プロフィール

hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

アクセスカウンター
カテゴリ
最新記事
ランキングボタン
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ



ご訪問有り難うございます
カウントダウンタイマー
花男Blogリンク
君を愛するために
明日咲く花
お友達Blogリンク
恋花-koibana-
沫雪の唄
ブログ村ランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR

最新更新情報とお知らせ

最新のお話は
春の訪れ」(4/19更新)
です。

コメントへのお返事、滞っていて申し訳ないです。
もう少々お時間をください・・・
皆様のお声が、管理人の妄想の支えです。
こんな不甲斐無い管理人ではございますが、どうぞ宜しくお願いします<(_ _)>

間遠な更新の拙宅ですが、気長にお待ち下さり、過去のお話たちもいっぱい愛でて頂いて嬉しいです♪
拍手ボタンや、ランキングボタンをポチっとして頂いた方も有り難うございます。
皆様の優しさに背中を押されております!


次のアクセスカウンターのキリ番は7777777番を予定しています。
踏まれた方はご一報下さい♪
何かイイことあるかも?( *´艸`)

関連記事

テーマ:伝えたいこと
ジャンル:日記

ご案内&パスワードについて《初めにお読み下さい》

続きを読む

関連記事

テーマ:伝えたいこと
ジャンル:日記

INDEX

続きを読む

関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

INDEX -総二郎SS-

続きを読む

関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

春の訪れ

あたしが変わらなければいいだけなんだ・・・と、ずっと自分に言い聞かせてた。

あいつに忘れられて。
それでもあたしは忘れられなくて。
いつか、何かの拍子に記憶が戻ったら、あいつはあたしのところに帰って来てくれる筈。
だって言ってたもん。
NYには帰らないって。
家を出るって。
正気に戻ったら、絶対に有言実行しちゃうよ。
あいつはそういうヤツだもん。
だから、あたしはその時まで変わらなければいい。
いつも通りに暮らして。
自分の気持ちも、あいつがあたしに向けてくれてた真っ直ぐな思いも、諦めて捨てたりしないで、ずっとずっと抱えてたらいい。
1gも減らさなように、しっかりとしっかりと、ぎゅっと両手で抱えて。
そうやって、いつか「悪い、待たせたな。」ってバツが悪そうな顔して、あいつがあたしの前に現れるのを待ってればいい。

そう思わなきゃ、自分を奮い立たせられなかった。
そうする事で、わーわー泣き出したくなるのを堪えていられた。
張り裂けそうな心を、『信じて待つ』というまじないをかけた包帯でぐるぐる巻きにして、痛みを抑え込んで。
ただ立っている事すら苦しい時間を、1日、また1日と積み重ねた。
ふとした瞬間に、銃で撃ち抜かれたかのような鋭い痛みが身体を突き抜けてく。
そんな時は、ぎゅうっときつく目を閉じて、息を詰めて、歯を食いしばってぐっと堪えるんだ。
痛みの波の狭間でふう・・・と息を吐き出して、身体の強張りを少しだけ解くと、今度は重苦しいものが肩にずうん・・・とのしかかってきて、あたしは身動きがとれなくなる。
そんなあたしに気付いて、「牧野?」って呼び掛けてくれるのは、いつも類だった。
あたしがずっと待ってるあいつじゃなくて。
側にいてくれるのは、いつだって類だった。



春休みが終わって、また新しい年度が始まった。
大学に進んでからも、相変わらずいつもの非常階段があたしの居場所。
何故だかここは落ち着くんだ。
もっと居心地のいい場所や、座り心地のいい椅子は学内にいっぱいありそうなものなのに、暇があるとここに来てる。
昼休みにお弁当を食べようと、非常階段に来てみたら、もうそこでは類が壁を背もたれにしつつ転寝していた。
寝るなら家のベッドでゆっくり寝てたらいいのに。
わざわざ高等部の非常階段まで来て寝ているんだから、類もよっぽどここが気に入っているんだろう。

「類。」

小さな声で呼び掛けたら、眠そうながらも目を開けた。

「ん・・・、おはよ、牧野。」
「もうお昼だよ。お弁当、一緒に食べる?」

ふるふると小さく頭を振ってる。

「俺、腹減ってない。コーヒーだけちょうだい。」

あたしは類用のコーヒーを入れてきたステンレスボトルを「はい。」と手渡した。
あたしはいつもバッグの中にボトルを2本持ってる。
類用の黒いのと、自分の為のあったかいほうじ茶が入っているブルーのだ。
自分の分は、喉が渇いた時にいちいち飲み物を買うのだと節約出来ないから持ち歩いているんだけれど。
類のコーヒーは・・・、いつも側で支えてくれる事への、ちっぽけなお礼の気持ちの表れだった。
でも、豆は類が買ってくれてるから、お礼にすらなってないのかもしれない。
類の座っている所よりも日当たりのいい階段に腰を下ろして、あたしはお弁当を膝に載せた。

「いただきまーす。」

昨日の晩ご飯のおかずの余りと、朝焼いた卵焼きと、プチトマトが入っている、ごくごく庶民のお弁当。
1人でもぐもぐ食べ進めていると、類がにじり寄ってきて、お弁当箱の中から卵焼きをひょいと摘んで口に入れている。

「お腹空いてないんじゃなかったの?」
「牧野の作る卵焼き、好きなんだもん。」

ホントに、テキトーに作ったフツーの卵焼きなのに。
まあ、類が食べるかも?と思って卵ふたつ使って焼いて、多めに入れてきたけどね。

「おにぎりは?」
「んー? 中の具、何?」
「今日は焼き鮭。」
「じゃあ、食べる。」

そうなるだろうと思っていたから、ついくすんと笑ってしまった。
類に一つおにぎりを手渡すと、神妙な顔付きで、ラップを剥がしているのが、いつ見ても似合わなくて可笑しい。
互いに黙々とおにぎりを食べ、あたしはおかずも食べ終わって、食後のあったかいほうじ茶を飲んだ。
自然とほぅっと溜息が溢れる。

「あー、いいね、この時間。
お腹もいっぱい。
お日様も当たって気持ちいい。
ほっとするー。」

類はコーヒーの入ったボトルに口を付けながら、「そう?」とでも言いたげな視線をこちらに向けていた。
ちゅぴちゅぴちゅぴと、時折鳥の鳴き声がして、長閑さに拍車を掛ける。
柔らかな春の陽射しを浴びながら、目を瞑って深呼吸した時、不意にあの鋭い痛みがあたしを貫いた。
何の前触れもなく襲ってきた痛みに、つい顔を歪めてしまったらしい。

「牧野?」

詰めていた息を吐き出して目を開けると、類があたしを気遣わしげに覗き込んでいる。

「・・・ん、何でもないよ。」

一所懸命に笑いかけようとするけれど、上手く出来なくて、ぎこちない曖昧な笑みしかあたしの中から出てこない。
何ともない振りしなきゃ・・・と思った時、類があたしの口元にすうっと手を伸ばしてきた。
親指と人差し指で摘んでいる、ビー玉みたいな飴をぎゅっとあたしの口に押し込む。

『もー、何なのよ? 餌付けしないで!』って言って、その手を拒めない。
されるがままに飴を口にして、舌の上でまあるい甘い物をころりころりと転がし、『これは何の味かなぁ?』なんて考えているうちに、不思議とあたしは胸の痛みから解放されていた。
類がそんなあたしを見て小さくくすりと笑う。

「美味しい?」
「うん・・・、なんだろ、紅茶風味かな?」
「そうだったかも。」

類はよく分かってる。
あたしが何かに囚われている時に、別のものを与えられると、意識が新しいものに移っていく単細胞人間だという事を。
だからこの人はいつもポケットに飴を隠し持つようになったんだと思う。

「ありがと。」
「ん。」

そんな優しさに胸が詰まって、目の奥がじんわりと熱くなる気配がしたから、それを誤魔化すために急いでぱちぱちと瞬きした。
泣く訳にはいかない。
これ以上、類に心配は掛けたくない。
とりあえず飴玉を片方の頬っぺたに押し込んで、思い付いた事を喋り始める。

「ねえ、類?」
「ん?」
「あったかいね、今日。すっかり春だねえ。
桜は散っちゃったけど。
植え込みの躑躅は満開でしょ。
あそこの花壇のチューリップも可愛いなぁ。
あ、チューリップって言えば・・・、ねえ、覚えてる?
類があたしにプレゼントしてくれたの。
あたし、赤いチューリップ見る度に、あの時のこと思い出すよ。
あのチューリップ、押し花にして・・・、どこにやったかなぁ?」

そこまで言った時、また類に名前を呼ばれた。

「牧野。」
「うん?」
「いいよ、無理に喋んなくて。」
「いや、別に、無理なんて・・・。」
「牧野のお喋り聞いてるの、嫌いじゃないけど。
別に黙ってたって気詰まりになったりするような間柄じゃないでしょ、俺達。」
「まあ、そうだけど・・・。」
「そんなリスの頬袋みたいに頬っぺた膨らませてないで、のんびりキャンディ食べてたらいいよ。」

そう言われると返す言葉がなかった。
無理に捻り出した話題だったし。
左のほっぺたはぽこんと飴玉が出っ張って見えている事だろう。
あたしはまたころんころんと口の中で飴を転がすしかなくなる。

「忘れた事ないよ。」
「え?」
「あのチューリップを渡した時の事。
居ても立っても居られなくなって、NYまで行った時の気持ち。
司をぶん殴った右手の痛み。
今でもはっきり覚えてる。」
「・・・そっか。」

あたしも覚えてる。
NYで全てを失くして途方に暮れていた時、類があたしを見付けてくれた時の安堵。
チューリップをくれた時のとびきり優しい笑顔と、自分が溢した涙。
あいつを置いて2人で歩いた空港の騒めき。
今も、あの時もだ。
あたしの隣にいてくれるのは、いつだって類だ。

「牧野。」
「うん?」
「帰っておいでよ。」
「え? 帰るって、どこに?」
「うーん・・・、こっち側?」

類の言っている事が理解出来なくて、あたしは目を瞬きながら考えた。
こっち側とは何処のことだろう?

「あんたはさ、もうずっと時間が止まってる世界に独り留まってるでしょ。
だから帰っておいでよ、ちゃんと時間が流れてる世界へ。」

言い当てられて、はっとした。
あたしは、変わらないように、変わらないように、そう自分を雁字搦めにして生きてきた。
言葉にしたことはなくても、いつも隣にいてくれた類には見抜かれていたらしい。

「牧野は頑張ったよ。
毎日毎日頑張ってた。
俺は知ってる。」

そういう事、言わないで欲しい。
泣きそうになるから。
つい類から顔を背けた。

「でも俺は牧野に、ちゃんと『今』を生きて欲しいんだ。
過去の中だけで生きてる牧野じゃなくて、『今』を楽しんで、幸せで、笑ってる牧野がいい。」

心をシャットアウトして『変わらない』でいるのは、決して楽しくはなかった。
寧ろ辛くて苦しかった。
あたしを忘れた人を思い続ける事は、ちっともあたしを幸せな気持ちにはしなかった。
だけど、過去の記憶に拘る事しか、あたしには出来なかった。
普段通り振る舞っているつもりでも、心の底からは笑えていなかった。
そんなあたしの事を類はずっと見守ってくれていたのだ。

「牧野?」
「・・・うん。」

涙声なのはもう隠し切れない。

「ゆっくりでいいよ。
牧野のペースでいいから。
帰っておいで、『今』に。」

目の前には優しく微笑んでる類がいる。

「ごめん・・・。」
「謝ることないでしょ。」
「・・・ありがと、類。」
「ふふふっ、そう言うと思ってた。」

瞼を閉じると、頬っぺたを涙がつつつ・・・と伝って落ちていくのが感じられる。

そうだよね。
大切なのは変わらない事じゃなく。
あたしが幸せって思って生きていける事。
あたしも本当は分かってた。
分かってたけど、知らないふりをしてたんだ。

手でゴシゴシ顔を拭って、酷い顔だろうけど類に向かって笑ってみせた。
さっきより、自分を包んでいる春の空気が暖かく感じる。
きっと明日はもっといい顔で笑える。
そう思えた。


_________



ルイルイのお誕生日SSを書き上げられなくて…
心残りだったので、何か類のお話を…と思って書きました。
まだ恋未満の2人ですけども。
管理人の中の類さんのスタンスというのは、こういう感じなんですよね。
常に側にいる、見守ってる。
NYに迎えに行く~チューリップを渡す…辺りの流れは、もうここで一気に奪うしかないでしょ!と思ったものでした笑

長い間更新せずにスミマセンでした。
2月に病人が体調悪くして、自宅で看病後に入院して、帰宅して。
その後疲れからか、自分が体調崩してました。
何かまだ本調子じゃないんですけど。
頑張って生きていこうと思います、はい。
4月ですね、春ですね。
新しいことにチャレンジされてる方もいらっしゃるでしょうね。
管理人はやっと念願のマティスを観てきましたよ。

これがあきらとつくしが心を通わせるシーンの現場(再現だけど)なんですよぉ。
いつかまた現地に行きたいな。


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

指先の魔法 -side つくし-

試験期間直前の週末。
レポート採点の科目は締切が迫るし、試験勉強はしなきゃいけないしで、あたしはバイトを休んで勉学に勤しんでいる。
この土日はF3が入れ替わりで得意科目を教えてくれるというので、美作さんちのライブラリーに通わせてもらっていた。
お天気のいい日曜日。
青空の下をお散歩でもしたら気持ちいいだろうに、あたしは勉強に次ぐ勉強だ。
でも美作さんちって勉強捗るの。
ライブラリーは落ち着いた雰囲気で、双子ちゃんもここには遊びに入らないってお約束を守ってくれてるからとても静かだし。
まあ、最初は美作さんが耳当たりのいいクラシック音楽を掛けてくれてたけど、うっかり眠気を誘われちゃうので、止めてもらったんだけどね。
ライブラリーの中にはゆったり座れるソファとローテーブルも置いてあるけど、あたしが使わせてもらってるのは窓辺に置かれた大きなアンティーク調のテーブルだ。
天然木の天板は飴色で、磨き込まれていて優しい手触り。
近所の図書館のテーブルは、一応木製だけど合板で、テッカテカのニスが塗られてて、触るとなんかひやっとするんだよねぇ。
それに比べてここのテーブルは何と温かみのある事か!
ライブラリーの中はあの可愛いお母様のお好みじゃなくて、お父様の趣味で調えられているそうで、ちょっと他のお部屋とはテイストが違う。
美作家と言えば、フリフリのふわふわのプリンセスワールドだけれど、あたしはそういうのはちょっと落ち着かなくて。
ここの方がずーっと居心地が良い。
そして程良きタイミングで、美味しいお茶やお菓子が運ばれてくるのに加え、お昼や夕暮れ時になると、ランチやあまつさえディナーまで用意されてしまうのだ。
恐縮してしまうけど、美作さんは「ウチのシェフが腕の見せ所だって張り切ってるんだ。食べてやってくれよ。」とか言うし・・・。
類も西門さんも何の遠慮もなく、まるで実家に帰ってきた息子みたいにのびのび振る舞って、人んちのお食事に当然のように呼ばれてる。
あたしは一応毎日手土産持参で来てはいるけど・・・、多分その何倍も頂いちゃってるんだわ!

午前中は美作さんに英米文学史のレポートを見てもらって、それに手を入れて。
美作さんがプリントアウトしてくれた原稿の左肩をクリップで留めた時に、丁度ライブラリーのドアがコンコンコンとノックされ、双子ちゃんがぴょっこり顔を覗かせた。

「お兄ちゃま、お姉ちゃま、お昼ご飯のお時間よ!」
「今日のデザートは絵夢と芽夢の好きなカンノーロですって!」
「ああ、ありがとう。今行くよ。」

にっこり2人に笑い掛けた美作さんが、微笑みを浮かべたままあたしの方に向き直った。

「レポートも出来上がったことだし。
ランチにしよう。」
「毎日ご馳走になっちゃって申し訳ないよ・・・。」
「双子もお袋も、牧野が一緒だと喜ぶから。」
「ありがと、ホントに。」
「こちらこそ、双子とお袋の相手してもらって助かってる。
親父が留守にしてると俺への集中攻撃でちょーっと疲れるっていうか・・・。」
「みーんなお兄ちゃまが大好きだもんね。」
「家族にモテてもしょうがないだろ。」
「ふふふふふ。優しいからね、美作さんは。」

そう。
誰にだって、いつだって優しい。
さりげなくエスコートされながら案内されたダイニングルームは、外の寒さとは無縁で明るく暖かな雰囲気に満ちている。
うさぎさんのダイニングチェアに行儀よくお座りした双子ちゃんの頭を通りすがりに優しく撫でて、あたしのチェアを引いてくれた。
美作さんはいつだって頼れるお兄ちゃまで、優しい王子様だ。

今日のランチはほっぺたが落ちそうに美味しいイタリアンで、さっき絵夢ちゃんが言っていたデザートは、筒型のサクッと揚げられた生地の中にさっぱりとして甘さ控えめなクリームがたっぷりと詰まっていて、粉砂糖でお化粧された見た目も可愛いスイーツだった。

「お姉ちゃま、カンノーロ、美味しいでしょ!」
「うん、ホントに美味しいねえ。
あたし、生クリームたっぷりなお菓子はちょっと苦手なんだけど、このクリームは口当たり軽くて、いくらでも食べられそう。」
「ああ、それは生クリームじゃなくて、リコッタチーズを使ってるんだ。
シンプルなのに美味しいスイーツだよな。」

美作さんがそう教えてくれると、更に美味しくなる気がする。
食後のお茶を頂いてから、あたしと美作さんはライブラリーに戻った。
午後は類が来てフランス語をみてくれる事になっているけれど、まだ到着していない。

「俺で良かったらフランス語の勉強も手伝うけど。
類が出番を取られたって怒るかも知れないからなぁ。」

美作さんはそう言って笑ってる。

「あ、いいの、いいの。
ちょっと自分で見直しとくよ。
あたしの事は気にしないで!
自分のやりたい事しててね。」

フランス語の教科書とノートを開いて独りで勉強を始めたけれど・・・。
レースのカーテン越しの冬の陽射しは柔らかでポカポカと暖かく、お腹は美味しいもので満たされていて、どうしても眠気を誘う。
うっかり船を漕いでしまい、首がかくんと落ちる衝撃で目が覚めた。

やばい、やばい、寝ちゃった。
折角こんな恵まれた勉強環境を整えてもらってるのに!

気を引き締めねば!と思ったのに、いつの間にか隣に座っていた美作さんが、くすりと忍び笑いを漏らす。

「類来るまで休憩すれば?
昨日家帰ってからもあのレポート書いてたんだろ?」
「いやいやそんな、寝ていい訳ないよ。
勉強する為にお邪魔させてもらってるのに。
美味しいご飯ご馳走になって、更に昼寝だなんて!」
「まあ、いいじゃないか。
15分でも寝るとスッキリするって言うぞ。」
「えー?」
「ほら、15分だけ。
頭をリフレッシュさせる為に。」
「うーん、いいのかなぁ?」
「類が来たら起きたらいいさ。」

そんなお昼寝への誘惑の言葉に誘われて、あたしは教科書とノートを横に押しやって、美作さんに渡されたふかふかクッションと自分の腕を枕にテーブルにうつ伏せた。
すると、美作さんが双子ちゃんにするみたいに、あたしの後頭部をゆっくりゆっくり撫でている。
その手つきはとても優しい。

あー、ずうっとこうしてたい。
なんか、とっても安心出来て、眠気を誘われるよ・・・

あたしの気持ちなんかお見通しなんだろうか?
美作さんの手は繰り返しあたしの頭をゆっくり撫でては、指先でそっと髪を梳いている。
微かに擽ったくて、でも心地良くて。
日向ぼっこをする猫になったような気分。
それを楽しんでいるうちに、あたしは本当に寝入ってしまったのだった。


_________



甘やかされまくりなつくしでした。
カンノーロ、好きなんです。
映画『ゴッドファーザー』にも登場するお菓子として名高いですね。
リコッタチーズのクリームが美味しいお菓子。
どこかで見かけたらお試しください。

寒いですねぇ。
週末にはここも雪が降るかも?って予報です。
充電式の小さなカイロを買いました。
いよいよ出番かな?
インフルエンザも周りで罹っている人が増えてきた印象です。
皆様、寒さにもウイルスにも負けないように自衛していきましょうねー。


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

何はなくとも

今日は牧野の誕生日。
分かっちゃいたけど、年末年始はどうにも忙しくて。
やっと牧野の部屋に辿り着いた時には日付が変わる直前。
牧野は俺が来るなんて思ってもなかったんだろう。
独りぐうすか眠ってた。
薄暗い部屋の中、微かな寝息を吐きながら、牧野がぎゅうっと抱きついているのは俺・・・じゃなくて、俺が普段使っている枕だ!
何だよ?
もーのすごく虚しい。
まるでこれじゃ俺なんかいなくても枕さえありゃいいみたいじゃね?と思ってしまう。
俺は牧野のこととなると途端に心が狭くなる。

牧野がしがみついてるその枕は、2人で買い物に行った時、俺に合わせて調整してもらったオーダーメードもので。
それを牧野の枕の隣に置くってだけで一悶着あった。
恋人の枕を自分の部屋に常備するだなんて無理!と顔を真っ赤にして拒否する牧野と。
2人で寝るときは元々ある牧野の枕を俺が使って、牧野は俺の腕枕・・・だと、牧野はぐうぐう寝ていても、俺のほうがどうにも塩梅が悪かった。
翌朝首はぐきぐきいうし、肩は凝ってるしで、それに耐えられなくなっての枕購入だったワケ。
いや、ホントはこの狭いシングルベッドだって広々したのに買い替えたいぜ?
寝るのにも、アレコレするのにも窮屈過ぎるんだ、これは。

気持ち良さげに眠ってる牧野を起こすのも忍びなく・・・、そっと指の背で頬を撫ぜてみると、猫が擦り寄るみたいに俺の手に頬を当ててくるから嬉しくなる。
こんな事であっさり気を取り直す俺も単純な男だ。
勝手知ったる牧野の部屋でシャワーを浴びて、箪笥から引っ張り出した部屋着を着て、冷蔵庫で冷やされていたミネラルウォーター片手に暫し牧野観察をする。

あーあ、誕生日、ちゃんと祝ってやりたかったな。
俺の誕生日は牧野精一杯のもてなしで祝ってくれたってのに。
『いーよ、いーよ、あたしの誕生日なんて!
忙しいんでしょ?
あたしも年末はバタバタだからさ。
年明けて、お仕事一段落したら、何か美味しい物でも食べさせてよ。
ね、そうしよ!』
なんて明るく言ってたけど。
牧野が良くても俺が良くない。
俺が誕生日の牧野と一緒にいたかったんだよ。

無理矢理ベッドの細い隙間に身体を捩じ込んで。
牧野が抱き締めてる俺の枕をそうっと引っ張った。
起こさないように慎重にやったつもりだったのに、流石に抱き付いてるものが無くなって、何か異変を感じたらしい牧野が寝ぼけ眼で俺を見ている。

「・・・西門さん?」
「起こしたな。悪い。」
「んーん、ダイショウブ。
きっとまたすぐ寝ちゃう・・・。
今日仕事納めだったから、忙しくて疲れちゃってさぁ・・・。」
「そっか。お疲れ。
・・・それと、誕生日おめでとう。」

そう耳元で呟いたら、ふっと柔らかな笑い声が漏れた。

「ありがと。
それを言いに来てくれたんだ?」

さっきまで枕に巻き付いていた牧野の腕が、今度は俺の胸の上に置かれる。

「無理しなくて良かったのに。
・・・でも嬉しい。
あたし、幸せだね。」

腕枕してやった牧野の頭がこつん・・・と俺の肩に当たる。
くっ付いている所から、牧野の温もりが伝わってきて、俺の身も心もぽかぽかにしていく。

2人でこうしていられたら、何はなくとも幸せだな。

そんなことを思いながら牧野を抱き締めて。
一年一度の牧野の誕生日は終わっていったのだった。


_________



短いけれど、つく誕SSでした!

後書き書いたのに何故か消えてた!
(いや、多分自分が保存に失敗しただけだと思うけどさ。)

今年は色々あって、お話を書くのを頑張れない年でしたー。
加齢のせいで体力も年々落ちてるしねぇ。
気付くとスマホ片手に寝落ちてるんですよ!
で、時々スマホ身体の下敷き。
iPhoneって結構丈夫だね?笑
今年もこんな更新の乏しいblogにお運び頂き有り難うございました。
来年も偶にふらっとお立ち寄り頂けたら幸いです。
一応、書きかけで止まっているお話達を、少しずつでも書き進めてやりたいと思っております。
皆様、良いお年をお迎えくださいね。

hortensia


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学