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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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ずっとこの時を待っていた -前編-

疲れてる!
あたし、疲れてる!
とっても疲れてるんだよー!

何だか最近体調があんまり良くない。
ずーっと仕事忙しくて残業多かったから、肩凝り酷くてそのせいで頭痛もするし。
疲れが溜まってるせいで身体もずーんと重い。
部屋に帰って来てソファに身体を委ねてぐったりしてると、ぐらっと揺れている感覚に襲われる時がある。
「あれ? 地震かな?」と思って辺りを見回すけれど、窓辺の観葉植物の葉っぱも揺れてないし、食器棚の中からかちゃかちゃいう音もしない。
それで、あー、自分が揺れてたんだ・・・と目眩だった事に気付くの。
食欲もあんまりないんだよね。
食べる前から胸がいっぱい・・・みたいな感じで。
でもまあ食べ始めたらそこそこ胃には収まるんだけどさ。
もー、兎に角疲れてんの、あたし。
早く繁忙期抜けたい!
のんびり温泉とか行きたい!



「つくしちゃん、今日何か俺に冷たくね?」

調子が出ないから、あたしに会いに来てくれた西門さんの相手もちょっとおざなりで。
生返事していたら、そんな事言われちゃった。

「ごめん・・・、ちょっと仕事忙しくて疲れてて。
今日元気ないの、あたし。」
「お前さー、仕事頑張り過ぎなんだよ。
抜くとこ抜いてかないと体力もたないだろ。」

西門さん、そういうの得意そうだよね。
でもあたしは不器用なのよ。
兎に角何でも一所懸命にやっちゃう人生送ってきてるの。

「疲れてんなら今日は出掛けないでここでのんびりしてようぜ。
メシも作るの面倒ならデリバリー頼めばいーじゃん。」
「えー? うーん・・・。」

このお部屋でのんびりっていうのもさ、ソファで並んで座ってるうちに、西門さんがあたしに色々ちょっかいかけてきて。
気が付いたらベッドの上だったりする事もしばしばある訳。
あたしとしては、ラブラブするのは一晩に1回で十分っていうか、お腹いっぱい!って感じなんだけど。
このケダモノはそれじゃ満足してくれなくて。
「なぁ、つくしちゃん、もう一度いいだろ・・・」とか耳元で囁いてくるのよ。
で、結局もう一度じゃ済まなくて、翌朝疲労困憊、身体ギシギシで目が覚める事になる。
まあね、毎日色んな女の人とイタしちゃってたオトコな訳だから。
あたしと一緒にいるようになって、会えるのは基本週末だけ・・・ってなったら、色々持て余してるんだろうな・・・とは思うんだけど。
この人の事情と、あたしの体力とか、キャパシティとかがマッチしないのよね。
そのギャップをどうしたらいいかな・・・と常々考えてはいたんだけど、いい解決法を思い付けないまま、今日に至ってるのだ。

ソファに座りながら優しく肩を抱かれてると、あったかくて心地良くて、どんどんどんどん眠くなってくる。
西門さんがしなやかな指先で、ゆっくりとあたしの髪の毛を梳いてくれてるのも、安心出来て、更に眠気を誘う。
そうしていたらいつしか本当に西門さんの膝枕で眠ってしまっていたらしい。
目を覚まして、まだまだ眠い目をぱちぱちとさせて見上げると、すぐそこに優しくあたしを見守っている西門さんの眼差しがあった。

「ごめん、あたし寝ちゃった・・・。」
「ああ、いいよ。疲れてんだろ。
俺はお前の寝顔見てんの好きだし。」

そう言ってにやりと笑うって事は・・・
寝てる間に何か悪戯されてたんじゃないだろうか?
まさか、顔に落書きとかされてないよね?

「なぁ、つくしちゃん、ちょっと痩せたか?
ほっぺのぷにぷに感がいつもより足りねえんだけど。」

あ、やっぱりほっぺたつんつくして遊んでたんだ。
全く失礼しちゃうわね。

「・・・体重計乗ってないから分かんないけど。
最近あんまり食欲なかったから。
そういう事もあるかもね?」
「おいおい、つくしちゃんが食欲ないだなんて一大事だろ!
お前どっか悪いんじゃねえの?」
「えー? どこも悪くないよ。
ただホント疲れが溜まってるの、あたし。
肩凝り酷いから頭痛くなる時あるし。
なかなか疲れが取れないから、いつも身体重たーい感じで。
ねえ、疲れ過ぎると目眩したりする事なーい?
時々くらっとするんだよね。
あー、もー、ホント早く忙しい波乗り越えて、ゆっくり休み取りたーい!」

そう言ったら西門さんの顔付きがちょっと変わった。
何か思案してるみたいだ。
変な事考えてなきゃいいんだけど。
この人は策士だから、油断ならない。

「つくしちゃん、俺ちょっと欲しいもんあるから買い物行ってくるわ。
ついでに何か買ってきて欲しいもんあるか?」
「えー? 何買いに行くの? ビール足りなかった?
あたし、フルーツごろごろ入ってるゼリー食べたいな。
そこのコンビニに売ってるんだ。
ビール売ってるショーケースの向かいのとこ。
あとね、アイス!
あったかい部屋の中でぬくぬくしながら冷たいアイス食べるの大好きー。」
「分かった、分かった。
お前はここでもうちょい寝とけ。」
「ん・・・、ありがと。」

あたしのあったかい膝枕は出掛けてしまったので、代わりにクッションに頭を載せてテレビを観てたけど、またうつらうつらしてきた。
瞼が段々と重たくなってくるのが自分でも分かる。
まあ、是非観なきゃって番組でもないからいいか・・・と思ったところで意識はすうっと途切れてしまった。


_________



お疲れモードのつくし。
分かるー。
管理人もいつも疲労困憊やねん・・・
そんなつくしには流石の総二郎も無体な事はしない・・・はず?

この原稿、大半を一度ミスで消去しちゃいまして。
ショックを受けながら書き直しました。
使うアプリを変えなきゃダメかも。
(この頃はもっぱらスマホで書いてます。)
寝惚けても自動保存してくれて、万が一の時うっかり消したのをundo出来るようなテキストアプリ知ってたら教えて下さいm(__)m


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ずっとこの時を待っていた -中編-

次に気が付いた時には、西門さんはもう買い物から帰って来ていた。
あたしがソファを占領してしまっているから、ソファとコーヒーテーブルの隙間に座っているのだろう。
すぐ目の前に広い背中と後頭部が見える。

「帰ってきたなら起こしてくれていいのに。」

そう声を掛けると、振り返ってあたしのおでこにそっと柔らかな唇を押し当ててる。
おでこへのキスって好き。
そこにキスされると、とってもあたしの事大事に思ってくれてる・・・って気持ちになるから。

「気持ち良さそうに寝てたからそのままにしといたんだよ。
今日はのんびりしようって言ったろ?」
「うん。」
「ゼリーとアイス、買ってきたぜ。
今食べるか?」
「んー、ゼリーを今おやつに食べて、アイスはご飯の後のデザートにしようかなぁ?」
「ちょっと待ってろ。持ってきてやるよ。」

西門さんが妙に優しい。
あたしが元気ないとか、疲れてるとか弱音吐いちゃったからなんだろうか?

ゼリーとスプーンを手にキッチンから戻ってきて、更に甲斐甲斐しくゼリーの蓋を開けてくれている。

「食べさせてやろうか、つくしちゃん?
あーんって。」
「そんなの・・・、病人じゃないんだから自分で食べれるよ。」

身体を起こして、ソファに座り直した。
冷たくてさっぱりしたグレープフルーツのゼリーはとっても美味しくて、ツルツルと喉を滑り落ちてく。
隣に腰を下ろした西門さんがあたしの一挙手一投足をじーっと見てる気がして、ちらっとそっちを向いてみたら、甘ーく微笑みかけられたから、慌ててゼリーに視線を戻した。

「た、食べたいの、これ?」
「いいや、食ってるお前を見てるだけ。」

えー? 何なの?
何だか過保護じゃない?
それにこのキラースマイル攻撃。
その後に無理難題を吹っかけてくる布石じゃないかと疑心暗鬼になるわ。
西門さんが不必要にニタニタ笑ってる時ってろくな事起こんないのよ!

食べ終わって、ふわぁーと満足の溜息を吐いた。

「あー、美味しかった。
買ってきてくれてありがとね。」
「そんなゼリーの一つや二つ、いつでも買ってやるよ。」
「ん。でもありがと。」
「食欲ないって言ってたけどこれは食えたな。」
「そうだね、今は平気。
あのー、あたし病気じゃないから。
単に疲れからくる胃もたれでしょ。
そんな心配しないで。」

あたしの言葉を聞いてた西門さんが、ちょっと真面目な顔して目をぱちぱちさせてる。
そして改まった感じであたしを呼んだ。

「牧野。」
「うん?」

さっきまで『つくしちゃん』とか『お前』って呼んでたのに、何故か急に『牧野』呼びに戻ってる。
な、何?
一体何を言うつもり?

「あのさ・・・、ちょっとこれ試してみてくんねえ?」

そう言いながら西門さんがあたしの目の前に差し出したのは『妊娠検査薬』と書かれた細長い箱だった。
『簡単!』『1分判定』『99%以上の正確さ!』といった文言が躍っているパッケージがインパクト大。

「な、何で?
何であたし検査しなくちゃなんないの?
それに何でこんな物持ってんの?」
「今買ってきたんだよ、そこのドラッグストアで。
何もなきゃ、ないって分かってスッキリするだろ?」
「え? だっていつも、その、あの、アレ・・・、ちゃんとしてくれてるんだよね?」
「あのな、どんな避妊にも100%はねーんだよ。
だから、念の為に。なっ!」

そう言われて、小箱を手に持たされ、背中をぐいぐい押されてトイレに押し込まれてしまった。

えーーー?
妊娠検査薬って・・・。
自分とは関係ない代物だと思ってたのに。
それにほら、妊娠って、炊き立てのご飯の匂いで「うっ・・・!」とかなって、トイレに駆け込むとか、そういうのだよね?
あたしのは単なる疲れの蓄積だし・・・。
こんなの買ってきちゃって、お金の無駄だと思うんだけど。
まあ、何だか心配してくれてるみたいだし、なんともなかったって分かったら安心してくれるでしょ。

小箱を開けて。
説明書通りに検査して。
「1分程で検査結果が判ります。』って書いてあるのに、あっという間に二つの小窓に2本の線が浮かび上がった。

ん?
んんん?
あたし勘違いしてる?
ここに線が出なかったら妊娠反応なし、出たら妊娠反応ありじゃなかった?
逆だっけ?
もう一度説明書や入っていた箱をしげしげと眺めるけど、やっぱり線が2本で妊娠反応ありって書いてある。
そして、その写真の下にはこんな文章が太字で強調されて印刷されていた。

妊娠している可能性があります。
できるだけ早く医師の診断を受けてください。

に、妊娠?
あたしが妊娠?
妊娠してるって事は、お腹に赤ちゃんがいるって事で・・・。
その子の父親は西門さんで・・・。
え? あたし、どうしたらいいの?

心臓が急にばくんと鳴った。
それと同時にどんどん頭がこんがらがっていく。


_________



予想されてた方多かったんじゃないかと思いますが。
疲労の蓄積・・・じゃなくて、総つくbabyがお腹に!という場面でした。
もう1話続きます。

でこチューのお話を書きたくてー(笑)
総二郎が優しくでこチューしてくれるの、萌えません?
あきらなら双子ちゃんにしてるみたいにさらっとしてそう。
類も何でもない振りして簡単にちゅっとかしそう。
一番しなさそうな総二郎がしてくれるところに意味があるっていうかね(〃艸〃)ムフッ
古くはキャンディ・キャンディとアルバートのでこチューから憧れてました。
自分が幸せなでこチューをしてもらった記憶は・・・ないな(爆)
皆様の羨ましくなるようなでこチュー体験談、こっそり教えて下さい。
お待ちしております(。-∀-)ニヒ♪

今日は関東でも雪予報が出ています。
まだ何も降り始めていないので、どれだけ降るのかしら?と思ってるのですが・・・
お出掛けになる方はどうぞお気を付けて。
雪道歩く時は小股でちょこちょこ歩くのが滑らないコツですよー。
あと、人が通った轍を歩きたくなりますが、踏み荒らされていない新雪部分の方が滑らないです!
   ↑ ↑ ↑
(北国育ちの経験から)


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ずっとこの時を待っていた -後編-

一部少々下品な表現があります(*/∀\*)
先にお知らせしておきます(苦笑)


*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。


1人トイレの中で考え込んでいたら、ドアが控えめな音でこんこんこんとノックされる。

「つくしちゃん、大丈夫か?
具合悪くなったりしてないか?」

具合は悪くないけれど、訳が分からなくなっている。
ドアを開けたらすぐそこに西門さんが立っていた。

「お前、顔色悪いぞ。」

そう言われてほっぺたを掌で包まれるけど、その温もりを感じても、今はちっともほっと出来ない。

「検査結果、どうだった?」
「・・・・・・。」
「妊娠してたのか?」

心配そうにあたしの顔を覗き込んでくるこの人には、地位も世間体もある。
まだお腹の中にいるとも感じられない程小さな命は、『西門流次期家元の隠し子』と囁かれ、後ろ指を指されてしまう存在になるんだろうか?

咄嗟に嘘を吐けなくて、こくりと頷いてしまった。
この人の為には「何ともなかった。」と言わなきゃいけなかったと気付いたのは、頷いた後だったけどもう後の祭り。
なのに、目の前にはぱあっと顔を輝かせる西門さんがいる。

「マジで? 妊娠してたのか?
やった! やべえ! すげえ嬉しい!」

途端にぎゅうぎゅう抱き締められ、余計に頭が混乱してきた。
この人にとって、庶民のあたしとの間の子供の誕生なんて喜べない筈なのに。

「えーっと、まず何からだ?
お前の両親に挨拶か?
いや、病院だよな。一番に病院行かねーと!
今日はもう夕方だから、明日か?
でも日曜日って病院やってんのか?
ちょっと調べないとな。
挨拶して、その足で区役所・・・
ん? 戸籍の取り寄せが先か?
あー、西門行くのは一番最後な。
ウチ、とびきり面倒だから。」

1人でベラベラ喋りまくってる。
あたしが思ってるのと全く違う反応をしている。
何かがおかしい。
戸惑いを押し退けて、じわじわとイヤーな感じが胸の奥から湧いてきた。

「・・・ねえ。」
「どうした? 気分悪いか?
あー、お前座ってた方がいい。
身体も冷やさない方がいいな。
ブランケット掛けてろ。
そうだ! あったかいモン飲むか?
何飲む? カフェインはダメなんだよなぁ・・・。
ホットミルクならどうだ?」

ソファに座らされ、ブランケットをぐるっと巻かれた。
目の前には妙にハイテンションな西門さんがいる。
それを無言でじとーっと睨め付けた。

「ん? つくしちゃん、顔怖いぞ。」
「・・・もしかして、あたし担がれてたの?」
「人聞き悪いな、それ。
秘密の妊活とでも言ってくれよ。」
「に、妊活??? 妊活ってどーいう事???
ずっと避妊してくれてたよね???」
「あー、それな。
ほら、いつも1回目は着けてスルだろ。
で、つくしちゃんは俺のやる事なす事全部にすっげー感じちゃって、2回戦、3回戦になると、どんどん訳分かんなくなるじゃん。
だから、その時に秘密の妊活をな。」
「はあーーー?」

我ながら素っ頓狂な声が出た。
開いた口が塞がらないとは正にこの事だろう。
信頼していた相手にずっと騙されてたんだから。
『あ』の形で口が開きっぱなしになったが、はっと気付いて更に抗議した。

「何でそんな事すんのよ!?」
「つくしちゃーん、そんな怒んなよ。
お腹の子がびっくりしちまうだろ。
怒ってると子供に届く酸素が少なくなっちまうんだから。
ほら、落ち着け。深呼吸しろ。」

何なの?
こんなの、この人の発言とは思えない。
本当に妊活中のパパさんみたいな言動の数々。
ますます疑惑が深まっていく。

「俺さ・・・、お前との子供欲しかったんだよ。
どうしてもお前と結婚して、俺とお前と、2人の間に授かる子供と人生を歩んで行きたかった。
けど、ウチって色々面倒な家だろ?
それでも、流石に子供が出来たから入籍したって事になったら、それは覆せなくなる。
だから、西門に邪魔される前に子供を授かって、婚姻届も出しちまおうと、そういう計画を立てた訳。」
「そんな無茶な・・・」
「お前に言うと、あれこれ考えちまうだろうから、秘密の妊活をしてたんだ。
俺の週末毎の頑張りが実って!
こうやってお前の中に俺達の子供が来てくれたんだぜ。
いやぁ、感慨も一入だな!」

誰よりもクールでクレバーだと思ってたけど。
ホントは物凄いアホなのかしら、この人。
本気?
本気でそんな底の浅い計画を実行してたの?
『頑張り』とか言ってるけど、単に好き勝手やってただけだよね?

「そんな顔すんなよ。
お前と、俺達の子供は、俺が絶対護ってみせるから。
ややこしい家に入ってもらわないといけないけど・・・
俺と結婚してよ、つくしちゃん。」

様々な感情が入り乱れて涙が出そうだ。
目の前のこの馬鹿なオトコをポカスカ殴りたい。
ぎゅうっとぎゅうっと抱きつきたい。
両極端な思いに駆られた。
泣くのを堪えるのに必死で、言葉が口から出て来ない。

「つくし。」

あたしの名を優しい響きで呼んでいる西門さんが、きゅっと握りしめていた両手の拳を大きな掌で包んで、微笑み掛けてきた。

「泣くなよ。」

目尻に押し当てられる温かな唇が、余計に涙を誘う。

「笑ってくれよ。
俺はお前の笑い顔が一番好きなんだ。」

だからそういうこと言われるともっと泣いちゃうんだってば。

「笑って、うんって言ってくれ。
観念して俺と結婚するって。」

もう、何でこうなの?
全部自分の思い通りに事は運ぶって信じて疑わない自信ありありな態度。
俺様が過ぎると思うのよ。
騙されてたあたしの気持ちはどーなるの?
心構え無しに急に子供を授かったあたしの気持ちは!?

「つくし。」

涙目で睨み付けてるあたしに、柔らかく笑い掛けてきた。
おでこに唇をそっと寄せて、また囁く。
あたしがおでこへのキスが好きなのに気付いている、確信犯の的確な攻撃。
そこで喋られると脳味噌に直接話し掛けられてるみたいで、頭がびりびりと痺れる感覚に襲われちゃうんだ。

「何に背いたとしても、これだけはどうしても叶えたかったんだ。
俺は一生大切にするよ、お前の事、生まれてくる子供の事。
だから俺に家族を作らせてくれ。
お前とじゃなきゃ嫌なんだ。」

「・・・ん。」

ついその熱の籠った言葉に導かれ、返事をしてしまった。
安堵の溜息が聞こえてきた後、その胸にひしと抱き寄せられる。

「ああ、もうずっと・・・
ずっとこんな日が巡って来るのを夢見てた。
お前と、俺達2人の子供を、この腕に抱き締められる時を待ってたんだ・・・。」

知らなかったよ、そんな気持ち。
胸の内を明かしてくれたことなんかなかったもの。
でもこうして身体を寄せ合って、体温を伝え合って、常より早い心臓の拍動を聞いていると、全ての蟠りが融かされていくかのようで。
胸に湧き起こった色々な想いが、涙になって止めどなく溢れてく。

「・・・あたし、頑張るね。」
「俺も。俺も頑張るよ。
お前と子供と生きてく為に。」
「ん・・・。」
「あー、もう俺に欲しいものはないな。
最高に欲しかったもの二つとも、手に入れられたから。」

また安堵の溜息が聞こえてくる。
溜息がこんな大きな幸せを運んで来るなんて、あたしは今初めて知った。

この人と結婚するなんて・・・
そんな事あり得ないだろうと、何度も何度も自分の中の望みの芽を摘んできたのに。
今あたしの中に2人の赤ちゃんがいて、あなたはあたしとその子を護ると言ってくれた。
夢みたいな幸せがあたし達を包んでる。
でも本当は・・・
心のどこかでずっとこんな時が巡ってくるを待っていたのかも知れない。
あなたとの子供の母親になれる、その日を。


_________



書いといてなんですけど、この流れでのプロポーズ、サイテーじゃないですか?(爆)
つくしがプロポーズにそんな夢を抱いてるとは思えないけどさぁ。
そして総二郎が策士だって知ってるのに、張り巡らされた網にまんまと掛かっちゃう。
可哀想に(苦笑)
こんなお話でしたが、楽しんで読んで頂けたなら嬉しいです。

さてさて、でこチューおかわりしときましたが(笑)
でこチュー体験談を募集したら、人間からじゃなくて動物からされた体験談がいくつか届きました。
愛のあるでこチューは妄想の中にしかないのか?
ないのかー???


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