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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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甘やかな空間 -前編-

最近お休みの日はよく美作さんちの東屋に入り浸っている。
ええ、そーですよ。
いつだったか、美作さんと西門さんに閉じ込められた、あの東屋ですよ。
あの時、あいつもあたしもテンパってたとはいえ、何でバスルームの窓から外に出たりしたんだろ?
今になって思うと、入り口を外からロックされてたとしても、もうちょっとマシなところから出られた筈なのに。
それだけ頭がオカシクなってたんだろう。
恋というのは、非日常のシチュエーションというのは、人を狂わせるわよね、ホントに。


そんな高校時代の駆け抜けた恋もすっかり思い出となり。
この東屋にいても仄かに懐かしさが漂うだけになった。
スタンダールというフランス人の作家がその昔、『恋は熱病のようなものである。 それは意思とは関係なく生まれ、そして滅びる。』と言ったそうだけど。
正にあの恋はその通りだったのよ。
因みにこのスタンダールという人の小説は1冊も読んだ事はない。
それを今近くで優雅に紅茶を嗜みながら読書している人に言ったら、気の毒そうに見詰められた挙句に、帰り掛けにどさっと本を持たされそうだから、絶対黙っておく。
読書はタブレット端末じゃなくて、紙派なんだそうだ。
まあ、あたしもどっちかと言うと、紙をめくって読む方が落ち着くから、気持ちは分かる。
でも、もしかしたらこの人は原書で読んでるのかもしれない。
フランス語も堪能だろうし。
恋愛問題の大家<たいか>なんだし。
あたしは今大学でフランス語を勉強してるとはいえ、原書で読める程の力は到底ない。
いや、もしかしたら日本語に翻訳されてるものだって意味不明だったりするのかも?
ともかく。
大切なのは、スタンダールでも小説でもあたしのフランス語力でもなくて。
毎週末、この東屋に2人でいるって事なのだ。


あたしがこの東屋を使わせて貰っているのには、ちょっとした理由がある。
絵夢ちゃん芽夢ちゃんのクリスマスプレゼントに作ってあげたレジンのキーホルダー。
それがハンドメイドだと知った2人の心をいたくくすぐったらしく、「作り方を教えて、教えて、お姉ちゃま!」攻撃がすごくて。
「うん、じゃあ今度一緒に作ろうねー。」と約束して、次にお邸にお呼ばれした時には、この東屋の一画がすっかりレジン教室でも開けそうな工房に様変わりしていたのだ。
あたしなんて、ネットショップで買ったUVライトも込み込みでごっきゅっぱ(5980円よ!)のセットで作ってるのに・・・

「ねえ、これさ・・・
あたしじゃなくて、ホントの講師の人呼んだらいいんじゃないの?」
「いや、あいつら牧野から習いたいんだから。
他の人じゃ意味ないだろう?」
「でもあたし、ほんの趣味程度で・・・
別に上手くもないんだけど・・・」
「そんなの関係ないって。
つくしお姉ちゃまと何か作りたいって思ってるんだから。
悪いけど、付き合ってやってくれよ。
俺はあいつらを甘やかすのは得意でも、そのレジンってのは門外漢だし。」

いや、絶対にこの人、やり始めたらあたしなんかよりずっと上手に、素敵な物を色々作りそう。
手先器用だし。

という事で始まった『つくしお姉ちゃまのレジン教室』。
こんなに道具を揃えてしまったにも関わらず、双子ちゃん達は3回やったら気持ちが落ち着いたらしく、「教えて!」攻撃はピタリと止んだのだった。
夢子さんが申し訳なさそうに、
「つくしちゃん、子供達飽きっぽくてごめんなさい。
良かったら東屋のお道具はいつでも好きに使ってね。」
と言って下さったので、足繁く通うことになった。
あたしの持ってる安売りセットなんか足元にも及ばない程の便利な道具の数々。
そろそろご飯だからテーブルの上片付けなくちゃ!とか、そんな悩みからも解放される専用スペース。
そして何より美作家のお庭や温室の草花を好きに詰んで、ドライフラワーや押し花にして使えるのだ。
何たる贅沢な工房なのかしら!
そしてここには豪華なオプションが加わる。
あたしの近くに座って読書する美作さんが。
時々後ろから覗き込んできて、「ああ、それいいな。」って言ったり。
「俺にも何か作ってくれよ。」とか無理難題を吹っかけてくるんだけどね。

貴方の声がふわりと降ってくる度に、目が眩むような気がするんだよ。
優しい気配に満ちたこの空間で2人きり。
ふとした拍子に気持ちが溢れそうになって困っちゃう。
「あのね、貴方が好きなんだよ。」とうっかり呟いてしまいそう。
ううん、そんな言葉じゃ足りない位、胸の中には想いが詰まってる。
でもあたしのこんな気持ち、貴方にとってはありがた迷惑なんでしょ?
あたし、全然貴方の好みのタイプじゃないもん。
どっちかって言うと、絵夢ちゃん芽夢ちゃんと同じカテゴリ。
手のかかる妹ポジション。
それでもいいから近くにいたいと思うあたしって、結構健気じゃない?
貴方の声を少しでも聞いていたくて、ちょっぴり我儘を言ってみる。
「ねえ、何か本を読み聞かせをしてくれない?」なんて。

「絵夢と芽夢みたいな事言うなあ。」

ああ、やっぱりあたしは妹ポジションだよね。

「今読んでるこれ、デジタルマーケティングの本だぞ。
牧野、興味ないだろ。」

勿論興味ない。
そもそもデジタルマーケティングが何なのかすら分からない。
いくら貴方の声でも、その内容じゃ全く頭に入って来ないと思う。

「何か音が欲しいなら音楽掛けるけど。」

違うの。
貴方の声を聞いていたいだけなんだから。
でも出来ればあたしにも分かる内容の方がいい。

「んー、じゃあいいや。」
「何だよ。変な奴。」

そうは言いつつも、美作さんは何かを操作して、音楽を流し始めた。
これくらい有名ならあたしも知ってます。
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲。
あたしがヴァイオリンの調べが好きだと知っている美作さんのセレクト。
お心遣いは有り難いけど・・・
でも違うんだよね、あたしの我儘はこういう事じゃないのよ。

「ちょっと母屋に行ってくる。
今日のおやつは何がいい?」

おやつって!
そりゃいつもここにお邪魔した時は、なんやかんや頂いておりますけども!
子供扱いにも程があるでしょ?

「別に・・・ あたし、要らない。」
「へえ。珍しいな。」

そう呟いて、美作さんはここを出て行った。

あーーー!!!
素直になりたいのに、全然素直になれない。
優しくして貰ってるのに、つっけんどんにしか話せない。
あたしの中の天邪鬼。
どうしたら大人しくしてくれるのかな?
いつも上手く言葉に出来なくてもどかしい。
あたしって恋愛に不器用過ぎる。
ここまで生きてきて、約20年。
恋っていったら、胸キュンな初恋と、その次の目まぐるしかったドタバタなやつと、この今の片想いしかあたしは知らないし。
上手くいかなくても当然か・・・
それにしても、その相手が全部F4の誰かって・・・
でもあの人達ってやっぱり特別な存在だから仕方ない・・・のかなあ?
でもまあ、4人目は絶対ない。
何があってもない。
天変地異が起こって、この世に2人きりになったとしても、あの下半身で物を考えるオトコ・西門総二郎とは絶対に相容れない。
万が一そんな場面が訪れて、貞操の危機を感じたら、こん棒か何かでタコ殴りにしてやる。
2人きりになってしまったらまず武器を探す、武器を探す・・・と覚えとこ。

「ない・・・、ない・・・、探す・・・、探す・・・って、何か失くしたのか?」
「ひゃあっ!」
「牧野、驚き過ぎ。」

いつの間にか美作さんが戻って来ていたらしい。
笑いが堪えられないといった感じにニヤニヤしてる。

「あ、あ、あの、小さいパーツがどこか行っちゃったかなー?なんて・・・」
「ふうん、一緒に探すか?」
「ううううう、ううん、ダイジョウブっ!
きっとそのうち出てくるし・・・」
「じゃあちょっとこっちおいで?」

あ、また絵夢ちゃん芽夢ちゃんに話し掛けるのと同じ口調になってる。
妹ポジションでは満足できないのに、近くに行けるのは嬉しくて。
ついついその立場に甘んじてしまう。

『おいで?』なんて何かしら?とそろりそろりと近付いていったら・・・
突然視界が遮られた。


________________



あきら、お誕生日おめでとう!
お誕生日SS、さらっと1話完結位で書きましょうかね・・・と思ったのに、全然終わらなかったパターンです。
なるべく早く終われるように鋭意努力します。はい。

レジンは少々嗜みます。
つくしよりは色々揃えちゃってます。
手軽にあれこれ作れるのが良いところです。


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甘やかな空間 -中編-

牧野が可愛い。
可愛くて仕方ない。
俺を意識して、ちょっぴり甘えてきたり、拗ねてみせたり。
時折距離を縮めてきたかと思うと、また微妙に離れていったり。
ケラケラと朗らかに笑ったかと思うと、逆にカチコチに緊張していたり。
不器用な態度がこんなに可愛いなんて思ってもみなかった。
早くそれが俺への恋心だって気付いてくれないかな・・・と、ずっとずっと待っていたんだ。

今日も東屋で、付かず離れずの距離で一緒にいる。
手仕事に集中しているようで、実は気もそぞろな感じがその背中から伝わって来るから、次は何をしてくれるんだろう・・・と期待に胸を膨らませてしまう。
すると牧野は唐突に妙な事を言い出した。
「ねえ、何か本を読み聞かせをしてくれない?」だなんて。
俺の声をBGMにしていたい・・・って、それはもう告白してるのに限りなく近いよ、牧野。

それならば、牧野が気に入りそうな本でも持って来ようかと思い、母屋のライブラリーまで取りに行った。
ついでにお袋が作ったというストロベリータルトもトレーに載せて東屋まで戻ってみると、牧野はお決まりの独り言をぶつぶつと呟いているところだ。

「恋っていったら、胸キュンな初恋と、その次の目まぐるしかったドタバタなやつと、この今の片想いしかあたしは知らないし。
上手くいかなくても当然か・・・
それにしても、その相手が全部F4の誰かって・・・
でもあの人達ってやっぱり特別な存在だから仕方ない・・・のかなあ?
でもまあ、4人目は絶対ない。
何があってもない。
天変地異が起こって、この世に2人きりになったとしても、あの下半身で物を考えるオトコ・西門総二郎とは絶対に相容れない。
万が一そんな場面が訪れて、貞操の危機を感じたら、こん棒か何かでタコ殴りにしてやる。
2人きりになってしまったらまず武器を探す、武器を探す・・・と覚えとこ。」

ああ、とうとうここまで辿り着いたんだ・・・という喜びがじんわりと胸を満たしていく。
その一方で総二郎に対するあまりにも酷い評価が可笑しくて。
まぜっかえさずにはいられなかった。

「ない・・・、ない・・・、探す・・・、探す・・・って、何か失くしたのか?」
「ひゃあっ!」

俺が戻って来た事に気付かないでいた牧野が椅子から飛び上がる。

「牧野、驚き過ぎ。」

慌てて振り返った牧野の、目が真ん丸のびっくり顔に、ついつい笑いが込み上げる。
こんな頓狂な表情さえ、見れて嬉しいと思ってしまう。
恋って盲目だ。
俺、もう気持ちを伝えてもいいんだよな?

「じゃあちょっとこっちおいで?」

不意に俺に呼ばれて、訝しがりながらも、素直に俺に向かってゆっくりゆっくり近付いてくる。
あと3歩、2歩、1歩・・・
タイミングを計って、俺も牧野の方へと踏み出した。
ぽすん・・・と俺の胸に飛び込んできた愛しさの塊を柔く抱き留める。

「ああ、やっと掴まえられた。」
「・・・へ?」
「好きだよ、牧野。」
「・・・え?」
「俺、牧野の事が好きなんだ。」
「・・・えええっ?」

盛大に驚いている牧野が可笑しくて、つい俺はふふふ・・・と声に出して笑ってしまう。
ああこれが、ずっと焦がれていた温もりなのか・・・と思いながら更に力を込めて抱き締めると、抑え込んでいた想いが一気に解き放たれる。

命ある限り俺の手で、この小さな温もりを護っていくと誓いたい。
君と出逢えて途轍もなく幸せなんだと告げたい。
2人でいることは俺の心臓をこんなにも高鳴らせるのだと、今耳を寄せている胸から聞き取って欲しい。

「なあ牧野。」
「・・・ん?」
「牧野は俺の事どう思ってる?」
「・・・す、き・・・だよ。」

やっと告げてくれた牧野の胸の内。
目が眩むほどの歓喜が襲って来る。

「じゃあこれからはずっと俺と一緒にいてくれる?」
「・・・ん。」
「きっとさ、これから色んな事があると思う。
嬉しい事も、大変な事も。
でもさ、俺、全てが楽しみでしょうがないんだよ。」
「・・・どして?」
「牧野と2人でする事なら、全部楽しめるんじゃないかって思ってるんだ。
嬉しい事はいっぱい増やして、2人の手だけじゃ抱えきれない程の幸せを作ろう。
辛い事があっても、2人で乗り越えれば大丈夫。
牧野となら、苦笑いしながらもひとつひとつやっつけていけるって。
そんなイメージしか湧かないんだ。」

そう言ったら、牧野の手が俺の背中に回り、ぎゅうっと抱き付かれた。

「ん? どうした?」
「泣きたい。」
「どうして?」
「幸せ過ぎて泣きたくなる。」

そんな事言う牧野がますます愛おしくて。
サラサラな髪の毛を繰り返し撫で下ろして、牧野の気持ちを宥めようとしてみる。

「俺としては、牧野の泣き顔より、笑い顔をいっぱい見たいんだけどな。」
「・・・だって、美作さんが泣きたくなるような事言うんだもん。」
「俺のせいか。」

牧野の髪の毛を指で梳き、後頭部の丸みを感じていると、優しい気持ちで満たされていく。
東屋の中の空気がどんどん暖まっていくような気がするのは、俺と牧野が身体を寄せ合って、体温を分け合っているからなんだろう。

「いいよ、泣いても。
涙は全部俺が拭いてあげる。
その代わり、もう他の奴の前では泣くなよ。
特に類の前では。」
「なにそれ・・・
焼き餅なんか焼くの、美作さんが・・・?」

はあ・・・
類との距離の近さが、どれだけ俺の心を乱して来た事か、牧野はちっとも分かってない。
類の方はいざ知らず、牧野の類への思いが恋心とは全く違うものだとは理解している。
それでも、なんの衒いもなく類のされるがままになっているのは、見ているこちらの感情を逆撫でするんだ。

「妬くよ。
好きな子が他の男とべったりくっついていたら、心穏やかじゃいられない。
それが普通だと思うけど。」
「べったりって! あたしからやってる訳じゃないし!」
「それでも、拒みもしない癖に。」
「だって、類だよ?」

そう。牧野の前では爪も牙も隠してる類。
でも本当はあいつだって『男』なんだよ、牧野。
全く分かってないよな。

「類でも、他の誰でも。
今日からは俺以外の男の前で泣いたり、弱音吐いたりしない事。
それを受け止めるのは俺だけの特権。」

まだまだちゃんと理解していなさそうな、きょとんとした表情を浮かべてる牧野の頤をくいと掬う。

「分かった?」
「うん・・・。」
「じゃ、約束。」

指切りをする代わりに、小さな口付けをひとつ。
途端に顔を真っ赤に染める牧野に、俺の口元は綻んでいく。

「何? 何か言いたそうだな。」
「き、き、き・・・ キスしたっ?」
「そう。足りなかった? もっとしようか?」

更に戸惑うのを期待して、そんな事を言ってみる。
ああ、どんな牧野だって可愛い。
目を白黒させているのも、頬から耳朶まで赤く染めているのも。
牧野を見詰めていると、どうやってこの状況から一時退避しようかと、必死に頭を巡らせているのまで手に取るように分かってしまう。
だめだよ。
もう逃がさない。
牧野つくしの居場所は俺の腕の中になったんだ。

「約束する度にキスをひとつ。」

有無を言わさずに唇を盗む。

「今は何も約束してないじゃん!」

そんな抗議もまたキスで封じる。

「さっきのは絶対に幸せにするよって約束。」
「もう離れない。ずっと側にいる。」
「牧野しか見ない。」
「好きだよ、牧野。」

一言耳元で囁いてはキスをして。
それを繰り返していたら、とうとう牧野が音を上げた。

「ちょ・・・、もう、ギブアップ・・・。」

うるうると濡れた瞳で訴えられたら、俺も敵わない。
へにゃへにゃとその場に崩れ落ちそうになった牧野を抱き留めて、俺は幸せに浸る。
こんな日が巡って来るのをずっと前から待っていたんだから。

この時から、東屋は俺達の大事な場所になったんだ。


________________



ぐはあっ!
甘い! 甘すぎるっ!
書いてて自分がギブアップしそうでした。
あきらきゅんの怒涛の甘やかし攻撃。
そしてまだ誕生日になってない(苦笑)
次回そこまで辿り着いて、終われたらなあと思ってます。

あきらのお誕生日をお祝いするチャット会、遊びに来てくださった方、有り難うございました!
メッセージを残して下さった方も沢山いらして。
あきらは幸せ者ですね。
原作の中では見切れキャラでも、拙宅では主役のお話もあって、皆様から愛でて頂いてます。
何処かからにっこり笑って「ありがとう。」と言ってる事でしょう。


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甘やかな空間 -後編-

きっとこの恋は片想いで終わっていくんだろうと覚悟してたのに。
ずっと妹ポジションでしかいられないと思ってたのに。
先日美作さんから告白されて、晴れて両思いになりました、あたし達!
こんな事があるなんて・・・
まだ夢を見てるみたい・・・

聞いてみれば、美作さんはずっとあたしの事気になっていたんだって。
でも元々それは恋と言うよりは、危なっかしくて見ていられない!とか、失恋して弱っているのをほっとけない・・・というお兄ちゃま的目線だったみたいだけど。
段々と時間をかけて気持ちは変化したそうで。
気付いたらあたしが可愛く見えてたんだって!
全く恥ずかしげもなくそういう事言っちゃうこの人、どーかしてると思う!
こっちが恥ずかしくなるよ!
でも無理矢理気持ちを押し付けたくはないから、あたしの心が美作さんに向かうようになるのを、お兄ちゃまモードのまま見守っていたらしい。
そして、まんまとあたしがそんな美作さんに恋しちゃったって訳。
何か自分の想像を超える事が起きちゃって、全く頭がついていかないんですけど。

同じ空間に2人でいられるだけで幸せでぽーっとしてると、蕩けそうに柔らかな微笑みでこっちを見ていて。
「牧野。」とまろやかな声であたしの名前を呼び。
そしてふんわり抱き締めてきたりする。
こちとらそんな事に慣れてませんから!
もうあっという間に石のようにかっちんこっちんに固まりますよね!
あと、折に触れてチュッとキスしてくるのも困るのよ!
そりゃあね、オトモダチとも唇にチューするような人種だからね、F4は。
気軽な挨拶程度と思ってやってるんだろうけど!
あたしにはそんな習慣ないんですー!
される度に顔がかあっと熱くなって、言葉も出なくなっちゃうんだから。
「ふふふ、可愛いな牧野は。」なんて言われて頬っぺたを指先で撫でられて。
更にキスを追加されちゃったりしたら、顔が熱くて熱くて、氷水に浸けて冷やしたい位になっちゃう。
目を瞑っても瞼の裏がチカチカしてしまう程に気持ちは動転してるから、美作さんの胸をぎゅーっと押して、「もうギブアップ・・・」と呟く羽目になる。
一応ね、相手は紳士だから。
そこで甘ーい攻撃は一時お休みになるんだけども。
あたし、こんなの慣れる日が来るのかな?

恋人同士になって最初のイベントはバレンタインだった。
色々考えて、やっぱり手作りがいいよね・・・とレシピを調べて、あんまり失敗し無さそうで美味しそうな生チョコのタルトを作った。
美作さんが「お茶にしようか?」と言ってくれたタイミングでそれを取り出す。

「美作さんの口に合うといいんだけど・・・」

そう言いながら箱を渡すと、美作さんがふわんと優しい笑顔を浮かべる。

「ありがとう、牧野。凄く嬉しいよ。」

そう言ってあたしのおでこにチューして来た!
ぎゃー! たとえ唇じゃなくても、キスされた!って思うだけで顔熱くなる!
いつも2人で過ごしている東屋に、甘いチョコレートの香りが漂って、その空気を吸い込むだけでクラクラしそう。

「美味しいよ、牧野。」
「あ・・・、良かった。」
「でも牧野が食べさせてくれたらもっと美味しいかも。」
「ええっ?」
「はい、あーん。」

何ですと?
自分で食べれるのに、あたしが食べさせるんですか?
これは何の儀式なんですか?
恋人同士ってこんな事するんですか???

???が頭をグルグル回ってるけど、思い切ってタルトを載せたフォークを口元まで運んだら・・・
美作さんがそこに唇を寄せて来て・・・
ぱくん。もぐもぐもぐ。コーヒーを一口こくり。
そして破顔。
「牧野が食べさせてくれたらもっと甘くなった。」
それを近距離で目の当たりにしたあたしは、顔から火が吹かんばかりになって。
この日もここでギブアップ宣言してしまったのだ。
この人は自分の微笑みに破壊的な威力があるのだと知った方がいい、絶対。

そして次に迎えたのは、2週間後の美作さんのお誕生日。
絵夢ちゃん芽夢ちゃん主催の『お兄ちゃまのお誕生日をお祝いするスペシャルランチ』にあたしもお呼ばれして、一緒にバースデーソングを歌って、楽しくお祝いしたんだ。
ああ、いいお誕生日だねーと思ってほっこりしたけれど、これで終わりじゃなかった。
ランチが終わったら「これからは2人の時間。」と耳元に囁きを落とされて、途端にドッキンドッキン心臓が暴れ始める。
優しく手を取られて、母屋から引っ張り出され、いつも通り東屋で2人きりになった。
さっきまで普通にしていられたのに、急に身体がギクシャクし始める。

「牧野。」
「んんっ?」
「そんな緊張しないで。
取って食ったりしないから。」
「わわわわ、分かってるよ、そんなのっ!」
「いつになったら俺と2人でいるのが一番心地良いって言ってくれるのかな。
まだまだ先は長そうだ。」
「そんな事ないもん!
あたし! あたし! 美作さんと一緒にいる時間が一番幸せだもん!」

そう言ったら美作さんが幸せそうに頬を綻ばせる。

「それ、誕生日プレゼント?」
「え?」
「俺と一緒にいるのが一番幸せ・・・だなんて。
最高に俺を喜ばせるプレゼントだ。」
「えっと、いや、そうじゃなくて、プレゼントは他にあって・・・」

もにゃもにゃ呟いてると、ソファで横並びに座ってた筈が、いつの間にか美作さんの腕があたしに巻き付き、顔がどんどん近づいてきて・・・
キスの気配に目を閉じてしまった。
そして予想通り唇が重なる。
予想外だったのは、いつもみたいにチュッとして離れてく・・・じゃなくて、チューーーーーーーーーー位の長いキスだった事。

え?何これ?
唇がジンジンして。
気持ちはふわふわして。
心臓はドドドドって変な音立ててて。
何かあたし、おかしい。
そして今、おでことおでこをくっ付けて、物凄い至近距離に美作さんの顔がある。
ドアップ。って言うか、顔しか見えない!
近い、近過ぎ!

「なあ、牧野。」
「へ・・・?」
「誕生日だから、ひとつ我儘言っても許される?」

返す言葉も出て来ずに、目をぱちくりさせるしかないあたし。

「牧野からのキスが欲しいな。」

な、な、な、何ですと?
もう既に脳味噌フリーズしそうに混乱してるあたしに、降ってきた超難題。
あたしから貴方にキスをしろと!?
それちょっと、急に難易度上がってないですか?

「そうしたら・・・」

そうしたら?

「絶対にもっと幸せな日になる、俺の誕生日。」

えー? えー?? えー???
美作さんの声が、甘い吐息が、あたしの頭の中に忍び込んで、辛うじて残ってた思考能力のカケラを融かしてく。
顔が何かに操られるみたいにじわりじわりと美作さんの方に近付いていく。
ぎゅうっと目を瞑って、えいやっ!と唇をくっ付けて。
やった! やったわよ、つくし!
これでミッションコンプリート!
と思った途端、主導権は美作さんに移り、逃げられなくなってた。
さっきよりも長い、そして熱烈なキスに翻弄されて。
やっと解放された時には、息も絶え絶えになってたあたし。
あまりの出来事に抗議の言葉も浮かばないでいたら、目の前には蕩けそうに甘く微笑む美作さんがいる。

「今日はギブアップって言わないんだな。
それも凄く嬉しい。」

そう言ってまたチュッとしてきた!

ちょっと!
取って食ったりしないって言ったはずなのに!
結構これ、齧られてる位にはなってんじゃないの?
ねえ、ねえ、ねえ?

「牧野、最高の誕生日をありがとう。」
「・・・オメデト。」

その言葉の返しさえもキスだった!
ああ、もう、ホント、お手柔らかにお願いしたいんですよ!
あたしと貴方じゃ、恋愛スキルが違い過ぎなんだから!
東屋での甘い甘ーい2人の時間。
あたしにとっては大変キビシー恋のレッスンの時間です。


_________



ウブいつくしをどうやってあきらは攻略するんだろ?と考えて・・・
まあ、嘘は吐かないにしても、結構強かに網を張るんじゃないかと思うんですよ。
こうやって『洗脳』・・・もとい『慣らし』ていくのかなー?なんてね。
でもまあきっと先は長いと思います(苦笑)

ちなみにつくしがこの日用意していたプレゼントは、レジンを流して作った夜空風のスマホケースでした。
本編で書ききれなかったー!


試作した。腕前はつくしレベルだった・・・(._.)

こんなバカップルでしたが、あき誕SS、お楽しみ頂けたなら嬉しいです。


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