある山積みの仕事と格闘した。
急に一時帰国するなどと言い出した俺を、スタッフ達が目を白黒させて見つめてきたり、聞こえよがしにあれこれ囁いたりしているが、そんなのかまっていられない。
そもそも恋人を1人で日本に帰したが、心配になって追いかけていく…なんて言えるか!
無我夢中でデスクワークをこなし、やれる事はやった…とPCの電源を落としたのは、オフィスに朝日が射し込む頃だった。
流石に疲れ切っていて、流しのブラックキャブを停めて乗り込んだ。
フラットに着くまでの短い時間にも眠り込みそうになるのを必死に堪えて。
重い身体を引きずってなんとか帰り着き、シャワーを浴びて、着替えをした。
そう言えばろくに食べてもいなかったけれど、飯を作る気には到底なれない。
コーヒーだけ飲んで、空港に向かうことにした。
またブラックキャブを捕まえて
「Could you take me to Heathrow Airport Terminal 3 ?」
(ヒースロー空港ターミナル3まで。)
とだけ言って、疲れ切った身体をシートに任せる。
空港に着くまでの30~40分、俺はすっかり寝込んでいたらしい。
ターミナルの降車所でドライバーに声を掛けられ、寝惚けたまま、料金とチップを払って車を降りた。
夢見心地でふわふわとした足取りのまま、航空会社のカウンターで手続きをする。
荷物を全く持たない俺を訝しそうに見る係員。
いいんだよ、財布とパスポートさえあれば。
それと携帯か…
ああ、俺、つくしに連絡しなきゃ。
あいつ、今日は何してるんだ?
実家に帰ってゆっくりしてるかな?
そんなことを思いつつ、プライベート用の携帯をチェックすると、つくしからのメールが2通。
仕事していて気が付けなかったらしい。
1通目は昨日の深夜。日本では朝になった頃。
「昨日は連絡せずにごめんなさい。
実家に着いたらメールするって約束だったのに。
家に着いた途端に滋さんと桜子と類と西門さんに捕まって、メープルに連れてこられて。
気が付いたら寝ちゃってた。
今は何故か道明寺までも一緒に朝ご飯を食べるところです。
お蔭で時差ボケはないけれど…
皆忙しいみたいで、今日はご飯を食べたらお仕事に行くって。
あたしは実家でのんびりします。
またメールするね。
お仕事頑張って!
ちゃんとご飯食べてね。」
最後の一文を守れていなかったので、ちくっと胸が痛んだ。
2通目は今朝の8時。あっちは夕方か。
「お早う、あきら。
ぐっすり眠れた?
そろそろ出勤時間かな?
あたしがいなくてもちゃんと起きれてる?
朝ご飯、カフェで摂ったのかな?
あたしは今日はママとお喋りしながら過ごしました。
明日のお昼はお友達の結婚式に行ってくるね。
時間に余裕があったらメールか電話してね。
待ってる。」
電話しようかなと思ったが、ちょっと考えてメールにすることにした。
飛行機に乗る前に、つくしに会うために日本に向かうなんてばれたら、来るなと言われそうで。
たった1週間。それぐらい大丈夫。
俺だってそう思ってたさ。
気軽に送り出したつもりでいたんだ。
でも昨日みたいな事があると、俺は居ても立ってもいられなくなるよ。
俺がいないところで、他の男が…、類や司がお前に触れるなんて。
いや、俺がいるところでだってダメだけど。
やっぱり俺はもうお前を離せないよ。
いつも一緒にいなければ。
俺の側にいてくれなければ、俺はこんなにも弱くなる。
「仕事が忙しくて連絡できなくてごめん。
疲れは取れたか?
明日に備えて、今夜はゆっくり寝かせてもらえよ。
中学の時の友達と会えるのも久し振りだろ?
結婚式、楽しんできて。
また、明日連絡する。」
明日、サプライズで結婚式の会場まで迎えに行こうと決めた。
どれだけ驚くかと思ったら、想像するだけで胸が踊る。
ラウンジでまたコーヒーだけ飲んで、搭乗口に向かう。
つくしがいなくなった途端に食事しなくなったと知れたら、後でどんなお小言を頂く事になるやら。
でも、食べたい物が浮かばないんだ。
つくしと一緒に食べるなら、何だって美味しく感じられるのに。
早くつくしのところに行かないと。
ファーストクラスのシートに身を沈めて、やっとゆっくり眠れる…と目を閉じた。
__________
はい、あきら、飛行機乗っちゃいました!
明日迎えに行くってよー。
社会人なんだから、体調管理も仕事のうち!
ちゃんとご飯食べなさいよねっ。
つくしはそんな風に叱るのかしら?
ファーストクラスはさぞかしご飯も美味しいんでしょうねぇ。←小市民の考え…
あきらは目を覚まして食べるのだろうか???
さてさて、キリ番「77777」が近づいてまいりました。
2~3日中かな?と思いますー。
皆様への細やかなお礼代わりに、またまたキリリク受け付けさせて頂きます!
『キリ番踏んだよ!』という方がいらしたら、コメントか拍手コメントからお知らせ頂けたら嬉しいです。
リクエストは誠に勝手ながら
★総つく・あきつく・類つくのどれかで、パス無しで書けるお話。
★それまでに一度でも拙宅にコメントor拍手コメントして頂いた方。
に限らせて頂きます。
前回狙って外れちゃった方も、どうぞ狙ってみてください!
スマホをご利用の方は、「スマートフォン版で表示」でご覧いただいていると、アクセスカウンターが見えないんですよね…
管理人のスマホ(iPhoneですが…)では、敢えてPC表示にしているとカウンターも見えてます。
スマホからご覧の方はキリ番狙う時だけでも、PC表示に切り替えてご覧くださいませ!
ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
今は木曜日の午後。
明日の昼のロンドン-羽田便には絶対に乗りたい。
そうすると、仕事できるタイムリミットは明日の朝まで。
帰国をつくしに合わせるなら、帰りのフライトは水曜日だ。
明日と水曜は有給休暇を使うとして…
月曜と火曜は東京のオフィスに仕事を回せばなんとかなるか?
とりあえず飛行機の席を押えて、目の前にある山積みの仕事と格闘した。
急に一時帰国するなどと言い出した俺を、スタッフ達が目を白黒させて見つめてきたり、聞こえよがしにあれこれ囁いたりしているが、そんなのかまっていられない。
そもそも恋人を1人で日本に帰したが、心配になって追いかけていく…なんて言えるか!
無我夢中でデスクワークをこなし、やれる事はやった…とPCの電源を落としたのは、オフィスに朝日が射し込む頃だった。
流石に疲れ切っていて、流しのブラックキャブを停めて乗り込んだ。
フラットに着くまでの短い時間にも眠り込みそうになるのを必死に堪えて。
重い身体を引きずってなんとか帰り着き、シャワーを浴びて、着替えをした。
そう言えばろくに食べてもいなかったけれど、飯を作る気には到底なれない。
コーヒーだけ飲んで、空港に向かうことにした。
またブラックキャブを捕まえて
「Could you take me to Heathrow Airport Terminal 3 ?」
(ヒースロー空港ターミナル3まで。)
とだけ言って、疲れ切った身体をシートに任せる。
空港に着くまでの30~40分、俺はすっかり寝込んでいたらしい。
ターミナルの降車所でドライバーに声を掛けられ、寝惚けたまま、料金とチップを払って車を降りた。
夢見心地でふわふわとした足取りのまま、航空会社のカウンターで手続きをする。
荷物を全く持たない俺を訝しそうに見る係員。
いいんだよ、財布とパスポートさえあれば。
それと携帯か…
ああ、俺、つくしに連絡しなきゃ。
あいつ、今日は何してるんだ?
実家に帰ってゆっくりしてるかな?
そんなことを思いつつ、プライベート用の携帯をチェックすると、つくしからのメールが2通。
仕事していて気が付けなかったらしい。
1通目は昨日の深夜。日本では朝になった頃。
「昨日は連絡せずにごめんなさい。
実家に着いたらメールするって約束だったのに。
家に着いた途端に滋さんと桜子と類と西門さんに捕まって、メープルに連れてこられて。
気が付いたら寝ちゃってた。
今は何故か道明寺までも一緒に朝ご飯を食べるところです。
お蔭で時差ボケはないけれど…
皆忙しいみたいで、今日はご飯を食べたらお仕事に行くって。
あたしは実家でのんびりします。
またメールするね。
お仕事頑張って!
ちゃんとご飯食べてね。」
最後の一文を守れていなかったので、ちくっと胸が痛んだ。
2通目は今朝の8時。あっちは夕方か。
「お早う、あきら。
ぐっすり眠れた?
そろそろ出勤時間かな?
あたしがいなくてもちゃんと起きれてる?
朝ご飯、カフェで摂ったのかな?
あたしは今日はママとお喋りしながら過ごしました。
明日のお昼はお友達の結婚式に行ってくるね。
時間に余裕があったらメールか電話してね。
待ってる。」
電話しようかなと思ったが、ちょっと考えてメールにすることにした。
飛行機に乗る前に、つくしに会うために日本に向かうなんてばれたら、来るなと言われそうで。
たった1週間。それぐらい大丈夫。
俺だってそう思ってたさ。
気軽に送り出したつもりでいたんだ。
でも昨日みたいな事があると、俺は居ても立ってもいられなくなるよ。
俺がいないところで、他の男が…、類や司がお前に触れるなんて。
いや、俺がいるところでだってダメだけど。
やっぱり俺はもうお前を離せないよ。
いつも一緒にいなければ。
俺の側にいてくれなければ、俺はこんなにも弱くなる。
「仕事が忙しくて連絡できなくてごめん。
疲れは取れたか?
明日に備えて、今夜はゆっくり寝かせてもらえよ。
中学の時の友達と会えるのも久し振りだろ?
結婚式、楽しんできて。
また、明日連絡する。」
明日、サプライズで結婚式の会場まで迎えに行こうと決めた。
どれだけ驚くかと思ったら、想像するだけで胸が踊る。
ラウンジでまたコーヒーだけ飲んで、搭乗口に向かう。
つくしがいなくなった途端に食事しなくなったと知れたら、後でどんなお小言を頂く事になるやら。
でも、食べたい物が浮かばないんだ。
つくしと一緒に食べるなら、何だって美味しく感じられるのに。
早くつくしのところに行かないと。
ファーストクラスのシートに身を沈めて、やっとゆっくり眠れる…と目を閉じた。
__________
はい、あきら、飛行機乗っちゃいました!
明日迎えに行くってよー。
社会人なんだから、体調管理も仕事のうち!
ちゃんとご飯食べなさいよねっ。
つくしはそんな風に叱るのかしら?
ファーストクラスはさぞかしご飯も美味しいんでしょうねぇ。←小市民の考え…
あきらは目を覚まして食べるのだろうか???
さてさて、キリ番「77777」が近づいてまいりました。
2~3日中かな?と思いますー。
皆様への細やかなお礼代わりに、またまたキリリク受け付けさせて頂きます!
『キリ番踏んだよ!』という方がいらしたら、コメントか拍手コメントからお知らせ頂けたら嬉しいです。
リクエストは誠に勝手ながら
★総つく・あきつく・類つくのどれかで、パス無しで書けるお話。
★それまでに一度でも拙宅にコメントor拍手コメントして頂いた方。
に限らせて頂きます。
前回狙って外れちゃった方も、どうぞ狙ってみてください!
スマホをご利用の方は、「スマートフォン版で表示」でご覧いただいていると、アクセスカウンターが見えないんですよね…
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スマホからご覧の方はキリ番狙う時だけでも、PC表示に切り替えてご覧くださいませ!
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