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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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秋桜揺れて 前編

「あ、類? メール読んでくれた?
うん、そう。そうなの。お願いできるかなぁ?
あ、ホント?! すっごく嬉しい!
うん… うん… 土曜日はどお?
そっか… じゃ、日曜日?
うん、分かった。待ってるね! じゃあ、またねぇ。」

牧野が類と電話してる。
寝ている俺に聞こえてないと思い込んでいるらしいけど、俺はお前がベッドを抜け出した時に目が覚めちゃってんの。
声顰めてたって、この狭い牧野の部屋じゃ、筒抜けだっつーの!
類相手に嬉しいとか待ってるとか、何の話だよ、こいつ…
日曜日、類と何するつもりだ?

イライラした気持ちを持て余しながら、狭いベッドの上で寝返りを打つ。

はぁ… 類ねぇ…

俺と牧野が付き合うようになっても、まるっきり関係ないかのように、類と牧野の距離は変わらない。
互いの一部とか言い合っちゃって、牧野もすっかり類には気を許してる。
その証拠に、「類の隣は落ち着くの。」なんて言って、2人で寄り添って昼寝までしてたりする。
牧野には類に対する恋愛感情は無いのかもしれないが、類にその気がないとは言い切れない。
俺が何かヘマをやらかして、一瞬でも牧野の手を離す事があったら、かっ攫っていくのは類だろう。

そんな事あってたまるか!
俺がこの先ずっと牧野と生きてくんだよ!
類にも司にもあきらにも、何があっても渡せねぇ!

そんな事を考えていると、牧野が足音を忍ばせてベッドに戻ってきた。
そっと俺の隣に滑り込み、背中にぺたりとくっついた。
薄着でフラフラしてたからだろう。
俺に触れてる部分はどこもひんやりしてる。
しっかり暖めてやろうと、身体の向きを変え、牧野を抱き込んだ。

「ごめん、起こしちゃった?」
「お前、身体冷えてる。もう夏と同じ気分でいると風邪引くぞ。」
「うん。ごめん。」
「じゃ、これから暖まる事するか?」
「は? 何言ってんの? 寝惚けてんの?
今夜はもう十分ですからっ! 大人しく寝てっ!」

まだ日付も変わってない。
夜は長いんだぜ。
他の男と楽しげに喋ってたお前を、そのまま寝かせるなんてありえない。
例えそれが類でも…
いや、類だから余計に…
俺の事しか考えられないようにしてやるよ。

腕の中でもがく牧野を絡め取った。

-*-*-*-*-*-

土曜日。
仕事が終わって、牧野に電話を掛ける。

「俺。今からそっち行ってもいいか?」
「あれ? 今日はお邸に戻るって言ってなかったっけ?」
「ああ、でもちょっと早く終わったから、そっちに行こうかと思ったんだけど。」
「んー… 今日は晩御飯用意してないし…明日じゃダメ?」
「飯なら2人でどこか食いに行ったっていいだろ?」
「えー? だって今までお仕事で疲れてるでしょ?
無理しないで今日はお邸に帰りなよ。
あたしも明日は出掛ける用があるの。
夕方には戻るから、明日の夜、ウチで一緒にご飯食べよ。ね?」

明日は類と約束していた日曜だろ?
お前、類とどこ行くつもりなんだよ?

聞こえてきたとはいえ、盗み聞きのようなことをしてしまったから。
そう聞きたくても聞けない。

「明日、どこ行くんだ? 俺も一緒に行くよ。」
「あ、ちょっと買い物行くだけだから。付いて来てくれなくて大丈夫!
じゃ、また明日ね! お休みなさい、西門さん!」

あっさり電話は切られた。
買い物だぁ?
類と何買いに行くんだよ?
なんで俺が一緒じゃダメなんだよ?

頭の中を飛び交うクエスチョンマーク。
胸の中には疑念がむくむくと湧いてくる。
焦る気持ちを宥める為に、俺は酒を飲むことにした。
メープルのバーでカウンターに座り、マティーニを飲んでいると、疑念の主人公・類が現れた。

「総二郎。珍しいね、こんな時間にここにいるなんて。」
「類こそ。」
「俺は今やっと商談がまとまったとこ。
息抜きで一杯飲みに来たんだ。ギムレット。」

バーテンダーが頷いて、シェイカーを用意している。

「お前、明日牧野と出掛けるのか?」
「んーーー? 牧野から聞いたの?」
「いや、あいつは買い物に行くって言ってた。」
「じゃあ、そうなんじゃないの?」
「トボケるなよ。お前と一緒なんだろ?」
「牧野に内緒にしてって言われてるから、言えない。」
「どこ行くんだよ?」
「だから言えないって。」

あらぬ方向を見て、のらりくらりとはぐらかす類にイラつく。
類の前にコースターとカクテルグラスが置かれ、そこにギムレットが注がれる。

「総二郎。」
「あぁ?」
「明日になれば全部分かるから、ちょっと待ってなよ。
あ、それと、明日牧野の事つけたりしないでよね。
分かった時に牧野が悲しむから。
俺、牧野の悲しそうな顔なんか見たくないからね。」

しっかりと釘を刺されて、何も言い返せないでいると、カウンターに片手で頬杖を突いた類が、ちらりと俺に目線を投げて

「あーあ、いいなぁ、総二郎は…」

と呟いた。

「何がだよ?」

思わず食って掛かる。

「自分がどれだけ幸せな男か、気が付かないの?
ったく、ムカツクなぁ。
俺、明日もあるからもう帰る。じゃあね。」

本当にカクテル1杯飲み干して、類はさっさとバーを出て行った。

何だよ、ホントに。
何なんだよ!
明日、お前ら、どこ行くんだよ!


__________


ふふふ、総二郎、焦ってるー。
種明かしは次回!
明日の0時も更新しまーす。


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秋桜揺れて 中編

9月14日、日曜日。
今日、牧野と類が一緒に出掛ける。
どこに行くんだろう…
探りたいのは山々だが、昨日類にあんな風に言われたし…
跡なんてつけたら、あっという間に類にバレんだろうな。
鈍感牧野は気付かなくても。

気になってしょうがないが、どうしたらいいのか分からない。
自室で悶々としているよりは…と思い、1人で茶室に籠ってみた。
心を落ち着けるにはここにいるのが一番だろうから。
それでも懐に入れた携帯に意識がいってしまうのは否めない。
夕方には帰るから夕食を一緒にってあいつは言ってた。
自分の部屋に帰り着いたら連絡してくるんだろうか?
茶室にいたとて、こんなに上の空では意味が無い。
溜息を吐いて庭を見遣った。

-*-*-*-*-*-

夕焼けで空が色づく頃、やっと牧野から電話があった。
俺ってこんなに忍耐強かったのかと、自分を褒めてやりたい気分になる。

「もしもし、西門さん? ご飯食べに来る?
もう少ししたら用意できるんだけど。」
「…行く。今から出る。」
「うん。待ってるね! あ、泊まっていけるでしょ?」

牧野にしては大胆な発言。
一体何のサービスだ?
類と出掛けた事の罪滅ぼしのつもりか?

「…そのつもりだけど。」
「分かった! じゃあね、後でねー!」

思いっきり不機嫌な声を出したつもりなのに、能天気女は、まるっきり気づかないまま電話を切った。

声を聞けたら安心できるかと思ったのに、更にイライラが募るってどういうことだ?
ともかくあいつを俺の腕の中に捕まえないと…

そんな気持ちでいっぱいになりながら、ハンドルを握った。
日曜日の夕方、行楽地から自宅へ戻ろうとする車の波。
いつもより時間が掛かってしまうのにもまた気持ちを乱されて。
牧野の部屋のドアの前に着いた時には、俺は相当焦っていた。
チャイムを押して開けてもらう事すらもどかしく感じて、合鍵でドアを開け部屋に飛び込むと、そこにはふわっと花が綻ぶように笑う牧野がいた。

「あ、西門さん、いらっしゃーい。
ん、どうしたの? 怖い顔して… 何かあったの?」

靴を脱ぎ捨て、牧野の腕を引っ張ってこちらに引き寄せ、両腕で胸の中に閉じ込める。
黒くてサラサラの髪に顔を埋めて、牧野の甘い香りを吸い込んで、やっと人心地つく。

「え、ちょっと、どしたの? ねえ、西門さんってば…」
「はあ… やっと捕まえた…」
「この間会ったばっかじゃん。」
「お前が類と出掛けたりするから…」
「知ってたの?!」
「まあな…」
「一所懸命隠してたのに、バレてた?」

照れ笑いしている牧野の様子が腑に落ちない。
なぜ照れる?
彼氏以外の男と出掛けたなんて、バツが悪くなるところだろうが!
身体を離して、顔を覗き込む。

「お前、今日類とどこ行ってたんだよ?」
「え? それは知らないんだ? あのね、ワインの専門店に連れて行ってもらったんだよ。」
「ワイン?」
「うん、今夜の食事に合わせて美味しいワインを西門さんに飲んでもらいたくってさ。
あたし詳しくないから、類にお見立てをお願いしたの。」

買い物ってこのことか?

「ワイン買いに行くなら俺と行ったっていいんじゃねぇの?」
「だってプレゼントにしたかったから…
プレゼントあげる人と一緒に行ったんじゃ、バレちゃうし。
西門さんと行くと西門さんが払っちゃうでしょ。」
「今日って俺誕生日でもなんでもないけど?」
「うん、まあ、それはご飯食べながらね?」

くしゃりと笑って、俺の背中を押してリビングのテーブルへと誘う。
そこにはいつもより手の込んだ料理が並ぶ。

「お前、これ…?」
「昨日から頑張っちゃったー、鶏レバーのパテ!
こっちはホタテのカルパッチョで、お鍋にはかぼちゃのポタージュでしょ。
メインはまだ焼いてないけど、牛ロースのステーキだよ!」
「なんでこんなご馳走作ってんだ?」
「んー? まあ手を洗って席に着く! 話はそれからね!」

そう言って俺を洗面所に押し込んだ。
言われた通り手を洗って戻ると、牧野は冷蔵庫からシャンパンを取り出してる。

「西門さん、これ、開けて?」

牧野がシャンパンの瓶とナプキンを俺に手渡す。
テーブルの上にはソムリエナイフとフルートグラスが置かれていた。
手早く栓を抜いて、淡い黄金色のシャンパンをグラスに注いだ。

「じゃ、食べよっか?」

小首を傾げた牧野が、俺の顔を覗き込む。
向かい合わせに席に着いて、牧野がグラスを掲げる。

「西門さん、いつもありがと! 乾杯!」
「…乾杯。」

一口含んで、もう一度聞く。

「なぁ、今日は何の日なんだ?」
「今日はねぇ、コスモスの日。
恋人にプレゼントと一緒にコスモスの花を添えてあげる日なんだって。
西門さんにプレゼントって、あたしがあげれるものは無いからさ。
ご飯と美味しいワインにしたの。
コスモスの花はね、ベランダで咲いてるよ! あとで一緒に見ようね。
さ、食べて、食べて! いっただっきまーす!」

自分で作った料理を、ぱくぱくと美味そうに食う牧野を見て、自分の中のこんがらがった気持ちが解れてく。
類のセリフが思い起こされる。
明日になったら分かるって。
自分がどれだけ幸せな男か、気が付かないのかって。

そうだな。俺ってめちゃくちゃ幸せな男だよな。
俺の為だけにこれだけのことしてくれるのはこいつだけ。

じわじわと嬉しさが胸に込み上げる。

「牧野。」
「ん?」
「ありがとな。」
「うんっ。」

その笑顔が俺にとって一番大切なもの。
俺への最高のプレゼントだってお前は知らないんだな。
笑顔のお前がいてさえくれれば、他には何もいらないんだ…


__________


当初前後編の2話の予定だったんですが、ついついはみ出したのでもう1話ありますー。
月曜だけど明日も更新するよぉ!
そしてまた次のキリ番「80000」が近づいてるのであります。
あと2~3日かなぁ?
またまた宜しくお願いします!


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秋桜揺れて 後編

前菜の鶏レバーのパテ。
ハーブが効いていて、クリーミーで。
カリっと焼いたバゲットに載せて食べると、とても合っていて、シャンパンもすすむ。

「これ、美味いじゃん。」
「えへへ、そうでしょー! 作りながらいっぱい味見しちゃった。
冷蔵庫にお代わりあるけど、他にも食べるものあるから、食べ過ぎないでね?」

次に出てきたのは、温かいかぼちゃのポタージュ。
鮮やかな山吹色のキャンバスに白い生クリームが渦巻き模様を描いて、そこに細かく刻んだ緑のシブレットが散らしてある。
滑らかな口当たりで、優しい味がする。
牧野のイメージにぴったりの料理だ。

「うん、これもいい味だな。」
「嬉しっ! このポタージュもパテもこの間買ってくれたハンドミキサー使って作ったんだよ。
あれ、便利なんだー。お料理するのぐっと楽しくなった。」

そんなこと言いつつ俺が食べるのをニコニコ顔で見つめてるから。
なんだかちょっと気恥ずかしくなって

「お前もちゃんと食えよ、温かいうちに。」

なんてつっけんどんに言ってしまう。

「うん!」

スプーンを握った牧野を、今度は俺が見つめる。
一口飲んで口角が上がって。
二口飲んで目尻も下がって。
三口飲んで顔中で笑ってる。
自分が作った料理で、こんなに幸せそうな顔してる女、俺は他に知らない。

ホタテのカルパッチョは、小さく刻んだトマトとイタリアンパセリが添えられて、皿の上はトリコローレだ。
肉厚なホタテは歯ごたえがしっかりしていて、甘みもあって、新鮮なのが伝わってくる。

「このホタテは、オホーツク産なんだって。
商店街のお魚屋さんのおじさんがね、熱心に勧めるから見せてもらったら、大きな貝柱に驚いちゃって。
思わず買っちゃった!」

そうかそうかと軽く頷いてやると、またまた満足気に、口にホタテを入れている。

「甘ーい! ほっぺた落ちそう! 美味しーい!」

ったく、幸せなヤツ。
いや、それを見ていられる俺が幸せ者なんだよな。

牧野が肉を焼くためにキッチンに立っている間に、スマホで「コスモスの日」を検索した。

9月14日 コスモスの日
ホワイトデー(3月14日)の半年後のこの日、恋人同士がコスモスの花を添えてプレゼントを交換し、互いの愛情を確認しあう
赤いコスモスの花言葉が「愛情」であることに由来する


あぁ? なんだ、このこっ恥ずかしい記念日は?
初耳だし。
こんなの、牧野が気に掛けるなんて思ってもみなかった。
それにこれによると俺もプレゼントとコスモスの花、用意しなきゃダメじゃねえの?

キッチンから声がする。

「西門さーん、赤ワイン抜いてー!
お肉持っていくからー!」

類セレクトの赤ワインはボルドー産のフルボディ。
しっかりとした味で、きっと肉料理を引き立てる。
牧野の希望通りのワインだろう。
そして値段も高すぎないはず…
どこまでも牧野に献身的な類には恐れ入るばかりだ。

ワイングラスが葡萄色で満たされて。
俺の前にはフランベされたステーキが置かれる。

「お肉も奮発しちゃった!」

ミディアムレアに焼かれたステーキは、柔らかくてジューシー。
付け合せの人参のグラッセとインゲン豆のソテーは彩りも鮮やかだ。

「お前、料理上手くなったよな。」
「そう? 素材がいいんじゃないの、今日は。」
「いやいや、つくしちゃんの腕前だろ?」
「ふふっ。そう言われると嬉しいけど。」

肉をひょいと口に入れて、おいしっ!と目を輝かせて。
併せて飲んでいるワインでちょっと頬を赤らめて。
テーブルを挟んで向かい合わせに座っている、この距離がもどかしい。
俺の為にと頑張ったこいつをどうやって労ってやったらいいんだろう?

早く俺の側に来て欲しくて、食後のコーヒーはソファで飲もうと提案した。
ソファの上で膝を抱えて小さくなり、マグカップを持ってコーヒーを目を細めながら飲んでいる。
そんな行儀の悪い仕草さえも可愛く見えるから、俺の目はどうかしてるんだろう。
俺を背凭れ替わりにして寄り掛かってくる重みが心地いい。

「料理頑張りすぎて疲れたんじゃねぇの?」
「昨日から計画的に作ってたから大丈夫!
ね、プレゼント、大成功?」

振り返ってちらりと上目遣いで聞いてくる。

「ああ、すげぇ美味かったよ。ご馳走さん。」
「ねぇねぇ、折角のコスモスの日だから、ベランダのコスモス、見る?」

ホント、落ち着きが無い女だな。

牧野がベランダに続く掃出し窓を開けると、さーっと涼しい風が吹き込んできた。
ベランダのプランターには、赤、白、ピンク…と色取り取りのコスモスの花が風に揺れている。

「もしかして、今日の為に育ててたのか?」
「ベランダで何かお花を育てたいなと思って種を見に行ったんだよね。
そうしたらコスモスの種のパッケージが目に付いて。
で、手に取ったらパッケージの裏にコスモスの日のことが書いてあったんだよ。
それでつい買っちゃったんだぁ。」
「ふーん… なぁ、今度の休みにコスモスがいっぱい咲いてるところ、見に行こうぜ。
今日は俺からの花、用意できなかったから。」
「え、嬉しいっ! あたし、コスモス大好きになっちゃったんだよね。
育ててると愛情が湧くって言うかさ。
風や雨に負けるなー!みたいに応援しちゃったりして。」

そんな事言って俺の肩に頭をこてんともたせかける牧野に愛おしさが溢れて。
俺は自分を抑えられなくなる。
腰を屈めて、ふっくらした唇にコーヒー味のキスを落とした。

「ホントはプレゼントって交換するモンなんだろ?
俺、何の準備も無いから…」
「あ、いいの、いいの、要らないの!
西門さんにはいつもいっぱい貰ってるから、その細やかなお返しのつもりだから…」
「そんな事言うなって。俺からは、俺をプレゼントな。」
「は? 何それ?」
「んー? だから、今夜一晩俺からの愛をたっぷりつくしちゃんに注いでやるよ。」

にやりと笑い、牧野を惑わす流し目を送りながら、指は首筋を撫で上げる。

「あ、いえっ、結構です! ご辞退させて頂きますっ!」

飛び退って逃げようとするけど、そうは問屋が卸さねぇ。

「何言ってんだよ。泊まってけるでしょ?なんて聞いてただろ?
お前もその気だってことじゃん。
つくしちゃんがそんな積極的になってくれて、オニーサンは嬉しいよ。
俺の日々の努力も無駄じゃなかったよな?」
「ち、違うっ! あれはお酒飲んでも大丈夫かって意味だったの!
今夜はワイン飲んで欲しかったから…」
「まあまあ、遠慮するなって。
お手製の美味しい食事で体力も十分付けたし。
互いの愛情、確認し合おうぜ。」
「ぎゃー、離せ、エロ門ー!」

楽しくて、嬉しくて、幸せで。
頬が緩むの、止めらんねぇよ、今夜は。


-fin-


__________


久々に食べ物ネタ炸裂!
またまたラブラブバカップルな2人でありました。
こちらのお話は70000キリリクでお題を頂きました。
「つくしが何かサプライズ仕掛けて、西門さんが振り回されてやきもきして、ラストはラブラブな感じ」というご希望だったのですが、いかがでしたでしょうか?
ご希望通りに書けてるといいのですが…
っていうか、このラストは果たしてラブラブなのかしらん?


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