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この部屋、ペット禁止です! 9」(5/14更新)
です。


5月10日までに頂いたコメント・拍手コメントには、コメントを頂いた記事のコメント欄にてお返事させて頂きました。
有り難うございました(^O^)
過去のお話たちもいっぱい愛でて頂いて嬉しいです♪
拍手ボタンや、ランキングボタンをポチっとして頂いた方も有り難うございます。
皆様の優しさに背中を押されております!


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踏まれた方はご一報下さい♪
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この部屋、ペット禁止です! 9

お昼休み、ユカちゃんの興味津々な視線と質問を何とかやり過ごして、はあ・・・と溜息。
気持ちが落ち着かないせいか、頼まれていた書類が仕上がらなくて、2時間くらい残業してしまった。

あー、駄目だ、駄目だ、こんなじゃ・・・
ちゃんとしなくちゃ・・・
あたし、暫くお酒控えよ・・・

重たい身体を引き摺ってのろのろと部屋へ帰る夜道。
何だか痺れたような脳味噌であんまり頭が回らない。

晩ご飯、どうしよ・・・
冷蔵庫、色々入ってたから、買い物しなくても多分何とかなる筈。
お弁当は・・・、うーん、今は浮かばないー。
今日はお弁当作る時間も無くて、外に食べに行っちゃったから、明日はちゃんと作らなきゃ。
節約は大事よね。
ちりも積もれば山となる・・・よ。

玄関のドアを開けると、灯りが点いていて、何だか美味しそうな香りが漂ってる。
一瞬、実家のアパートに帰って来たかのような感覚に襲われた。
パパとママと進がいて。
ママが料理を作って待っていてくれたアパートの部屋。
でもそんな懐かしさも一気に吹っ飛ぶ、デカい図体のペットのお出ましだ。

「お帰り。」
「・・・ただいま。」
「つくしちゃん、遅くなるなら連絡入れろよ。」
「何でペットに連絡入れるのよ?
大人しく待ってればいいじゃん、ペットなんだから。」
「暗い夜道は危ねえだろ。
遅くなるなら、駅まで迎えに行ってやるから。
お前の頼りがいのある番犬が。」

口の減らないペットだ。
あたしがこの人に口で勝てる訳もないんだけど。

「・・・別に、態々呼ばないよ。
今迄、残業の時だって、飲み会の時だって、もっと遅い時間になっても独りでここまで帰って来てるんだから。
駅から歩いて7分くらいしかかかんないし。」
「途中暗いところあるだろうが。」
「そんなのしょうがないよ。
世の中の全部の道に歩道があって、煌々と照らされてたりしないでしょ。」
「お前、人が心配して言ってんのに・・・」

諦めてくれたのか、はあ・・・と溜息を吐いて、ペットがリビングダイニングに入ってく。
バッグを降ろして、手を洗って。
あたしも後に続いたら、テーブルの上には沢山のお料理が並んでいた。

「え? どしたの、これ?」
「デリバリー頼んだ。」
「あ、ごめん、お腹減ってご飯待てなかった?」
「違う、疲れて帰って来るお前に料理させたくなくて、だよ。
流石に俺は料理までは不得手だからな。」
「え・・・、ありがと。」
「早く着替えてこいよ。冷めちまうぞ。」
「・・・うん。」

何かペットが優しい。
今朝から妙に優しい。
ん? 昨日の夕方からか?
泊めて匿ってあげてるお礼のつもりなのかな?

首を捻りながら部屋着に着替えて。
テーブルまで戻ると、ペットは先にビールを飲み始めてた。

「ビールなんか飲んで、手が余計にズキズキしても知らないから。」
「んー? もうそんなに痛まないから大丈夫だろ。」
「ふうん。」
「昨日イタリアンだったから、今日は中華にしてみた。
頼んだら、たった30分でこれだけ届くんだぜ。
凄くねえ?」

微かな興奮を隠せずに目を輝かせているお坊ちゃまは、普段はフードデリバリーサービスなどはお使いにならないらしい。
まあ、あのお邸にデリバリーのバイクや自転車に乗った人がお料理届けるって、ちょっとイメージ出来ない。
でも出前とか、デリバリーアプリとかって、そんなもんだよねえ?
あたしもたまーにしか使わないけど。
優紀が泊りに来た時、2人でピザとかエスニック料理なんか頼んだことある。
直ぐにアツアツのお料理持ってきてくれて、ホント有り難いのよね。

「それにやっすいの。
これで5000円しないんだぜ。ヤバいよな。」
「全然ヤバくないし、フツーだし、これは頼み過ぎ。」
「そーか? 注文し過ぎるとお前が怒るだろうと思って、前菜と点心とデザートは省いたんだぜ、これでも。」

芝海老のチリソース、鶏肉の黒豆炒め、酢豚、海鮮チャーハン、牛肉入り焼きそば。
この人は2人でこれを食べきれると思ってるんだろうか?
さっさと1人で取り皿に自分の分を取り分けてる。

「ほら、食おうぜ?
つくしちゃんもビールでいいのか?」
「あ、あたし、お酒飲みたくない。」
「じゃ、こっちな。」

どこで仕入れたのか、ウーロン茶のペットボトルを傾けて、グラスに注いでくれてる。

「ほら、お疲れ、つくしちゃん。」
「・・・ありがと。」

軽くグラスを掲げて、乾杯めいたことをして。
晩ご飯が始まった。

「お、結構イケる。」
「・・・十分美味しいって。」
「でもちょっと味濃くて、油っこいな。」
「一般庶民が食べてる中華料理はこんな感じなの。
白いご飯が進む味付けなのよ!」
「はー、成程な。」

そう言って、大きな海老をひょいと口に抛り込んでる。

「昨日は肉食ったから、今日は海鮮系食いたくってよ。」
「ふうん・・・、そう言えばお昼ご飯はどうしたの?」
「つくしちゃんの作ったおかずが色々冷蔵庫入ってたから。
それ温めて食べた。
大人しく留守番してましたよ、今日は。」

褒めろと言わんばかりの勝ち誇った顔してこっちを見てる。

褒めないわよ。
それが当たり前でしょ?
身を隠してるんだから、静かにしてないと。

そのニカニカ笑ってる顔の下になんだか違和感。
首元に昨日まではしてなかったペンダントがぶら下ってる。
シルバーで、艶消しで、あたしが今耳に着けてるピアスや、今朝バッグに取り付けられたキーホルダーにぶら下がってた『S』のチャームが付いたブレスレットのパーツにもよく似ているペンダントトップ。
更にそこの横には小さな円いチャームも揺れていて・・・
もしかして、もしかしたら・・・?とモヤモヤした気持ちが湧いてくる。
目をぱちくりさせながらも、じーっとそのペンダントを見てしまった。

「何だよ? 俺の胸元なんか熱心に見ちゃって。ヤラシイな、つくしちゃん。」
「胸元なんて見てないよっ!
そのペンダント。ペンダント見てたの!」
「あー、これ?
昨日の店で買ったヤツ。
お前にも試着して見せたじゃん。」

そう言われれば、そんな事あったかも。
でも碌に見てなかったっけ。

「首輪付けてんだよ
つくしちゃんのペットですーってシルシ。」
「はあ? 何それ? 全く要らなくない?」
「お前だって、自分のペットだって思ったら愛着湧くだろ?
俺はつくしちゃんのモノですーって分かるように、ほら、『T』って入ってんの。」

そう言って、手探りで円いチャームを摘まんで、あたしの方に見せつけてくる。

「じゃあ、ブレスレットに『S』っていうのがくっ付いてるのは・・・」
「それ見たら『あ、あたしのペットは今どうしてるかな?』って思い出すだろ?
飼い主の自覚、持ってもらおうかと思って。
って、お前、ブレスしてねえじゃん!」

はあああ・・・とあたしの口から深い溜息が出る。
それが何となくニンニクの香りがするのはこの際仕方ない。

何を考えてるんだ、このペットは?
何であたしが飼い主の自覚なんて芽生えさせなきゃいけないの?

「もうさー、そういうのいいから、お邸帰れば?」
「まだちょーっと無理そう。」
「ねえ、ホントにゴタゴタを収めて帰る気あるの?
毎日何か解決に向けて行動してんの?」
「色々やってんだよ、お前が見てないとこで。」

まああたしが会社に行ってる間に時間はたっぷりあるんだろうけど。
何してんのかあたしにはちっとも分かんないし。

「いつまでここにいるつもりよ?」
「うーん、来週頭には絶対に外せない仕事がある。
支部で俺の講演会があるんだよ。」

腐っても若宗匠。
責任も背負ってるらしい。

「じゃあ今週中にどうにかするのね?」
「まあ、そう言う事になるな。」
「分かった。今週まではウチに居ていいけど、週末に絶対帰りなさいよ!」
「ハイハイ。」
「真剣に考えてる?」
「俺はずっと真剣にやってるって。」
「ホントかな?」
「俺を信じろよ。」

こんなぐうたらペットを信じろって言われても・・・
なかなか難しいわよね!


________________



やっと1話UP出来ます。
病人のお世話で疲れ果てましたわ。
コメントへのお返事、もう少しお待ち下さいね。


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この部屋、ペット禁止です! 8

手早くシャワーを浴びて、パッと服を着て。
急いで髪の毛を乾かしたら、テキトーに化粧水と乳液を顔にピタピタして、BBクリームをぐいぐい塗り広げ、眉を描いた。
今は時間がない。
顔は眉と口元さえ整ってればそれなりに見える・・・はず!
脱衣室の引き戸をがらっと開けると、部屋にはふわーんとコーヒーの香りが漂っていた。
なんと、キッチンでコーヒーを淹れているペットがいる。
ブラのホックが外されていた件についてしっかり意見してやろうと思っていたのに、その光景にうっかり毒気を抜かれた。

「つくしちゃん、時間ねえんだろ?
ほら、カフェオレ。」
「う、うん、ありがと・・・」

ちょっとドギマギしながらマグを受け取る。
そのタイミングでトースターがチーンと鳴って、温められたパンがペットの手によってお皿に載せられ、すっとあたしの前に差し出された。

「何驚いてんだよ? 俺だってコーヒー位淹れられるし、トースターでパン焼くのだって出来るんだよ。」
「へえ・・・」
「急いで食えよ。
いつもお前が出て行ってる時間の5分前だぜ?」
「ええっ? もうそんな???」

テーブルに就いて、慌ててパンを口に詰め、カフェオレで流し込む。
ミルクをたっぷり入れてくれたのか、ごくごく飲める温度のカフェオレになっていた。
2分で食べ終わって、「ご馳走さまっ!」と叫んで。
1分で歯磨きをして、最後にルージュを引いた。
もう行かなきゃならない。
バッグを引っ掴んで、靴を履く。

「あたしのマグとお皿、帰ってきたら洗うからっ!」

そう言ったら、くいっとバッグを引っ張られる気配がした。
何かと思ってバッグを見ると、ペットの手が昨日買ってくれたキーホルダーを取り付けてくれている。

「あ、ありがと・・・」
「ちょっとこっち向いてみ?」

何よ、何なのよ? もうタイムリミットだってば!

そう思っているのに、ついその声に導かれて振り仰いでしまうあたし。
するりと伸びて来た指先が、あたしの髪の毛を整えて・・・
今度は耳朶を擽るから、思わず首を竦めた。
温かな指が耳に触れているのを感じて、瞬時に顔がかあっと熱くなる。

「うん、思った通り。それ似合ってるわ、牧野。」

そう言われて、昨日のピアスを耳朶に刺されたんだと気付いた。
そこに手をやると、ひやりとしたものが揺れている。
あたしの様子を見て、ふっ・・・と笑ったペットが、いつもより何だか甘い空気を醸し出してて、胸がざわざわ騒いでるのを感じた。
朝からこの雰囲気、ヤバいんだけど。

「時間だぞ。」
「あ・・・、うん、そうだね。行ってきます。」
「ああ、気を付けてな。慌てて転ぶなよ?」
「そんな事しないよっ。」

そう言い残して玄関を飛び出した。

はー、ヤバい、ヤバい。
朝からフェロモン出されるといつも通りでいられないわ。
アイツにとってはどうってことない事も、色々経験値が低いあたしには効いちゃう訳で・・・
イヤイヤ、もう考えないっ!

今あったことを吹っ切ろうと、駅まで急ぎ足で歩く。
そうすると、耳元でピアスが揺れて自己主張してきた。
時折ひやっとしたものが肌にぶつかるから、その度にさっき耳朶にピアスを着けてくれたのを思い起こしてしまって、心臓がドキっと跳ねる。

ペットのくせに!
ペットのくせに!!
ペットのくせにーーー! !!
人の心、煩わせてんじゃないわよ!!!

会社に行ったらいつも通りに仕事が始まって落ち着ける筈・・・と思っていたけれど。
デスクに辿り着いた途端に、背中合わせの席のユカちゃんが、あたしの後ろにぴたっと椅子をくっつけて、目をキラキラ輝かせてる。
ユカちゃんは同期の中で、いや、この部署でも一番可愛い女の子。
美人さんだし、気立ても良くって、男性社員から大人気。
黒髪ロングがサラサラと揺れて、笑顔がとっても眩しい、あたしにとっても憧れの同僚だ。
これは内緒だけど、ハーフのイケメン先輩社員とこっそりお付き合い中。
美男美女で、並んだらとってもいい感じなんだろうな・・・と勝手に想像してた。
そのユカちゃんが朝の挨拶もそこそこに質問してくる。

「ねえねえ、つくしちゃん! 昨日の人って・・・」
「え、あ、センパイ! センパイなの、高校と大学の時のっ。」
「お付き合いしてる人なんかいないって言ってたのに・・・ 隠してたの?」
「イヤイヤイヤイヤ、付き合ってないから、あんなのと。」
「あんなのって・・・ 芸能人かモデルさんみたいにスタイル良かったよー。
キャップで顔はあんまり見えなかったけど。
ねえ、何してる人?」

茶道の次期家元です・・・なんて言ったら、即バレちゃうし・・・
ウチのペットです・・・なんて、もっと言えないし・・・
ど、ど、ど、どうすれば・・・?

「うーんと、お家のお仕事を手伝ってる・・・的な?」
「あ、お家、自営業なんだ。」

茶道の宗家を自営業とは言わないかもしれない。
財団法人・・・とか、社団法人・・・とか、そういうものだったよね?
でも言えない・・・

「え? あ、うん、そう・・・なのかな?」
「あー、なるほどねー。
自分の時間が自由になるから、つくしちゃんの定時に合わせてお迎え来てくれたんだ。
優しい彼じゃない!」
「うーん、あのね、彼じゃないの。」
「ふふふ、つくしちゃん、照れてるー!
で、昨日はどこ行ったの?」
「・・・そこら辺ぷらっと歩いて、ちょっと買い物して。
晩ご飯食べて帰ったよ。」
「もしかして、そのままつくしちゃんちにお泊まり・・・したとか?」
「ええっ?」

何でユカちゃんにそれが分かるの?
実際3日前からリビングに泊めてますけど。
昨夜はうっかり2人でベッドで寝ちゃったみたいなんだけど。
決してそーいう関係ではなく・・・
今はペットと飼い主な訳で。
でも人には言っても理解されないだろうし。
どーしよ? どーしたらいいのっ?
とりあえず・・・

「あ、課長こっち見てるっ! 仕事しないとっ!」

と誤魔化した。
ユカちゃんもやっと自分のデスクに戻ってく。

ううう・・・
朝から何だか疲れたよ・・・
気疲れってやつなのか、ちょっぴり二日酔いなのか・・・

溜息を吐きながら、バッグからスマホを出して、マナーモードになってるか確認しようとした。
仕事中に着信音が鳴り響くのは嫌だから。
スマホを探っているうちに、触った事のない感覚の物が指先に当たる。
何だろ?と引っ張り出してみたら・・・
それは昨日買ってもらったキーホルダーで。
だけど鍵の代わりに銀色の鎖がくっ付いてた。
あたしが今耳にぶら下げているんだろう、昨日買われてしまったピアスとよく似たパーツに、細い鎖が付いているもの。

何これ?
ブレスレット?
こんなのまで買ってたの???

手に載せてまじまじと見詰めてみると、センターパーツの横に小さな丸いチャームが揺れている。
そこには『S』のアルファベットが刻んであった。

何で『S』?
あたしのイニシャルなら『T』でしょ?
まあ、もしくは『M』よね。
『S』って、生まれ月のDecemberの『D』でもないし・・・
さー、しー、すー、せー・・・
そ、そ、総二郎の『S』???
何であたしにくれるブレスレットに自分のイニシャルなんか入れてんの?
何かの間違い???

鎖を見詰めたまま、目をパチパチしてしまう。
これを見てたんじゃ仕事にならない。
とりあえず何も見なかった事にして、キーホルダーごとバッグに戻した。
だけどついつい考えてしまう。

『S』って、『S』って、何なのよー???


________________



仕込んだ『S』爆弾。
効き目、どんなかなー?


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この部屋、ペット禁止です! 7

あたしのベッドは身に余るセミダブルサイズ。
それは何故かって言うと、F3が買ってくれた品だからだ。
これが部屋に搬入された時、てっきりシングルベッドが届くと思っていたあたしは、そのドーンとした存在感に驚かされた。
そして慌ててF3に電話した。

「類! ベッド届いたけど、これ大き過ぎるよ!」
「寝室に入んなかった?」
「入ったけどさ!」
「じゃ、いいじゃん。」
「いや、圧迫感が凄いっていうか、無駄に大きいっていうか・・・」
「俺のベッドはもっと広いんだけど・・・」
「それはお部屋も広いからでしょ!」
「牧野はどうせ寝る時にしか寝室に入らないんだから大丈夫じゃない?
すぐに慣れるよ。」
「慣れないよ、こんなのーーー!」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ。」
「全然大丈夫じゃないっ!」

「あ、美作さん?
さっき頂いたベッドが届いたんだけどさ・・・
これ、サイズ間違ってない?
何かとっても大きいんだけど・・・」
「牧野がのびのび寝られるようにそのサイズにしたんだよ。
もう寝てみた?」
「え? ううん、まだだけど・・・」
「寝てみろよ。
牧野が手と脚全部伸ばしてもはみ出さないサイズの筈だ。
疲れて仕事から帰って来たならゆったりとしたところで寝て、英気を養って欲しいって願ってる俺達からのプレゼントだから。
使ってくれよな。」
「・・・う、うん。ありがと。」

「ねえ、西門さん・・・」
「お、つくしちゃん、どうした?
珍しいな、お前から電話してくるなんて。」
「何でセミダブルなの、あたしのベッド・・・?」
「そりゃ、お前、いつか恋人を部屋に呼ぶ為の舞台だから。」
「はあっ?」
「晩生のつくしちゃんだってそのうち恋人作るだろ?
で、そうなったら彼氏がお泊り・・・、そして鉄パンを脱ぐ・・・なんて日も来るわけだ。
それに備えてのセミダブル?」
「・・・サイッテー。」
「バーカ。お前は知らないかもだけど、狭いシングルベッドであれこれするのはめちゃくちゃ窮屈なんだよ。
それは言うならば未来への投資だ。
有り難く受け取れよ!」
プツッ、ツーツーツー・・・

と、まあ、こういう経緯でやって来たセミダブルのベッド。
枕も、上掛けも、シーツも、カバーも、ベッドパッドも、兎に角何もかもが不足なく手配されたプレゼントは、シングルベッドに交換してもらう余地もなく、あたしの部屋に置かれることになった。
彼等があたしの身の丈に合わないものをくれちゃうのは、よくある事だ。
仕方ないよね、庶民の気持ちや暮らしぶりが分からないんだもん。
悪気はないのだ。
上掛けもセミダブルサイズで大きいから、いつの間にか半分くらいを抱き枕みたいにして、残りの半分を身体に掛けて寝るようになった。
そうするとこの広すぎるベッドでも落ち着いて眠れるから。
子供の頃、ぬいぐるみを抱っこして寝ていた時みたいに。

だけど・・・
今朝あたしが抱きついていたのはふんわりあったかな上掛けじゃなかった。
生きた人間。
それもこの世の女の敵・西門総二郎だ。
目を開けて暫しいつもとは違う状況に戸惑って。
あちこちに目だけを動かして様子を確認し・・・
前に見えてる壁が人間の胸元、それも西門さんの物だと気が付いた。

え?え?え?あたし大ピンチ???

ぎゃーーーーー!と叫ぼうと思った時に、大きな手で口を塞がれた。

「叫ぶな! 叫ぶなよ!
俺何にもしてないからな!
お前が俺を離さなかったんだからな!
その証拠にお前昨日の服のまま寝てるからな!
自分の目で確かめろ!」

そう言い聞かせられてから、そうっと口元から手が外される。
取り敢えず、身体をずりずりっと西門さんから距離をとれるようにベッドの端までずらした。
それから自分の身体を手であちこち触ってみる。
明らかに裸ではないし、パジャマでもないものを着ているのが感じ取れた。
抗議の言葉を発しようにも、頭が混乱していて、何を言っていいのか分からない。

「はー、何の拷問かと思ったぜ。
つくしちゃん、さっさとシャワー浴びて支度しないと、会社遅刻するんじゃねえの?」

身体を起こした西門さんが首をぐるりと回して、凝りをほぐすような仕草をして、その後、腕を持ち上げて肘を頭の後ろに回し、ストレッチをしている。
ん・・・、はぁ・・・とか漏れ聞こえてくる微かな声が何かヤラシイ。
ベッドから転がり落ちるように降りて、更に距離を取った。

「・・・一体どーいうこと?」
「ああん? どーせなーんにも覚えてねえんだろ?
お前、帰りのタクシーで寝ちまったんだよ。
で、仕方なしに俺がえっちらおっちらベッド迄運んでやったワケ。
片手痛むから大変だったぜ。
で、俺は寝る前にシャワー浴びて、自分の布団取りにこの部屋に入ったら・・・」
「・・・入ったら、・・・何よ?」
「お前が気持ち悪い、何か胸が苦しい、助けて・・・なんて言うもんだから、仕方無しに介抱してやってたんだよ。
そのうち俺に抱きついて寝ちまったんだ!
お陰で俺は一睡もしてねえ!」

そう言われてそこらを見ると、スタンドライトを置いてる小さなチェストの上には水の入ったグラスやら、ゴミ袋らしき物が置かれていて。
西門さんは疲れた表情を浮かべてる。

「それ、嘘かホントかあたしには分かんないじゃない!」
「そりゃこの部屋に監視カメラでも置いとかない限り証明なんか出来ねえだろ。
俺だってあんなシャンパン1杯とグラスワイン1杯で酔い潰れるなんて思わなかったんだから仕方なくね?
お前だって美味しい美味しいってくいくい飲んでたくせに。」

そう言われてみると・・・
昨日のディナーはとても美味しくて、目の前に広がる景色もとびきり素敵で、食前に出て来たシャンパンも、肉料理に合わせて注いでもらった赤ワインもうっとりするような飲み口で・・・
お酒に弱いという自覚があるあたしは、それを1杯ずつしか飲まなかった筈なのに!
帰りのタクシーからの記憶がゼロ!
何故かって、連日寝不足だったからだ。
ドアに鍵掛けてるとは言っても、壁の向こう側に西門さんがいる!と思ったら熟睡なんか出来ない毎日。
それをこの人に言ったら「俺の事意識しちゃってんの?」なんて揶揄われるのは必至だから黙ってた。
それが敗因。
なんとなーく頭が痛い。
ちょっと脳味噌が痺れてるような、思考に靄がかかってるような、そんな感じ。
全部お酒のせいなのかしら?

「つくしちゃん、会社は?」
「へ? 今何時っ?」
「7時半。」
「え? ヤバいっ!時間ないっ!」

クローゼットを開けて、着替えを出そうとして、下着の入ってる抽斗に手を掛けた。

・・・あれ? ちょっと待って、つくし!

後ろをパッと振り返ったら、あたしのベッドにずるずると沈み込んでいく西門さんが見えた。

「いい加減あたしのベッドから降りなさいよ!
ペットはリビングで寝るんでしょ!」
「自分が俺をベッドに引き込んだくせに・・・」
「覚えてませんっ!」
「覚えてなくても事実なんだよ。」
「知らない、知らない、知らないっ!
兎に角この部屋から出てっ!」
「優しく介抱したペットに労いの言葉もなく追い払うって、酷い飼い主じゃん。」
「ありがとうございましたっ!
これでいいでしょ?
ここから出てってよー!」
「ハイハイ、ご主人様の言う通りにしますよ。」

ふらーっと立ち上がって、西門さんがリビングに出て行った。
怒鳴ったせいか、あたしの心臓はどっどっどっど・・・と暴れてる。
人目が無くなった部屋で、急いで着替えを出して、脱衣室に駆け込んだ。
鍵を閉めて服を解いたら、ホックを外してないのに、ブラがはらっと勝手に落ちてくる。

あいつー!
何もしてないって言ったくせに!

ぎゃー!と叫びたいのを我慢してシャワーを浴びた。

危険。
やっぱり危険過ぎる。
人間のペットなんて飼うもんじゃないわ!


________________



迂闊なつくし。
無意識に甘えちゃうのは、いつも1人で頑張り過ぎてるから。
とうとう同衾しましたけど。
ペット総二郎はホントに何もしなかったのかなぁ?
ちょっと気になるところです。

昨日から下味つけて冷蔵庫で寝かせてた鶏ハムが美味しく作れてご満悦な管理人です。
今度つくしに作らせようかしら?


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