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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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秘密の散歩 前編

学生課前の掲示板で、見逃せないバイトを見つけた!

ペットシッター
1回3時間で1万円(交通費込み)
動物が好きで、体力に自信のある方

これは誰にも譲れない高待遇!
毎日チェックしてた甲斐あったなぁ。

早速その掲示を剥がして、電話を掛ける。
聞いてみれば、犬の散歩を頼みたい、出来れば今日の午後から…との事。
3時半に伺いますと返事して、電話を切った。

大学の傍の高級住宅街の中にある、立派なお宅。
女の子で大丈夫かしら…と仰る奥様に、
「体力には自信があります!」と胸を張る。
それならお任せしますと託された犬は、予想よりずっと大きかった。
ゴールデンレトリバーの女の子。
名前はベル。
ドッグランのある公園まで散歩して、ドッグランで1時間遊ばせる。
その後おやつタイムの後、ゆっくり歩いて帰ってくる3時間。
よろしくね、ベル!と声を掛けて、リードをしっかり持って歩き始めた。

だけど…
毎日の散歩コースだという並木道を歩いていた時、ベルの足がぴたっと止まった。
その場にお座りしちゃって、引っ張っても、話しかけても全然動かないー!

「ね、ベル、お願い。
公園まで行こう?
きっとお友達もいるし、リードも外してあげられるよ?」

通じていないかも知れないけれど、優しく話し掛ける。
全く効果が無いから、今度は力一杯リードを引っ張る。
でもベルは立ち上がる素振りもなく、ぎゅうっと力を込めて座り続けるだけ。

「ベールー!」

ベルとあたしの力比べみたいになってる。
体力に自信がある方って、この事だったの?

「牧野、お前、何やってるんだ?」

左ハンドルの車の運転席から、ニヤニヤ笑いながらあたしを見てるのは西門さんだ。

「見りゃ分かるでしょ! 犬の散歩のバイト!」
「散歩って、ちっとも歩いてねぇじゃん。」
「何でか知らないけど、ここで座り込んじゃったの、この子!」
「何やってんだか…」

そう言い残して車は走り去った。
からかう為だけに車止めたんかい!
むかっとしながら、途方にくれてベルを見る。
犬は主従関係がはっきりしてるって聞いたことがある。
自分より力があると認めた相手の言う事には従うけど、そうじゃない者の言う事は聞かない。
つまりあたしはなめられてる!
あー、どうしたらいいのー?

そうしたら、ベルの向こう側に誰かの足が見えた。
顔を上げたら西門さんがポケットに手を突っ込んで立っていた。

「…何やってんの? 車は?」
「パーキングに入れて来た。
暇だから付き合ってやるよ。
この犬、名前は?」
「ベル。女の子。」

西門さんはベルの目線にまで腰を降ろして話し掛けてる。

「ふうん、いい名前じゃん。
ベルって美女の事だよな。
綺麗な毛並みだし、美人だよ。
なぁ、ベル、俺と一緒に散歩行くか?」
「ワン!」

まるで言ってる事が解ってるみたいに返事をしたベルはすっと立ち上がった。
西門さんがあたしに向かって手を出してる。

「何?」
「リード、寄越せ。」
「あ、うん。」

ベルは西門さんの飼い犬みたいに隣に寄り添って歩き出した。

西門フェロモンって、犬にも有効なの?

目をぱちくりさせながら、2人…というか、1人と1匹の後ろを付いていく。

「牧野ー、どこ行きゃいいんだ?
決まったコースがあるんだろ、犬の散歩って。」
「うん、この先真っ直ぐ行った所の大きな公園のドッグランに連れて行くの。」
「お前、何落ち込んでんの? たかが犬の散歩だろ?」
「だって…」

あたしの言う事は聞かないのに。

何も持たないあたしを、犬にまで見抜かれたみたいで。
何だか胸がもやもやする。

「またつまんない事考えてんだろ。
考えたって仕方ねーの!
犬なんてのはさ、相手をきちんと認めれば言う事聞くモンなんだよ。
むやみに引っ張ったりしてもダメなワケ。」

そう言って鼻で笑うから、悔しくなって、その背中を睨みつける。

何でも完璧にこなすのは知ってるけど、犬の扱いまでうまいなんて。
天は何物与えりゃ気が済むのよ?

「西門さん、犬飼ったことあるの?」
「ねぇよ。あの邸に犬なんて置ける訳ないだろ?」

それもそうだ。
お茶室に響く犬の鳴き声…なんてあり得ないよね。

そうやって歩くうちに、公園が目の前に迫っていた。


__________


ちょっとイレギュラーにSSアップです。
犬は大型犬が好きです。
でもホントは猫派です(笑)


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秘密の散歩 中編

ベルがリードから解き放たれ、ドッグランの中を自由に走り回ってる。
トンネルをくぐり、アップダウンをつけたコースを登り下りし、柵の中を所狭しと駆け巡る。
夕方のこの時間帯、犬の散歩をしている人は多くて、ドッグランの中には沢山の犬と飼い主さん達がいた。
西門さんがちょっと首を捻ってる。

「なぁ、あいつがここにいると、他の犬達が委縮してないか?」

ベルは女の子とはいえ、しっかりした体つきで体重25kgもある大型犬だ。
一緒に柵の中に放されている犬達の中には、怖がって吠えている犬もいる。
走ればびゅうっと風が吹くような勢いもあるから、動きを停めちゃってる犬もいるように思える。

「うーん、ちょっとそうなのかも…」

西門さんはあたしが飼い主さんから預かったお散歩グッズの入ったカバンを覗いてる。
そして中から見つけ出したのはロングリードとフリスビー。

「ベル!来い!」

リードとフリスビーを見せると、ベルが跳ねるように駆けてきた。
西門さんはロングリードを首輪に着けて、ドッグランからベルを出そうとしてる。

「え? ねえ、どうするの?
飼い主さんからはドッグランで1時間遊ばせてって言われてるんだけど。」
「こいつ、あと1時間もここに入れておいたら、きっとフラストレーション溜まるぜ。
他の犬達ものびのびできねぇだろ?
それにこの態度見ろよ。
きっといつもこれで遊んでるんだよ、こいつは。
人気のない方に行って、フリスビーで遊ばせてやろうぜ。」

ベルは西門さんの手からフリスビーをもぎ取って、咥えて。
まるでこっちだよ!とでも言うように、あたし達の先に立って歩き出した。

「ほら、あいつが案内してくれるよ。」

西門さんはどこか楽しそうだ。
案外動物好きだったりして。

広い芝生の広場の真ん中で、ベルは立ち止まった。
西門さんに向かって、フリスビーを掲げてる。

「よしよし。」

頭をぽんぽんと撫でて、口からフリスビーを受け取ると、しゅっとそれを投げた。
ベルが一気に走り出す。
取る瞬間に軽くジャンプ!
上手に口で受けて、一目散に持って帰ってくる。
西門さんの足元にフリスビーを置くと、投げてもらう前にもう次のフリスビーが飛んで来るのを見越して走り出した。
また西門さんが綺麗なフォームでフリスビーを投げる。
ベルが受け取る。
その繰り返し。
時には取れない時もあるけど、そうするとまるで大きな毛玉みたいに芝生の上を転がりながらフリスビーを探して持って帰ってくる。
ベルは身体中で楽しいって言ってるみたいだ。

「行くぞー、ベル!」

西門さんは飽きもせず、ベルの相手をしてくれてる。
ふと顔を見上げたら、清々しい笑顔の横顔が目に飛び込んできた。

ふーん、西門さん、そんな年相応の顔、出来るんじゃん。

ニヒルな笑みを浮かべて世間を斜めに見ているような西門さん。
女の子相手に妖しい流し目と薄笑いで接している西門さん。
目は笑っていなくても、緩やかに口角をあげて、涼しい顔している西門さん。
そんな西門さんばっかり見てきたから、何の曇りもない、すかっとした表情の西門さんを見て、ほっとしてる自分がいた。

西門さんのあの姿は、ホントの自分を隠すための隠れ蓑なんだ。
その時々に合わせて、自在に表情を操って、求められる姿に合わせて擬態する。
でもきっと今ここにいる西門さんは、何も隠してない本来の姿。
そんな姿に戻る時もあるんだね。

そう思ったら、何故かほっとして。
自分の中のどこかが熱くなった気がした。

ベルが戻って来てフリスビーを口から外した時、ころころと転がっていったから、あたしがそれを追いかけた。
思ったより遠くまで転がっちゃって、小走りでそれを取りに行く。
やっと拾って身体を起こしたら、待ちきれなくなったベルが駆けてきて、あたしからフリスビーを取ろうと立ち上がった。
25kgの大型犬のタックルをまともに受け、あたしは芝生に尻餅を突いた。

「いったーい!」
「ったく、何やってんだよ、牧野。ドンくせぇな!」

あたしの無様な姿を笑いながら西門さんが歩いてくる。
顔をくしゃくしゃにして、口を大きく開けて、思いっきり笑うから。
お尻の痛みとタックルされた胸の痛みも一瞬忘れて、その顔に見惚れた。
これこそ初めて見る、西門さんの本当の笑顔。
あたしは目の前で真っ白な大きな花が咲いたような気がした。
春に見たラナンキュラスの花。
この笑顔ってあの花みたい。
青空に映える華麗な花。
幾重にも重なった花びらが美しかった。
今目の前にある西門さんの笑顔もくしゃくしゃに崩れているのに、青空をバックにしてすごく綺麗で魅力的に浮かび上がってる。

ぽーっと見惚れて、顔を見上げていたら、西門さんがあたしの手を引っ張って立たせてくれた。

「なんだ? 尻餅の痛みで魂抜かれたのか?
口開けて、目ぇ、見開いて。
お前、物凄く間抜けな顔になってるぞ。」
「へ? あ、うん、だいじょぶ…」
「ふっ、お前ってホント見てて飽きないよなー。
こんな間抜けな顔を俺の前に晒す女ってお前だけだ、牧野。」

はぁ? 何言っちゃってんの?
そりゃあ、あなたの周りには、いつも取り繕ったような顔した女の人しか寄って来ないんでしょうよ。
あたしはねぇ、西門さんに取り入ろうとして媚び売ってる女の人とは違うのよっ!
雑草のつくしなんだから!
自分の素で勝負してんの!


__________


総二郎の破顔一笑に魂抜かれるつくし。
うーん、どんだけ威力あるんだろう…
そんな笑顔を見てみたい…


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秘密の散歩 後編

「ほら、今度はお前が投げてみろよ。」

そう言ってあたしにフリスビーを持たせる西門さん。

「…あたしが投げるの?」
「そ。お前とベルの間に信頼関係を作らないと、ベルはお前を認めない。
お前の言うことも聞かない。
それだと大事なバイト、失っちゃうんだろ、つくしちゃん?」

そりゃそうだ。
ちゃんとお散歩させてあげたり、遊ばせてあげられなければ、ペットシッター失格。
高額バイトはフイになる。
何よりそんなのベルの為にならないし。

「うん…」
「だからこれはベルにお前の事を分かってもらう一つの手段だ。
ベルの好きな遊びを一緒にやってくれる仲間ってところからスタートして、段々に関係を築く。
いきなり命令だけしたり、無理強いさせたり、おやつで釣って動かしたりしても、それは信頼関係に繋がらないだろ?」

犬を飼った事の無い西門さんなのに、まるでベルの心が読めるみたい。
ふんふんと頷きながら聞き入る。
流石、人の心の機微を見つめる事を生業にしているだけあって、それよりもシンプルな思考の犬の事も分かっちゃうんだ…

「ほら、ベルが待ってるぞ!」

ベルは待ちきれなくて、さっきからあたし達の足元をぐるぐる回遊している。
見遣ると、その目は「いつ投げてくれるのかな?」という期待でキラキラしている。
思い切ってえいっと投げた。
西門さんさんみたくうまく飛ばせず、早々に地面に落ちたフリスビー。
ベルが拾って戻ってくる。

「牧野、もっと手首を使うんだ。
スナップを効かせて。
そうしたら安定して飛ぶようになるぞ。」

西門さんがそう言って手首の動きのデモンストレーションをしてくれるから、見よう見まねでもう一度投げた。
芝生の向こうで飛んで来るのを今か今かと待ち構えていたベルが、ジャンプした。
しっかりと口で受け止めて、こっちに向かって駆けてくる。
思わず嬉しくなって頬っぺたが上がっているのが自分でも分かる。

ああ、そっか、これも『会話』なんだね、ベルとあたしの。

「西門さん、これ楽しいね!」
「あぁ、応えてくれると嬉しいよな。」

そう言ってまた優しく笑った西門さんは、本当に穏やかな顔をしていて。
あたしの中の西門総二郎という人のレッテルが貼り替えられていく。
本当の西門さんはこうやって心を解き放つと、綺麗に笑う、心の真っ直ぐな、優しい男の人なんだ…

暫くベルとフリスビーの練習をして。
こんなに遊んだら喉が渇いたかもしれない…と思い至って、休憩をとることにした。
ベルの携帯用水飲みボウルに水筒から水を注ぐと、鼻先を突っ込んで、凄い勢いで水を飲んでる。
ベルも喉が渇いたけど、あたしもそうだし、西門さんも渇いているはず。
西門さんにベルを任せて、あたしは公園の中の売店でスポーツドリンクを2本買ってきた。
ベルは西門さんの前でゆったり伏せをしてすっかりリラックスモード。
西門さんはそんなベルの耳の後ろを撫でてあげている。
まるで飼い犬と飼い主みたいな姿がちょっと微笑ましくて、思わず頬が緩む。

「お前、なんかやらしい笑い浮かべてんなぁ。」

なんて言うから、買ってきたスポーツドリンクのペットボトルを投げつけてから隣に腰を降ろした。

「うおっ、今度は凶暴だし。」
「いっつもやらしい笑い浮かべて、女の人を惑わしてるのは西門さんでしょ!」
「何言ってんだか。
俺が普通にしてても、あっちから勝手に寄って来るんだよ。
惑わそうなんて思った事ねぇ。」
「嘘。いつも本音を隠すためにうす笑い浮かべて誤魔化して。
今日みたいに笑ってたらいいのに。
顔くしゃくしゃにして笑ってる西門さんの方が、作り笑いしてる西門さんよりよっぽど素敵だよ。
あたしは、今日みたいな西門さんが好き。」

西門さんはあたしを見つめて、目を丸くして黙ってる。
そしてふいっと視線を逸らせて、片手で口元を覆った。
心持ち、頬っぺたがうっすら赤いような…
あれ? もしかして… 照れてる?
あの西門総二郎から1本取ったって事?
興味津々で顔をまじまじと見つめれば、もっと顔が赤くなったようで。
これはいよいよ勝ち名乗りをあげようかと思った時、深呼吸を一つして態勢を立て直した西門さんが口を開いた。

「ふぅん、今日みたいな俺が好きなんだ、つくしちゃんは。」
「あ、いや、そうじゃなくて。
作った表情じゃなくて、素直に笑ってる方がいいよってことだってば。」
「いーや、俺の耳はさっきの愛の言葉をちゃんと捉えたぜ。
『あたしは、今日みたいな西門さんが好き。』って。
そうか、そうか、俺としたことが。
牧野の気持ちに気付いてやれなくて悪かった。
俺、ちゃんとその気持ちにお応えしちゃうよ。
恋人同士になろうぜ、つくしちゃん!」

余りの話の転がり方についていけない。

「何ふざけたこと言ってんの?
あたしは西門さんみたいな不誠実な男はお断りなのっ!」
「分かってる、分かってる。妬いてんだろ、お前。
つくしちゃんの想いに応えて、今限りちゃらんぽらんは廃業するから。
それならいいだろ?」

そんな事言いつつ、ぐいぐい顔を近付けてくるから、逃れようと仰け反ったら、バランスを崩して芝生に寝転ぶような形になった。
あたしの顔の両側には西門さんが手を突いてロックオン態勢に入ってる!

え? 嘘でしょ? からかってるんだよね?
で、でも、なんか目がマジ? どーしよー?!
顔が火照るの、止めらんない!

そこに割り込むようにすぽんと飛び込んで来た艶やかな毛むくじゃらの物体はベル。
あたしと西門さんの顔とでベルの頭をサンドイッチしている。

「ベル! お前、いいとこだったのに、何してくれんだよ?」

西門さんが身体を起こして、ベルの頭をわしゃわしゃ撫でている。
それも飛びっきりの笑顔で。

そう、あたしはこの顔が好きだ。
その眩しい笑顔をあたしの前だけで見せてくれるなら、恋人になるのも悪くないかも…
そんな突拍子もない事を考えちゃうなんて、この曇りのない笑顔の威力は絶大だ。

きっと今日のお散歩は、あたしの大事な記憶になる。
誰にも教えてあげない、あたしの秘密に。


-fin-


__________


という訳で、「秘密の散歩」の秘密とは総二郎の笑顔でありました。
こちらのお話は77777キリリクで「総二郎の無垢な笑顔が読みたいです。」というお題を頂きまして、書いてみました。
如何でしたでしょうか?
実はですね、拙宅のアクセスカウンターの設定に不備がありまして。
77777番を踏まれた方が2名出ちゃったのです。
なので、こちらは77777キリリク第一弾ということで…
第二弾もあるよ、そのうちね…(苦笑)


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