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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
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安眠の秘訣 前編

夏のおバカな2人の一コマ。

__________


東京の夏の夜は寝苦しいもので。
ぐるりを広大な庭に囲まれた西門の邸でも、冷房を効かせずには眠れない。
すると喉がやられたり、朝起きてそこはかとなく頭が痛んだり、身体が重かったり。
スッキリと目覚められない事が多い。
だけど牧野と一緒に過ごす時だけ、俺は朝迄ゆっくり眠れるから不思議だ。
冷房を効かせた部屋で、滑らかで冷んやりした牧野の身体を抱き枕代わりに寝るのは、なんとも心地よい。
牧野は

「暑い! くっつかないで!」

なんて喚いているけど、ぎゅうっと抱き込んで、髪を梳いてやってるうちにすうすうと寝息を立てるのは、こいつの方が早い訳で。
その寝息を子守歌に俺も寝てしまうのが常だ。

昨日も地方での仕事を終え、疲れている身体を押して、この部屋までやって来た。
すっかり寝こけている牧野の隣に滑り込んで、俺専用抱き枕を抱き締めて、幸せな気分で眠りについた筈なのに、今朝は何だか寝苦しくて目を覚ました。
俺の抱き枕は何処かに逃げ出しており、代わりにクッションを抱かされていた。

なんだ、これ? 暑い訳だ。
牧野以外のものなんか抱き締めたくねぇんだよ。

クッションをぽーんとそこらに投げ出し、寝室のドアを開けた。
テーブルの上には朝飯の支度。
でも牧野の姿は無い。
この狭い(牧野に言わせれば十分広い)牧野の部屋で、行く所と言ったら限られてる訳で。
俺は洗面所に足を向けた。
案の定、朝から洗濯機の前でせかせか働く牧野の姿を見付けた。

「何だよ、勝手にベッド抜け出して。
起きてお前いないと寂しいだろ。」

背後から抱き締めて、とびきり甘ーい声で耳元で囁く。

「うひゃっ! びっくりしたっ! 心臓止まるかと思ったでしょうが! 朝起きたら普通にお早うって言ってよ。」
「お前だってお早うなんて言ってねぇじゃん?」
「おはよっ! ほら、洗濯物干しちゃいたいんだから、離してよ!」

本気で抜け出すつもりらしく、腕の輪の中で身体を捩ってる。

彼氏からの熱い抱擁を袖にして、洗濯物を干すだぁ?
ホント色気ねぇ奴。
少しお仕置き必要か?
本気の西門総二郎にかかったら、お前なんか簡単にメロメロのくらんくらんだぞ。
お子ちゃまのお前に合わせていつも手加減してんの分かってねぇだろ。

ぺろりと耳を舐め上げると、ひゃっ!と叫んで身体の動きを停めた。

ふふん。どんなお仕置きが効果的だ?
折しも仕事が休みの日曜日。
時間はたっぷり丸1日。

まさに舌なめずりしながら、牧野の顎を掴んで、こちらを向かせる。
腰からぐっと抱き上げ、熱烈なキスで、心拍数を高めたところで、唇を離した。
ぽーっとしている牧野に、フェロモンたっぷり載せの必殺スマイルでお早うと言ってやる。

「な、何、これ?」

酸欠気味の牧野の脳味噌はクラッシュしているらしい。

「んー? 朝のアイサツ? お早うって言えって言ったのはお前だろ?」
「いや、なんか息苦し…」

そう言う牧野の口をまた塞ぎながら、洗面所からリビングへ、リビングから寝室へと、牧野を引っ張り込む。
こんな時狭い部屋は便利だ。
移動距離が短くて済む。
2人してどさっとベッドに倒れ込むと、慌てて逃げようとする牧野。

「ちょ、ちょっと西門さん、もう朝! 朝なの! ご飯食べようよ!」
「さきにこっちを食ってから。」

そう宣言して、美味しく牧野を頂いた。
疲れて微睡む牧野の身体を抱き寄せて、その感触を楽しんで。
そうしているうちに、俺にも眠気がやってくる。

ほら、俺専用抱き枕があれば、いつでもどこでも俺は安心して眠れるんだ。
そろそろ毎日必要なんじゃないか、これ?
仕事の合間の会える時だけなんて、我慢してるの、バカみたいだ。

艶やかな髪に手を入れて、すぅっと梳くと、ひやりとした手触りが心地よくて。
髪を梳きながら、牧野の目が覚めたら、どこに行こうかと考えを巡らせる。
そのうち、夢の世界に引き込まれた。

転寝から目が覚めると、俺の抱き枕はちゃんと俺の腕の中。
思わず、ぎゅーっと抱き締めて愛でると、苦しいよ…と呻き声をあげた。

「なぁ、俺、買い物あるから、飯食って出掛けようぜ。」
「…ん? うん…」

しゃっきり目覚めた暁には、怒りの鉄拳制裁もあるかもしれない。
さっさとベッドを抜け出して、シャワーを浴びた。
出てくると、テーブルの上には温め直された朝飯。
その横にはぶっすりとした牧野の不機嫌顔。

「どうした、つくしちゃん。可愛い顔が台無しだぜ?」
「誰のせいよ?」
「まあまあ。俺達、愛し合っちゃってるんだからフツーのことだろ?」
「はぁ??? 朝からがっついてるのってフツーの事ですかね?」
「だって、昨日の夜、俺が来たとき、お前もう寝ちゃってたろ。
寝込み、襲って欲しかったか?」
「そんなことある訳ないでしょっ!
ご飯1人で食べといてっ! あたしはシャワー行ってくるっ!」

鉄拳制裁は免れたが、罰は一人メシか。
普段、1人で飯を食うのなんかなんてことないが、牧野の部屋でそれをやらされるのはつまらない。
俺がお仕置きしてたはずが、いつの間にか俺がお仕置きされてる側になってるのは何故だ?!


__________


0時更新、すっ飛ばしてしまいました。スミマセン…
急な体調不良でね…
動けなかったよ。
暑い折、皆様も食中毒にはお気を付け下さいませ。
(昨日のお昼の外食で当たったらしい管理人より)


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安眠の秘訣 中編

「ね、何買いに行くの?」

助手席から俺に声を掛ける牧野をちらりと見遣りながら、車を走らせる。

「俺、抱き枕が欲しいんだよな。俺専用の、抱き心地のいいヤツ。」
「ふぅん、そういうのって専用ってあるの?
オーダーメイド出来るの? 普通の枕みたく?
どこにお店があるの?」
「質問攻めだな、つくしちゃん。」
「だって不思議なんだもん、専用抱き枕なんて聞いたことない。」
「とりあえず、その抱き枕を入れる入れ物を見に行くから。」
「えー? 普通中身買ってから外側買うでしょ。
それにそういうのって、セットで買えるんじゃないの?」
「ま、いいから、いいから。俺の好きにさせろよ。」

ベイエリアのとある建物の駐車場へ車を停める。
専用のエレベーターで上階へ。

「何、ここ? ホテル?」

きょとんとしている牧野の手を引いて、ふわふわとしたカーペットの敷き詰められた床を歩く。
まぁ、見様によってはホテルの廊下に見えない事も無い。
一つのドアの前で止まって、鍵を挿し込んだ。
ドアを開けると、中は大理石を敷き詰めた玄関ホール。

「靴は脱いで。」

牧野は黙っている。
流石に何か感づいたか、鈍感娘。
スリッパに履き替えさせて、ホールを通り抜けた。
ドアを開けると、真っ白な壁と、落ち着いた色合いのフローリングが俺達を迎える。
一面ガラス張りのバルコニーサイドからは、東京湾とレインボーブリッジが目に飛び込んでくる。

「…西門さん?」

顔をこわばらせた牧野。
そうだよな、いきなりこんなとこ連れて来て、きゃーきゃー言う女じゃないよな。
でも俺は顔が崩れるのを止められない。

「ねぇ、ここって…」
「入れ物。」
「入れ物?」
「そ、これが、俺の抱き枕を入れとく入れ物。先に買っといたから。」
「買った? 買ったってこの部屋を?」
「そ。俺達の愛の巣ね。どお、つくしちゃん、気に入った?」
「気に入るも何も… ねぇ、どういう事よ?!」

怒んなよ、牧野。
こんなの、壮大な計画のホンの一部だぜ。

「一緒に暮らそうぜ、ここで。」
「はぁっ? あたしは今のあの部屋で満足してるんだけど?
西門さんだって、あんなに立派なお邸があるじゃないの。
何で、何の相談も無くマンション買ったりするのよっ!」
「だって相談したって反対するだけだろ、お前。
俺、ちょっとFXで儲け過ぎちゃってさ。
遊ばせとくのも勿体ないし。
俺の金なんだから問題ないだろ?」
「………。」

黙って俺を睨み付けてる牧野の手を引いて、キッチンへ誘う。
総大理石のカウンターを撫でれば、ひやりと冷たく心地いい。

「ここで俺にメシ作ってよ。
このキッチン、お前の身長に合わせた高さに作ってあるってよ。」
「ねぇ、いつから? いつからこんな事考えてたの?」
「んーーー? マンション買ったのは半年くらい前か?
竣工したのが6月。入居できるようになったのが今月。」
「半年もあたしに黙ってたの?」
「タイミング見計らってたんだよ。俺にも色々都合がある訳。」
「あたしの気持ちは? あたしの都合はどうなるのよ?」
「お前の気持ちは分かってるよ。
俺の事好きだろ? 俺と一緒にいたいって思ってんだろ?」

にやっと笑って流し目を送ると、

「バッカじゃないの、自信過剰オトコっ!」

と言葉の礫を投げてくる。

だから怒んなってば。
俺だって半年かけてこの計画実行してんだ。
それもこれも、お前を怒らせるためじゃなくて、お前の笑顔を手に入れる為に。

無理矢理、引っ張ってマスターベッドルームとウォークインクローゼット、他の2つの部屋、バスルーム、さっき素通りしたエントランスホールとシューズインクローゼットを見せて回る。
最後に広々したバルコニーに連れ出した。

「景色いいだろ。夜景はもっといいぜ。
この眺望でこのマンションに決めたんだ。」
「はぁ… 呆れて物も言えません…」
「何でだよ? 素直に綺麗な景色だね、素敵なお部屋だねって言えねぇの、つくしちゃんは?」
「西門さんにこの胸のモヤモヤなんか、分かってたまるかっ!
あたしはねぇ、あの狭い部屋でも西門さんといれば幸せなのっ。
こんな豪華なマンションなんか無くったって、綺麗な景色なんか見えなくたって、西門さんさえいてくれたらそれでいいのにっ!
なんでこんな事するのよっ!」

今にも泣き出しそうな顔で、声を張り上げて訴えてる。

牧野、それって熱烈な愛の告白だぞ?
分かって言ってんのか?
俺、今めちゃくちゃ幸せな気分になっちゃってるぜ。


__________


あれ、あとがき、書き忘れてた(^_^;)
バカップルにもう1話、お付き合い下さいね!


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安眠の秘訣 後編

「牧野、悪いけど仕事、辞めてくれ。忙しくなるから。」
「はぁーーー? 何言っちゃってんのよ。
仕事なんて、簡単に辞めれるわけないでしょうがっ!」
「あぁ、でも辞めてもらわなきゃダメなんだよなぁ。
今言えば、9月末くらいで辞めれるんじゃねぇの?
そうしたらここに一緒に住もうぜ。」
「何でそうなるのか、ぜんっぜん分かんないっ!」

ホントに全然分かんないのか?
その鈍さは天然記念物に値するな。

「牧野。」

怒りまくってる牧野を手繰り寄せ、無理矢理腕の中に囲い込む。
顔を覗き込めば、上目遣いに俺を睨んでる。
膨れた頬が可愛くて、自然とこちらの頬も緩む。
一度腕を解いて、ポケットから出したものをそっと牧野の右の掌に落とした。
それは黒くて小さなベルベットの箱。
何時渡そうか考えあぐねて、サイズ直しから戻って来た後、毎日持って歩いてたなんてことは、牧野には内緒だ。
それを手にした牧野の動きがぴきーんと止まる。
今度は牧野の背後に立った。
牧野の頬に自分のそれを寄せ、同じ光景を眺める。
後ろから手を回して、ぱくんとその箱を開ける。
きらりと輝くダイヤモンドが一粒載せられた指輪が現れた。

そう、どんなに鈍感なお前だってこれ見れば全部意味が分かるだろ?
この部屋を買った事も、一緒に暮らす事も、仕事を辞めなきゃいけない事も。
指を伸ばして、指輪を右手に取った。
左手は牧野の左手を持ち上げる。
牧野の手が震えているのか、俺の手が震えているのか。
指輪はすんなりとは進まない。
ゆっくりと牧野の左手の薬指に収まったプラチナの輪。
詰めていた息をほっと吐き出す。

牧野を腕の中でくるりと回し、向かい合わせになる。
放心してる牧野に、ゆっくりと話し掛ける。

「俺、お前がいなきゃダメなんだよ。
お前を抱き締めてないと、夜も安眠出来ねぇの。
お前が俺をそんなカラダにしちゃったんだぜ。
責任とれよ、つくしちゃん。
一生俺専用の抱き枕でいろよ。」
「…あたしが、西門さん専用の抱き枕?」
「そ。俺の抱き枕で、世界にたった1人の愛しいオンナ。
なぁ、西門つくしになってくれるか?」
「………。」

何で黙ってんだよ?
恋と結婚は別物なんて言い出さないよな?
そりゃ、俺んちは面倒臭いものいっぱいあるけど、俺はその全てをぶっ潰してでもお前を手に入れたいんだ。

「牧野?」
「…はい。」
「それってさっきの返事か?」
「…うん…。」
「結婚してくれるか?」
「…うん。」
「牧野、こっち向けよ。」

どうやら牧野の情報処理能力は限界を超え、俺の言葉を理解するのに暫し時間を要したらしい。
俯いてる頤を優しく捕まえて、こちらを向かせると、牧野は目に涙を湛えながら、必死に笑顔を作ろうとしてた。

「もうっ。西門さんこそあたしをこんなに虜にしちゃって。
責任とってもらうからね。
浮気したらぶっ殺すからね。」

そう言って俺のシャツに顔を埋めてきたから、愛おしさで胸がいっぱいになった。
牧野の身体が折れんばかりに抱き締める。

「浮気なんかするかよ。
俺、お前の事だけで手一杯だよ。
だから一生俺の傍で笑ってろよ。
お前のこれからの笑顔、全部俺にくれ。」

涙をぽろりと零しながら頷く牧野に深く深く口付けた。
瞼を閉じてもくらくらして、幸せで胸が熱くて。
ぎゅっと縋り付いてくる牧野が可愛過ぎて。
俺の頭の中は牧野でいっぱいになった。

「秋からここに一緒に住もう。
お前には西門で色々学んでもらわなきゃいけない事があるんだ。
お袋に付いて花嫁修業して欲しい。
いっぱい苦労かけると思うけど、俺も精一杯支えるから。
まだ正式には決まってないけど、俺の誕生日辺りに結納交わして、来年の春、桜が咲く頃には結婚したい。
ゆくゆくは邸に住まなきゃいけないけど、暫くは2人きりでここで暮らそうぜ。
子供は…、周りは煩いだろうけど、当分要らないな。
やっと2人水入らずでいられるんだし…
2~3年はこのままでいいだろ、つくしちゃん?」
「西門さんって、こんなに外堀埋めたりする人だったんだね。」
「あぁ? お前、分かってねぇな。
俺は計画的に物事を進める性質なの。
特に西門では、根回しって重要なんだぜ。」
「はぁ… お釈迦様の掌の上で踊らされてる気分だよ…」

俺のオンナは孫悟空か?
それがさっきプロポーズ受けた女のセリフか?
フツー、うっとりして幸せそうにぽーっとしてるもんじゃないのか?
いや、経験ないからあくまでも想像だけど。
まぁ、これが牧野つくしなんだよな。

「よっし! じゃ、プロポーズ記念に、ぱーっと買い物行くぞ。
ここに置く家具や家電、買わないと住めないだろ?」
「今ある物を持ってくるんじゃダメなの?」
「今のお前の部屋とこことじゃ、部屋のテイストが違うだろ?
この部屋に合わせた物にしようぜ。
勝手に揃えたら、お前に怒られると思って、買わないでおいたんだから。」
「はぁーーー。ホントにどこまでもお坊ちゃんなんだから!
結婚するなら、少しはあたしにも合わせてよ!」
「お前こそ少しは俺に歩み寄れよ。
金使う事全部嫌がりやがって。
きちんと俺が働いて得た金なんだから。
必要な物買うのは無駄遣いじゃねぇっつーの!」

諦めたかのようにふーーーっと溜息を吐いて。
苦笑いを浮かべる牧野。
俺の肩に掴まって、耳元まで背伸びして、甘い声でこんな言葉を吹き込んだ。

「しょうがないなぁ。
今日のところは未来の旦那様を立ててあげる。
だってあたし、西門さんを愛しちゃってるから!」


-fin-


__________


うっわー、難しかったよ、プロポーズシーン…
はい、実はこれ、60000キリリクでお題を頂いたものでした。
リクエストは、「総つくでつくしにプロポーズをしているところが見てみたいです♪」とのことでした。
こんな感じになりましたが、リクエスト頂いた方、いかがでしたでしょうか?
楽しんで頂けたら幸いです。


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