今日からしばらくあきつくSSとなります。
ちょい暗総二郎、9話喋りっぱだったので、ちょいとブレイクタイム(笑)
「一日の終わりに」の続編です。
__________
<つくし24歳 あきら25歳 初夏>
暑ーい! 身体が汗ばんでペタペタするよ…
そう思いながら夢の世界から無理矢理意識を引っぱり出した。
眠くてなかなか目が開かない。
目覚ましが鳴らない、今日は土曜日。
久しぶりに朝寝坊だ。
瞼を閉じていても、お日様がすっかり昇っちゃったのが感じられる。
あぁ、今日晴れてるんだ。
こんなに明るいお日様の光を浴びるの、久しぶりかも。
起きて朝ご飯作らなくっちゃ。
ベッドの上で伸びをしたら、身体の色んなところが、パキパキペキペキと小さく音を立てて、動かす為のスイッチを入れていく。
欠伸をしながらようやく目を開けると、美作さんの顔がすぐ隣にあった。
こんなにくっ付いて寝たら、そりゃ暑くもなるよ。
いつ迄経っても、隣に温もりをくれる人が寝ている事に慣れない。
間近にある顔にそっと指を伸ばし触れてみる。
やっぱりちょっと汗ばんだ額。
綺麗に通った鼻筋。
すべすべの頬。
こんな事しても全然起きる気配がない。
ピクリとも動かない。
お仕事いっぱいで、疲れてるのかな?
無理はしないで欲しいけど、立場上、頑張らなくちゃいけない事は沢山あるんだろうな。
黒鳶色の髪の毛に指を入れて梳いてみる。
幸せな気持ちが胸の中に湧いてきて、寝顔を見てるだけなのにドキドキする。
こんなに完璧な美しい寝顔の持ち主が、あたしの彼だなんて。
信じられないよね。
あぁ、どんどん胸が苦しくなってきた!
ちょっと離れないと、心臓持たない!
そう思ってベッドから抜け出そうとしたら、美作さんの腕があたしの腰に巻き付いてきた。
「行くなよ…」
「うわっ、えっ、あの、お、起きてたのっ?」
目を瞑ったまま、美作さんがあたしを自分の胸の中に引き込む。
「起きてたんじゃない。起こされたの、誰かさんの悪戯と独り言で。」
「いっ、悪戯なんてしてないよっ!」
「してただろ、鼻先ちょんちょん触ったり、ほっぺたこしょこしょくすぐったり。」
「違うもん! あんまり綺麗だから思わず触っちゃっただけだからっ。」
くすりと笑う美作さん。
「そうか、そうか。牧野はそんなに俺が好きか。」
そう言ってより一層強く抱きしめてくるから、息苦しくなっちゃって、このままじゃ酸欠になっちゃうと思って身を捩った。
「あのっ、離してっ! あたし、今ちょっと汗臭いかも…」
そう言うと、逆に首筋に顔を埋めてきて、あたしの匂いを確かめてる。
やーめーてー!かがないでっ!
「牧野の匂いしかしないよ。甘くて今すぐ食べたくなるような美味しい匂いがする。」
なんてクスクス笑う。
その笑い声が、あたしの耳をくすぐって、居ても立ってもいられなくなる。
あたしはお菓子じゃありませんから!
「もうこのドゥヴェじゃ暑い季節になったんだな。もう少し薄手のを出さないと。俺も何だか汗っぽい。」
そう言いながらも尚更あたしにぴったりくっ付いてくるから、余計に暑いっつーの。
言ってる事とやってる事が逆ですよ、彼氏様!
もう、あたしはすっかり茹で蛸状態だ。
「『こんなに完璧な美しい寝顔の持ち主が、あたしの彼だなんて。信じられないよね。』だっけ? そろそろ信じてくれてもいいんじゃないのか?」
「きっ、聞いてたのっ?」
顔が更に赤くなる。
頬っぺたが熱いのが触らなくても分かっちゃう。
「聞いてたも何も、お前が俺の鼻先でそう言ったんだろ?」
「だってぐっすり寝てると思ったんだもん…それに思っただけで口に出したつもりもなかったし…」
至近距離で優しく目を細めてあたしを見つめる美作さんにドキドキしっぱなしだ。
「起きてる俺にも、お前の気持ち、ちゃんと教えてくれな。」
「う、うん…」
「はい、どうぞ。」
「へっ? 何? 何がどうぞなの?」
「だから、今、牧野の気持ちを言うとこなんだけど。」
「な、なんであたしだけいきなりそんな事するのよ? 恥ずかしいじゃない…」
「じゃあ、俺から言えばいいのか?」
とニヤリと笑う。
ヤバイ。これは何か攻撃されるんですよね?
で、大抵あたしは討ち死にすることになってますよね?
かつての『優しいお兄ちゃま攻撃』は、『甘ーい彼氏のラブラブ攻撃』へと姿を変え、その威力は何倍にも膨れ上がってる。
ロックオンされたら、もうコテンパンにやられちゃうっ。
かくなる上は脱出するしかない!
そう思って、ドゥヴェの中に潜り込み、腕の輪をくぐり抜けようとしたけれど…
そこは敵の方が何枚も上手で…
もみ合ってるうちに、パジャマのボタンは全部外され、熱を帯びた手と唇が身体中に触れて、戦意喪失させられて。
熱い吐息と共に、耳元に沢山の愛の言葉が降って来た。
その言葉を聞いて、身も心も溶かされて、甘ーいお菓子のように頭から丸ごと食べられちゃったのだった。
__________
わぁ、食べられたっ!
細かい事書いてると、先に進まないので、あっさり参ります!



ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
ちょい暗総二郎、9話喋りっぱだったので、ちょいとブレイクタイム(笑)
「一日の終わりに」の続編です。
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<つくし24歳 あきら25歳 初夏>
暑ーい! 身体が汗ばんでペタペタするよ…
そう思いながら夢の世界から無理矢理意識を引っぱり出した。
眠くてなかなか目が開かない。
目覚ましが鳴らない、今日は土曜日。
久しぶりに朝寝坊だ。
瞼を閉じていても、お日様がすっかり昇っちゃったのが感じられる。
あぁ、今日晴れてるんだ。
こんなに明るいお日様の光を浴びるの、久しぶりかも。
起きて朝ご飯作らなくっちゃ。
ベッドの上で伸びをしたら、身体の色んなところが、パキパキペキペキと小さく音を立てて、動かす為のスイッチを入れていく。
欠伸をしながらようやく目を開けると、美作さんの顔がすぐ隣にあった。
こんなにくっ付いて寝たら、そりゃ暑くもなるよ。
いつ迄経っても、隣に温もりをくれる人が寝ている事に慣れない。
間近にある顔にそっと指を伸ばし触れてみる。
やっぱりちょっと汗ばんだ額。
綺麗に通った鼻筋。
すべすべの頬。
こんな事しても全然起きる気配がない。
ピクリとも動かない。
お仕事いっぱいで、疲れてるのかな?
無理はしないで欲しいけど、立場上、頑張らなくちゃいけない事は沢山あるんだろうな。
黒鳶色の髪の毛に指を入れて梳いてみる。
幸せな気持ちが胸の中に湧いてきて、寝顔を見てるだけなのにドキドキする。
こんなに完璧な美しい寝顔の持ち主が、あたしの彼だなんて。
信じられないよね。
あぁ、どんどん胸が苦しくなってきた!
ちょっと離れないと、心臓持たない!
そう思ってベッドから抜け出そうとしたら、美作さんの腕があたしの腰に巻き付いてきた。
「行くなよ…」
「うわっ、えっ、あの、お、起きてたのっ?」
目を瞑ったまま、美作さんがあたしを自分の胸の中に引き込む。
「起きてたんじゃない。起こされたの、誰かさんの悪戯と独り言で。」
「いっ、悪戯なんてしてないよっ!」
「してただろ、鼻先ちょんちょん触ったり、ほっぺたこしょこしょくすぐったり。」
「違うもん! あんまり綺麗だから思わず触っちゃっただけだからっ。」
くすりと笑う美作さん。
「そうか、そうか。牧野はそんなに俺が好きか。」
そう言ってより一層強く抱きしめてくるから、息苦しくなっちゃって、このままじゃ酸欠になっちゃうと思って身を捩った。
「あのっ、離してっ! あたし、今ちょっと汗臭いかも…」
そう言うと、逆に首筋に顔を埋めてきて、あたしの匂いを確かめてる。
やーめーてー!かがないでっ!
「牧野の匂いしかしないよ。甘くて今すぐ食べたくなるような美味しい匂いがする。」
なんてクスクス笑う。
その笑い声が、あたしの耳をくすぐって、居ても立ってもいられなくなる。
あたしはお菓子じゃありませんから!
「もうこのドゥヴェじゃ暑い季節になったんだな。もう少し薄手のを出さないと。俺も何だか汗っぽい。」
そう言いながらも尚更あたしにぴったりくっ付いてくるから、余計に暑いっつーの。
言ってる事とやってる事が逆ですよ、彼氏様!
もう、あたしはすっかり茹で蛸状態だ。
「『こんなに完璧な美しい寝顔の持ち主が、あたしの彼だなんて。信じられないよね。』だっけ? そろそろ信じてくれてもいいんじゃないのか?」
「きっ、聞いてたのっ?」
顔が更に赤くなる。
頬っぺたが熱いのが触らなくても分かっちゃう。
「聞いてたも何も、お前が俺の鼻先でそう言ったんだろ?」
「だってぐっすり寝てると思ったんだもん…それに思っただけで口に出したつもりもなかったし…」
至近距離で優しく目を細めてあたしを見つめる美作さんにドキドキしっぱなしだ。
「起きてる俺にも、お前の気持ち、ちゃんと教えてくれな。」
「う、うん…」
「はい、どうぞ。」
「へっ? 何? 何がどうぞなの?」
「だから、今、牧野の気持ちを言うとこなんだけど。」
「な、なんであたしだけいきなりそんな事するのよ? 恥ずかしいじゃない…」
「じゃあ、俺から言えばいいのか?」
とニヤリと笑う。
ヤバイ。これは何か攻撃されるんですよね?
で、大抵あたしは討ち死にすることになってますよね?
かつての『優しいお兄ちゃま攻撃』は、『甘ーい彼氏のラブラブ攻撃』へと姿を変え、その威力は何倍にも膨れ上がってる。
ロックオンされたら、もうコテンパンにやられちゃうっ。
かくなる上は脱出するしかない!
そう思って、ドゥヴェの中に潜り込み、腕の輪をくぐり抜けようとしたけれど…
そこは敵の方が何枚も上手で…
もみ合ってるうちに、パジャマのボタンは全部外され、熱を帯びた手と唇が身体中に触れて、戦意喪失させられて。
熱い吐息と共に、耳元に沢山の愛の言葉が降って来た。
その言葉を聞いて、身も心も溶かされて、甘ーいお菓子のように頭から丸ごと食べられちゃったのだった。
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わぁ、食べられたっ!
細かい事書いてると、先に進まないので、あっさり参ります!



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