夏のおバカな2人の一コマ。
__________
東京の夏の夜は寝苦しいもので。
ぐるりを広大な庭に囲まれた西門の邸でも、冷房を効かせずには眠れない。
すると喉がやられたり、朝起きてそこはかとなく頭が痛んだり、身体が重かったり。
スッキリと目覚められない事が多い。
だけど牧野と一緒に過ごす時だけ、俺は朝迄ゆっくり眠れるから不思議だ。
冷房を効かせた部屋で、滑らかで冷んやりした牧野の身体を抱き枕代わりに寝るのは、なんとも心地よい。
牧野は
「暑い! くっつかないで!」
なんて喚いているけど、ぎゅうっと抱き込んで、髪を梳いてやってるうちにすうすうと寝息を立てるのは、こいつの方が早い訳で。
その寝息を子守歌に俺も寝てしまうのが常だ。
昨日も地方での仕事を終え、疲れている身体を押して、この部屋までやって来た。
すっかり寝こけている牧野の隣に滑り込んで、俺専用抱き枕を抱き締めて、幸せな気分で眠りについた筈なのに、今朝は何だか寝苦しくて目を覚ました。
俺の抱き枕は何処かに逃げ出しており、代わりにクッションを抱かされていた。
なんだ、これ? 暑い訳だ。
牧野以外のものなんか抱き締めたくねぇんだよ。
クッションをぽーんとそこらに投げ出し、寝室のドアを開けた。
テーブルの上には朝飯の支度。
でも牧野の姿は無い。
この狭い(牧野に言わせれば十分広い)牧野の部屋で、行く所と言ったら限られてる訳で。
俺は洗面所に足を向けた。
案の定、朝から洗濯機の前でせかせか働く牧野の姿を見付けた。
「何だよ、勝手にベッド抜け出して。
起きてお前いないと寂しいだろ。」
背後から抱き締めて、とびきり甘ーい声で耳元で囁く。
「うひゃっ! びっくりしたっ! 心臓止まるかと思ったでしょうが! 朝起きたら普通にお早うって言ってよ。」
「お前だってお早うなんて言ってねぇじゃん?」
「おはよっ! ほら、洗濯物干しちゃいたいんだから、離してよ!」
本気で抜け出すつもりらしく、腕の輪の中で身体を捩ってる。
彼氏からの熱い抱擁を袖にして、洗濯物を干すだぁ?
ホント色気ねぇ奴。
少しお仕置き必要か?
本気の西門総二郎にかかったら、お前なんか簡単にメロメロのくらんくらんだぞ。
お子ちゃまのお前に合わせていつも手加減してんの分かってねぇだろ。
ぺろりと耳を舐め上げると、ひゃっ!と叫んで身体の動きを停めた。
ふふん。どんなお仕置きが効果的だ?
折しも仕事が休みの日曜日。
時間はたっぷり丸1日。
まさに舌なめずりしながら、牧野の顎を掴んで、こちらを向かせる。
腰からぐっと抱き上げ、熱烈なキスで、心拍数を高めたところで、唇を離した。
ぽーっとしている牧野に、フェロモンたっぷり載せの必殺スマイルでお早うと言ってやる。
「な、何、これ?」
酸欠気味の牧野の脳味噌はクラッシュしているらしい。
「んー? 朝のアイサツ? お早うって言えって言ったのはお前だろ?」
「いや、なんか息苦し…」
そう言う牧野の口をまた塞ぎながら、洗面所からリビングへ、リビングから寝室へと、牧野を引っ張り込む。
こんな時狭い部屋は便利だ。
移動距離が短くて済む。
2人してどさっとベッドに倒れ込むと、慌てて逃げようとする牧野。
「ちょ、ちょっと西門さん、もう朝! 朝なの! ご飯食べようよ!」
「さきにこっちを食ってから。」
そう宣言して、美味しく牧野を頂いた。
疲れて微睡む牧野の身体を抱き寄せて、その感触を楽しんで。
そうしているうちに、俺にも眠気がやってくる。
ほら、俺専用抱き枕があれば、いつでもどこでも俺は安心して眠れるんだ。
そろそろ毎日必要なんじゃないか、これ?
仕事の合間の会える時だけなんて、我慢してるの、バカみたいだ。
艶やかな髪に手を入れて、すぅっと梳くと、ひやりとした手触りが心地よくて。
髪を梳きながら、牧野の目が覚めたら、どこに行こうかと考えを巡らせる。
そのうち、夢の世界に引き込まれた。
転寝から目が覚めると、俺の抱き枕はちゃんと俺の腕の中。
思わず、ぎゅーっと抱き締めて愛でると、苦しいよ…と呻き声をあげた。
「なぁ、俺、買い物あるから、飯食って出掛けようぜ。」
「…ん? うん…」
しゃっきり目覚めた暁には、怒りの鉄拳制裁もあるかもしれない。
さっさとベッドを抜け出して、シャワーを浴びた。
出てくると、テーブルの上には温め直された朝飯。
その横にはぶっすりとした牧野の不機嫌顔。
「どうした、つくしちゃん。可愛い顔が台無しだぜ?」
「誰のせいよ?」
「まあまあ。俺達、愛し合っちゃってるんだからフツーのことだろ?」
「はぁ??? 朝からがっついてるのってフツーの事ですかね?」
「だって、昨日の夜、俺が来たとき、お前もう寝ちゃってたろ。
寝込み、襲って欲しかったか?」
「そんなことある訳ないでしょっ!
ご飯1人で食べといてっ! あたしはシャワー行ってくるっ!」
鉄拳制裁は免れたが、罰は一人メシか。
普段、1人で飯を食うのなんかなんてことないが、牧野の部屋でそれをやらされるのはつまらない。
俺がお仕置きしてたはずが、いつの間にか俺がお仕置きされてる側になってるのは何故だ?!
__________
0時更新、すっ飛ばしてしまいました。スミマセン…
急な体調不良でね…
動けなかったよ。
暑い折、皆様も食中毒にはお気を付け下さいませ。
(昨日のお昼の外食で当たったらしい管理人より)



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東京の夏の夜は寝苦しいもので。
ぐるりを広大な庭に囲まれた西門の邸でも、冷房を効かせずには眠れない。
すると喉がやられたり、朝起きてそこはかとなく頭が痛んだり、身体が重かったり。
スッキリと目覚められない事が多い。
だけど牧野と一緒に過ごす時だけ、俺は朝迄ゆっくり眠れるから不思議だ。
冷房を効かせた部屋で、滑らかで冷んやりした牧野の身体を抱き枕代わりに寝るのは、なんとも心地よい。
牧野は
「暑い! くっつかないで!」
なんて喚いているけど、ぎゅうっと抱き込んで、髪を梳いてやってるうちにすうすうと寝息を立てるのは、こいつの方が早い訳で。
その寝息を子守歌に俺も寝てしまうのが常だ。
昨日も地方での仕事を終え、疲れている身体を押して、この部屋までやって来た。
すっかり寝こけている牧野の隣に滑り込んで、俺専用抱き枕を抱き締めて、幸せな気分で眠りについた筈なのに、今朝は何だか寝苦しくて目を覚ました。
俺の抱き枕は何処かに逃げ出しており、代わりにクッションを抱かされていた。
なんだ、これ? 暑い訳だ。
牧野以外のものなんか抱き締めたくねぇんだよ。
クッションをぽーんとそこらに投げ出し、寝室のドアを開けた。
テーブルの上には朝飯の支度。
でも牧野の姿は無い。
この狭い(牧野に言わせれば十分広い)牧野の部屋で、行く所と言ったら限られてる訳で。
俺は洗面所に足を向けた。
案の定、朝から洗濯機の前でせかせか働く牧野の姿を見付けた。
「何だよ、勝手にベッド抜け出して。
起きてお前いないと寂しいだろ。」
背後から抱き締めて、とびきり甘ーい声で耳元で囁く。
「うひゃっ! びっくりしたっ! 心臓止まるかと思ったでしょうが! 朝起きたら普通にお早うって言ってよ。」
「お前だってお早うなんて言ってねぇじゃん?」
「おはよっ! ほら、洗濯物干しちゃいたいんだから、離してよ!」
本気で抜け出すつもりらしく、腕の輪の中で身体を捩ってる。
彼氏からの熱い抱擁を袖にして、洗濯物を干すだぁ?
ホント色気ねぇ奴。
少しお仕置き必要か?
本気の西門総二郎にかかったら、お前なんか簡単にメロメロのくらんくらんだぞ。
お子ちゃまのお前に合わせていつも手加減してんの分かってねぇだろ。
ぺろりと耳を舐め上げると、ひゃっ!と叫んで身体の動きを停めた。
ふふん。どんなお仕置きが効果的だ?
折しも仕事が休みの日曜日。
時間はたっぷり丸1日。
まさに舌なめずりしながら、牧野の顎を掴んで、こちらを向かせる。
腰からぐっと抱き上げ、熱烈なキスで、心拍数を高めたところで、唇を離した。
ぽーっとしている牧野に、フェロモンたっぷり載せの必殺スマイルでお早うと言ってやる。
「な、何、これ?」
酸欠気味の牧野の脳味噌はクラッシュしているらしい。
「んー? 朝のアイサツ? お早うって言えって言ったのはお前だろ?」
「いや、なんか息苦し…」
そう言う牧野の口をまた塞ぎながら、洗面所からリビングへ、リビングから寝室へと、牧野を引っ張り込む。
こんな時狭い部屋は便利だ。
移動距離が短くて済む。
2人してどさっとベッドに倒れ込むと、慌てて逃げようとする牧野。
「ちょ、ちょっと西門さん、もう朝! 朝なの! ご飯食べようよ!」
「さきにこっちを食ってから。」
そう宣言して、美味しく牧野を頂いた。
疲れて微睡む牧野の身体を抱き寄せて、その感触を楽しんで。
そうしているうちに、俺にも眠気がやってくる。
ほら、俺専用抱き枕があれば、いつでもどこでも俺は安心して眠れるんだ。
そろそろ毎日必要なんじゃないか、これ?
仕事の合間の会える時だけなんて、我慢してるの、バカみたいだ。
艶やかな髪に手を入れて、すぅっと梳くと、ひやりとした手触りが心地よくて。
髪を梳きながら、牧野の目が覚めたら、どこに行こうかと考えを巡らせる。
そのうち、夢の世界に引き込まれた。
転寝から目が覚めると、俺の抱き枕はちゃんと俺の腕の中。
思わず、ぎゅーっと抱き締めて愛でると、苦しいよ…と呻き声をあげた。
「なぁ、俺、買い物あるから、飯食って出掛けようぜ。」
「…ん? うん…」
しゃっきり目覚めた暁には、怒りの鉄拳制裁もあるかもしれない。
さっさとベッドを抜け出して、シャワーを浴びた。
出てくると、テーブルの上には温め直された朝飯。
その横にはぶっすりとした牧野の不機嫌顔。
「どうした、つくしちゃん。可愛い顔が台無しだぜ?」
「誰のせいよ?」
「まあまあ。俺達、愛し合っちゃってるんだからフツーのことだろ?」
「はぁ??? 朝からがっついてるのってフツーの事ですかね?」
「だって、昨日の夜、俺が来たとき、お前もう寝ちゃってたろ。
寝込み、襲って欲しかったか?」
「そんなことある訳ないでしょっ!
ご飯1人で食べといてっ! あたしはシャワー行ってくるっ!」
鉄拳制裁は免れたが、罰は一人メシか。
普段、1人で飯を食うのなんかなんてことないが、牧野の部屋でそれをやらされるのはつまらない。
俺がお仕置きしてたはずが、いつの間にか俺がお仕置きされてる側になってるのは何故だ?!
__________
0時更新、すっ飛ばしてしまいました。スミマセン…
急な体調不良でね…
動けなかったよ。
暑い折、皆様も食中毒にはお気を付け下さいませ。
(昨日のお昼の外食で当たったらしい管理人より)



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