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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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L'hiver est arrivé ! 1

27万HITの今現在、8万HITのキリリクを書くって…
大変長らくお待たせしていて申し訳ございません。
実はまだ77777キリリク第2弾と、80000キリリクもうお二方お待たせしてるの…
(カウンター設定ミスで複数のキリ番GET者を出しちゃったのでね。)
スミマセン、ホントーにスミマセン。
順次書いていきますので…
今日からは 80000キリリクその① 兼 総二郎Birthday SS をお届けします。
タイトルの「L'hiver est arrivé !」 の意は「冬が来た!」です。
ずっと書いてみたかった、「愛を語る言語」の続編です。


__________


<総二郎 26歳の誕生日を目前にした頃の2人のひと時>


初めて聞くメロディ。

J'ai vu trois bateaux sur la mer
C'était Noël, c'était Noël
J'ai vu trois bateaux sur la mer
C'était la fête de Noël

Ils s'en allaient à Betléem
C'était Noël, c'était Noël
Ils s'en allaient à Betléem
C'était la fête de Noël

Les cloches vont carillonner
C'était Noël, c'était Noël
Les cloches vont carillonner
C'était la fête de Noël

(Noël Gallois)

私は海の上に3艘の船を見ました
それはクリスマスのことでした
私は海の上に3艘の船を見ました
それはクリスマスのお祝いの時のことでした

彼らはベツレヘムに行きました
それはクリスマスのことでした
彼らはベツレヘムに行きました
それはクリスマスのお祝いの時のことでした

鐘が鳴るところです
それはクリスマスのことでした
鐘が鳴るところです
それはクリスマスのお祝いの時のことでした


小さな子供達が声を合わせて歌いながら、手を繋いでくるくる回っているのが可愛くて、思わず目を細めた。

「ね、西門さん、あの子たちの歌ってる歌、可愛いね。」
「んー、日本では聞いたことないな。
フランスの伝統的なクリスマス・キャロルなのかもな。」
「ね、東方の三博士って船でベツレヘムに行ったの?」
「あぁ? ベツレヘムって海辺の街でもない内陸部だろ?
それに東から来たって言うんだから、アラビア半島側から来たんだろうし。
別の話なんじゃねぇの? 知らねぇよ。」
「ふうん… まあ、いっか!」
「お前なぁ、自分の分かんない事、何でも俺に聞いて済ませようとすんなよ。
疑問に思ったらちゃんと調べろ!」
「はーい… じゃあ、日本に帰ったら、ね。」

-*-*-*-*-*-

今、2人で冬のパリに来てる。
西門さんが「俺の誕生日の前後1週間仕事休み取れ!」とか無茶言って。
あたしから西門さんにあげれるプレゼントなんてたかが知れてるから、素直に言う事聞いて、仕事を詰めに詰めてもぎ取った土曜日から次の日曜日までの9連休。
旅行にでも行くのかな?とは思っていたけど、海外だなんて想像もしていなかった。
だって海外旅行を手配する時ってパスポートがいるはずだから。
西門さんからは行先を秘密にされてたけど、初冬の今、暖かい国内旅行って言ったら、九州か沖縄かな?位に考えてた。
旅行出発の朝、迎えに来てくれた西門さんちの車で着いたのは、羽田空港国際線ターミナル。

「一体どこ行こうってのよ?
あたし、パスポート持って来てない!」

そう騒ぐあたしに、

「俺が持ってるから心配すんな。行くぞ!」

と、ぐいぐいあたしをファーストクラス専用のチェックインカウンターに引っ張っていく。
なんで西門さんがあたしのパスポート持ってんのよ?
だけど、西門さんのジャケットの内ポケットから出てきたのは、2人分のエアチケットと紛れもないあたしのパスポート&西門さんのパスポート。

「ね、どういうこと…?」

カウンターで西門さんを肘で小突きながら小声で聞く。
すると耳元に西門さんの唇がするりと降りてきた。
近いっ! 顔が近すぎるっ!

「つくしちゃん、大事な物を全部一纏めにしてクローゼットの中のバッグに入れとく習慣、止めた方がいいぜ。
パスポートに銀行の通帳に、印鑑。
俺からのプレゼントや恋文まで一緒に入れちゃって。
可愛いのなー!」
「家探ししたのっ?」

思わず大きな声を出したあたし。
西門さんのすっと伸びた綺麗な人差し指があたしの口元に押し当てられる。

「しーーーっ! つくしちゃん、声でけーって。
ここ、ファーストクラス専用カウンターだぜ?
目立つの嫌いだろ?」

うぐぐぐと言葉を飲み込んだ。
それでも抗議の気持ちを込めてきっと睨み上げれば、悪戯っぽく瞳を輝かせてる悪魔の微笑みがある。

「家探しなんてしてねぇよ。
お前がどこに何隠してるかなんて一目瞭然。
前々から知ってたから、ちょっと拝借しただけだ。
お前、何でもクローゼットに入れ過ぎなんだよ。」

そんな事言いながらさっさと2人分の手続きを済まし、出国カウンターを通り抜け、シックなラウンジへと押し込まれた。

「パスポート要るなら要るって言ってよ!」
「驚かしたかったんだよ。
それにお前、事前に言ったら金掛かるから行かないとか言い出すだろ。
俺の誕生日の為の旅行なんだから俺の好きにさせろ。」

羽田-パリの往復のファーストクラス料金って…260万円だよ?!
飛行機代だけでも2人で500万円超えちゃうの!
そんな旅行、行くって言う訳ないでしょうがー!

それでも秘密基地みたいな個室仕様の大きなシートに座らされ、次から次へとやって来る上げ膳据え膳の美味しい食べ物&飲み物。
昨日までぎっちり詰まっていた仕事の疲れも相まって、お腹が膨れればついついお昼寝までしてしまう。
気が付いた時には、東京よりぐっと寒いパリの地に降り立っていた。

「はー、やっと着いたな。」

約12時間のフライトは、どんな座り心地のいいシートと言えども、身体を強張らせるらしい。
首をコキコキ鳴らしながら、西門さんが伸びをしてる。
あたしはと言えば、ふかふかのベッドみたいなお席でしっかりお昼寝して、元気満タン。
見慣れないだだっ広い空港の宇宙基地みたいな不思議なデザインや、長ーいエスカレーターをキョロキョロ見回していた。
荷物をピックアップして到着ロビーに出てみれば、西門さんが1人の体格のいい男の人のところにすーっと近寄って肩を叩き合ってる。

「Pierre ! 」
(ピエール!)
「Ah ! Bonjour, Sojiro ! Comment allez-vous ? Vous n'avez pas fatigué ? 」
(やあ! 今日は、総二郎! 元気ですか? 疲れてないですか?)
「Je vais bien, merci. Ca fait longtemps. Est-ce que tu va bien ? Et ta famme et tes enfants ? 」
(元気だよ、有り難う。久しぶりだなぁ。君は元気か? 奥さんと子供達も?)
「Très bien. Et alors… elle est votre copine.」
(とっても元気です。それで…彼女がガールフレンドですね。)
「Ah, oui. C'est Tsukushi.」
(ああ、そうだ。つくしだよ。)
「Enchantée.」
(初めまして。)
「Bonjour, Mademoiselle Tsukushi. Je m'appelle Pierre, conducteur pendant votre séjour de Paris.
Je suis ravi de vous rencontrer. Allez ! Venez avec moi ! 」
(今日は、つくしさん。ピエールです。パリにいらっしゃる間の運転手を務めます。
お会いできて嬉しいです。さあ、一緒に来て下さい!)

あたしと西門さんのスーツケースをひょいひょいっとカートに載せて、ピエールさんが先導してくれる。

「運転手さん?」
「あぁ、ピエールか? そう。西門の人間がこっちに来る時はいつも頼んでるから気心が知れててな。
真面目だし、愛妻家で、子煩悩で、いいヤツだよ。」

ピエールさんが案内してくれた先には黒くてピカピカのカッコいい車。
それに乗り、高速道路をパリ市内へと向けて走っていく。
最初は無機質に見えた景色も、市内が近づくに連れて石造りのクラシックな建物が増えて、自然と目が窓に引き寄せられる。

「ね、ね、西門さん、段々パリっぽくなってきた!」
「何だよ、パリっぽいって… ここはパリなんだっつーの。」

そう言って苦笑しながらも、あたしの手を柔らかく握ってくれる。
嬉しくなって振り返ったら、甘く微笑む西門さんがいた。


__________


ハロウィンSS以来ご無沙汰のバカップル登場。
いつか2人でパリに…と思ってたんですけど。
やっと連れてきてあげられました。
ラブラブなお誕生日にしてあげたいけどー、なんかどうも誕生日当日までに書き終わらないよね、このペースじゃさ…


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L'hiver est arrivé ! 2

夕暮れ時の市内へのオートルート(高速道路)の車窓は、そんなに目を引くものでもないのだが、牧野は教会の高い塔やら、石造りのアパルトマンが垣間見えるだけで異国情緒を感じるらしい。
それなら一番の目抜き通りを楽しませてやろうと、ピエールにちょっとルート変更を頼んだ。
よく心得たもので、即座に色よい返事をくれる。
車はペリフェリックと呼ばれる、パリ市街を取り巻く環状高速に入った。
途端に何車線もある道が混み合い出す。
パリの住人たちの帰宅ラッシュが始まったのだ。
そこをなんとか抜けて、ポルト・マイヨーからパリ中心部に向かっていく。
さっきから自分の横の窓に齧りついている牧野に、

「牧野、前見てみろよ。」

と声を掛けた。
フロントガラスの向こうに近付いてくるのは、夜のライトアップが始まった凱旋門だ。

「西門さん、あれって…!」
「そ、凱旋門。」
「うわぁ、思ってたより大きいんだねぇ!」

窓にへばりつくようにして見上げている牧野。
そんな様子に俺の頬は緩んでしまう。
ピエールは凱旋門の周りを半周して、車をシャンゼリゼ通りへと進めていく。
普段だって相当煌びやかな通りであろうこの道は、クリスマスが近いからショーウィンドウや店先は更に飾り立てられ、街路樹は揃いのイルミネーションが施されている。
そんな光の洪水の中を、沢山の車と人が行きかっている。

「で、ここがシャンゼリゼだ。」
「ね、ね、西門さん、すっごく綺麗!」

俺の手を引っ張って、ちょっと興奮気味に目を輝かせてる牧野の反応は予想通りだ。
態々遠回りした甲斐がある。

「シャンゼリゼって東京で言ったら銀座の中央通りって感じ?」
「…まあ、そんなとこだな。」

比べるのもどうかと思うが…
まあ、牧野の喜ぶ顔さえ見られれば、俺は幸せなんだよな。

きゃいきゃいはしゃぐ牧野に苦笑いしつつも、心は浮き立つ。
久しぶりのパリの景色よりも、それを見て喜ぶ牧野を見ているのが楽しくて。
気が付けば俺達が泊まるホテルの前に、車は到着していた。
ホテルのドアマンによって開けられたドアから降り立ち、牧野に手を差し伸べる。
降りてきて、ホテルのエントランスをまじまじと見つめてる。
どうやら牧野の予想していた所と、ここの様子は違ったらしい。
目を丸くしたままの牧野の背中を軽く押しつつ、ピエールには
「Je t'appelle plus tard.」
(後で電話する。)
と告げて、ホテルの中に進んだ。

ここは所謂隠れ家ホテル。
ハリウッドスターや各国の著名人がお忍びで来るという、知る人ぞ知る所だ。
きっと牧野はもっと大通りに面した、如何にも!といった感じの格式高い五つ星ホテル…みたいのを想像していたんだろうけど。
そんなのお前を堅苦しくさせるだろうと止めといたワケ。

こじんまりとしてはいるけど、高級感が漂っているのは一目瞭然。
外見のクラシックな印象と比べて、改装されている中身はスタイリッシュでモダン、かつ飛び切り豪華な内装で落ち着いた雰囲気。
それにのまれている牧野を見ていると、くすくす笑いを抑えられない。
かなり間抜けな顔を晒してるんだけど、本人は一向に気付かないらしい。
何時もなら笑ってる俺の鳩尾に、パンチを繰り出して来そうなもんだが、それすら無い。
作戦成功だとほくそ笑む。

チェックインの手続きをして、部屋へと通される。
部屋に入るなり「うわぁ…」とだけ声を漏らした牧野。
広くてゴージャスなスイートは、牧野の好きそうな小花を散りばめた壁紙に、乙女チックな家具がずらり。
そこのドアを開けたら、天蓋付きのベッドまであるはず。

多少疲れを感じて、その乙女チックなソファに身を沈めて、声を掛けた。

「どお、つくしちゃん?
こっち来て一緒に座らねぇ?」
「…うん。」

心ここに在らずといった風情の牧野が、ちょこんと俺の隣に腰掛けた。
ハンパな距離が空いてるのがもどかしくて、腰を抱いてぐっと引き寄せる。

「なぁ、お前疲れてないの?
俺は流石にちょっと草臥れたんだけど。
今、日本時間だと真夜中だぜ。」
「…ん、あんまり疲れてない…かな?」
「ふうん。じゃあ飯どうする?」
「あたし、全然分かんないから、西門さんに合わせるよ。」
「俺は…飯より食いたいものあるんだけど?」

ホテルの部屋に見惚れて、ぼーっとしている牧野をちょっと揶揄いたくて、そんな事を言ってみるけど、ピンと来ないらしい。

何時ものあのフレーズも出てこない位、この部屋気に入ったのか?
そんなお前好みの部屋を用意した俺に、ちょっとご褒美くれてもいいだろ?

さらさらとした髪の中に指を差し込み、顔を此方に向けさせる。
牧野がはっとした時にはもう遅い。
俺の唇で、その薄っすら開いた唇を捕らえ、舌を滑り込ませて濃厚なキスをひとつ。
ちょっと顔を離してフェロモン載せの視線で覗き込めば、とろんと熱に浮かされたような目をした牧野の出来上がり。
飯よりキスを先に…と思ったけど、こんなに色っぽい顔されちゃ、このまま牧野を頂いちゃうってのもアリだよな。

「な、俺と飯、どっちが食いたい?
俺はこのままこの部屋で、お前に食べられるんでもいいぜ。」
「…はぁー? あんたは食べ物じゃないでしょ、このエロ門っ!
さっさと食事行くわよっ!」

やっと自分を取り戻した牧野に、一頻り腹を抱えて笑った。


__________


ステキドライブにステキホテルでつくしを骨抜き!
明日はどこに行かせましょうかねー?


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L'hiver est arrivé ! 3

昨夜は夕方着いたという事もあって、食事しただけでこてっと寝てしまったけど。
起きてみたら、柔らかな朝日が射し込むベッドルームで、身体を起こしてキョロキョロ見回してる自分がいた。
白とライラック色で纏められたベッドルームは落ち着く雰囲気ながらもお姫様気分を味わえる。
白いオーガンジーの天蓋付のベッドは乙女の憧れ!
そして横を見れば…
濡れ羽色した髪のあたしの愛しの君が、すやすやとうつ伏せで寝てらっしゃる。
それにしても、何だって上半身裸なのかしらね。
いくら高級ホテルと言えども、もう冬なんだから、寝冷えしない為にも寝間着、着たらいいのに…
そう思って、シーツから飛び出してる肩にそっと触れたら、やっぱりひやりとしていて。
暖めてあげなくちゃと、慌ててシーツで包もうとしたら、その手を掴まれて、もう一度ベッドに引き倒された。
ぬいぐるみを抱くように、あたしを胸の中にしまい込んじゃう西門さん。

「…起きてたの?」
「まだ眠い…」
「でももう朝だよ。」
「もうちょっと付き合え。」

きゅうっと抱き締められて、西門さんの体温が伝わってくると、安心感と幸せでうっとりしてしまう。
このまま2人で惰眠を貪るのもいいかも…なんて瞼が重たくなり始めた時、はっと気づいた。
ここがパリだということに!

そーだよ。パリに来ちゃったんだよ、あたし。
パリって言ったら、エッフェル塔にノートルダム寺院に、ルーヴル美術館。
セーヌ川にモンマルトルの丘。
行ってみたいとこ沢山あるー!

そう思ったらベッドで寝てなんかいられない。
眠いとぐずる西門さんを叩き起こして、パリ観光へといざ出陣!とばかりにベッドを飛び出した。

寝足りないところを引っ張り出したからなのか、どこか不機嫌な西門さんと美味しい朝ご飯を頂いて。
わくわくしながら、声を掛ける。

「ね、今日はどこ行くの?」
「んー… 天気いいから、ヴェルサイユでも行ってみるか?
あそこは庭が広いから、あんまり天気悪い日や寒い日には向かねぇんだよ。
ああいうの、好きだろ、つくしちゃん。」

夢のお城が好きじゃない女の子なんているの?
束の間でも見て、その世界に浸りたいって思うでしょーが!

「言っとくけど、あれはただのゴージャスな建物と庭ってだけじゃねぇんだぞ。
れっきとした世界遺産なんだからな。」
「ふえーーー。」

変な声を出しちゃったあたしを西門さんが鼻で笑う。

「やっぱ牧野って、面白ぇ生き物だよな。」
「何よ、生き物って。人を珍獣みたいに言わないでっ!」

一事が万事そんな調子で…
連日博識な西門さんに無知なあたしが揶揄われつつも、結局は色んな場所を丁寧な解説付きで見て回ってる贅沢な観光旅行になってる。
ピエールさんの機転の利いた案内もあって、スムーズにお出掛けできるのも、とっても快適だ。
西門さんはそんなのが当たり前って顔してるけど…

2日目はお昼前から行ったヴェルサイユ宮殿をゆっくり見て回って。
夜は西門さんお気に入りのレストランでお食事。
高級過ぎで、ちょっとひるんだけど、あまりの美味しさに、途中からはそんなことも忘れてた。

3日目はあたしの希望を聞いてくれて、エッフェル塔に上った後、シャン・ド・マルス公園を腕を組んでお散歩して。
ロダン美術館で静かな時間を過ごした。
本当はお庭の彫刻の前で、同じポーズして写真撮りたかったけど、それだけは止めてくれって西門さんが泣きついてきたからぐっと我慢…
夜はバトームッシュでセーヌ川をディナークルーズした。
西門さんは「こんな晩飯、こっ恥ずかしい…」なんて言ってまた顔顰めてたけど。
ご飯を食べながらも、ライトアップされた有名な建物や、数々の橋を潜り抜けるクルーズは、景色に目を奪われちゃって、お食事の味が分からなくなったから、ちょっと失敗だったかも…と思ったのは西門さんには内緒だ。

4日目は冷たい雨模様。
こんな日こそ美術館に行くべきなんだと言われて、ルーヴル美術館に行く事にした。
物凄く沢山の収蔵品があるルーヴル美術館。
ピンポイントで見て回らないと、とても見切れるものじゃない。
「何が見てみたい?」と問われ、パンフレットを見て「古代エジプトの部屋!」と即答した。
また西門さんが怪訝な顔をしてる。

「普通ルーヴル来たら、モナリザとかサモトラケのニケとかナポレオン1世の戴冠式とかって言うもんだろ?」
「だって、この間、東京で古代エジプト展に行ってから、興味が増しちゃったの!
ヒエログリフっていう文字はフランス人が解読したんだよねぇ。」
「それはロゼッタ・ストーンを解読したシャンポリオンな。
ロゼッタ・ストーンは大英博物館。海の向こうだ。」
「うん、それ位は知ってるけど。
古代エジプトの部屋を見てから、ちょこっとモナリザとミロのヴィーナスも見てみたいなぁ…」

こんな我儘も結局聞き入れてくれる、優しい西門さん。
途中、お腹が減った…と言ったら、テイクアウトのサンドイッチなんか付き合ってくれた。
普段ならこんなの食べないだろうになぁ。
案の定、美味しくパクつくあたしとは対照的に、言葉少なに食べてたけど。
あたしにとっては十分美味しい物でも、お坊ちゃまのお口には合わなくて残念だよね。

流石に一日中美術館の中を歩き回ったら、あたしも疲れが溜まってくる。
ホテルに帰り着いたら、動きたくなくなってしまった。
そんな様子のあたしを見て、西門さんが晩ご飯をルームサービスで頼んでくれる。
2人で暖かくて素敵なお部屋でのんびりお食事していたら、気が緩んだのか…
食べ終わったあたしは、ソファで西門さんに寄りかかりながら、うとうとしてしまうのが止められないでいた。


__________


総二郎のお誕生日の為の旅行だけど、すっかりつくしのパリ観光になってます。
お誕生日につき、一日2回更新なんてしてみましたが。
さて、今夜の分は書けるのかなー???


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L'hiver est arrivé ! 4

パリに来て4日目の夜。
連日はしゃぎ回っていた疲れが出たんだろう。
牧野は晩飯の後、ソファで船を漕ぎ出した。
寄り添っている俺の肩に時折こつんこつんと頭をぶつけてる。

「お前、もう風呂入って寝たら?」
「…ん、ちょっと休んでから…」

もうすぐ25になろうってのに、いつまで経ってもお子ちゃま牧野。
飯食って、腹が膨れたら眠くなるのはいつもの癖。
仕方ないので、俺が牧野の背凭れ替わりになって上半身を抱き留めて、脚はソファの上に引っ張り上げて楽な体勢にしてやる。
身体を冷やしてもいけないな…とソファの肘掛けのところにあったブランケットをふわりと掛けてやった。
すうすう寝息をたてながら、安心しきって俺に身を委ねてるのを見るにつけ、胸の奥からじわじわと幸せな気持ちが湧いてくる。
指で頬を撫でると、するりとした肌触りが心地よくて。
何度も何度も優しく触れた。
俺の指より少しひんやりとする頬を温めてやりたくて、今度は掌で包んでみた。

求肥みたいだな、この柔らかさ。
はむっと噛り付いてやりたい。

そんな事を思ったら、自然と笑みが零れる。
繰り返し頰を撫でるうちに、薄く開いたぷっくりした唇を親指が掠める。
すっかりルージュも落ちて、ヌードな状態の唇は桜色。
俺しか見ることのできない、素のままの唇だと思ったら、もっと触れたくなって、親指で下唇をなぞった。
ゆっくり親指を滑らすと、ふうっと小さな吐息が零れ出す。
今度は唇の真ん中に指を柔く押し当てれば、無意識なんだろうけど、キスに応えるみたいに、俺の指を食もうと動く。
思わずドキリとして、慌てて手を引いた。

こんなことぐらいで、心臓が暴れるなんて、俺、どうしちまったワケ?

気を紛らそうと、見る気も無しに点けていたTVの方に視線を投げた。
観たことのないフランス映画が流れてる。
今の季節とリンクしている、寒そうな灰色の空の元、惚れた腫れたですったもんだしている男と女の話だ。
こんな何気ない日常が映画になるなら、この牧野の人生は一体何本の映画になってしまうんだろう?
たった四半世紀生きてきただけで、怒涛の人生だった!と言い切れるほど、こいつの25年には様々な事が詰まってる。
じゃあ、この後の人生はどうなるんだ?
俺はどんな未来を約束出来る?

さらさらと零れる髪に触れながら、牧野の寝顔を見つめて、物思いに耽った。
ちょっと休む…と言ってからもう2時間。
一向に目覚める気配も無い。
これはこのままベッドに入れてやるしかないか…と思って、牧野をそっと抱き上げた。
そっとしたつもりでも流石に大きく身体は揺れたらしく、牧野がぼんやり眼を開けた。

「ほら、ベッド行くぞ。今日はもう寝ろ。」
「…ん、今何時?」

視線を彷徨わせ、部屋の時計を見れば、12時を少し回ったところ。

「もう12時過ぎだ。風呂は明日にすれば?」

そう言ったら牧野が首にぎゅっとしがみ付いてきた。
そして次の瞬間、耳元に一つ爆弾を落とす。

「お誕生日、おめでと、西門さん。
生まれてきてくれて有り難う…
大好きだよ…」

寝惚けているから素直なのか、それとも胸の内でずっと温めていてくれたセリフなのか。
極々シンプルで、何てことない言葉なのに、俺の胸をぐっと掴むのには十分過ぎる程の力を持つ。
それだけでも目が回りそうな幸福感に包まれたというのに、牧野はさらに、しがみ付いてる俺の首に、ちゅっと音を立ててキスをした。
照れ屋な牧野からのキスはまれにみること。
俺の身体に途端に電流が流れ始める。

「一番におめでとうって言いたかったの。
目が覚めて、言えて良かったぁ…」

また胸が疼くような事言いやがって!
このまま寝かせてやろうと思ったのに。
そうもいかなくなっちまっただろ。

広々したベッドに、牧野を落とすと、俺はそのまま牧野の腰を跨いで上になり、身体を倒して肘を突く。
ぽーっとしたままの牧野に顔を寄せ、今度は俺から爆弾を。

「ありがとな、つくしちゃん。
誕生日プレゼント、くれるだろ?」
「え? あ、うん… バッグの中に入ってる…」
「そうじゃなくて、俺が欲しいのはこっち。」

そう言って、唇を奪う。
さっき指で触れた時から、キスしたくて堪らなかった。
牧野の目が覚めたら、絶対にキスしようと思ってた。
何度も何度も優しく啄むように。
だけどそのうちにもっともっとと欲が出て、少しずつ長く深い口付けに変わってく。
舌で優しく口の強張りを解き、そっと中に滑り込ませて。
彼方此方を擽るうちに、牧野も俺に応えてくれる。
キスが深まれば、どんどん甘く熱い想いが自分の中に溜まってく。
それを牧野にも伝播させたくて、夢中で唇を貪った。
息苦しくなって口と口とを離せば、牧野も荒く息をしている。
眼は潤んでゆらりと揺れ、俺への想いが溢れる寸前。
表面張力で辛うじて目の淵に留まっている。
呼吸する度に上がり下がりしている胸を見ていると、また別の欲も掻き立てられた。

その胸を暴いて、白い肌にも、紅く色付く小さな果実にもキスを落としたい。

唇は顔の彼方此方にキスの雨を降らせた。
頰、鼻先、こめかみ、瞼、額。
耳を見えなくさせている髪を撫で上げて、露わになったところで、耳元にも。
牧野が小さく震えて、その刺激をやり過ごそうとするから、余計に刺激してやりたくなる。

「つくし…」

吐息交じりの熱っぽい声で名前を呼ばれたら、牧野の身体はびくんと跳ね上がった。
それに呼応して、俺の心臓も跳ねる。

「プレゼント、もっとくれるか?」

返事も待たずに、指は服の内側に忍び込んだ。


__________



がっついてみた(笑)


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L'hiver est arrivé ! 5

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