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花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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下弦の月 前編

ちょっと今日の分書き上がらなかったので、ストックから蔵出しで。
お茶のお師匠様と直弟子…といった微妙な距離の2人です。


__________



ああ、俺は一体どこにいるんだろう。
真っ暗で、息苦しい。
小さな箱にでも詰め込まれたような閉塞感。
帰りたい。
帰りたいんだ。
こんな所にはいたくない。

そう思った時に、頭の中から別の声がする。

お前はどこに帰るんだ?
どこがお前の帰る場所?
一体いつの時間に帰りたい?

俺が帰りたいのは…

そう考え始めた時、真っ暗なその場所に、静かな一筋の光が見えてきた。
その光は段々明るく確かなものになっていく。
その光に包まれたくて。
捕まえたくて。
力の限り手を伸ばした。

「…どさん? 西門さん?」

光を求めて伸ばした指先には、小さくてひんやりした手。
ぼんやりと目を開けたら、ベッドサイドのライトに柔らかく照らされて、心配そうに俺を見下ろす牧野の顔があった。

「(牧野…?)」

牧野の名を呼んだはずなのに、俺の口からは声が出ていない。
出てくるのは掠れた吐息だけ。
それを認めて牧野が緊張を解いて小さく笑った。
俺の額に手を伸ばし、前髪を掻き上げている。

「西門さん、分かる?
熱が出て、寝込んだんだよ。
インフルエンザではないんだって。
でもすっごく熱が高いの。
起きて水分取れる?」

小さく頷いて、身体をベッドの上に起こそうとしたら、節々がギシギシと痛んだ。
牧野が俺の背に手を回して、支えてくれようとしてるけど…
お前に俺の重み、耐えらんねえだろ?
ぐらぐらする頭を必死で持ち上げて、身体をベッドのヘッドボードに寄せた。
すかさず牧野がクッションを背中に当ててくれてる。
元気に声が出せるなら、「お、つくしちゃん、気が利くねー。」なんて言って、流し目の一つでも送ってやるのに。
今の俺は、碌に自分の身体も自由に出来ない。
水の入ったグラスを持った牧野が、俺にそれを差し出すけれど、心配なのか、受け取った俺の手に自分の掌をそっと重ねてる。
大丈夫だと言いたいけれど、声が出ないから、牧野に笑いかけてやった。
病人が平気なフリして笑うってのは、どんなにか弱々しいものなんだろうか。
牧野が余計に心配そうな顔して、俺を見つめてる。
グラスの水を少しずつ飲み下して、ふうと一息ついて。
あ、あ、あ…と発声練習してみれば、いつもと違う調子ながらも声は出た。

「…俺、どんぐらい寝てた?
どうしたんだっけ…?」

「昨日の夕方、お客様がお帰りになられた後、お茶室で倒れたの。
今は夜中の2時。
もう… 忙しいからって無理してたんでしょ。
ずっと調子悪いの隠してた?
熱も、少し前からあったんじゃないの?」
「寒気がするなとは思ってたけど、寒波襲来だって天気予報で言ってたし。
だるいのは仕事の疲れが溜まってんのかと思って。
風邪ぐらいじゃ寝込まない体力あると思ってたんだけどな。」
「鬼の霍乱だね。」

牧野の言いぐさはあんまりだ。
俺は鬼なんかじゃねえ!
こんなカッコいいお師匠様捕まえて、鬼呼ばわりとは心外だ。
そもそも霍乱って日射病の事だし。
全然ピンとこねえぞ、その例え!

俺の手からグラスを受け取った牧野は、次に体温計を手渡してきた。

「西門さん、熱計ってみて。
昨日の夕方倒れた時は40℃近くあって、あたしホントに驚いたし、側に居ながら西門さんが具合悪いのに気付けなかった自分にもがっかりしたんだから。」

牧野のお怒りはご尤も。
でも忙しい最中に具合悪いって弱音吐く俺なんか見せたくなかったんだよ。
せめて茶室じゃなくて、自分の部屋まで戻ってから寝込みたかったよな。
俺ってカッコ悪すぎる。

牧野の声をぼーっとする頭で聞きつつも、ぞくぞくする身体が勝手に身震いする。

「あ、ごめん、寒いよね。」

用意されていたらしい毛布を肩から掛けられた。

「西門さん、無理しないで、あたしには何でも言ってよ…」

ふわりと毛布で俺を包みながら、牧野はそんな事を言う。

そんな捨て犬みたいな濡れた瞳で俺を追い詰めんなよ。
俺はお前に悲しい顔させたくないんだから。
そう思って、平気なふりしてたのに。

「悪かったよ。でも今日が終われば数日ゆっくりできるから、そうしたら休もうって思ってたんだって。」

ぴぴぴと鳴った体温計を出してみれば、まだまだ熱は高かった。

「風邪だからね。栄養と睡眠が一番だって。
何か食べれそう? 食べれるならちょっと食べてからお薬飲もうか。」

腹が減ってる気はしなかったけれど、牧野を安心させたくて、言う事を聞いておこうと思い頷いた。

「うん、じゃあちょっと支度してもらってくるから、西門さんはもう一度横になって待ってて。」

小首を傾げながらそんな事言う牧野は可愛い。

ああ、俺の目は熱でどうにかしてんのか?
そもそも通いの弟子であるお前が、なんで俺の部屋に入り込んで、側についてる訳?
この家は人手だけはあるんだから、こいつがここにいる必要なんか無かったはずだ。

またベッドに寝かされて、牧野の手でしっかり布団で包まれて。
身体がベッドに沈んでいくのと同時に、重たい瞼が勝手に閉じていった。


__________


甲斐甲斐しいつくしと鬼と呼ばれた病気の総二郎(笑)
ちょっと「心の器」73話、難しくてですねー。
書きあぐねちゃったので、急遽こちらを手を入れてみました。
続きをお待ちだった方、いらしたらスミマセン…
もうちょっと練らせて下さいなー。


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下弦の月 中編

高熱がある西門さんにも食べれる食事を求めて、深夜の調理場に向かった。
「いつでもお声をお掛け下さい。」とは言われていたけれど、もう2時を回ってる。
内線電話を鳴らすのは気が引けた。
誰かいらっしゃるかな…と近づいていくと、灯りが漏れているのが目に入る。
小声で「あの… すみません…」と中に呼びかけると、すぐに奥から若い板前さんが顔を出した。

「あ、あの、遅くにすみません。
西門さ…、えっと…、若先生が先程目を覚まされまして。
まだ熱が高いのですが、薬を飲まれれる前に、少し何か召し上がるとの事なんですが…」
「はい、家元夫人から承っております。
粥と鍋焼きうどんをご用意していますが、どちらが宜しいでしょうか?」

今の西門さんの胃袋にどっちが受けつけやすいのか、あたしには見当もつかない。

「…あの、両方少しずつ頂いていくのでも大丈夫でしょうか?」
「はい、ではすぐにご用意してお持ちしますので、総二郎様のお部屋でお待ち下さい。」
「いえっ、あたしが持って行きます。
お仕事の邪魔して申し訳ないですから…」

そう言ったら、板前さんがふっと表情を和らげた。

「では、ご一緒にお願いします。
もう明日の仕込みを終わらせて、休むところでしたので、私へのお気遣いは無用です。
少々お待ちください。」

と告げて、調理場の中へと戻っていく。

こんな時間まで明日の仕込み?
朝も早い調理場のお仕事。
いくらなんでも遅すぎる。
ということは… 西門さんの事を家元夫人から聞いて、寝ずに何かの時の為に待っていてくれたんだ。
内弟子さんや使用人の方が、宗家の為に尽力するのは当たり前のことかもしれない。
だけど、あの板前さんは唯義務感から、調理場に残っていてくれたわけじゃないだろう。
西門さんの為に何かしたいって思ってくれたからこそ、こんな夜遅くまで待っていてくれたし、こんな下っ端の弟子であるあたしにも優しく接してくれる。
西門さんはここで愛され敬われてるんだと思うと、他人事なのに嬉しくなるあたしがいた。

このお邸にお稽古で通うようになって、少しずつお邸の中の事を知るようになった。
西門さんはここを、冷え切った家族がバラバラに暮らしつつ、自分に与えられた仕事をこなす場だと思ってるみたいだけど、それは本当の姿じゃないと思う。

西門さんさえ心を開けば、色々なものが見えてくるのに…

そんなことを考えていたら、さっきの板前さんが色々なものを載せたお盆を持って戻って来た。
一度そのお盆をカウンターに置いて、今度は大きな冷蔵庫から何かを取り出している。

「すみませんが、こちらを運んで頂いても宜しいですか?」
「はいっ!」

用意されたのは、蓋付の大きなピッチャーとグラスだった。
でも中身は水ではないような…
そのガラスのピッチャーをまじまじと見つめていたら、板前さんが説明してくれた。

「それは経口補水液です。
水1リットルに対し塩3g、砂糖40gを入れて作るのが一般的ですが、それだとあまり美味しいものではないので、砂糖の半量を蜂蜜に換え、果物の果汁を足して飲みやすい味にしてあります。
水代わりに総二郎様に飲んで頂いて下さい。」
「…有り難うございます。」

ほら、絶対に西門さんは大事にされてるよ。
西門さんの事を思って、こんなものを準備してくれる人がいるんだよ。
あたしならコンビニにスポーツドリンクを買いに行くのが関の山だ。
こんな事をしてくれるのは、心から西門さんを心配してくれて、少しでも楽になるようにって心を砕いてくれたってことだもの。

板前さんと2人、連なってお邸の長い廊下を歩く。
中庭の枯山水がよく見える大きなガラス窓が嵌められた所を歩いていたら、白洲の水紋が柔らかい月明かりで浮かび上がり、本当の水紋のように見えてはっとした。
足音を立てないようにゆっくり歩きながらも、目は中庭に奪われる。
何度も目にしていたこの枯山水。
今初めてこのお庭の本当の意味を知った気がする。
勿論あの白州が水に見立てられていることは、知識として自分の中にあっても、本当に水に見えたのは今夜が初めてだった。
自分の胸の中にも、水紋が広がっていく。

お邸の奥にある西門さんのお部屋の前に着いた。
あたしは小さくノックして、ドアを開けたけれど、西門さんからの返事はない。
きっとまた寝入ってしまったんだろうと思って、静かに部屋に入った。
テーブルの上にピッチャーとグラスを載せたお盆を置いて振り返ると、後ろにいらっしゃると思った板前さんは開いているドアの前に控えている。
慌てて足音を立てないように急ぎ足でそこまで戻って、持って来てくれた大きなお盆を受け取った。
小声でお礼を言いつつ、小さく頭を下げる。

「あ、有り難うございました。こんな遅くに…」
「いえ、総二郎様の事、宜しくお願い致します。
失礼します。」

静かに礼をして、板前さんは廊下を戻って行く。
その背中に、もう一度頭を下げた。

西門さんのベッドサイドまで戻ってみると、やっぱりまた寝てしまったようだ。
そっとタオルでおでこの汗を拭う。

お食事、冷めてしまうけど、今は寝かせてあげた方がいいよね。
早くお薬飲んだ方がいいけど…

病床にありながらも完璧に整っている寝顔を見ていると、心臓がとくんとくんと鳴り出す。

さっきのあれ、何だったんだろう…
熱のせいでおかしくなってたのかな?
誰かと間違えてた?
でも、牧野って名前呼んでたし…
そのせいでこんな事になってるんだし…
てっきりお邸中に噂が広まっていて、変な目で見られたり、冷たくあしらわれるかとびくびくしていたけれど、あの若い板前さんはそんな素振り、全然無かった。
家元夫人が何か言って下さったのかなぁ?

おでこに手を当ててみるとまだまだ熱かった。
おでこを冷やすのは気休めに過ぎないと聞くけど、ひんやりした方が気持ちいいだろうからと、絞ったタオルを載せて、そっと押さえた。
とくんとくんと鳴る胸の鼓動を落ち着かせたくて、窓辺に行って、少しだけカーテンを開けてみる。
さっきの枯山水とは違う、手入れされた木々が生い茂る冬枯れの庭が広がっている。
見上げた空には、白くて半分だけの月がふわりと浮かんでた。


__________


昨日は寝落ちしました。スミマセン。
ホント今忙しくてですねー。
ベッドに入って書こうと思っても、ついつい瞼が閉じちゃうんですよう。
今日の総二郎さん、寝顔だけの登場で。
出番少な過ぎて怒られそ!
今月の下弦の月は、本日12日でございますー。

花男新作の報にびっくりですね。
我らが総二郎に(出来ればあきらと類にも)出番ありますように!(笑)


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下弦の月 後編

気付けばまた真っ暗で息苦しい場所に堕ちていた。
喘ぐように息をして、必死にもがいてその場から逃げようとするうちに目が覚めた。
俺がもがいていたのは、しっかりと包まれた羽毛の厚い上掛けの中で。
暑苦しくて、それを力の入らない手で身体から引き剥がした。
目が回ってる…と思いながら、なんとか身体を起こすと、額から濡れタオルがぱたりと落ちる。
それを手にしつつ、さっきは隣にいた牧野を探して、視線を彷徨わせると、窓辺でカーテンを掴みながら、こちらを振り返った牧野と目が合った。

「あ、西門さん、目、覚めた?」

とととと駆け寄ってくる。
そんなに勢いつけて走るほどの距離じゃねえよ…と思いながらも、牧野がこっちに向かってくると思ったらどこかほっとする。

「布団剥いじゃって… 暑いの、西門さん?」

口を開くのも面倒で、「んー…」と唸りながら首を小さく縦に振れば、牧野が分厚い上掛けを足元に押しやり、薄手の毛布を掛けてくれた。

「何か食べれそう?
お粥とうどん、作ってもらったよ。
ちょっと冷めちゃったかもだけど…」

そう言われてローテーブルの上を見遣れば、色々普段はそこに無いはずの物が置かれているのが目に入る。
牧野がそこに行って、何やらかちゃかちゃ音をさせ始めた。
甲斐甲斐しい牧野と2人きりで俺の部屋。
病気も捨てたもんじゃないって気になってくる。
戻ってきた牧野の手には、ガラスのグラスと茶碗が一つずつ。

「これ飲める? 経口補水液だって。
板前さんお手製みたいだよ。」

渡されたグラスの中身を口に含むと、微かにしょっぱくて、甘いような気がする。

「美味しい? 蜂蜜や果物の果汁を入れたって仰ってた。」
「味、わかんねえ…」
「そっか、熱あるもんね。」

くすりと笑って、俺からグラスを取り上げて、今度は粥の入った茶碗を持たせる。

「ちょっと食べてみて。
うどんの方が良かったら、またよそってくるから。」

ほんのり温もりを残しているその粥を蓮華で口に押し込む。
やっぱり美味いか不味いかなんてちっともわからないけど、牧野がキラキラした目で「いっぱい食べて!」と訴えかけてくるから、機械的に蓮華を動かした。
粥を食べて、薬を飲んで。
また横にならされた俺は、身体を牧野の方に向けながら、疑問に思ってることを聞いてみた。

「何で牧野がここにいる訳?」

そう言った途端、ベッドサイドの椅子に座った牧野が、急に顔を赤らめた。

「…もしかして、覚えてない…の?」
「全然覚えてないっつーか、気が付いたらここにいたって感じ?」

服の裾なんか手で握り締め、もじもじしながら牧野が話し出す。

「今日は冬期講習会の打ち合わせと… その後家元夫人のゆかりの方々を中心としたお茶会があったの。」
ああ、それは覚えてる。
「夕方、お茶会のお客様をお見送りして、お茶室に戻ってきたと思ったら、西門さんがバターンと倒れた。」
んー、見送ったとこまでしか覚えてねえ。
「それで… 片付けをお手伝いしようとあたしは水屋にいた訳だけど…」
何で急に口が重くなる?
「大きな音がしたから、慌ててお茶室を覗いたら、西門さんが転がってて。
他のお弟子さんなんかもすぐ駆けつけてらしたから、皆で声を掛けたんだけど…」

どんどん声が小さくなっていく牧野。
俺と視線を合わせないように、下向いてばかりいる。
何だ? 俺は何をやった?

「で…?」
「これ以上自分の口からは言いたくない…」
「じゃ、他の奴から聞くからいいよ。」
「それもダメ!」
真っ赤な顔して向きになって止めるからには何かあるんだろう。
「じゃ、牧野が話せよ。」
「もーーーー! 何で覚えてないのよっ!
あたし、恥ずかしかったんだからっ!」
おいおい、今度はお怒りか?
「あのねえっ! 西門さんがねえっ! 『牧野、牧野!』って譫言みたいに呼んで。
側に行ったら、あたしの手掴んで離さなくてっ!
皆の前で『行くな。どこにも行くな。』なんて呟くからっ!
皆さんには盛大に誤解されるしっ!
家元夫人まで『牧野さん、申し訳ないけど、今日は総二郎さんに付いていてやってくれませんか?』なんて仰るから、あたしは帰れなくなっちゃってっ!
手もぎゅうぎゅう握って離してくれなかったから、お弟子さん達と一緒に西門さんをこのお部屋に運んで。
それでここにずっといたのっ!」

言い切って、顔中を熟れきったトマトのように真っ赤にした牧野は、あらぬ方向を見遣って、頬をぷっくり膨らませながら俺を無視してる。
最初はぽかんとしていた俺も、熱でぼうっとした頭で牧野の言葉の意味を理解し始めると、顔が火照り始めた。

はあ… 恐ろしいもんだな。
胸の奥に仕舞いこんでた本音が、こんな時に飛び出すだなんて。
人間、前後不覚に陥るまで働いたりしちゃいけねえな。
いや、病気の時は身体を厭えって話か?

「つくしちゃん。」

名前を呼ぶ時位、はっきり呼んでやりたいのに、熱のせいか掠れ声しか出ない。

「つくしちゃん言うな!」
「病人に優しくして。」
「十分してるでしょっ!」
「俺と付き合って。」
「はあっ?」
「もう告白したんだろ、俺? どこにも行くなって言ったんだろ? 答えは?」
「何よ、それっ! あんなの告白じゃなくて、病人が熱に浮かされて言った戯言でしょっ!」

毛布の中から手を伸ばして、牧野の手を捕らえた。

「冷てえなあ、牧野の手。」
「西門さんの手が熱いだけ。」
「これ、冷たくて気持ちいい。」
「あ、氷枕、取り換えようか?」

椅子から立とうとした牧野を逃がさないように、今のあらん限りの力で手を握った。

「どこにも行くな。俺の側にいて。牧野が好きだから。」
「また熱に浮かされてるんでしょ。」
「じゃあ、熱が下がるまでここにいてくれよ。
熱が下がったらもう一度言うから。」
「はいはい。」
「はいはいじゃねえよ。」
「分かった、分かった。病人はもう寝るの。」

毛布の上からぽふぽふと手で肩を叩いて俺を宥める牧野。

お前、熱下がったら本気出すからな。
俺が本気で口説いたら、いくら鉄パン穿いてる牧野だって逃げらんねえぞ。
あれ? 病気だけど、俺、今、結構幸せかも?

冷たく柔らかな手を握りしめながら、風邪の齎した思わぬ副産物に、胸が騒ぐ。
優しく笑ってる牧野が俺を見つめてるのが途轍もなく嬉しい。

「今日はねぇ、お月様が丁度半分くらいだよ。
パンケーキを半分にしたみたいなお月様。」
おいおい、つくしちゃん、お前の頭の中はいつも食べ物のことでいっぱいなのか?
少しはこの病人の事を想ってくれねえの?
「元気になったら、中庭の枯山水のところで一緒にお月様見てね。
そしてあたしの話も聞いてね?」

うんうんと頷きながらも、俺の意識は夢の中に引きずり込まれてく。

でももう大丈夫だ。
俺は帰る場所を見つけた。
この手があるところが、俺の帰る場所。
もう二度と手離さない、俺の大事な… 恋人って呼んだら怒るのか?
まあ、そこんとこは風邪が治ってからじっくり交渉する事にしよう。
心して待ってろよ、牧野…


__________


自分が具合悪くて寝込んだ時に思い付いたお話でした。
お馬鹿な総二郎、風邪にかこつけてつくしのハートを手に入れた???(笑)
明日のバレンタインにおまけを1話くっつけたいと思います。


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チョコレートよりも欲しいもの <St Valentine's Day 2015>

「下弦の月」のオマケ、バレンタインSSです。

__________


丸1日以上寝込んでいたが、やっとなんとか熱が下がった。
何だかんだと言いながら、牧野を留め置いて、これで2度目の朝。
「西門さんの熱も下がったんだから、もういいでしょ! いい加減帰らせて!」と、隣の女はぷりぷりしている。
本当は寝込んでるからって、牧野に看病してもらわなくともいい訳で。
こんなに人の目のある邸の中で、2人で足掛け3日も閉じ篭っていれば、何を言われている事やら、空恐ろしい。
時折顔を見せるお袋と、三度の食事を運んでくる内弟子の態度からは、牧野が悪し様に言われているというような気配はしないけれど、本当のところはどうなってるんだろう。

今朝も早速お袋が部屋に入ってきて、牧野と話し込んでいる。

「牧野さん、お疲れじゃない?
こんな所ではよく眠れないのではなくって?」
「いいえ、あたしの部屋の安物のベッドより、このフカフカのソファの方がよっぽどぐっすり寝られました!」
「客間を使って頂いても良かったのに、総二郎さんの我儘でごめんなさいね。」
「いえ、そんな… あたしこそ上げ膳据え膳ですっかりお世話になってしまって、申し訳ないです…」
「いいのよ、それは。こんな我儘放題の病人の相手をしてくれたんですから。
総二郎さん、そろそろ動けるのではなくって?
朝食はベッドの上ではなくて、きちんとダイニングで召し上がりなさいな。
さ、牧野さん、参りましょう。」
「え、あの、あたし…」

うろたえる牧野の背中を押して、お袋はそそくさと部屋を出て行った。
寝過ぎで身体はバキバキと鳴り、汗もタオルで拭ってはいたが、肌に薄い膜がへばりついたようで気持ちが悪い。
朝飯なんて今すぐいかなくてもいいだろうと、取り敢えず重い身体を押してシャワーを浴びた。
さっぱりとした糊のきいた服に着替えて、人心地付いてからダイニングルームに向かうと、中からは牧野とお袋の笑い声が聞こえてくる。
この場でこんな朗らかな声が響くなんて。
それもお袋が声をたてて笑ってるなんて、俄かには信じられない。
ドアを開けて俺が中に入っていっても、お袋は楽しそうに牧野と言葉を交わしてる。
俺が無言で牧野の隣に腰を下ろせば、タイミング良く朝食が運ばれてきた。
甘塩の焼き鮭、湯葉のあん掛け、大根とがんもどきを焚いたもの、出し巻き卵、豆腐の味噌汁、それに白粥。
俺の朝食メニューを横から覗きこんで、牧野がにっこりと笑った。
小さな声で「病み上がりの人の朝ご飯メニューだね。」なんて言ってくる。

まあそう言われればそうなのか?
見比べようにも牧野の分は粗方食べ終わっていて比べようがない。

「西門さん、あたし、これ頂いたらお暇するからね。」
「…ああ。」
「総二郎さん、散々お世話になっておいて、牧野さんに何か仰るべきことがあるでしょう?」
「そうだよ、有給休暇2日も連続で取っちゃったから、来週先輩に何言われるか分かんないんだからねっ。」
「悪かったよ。」

なんだ、この2人の結託した感じは?
こんな仲じゃなかったよな?

「後で送って差し上げなさいね、総二郎さん。」
「いえ、病み上がりの人にそんな。
あたし、1人で帰れますから。
いつもお稽古の時だって、電車で来てますし。」
「でも、帰りは総二郎さんが送っていっているでしょう?」

やましい事をしている訳では無いのに、お袋からちらりと視線を投げられつつそんな事を言われると、つい目を逸らしてしまう。

「ええ、まあ。牧野も一応若い女性ですし。
夜の一人歩きはさせないに越したことは無いですから。」
「西門さんは大袈裟なんだよ。
お稽古に来ない他の日は、あたし電車と徒歩で会社から帰ってるのに。」
「あら、それは良くないわね。
総二郎さん、時間の許す限り、お迎えに行って差し上げたら?」

何だって? 家元夫人の口から交際OK宣言が出てるって思っていいのか?

「そ、そんな! 次期家元の送り迎えなんて困りますっ!」
「あら、牧野さんは総二郎さんのお弟子さんでもあるけれど、高校時代からの大切なお友達なんだから、宜しいでしょう?」

ま、今はオトモダチでも、直ぐにどーんとひっくり返してやるけどな。

ふうと小さな溜息をひとつ吐く。

「食べ終わったら牧野を送っていきますから。」
「ね、ホントにいいよ… 今は明るいんだし。」
「いいから。」

無理矢理押し込めた運転手付きの黒塗りの車。
牧野はちょっと膨れっ面。
隣に座って、そんな牧野の横顔を眺める。
熱っぽい頭で、昨日一日牧野の事ばかり考えて過ごしてた。
小言を言いながらも、優しく看病してくれる牧野をずっと見ていられて、具合が悪いのにも係わらず、気持ちは安らいでた。
長年溜め込んでた気持ちをうっかりぶちまけたからなのだろうか?
重苦しかった想いは消え去り、今胸の中はじんわりと暖かくて幸せな想いで満ちている。

「なあ、何怒ってんだよ?」
「怒ってない。」
「じゃあなんでそんな膨れっ面なんだ?」
「膨れっ面なんかしてません!
もー、女性に向かって失礼でしょ!」
「そうでした、つくしちゃんも女の子でしたっけね。」
「何よ、さっき西門さんが言ったんでしょ!
『牧野も一応若い女性ですし。』って!」
「ああ、それで拗ねてんのか。」
「拗ねてないっつーの!」

いつもの下らない言葉の応酬までもがとても楽しい俺は、まだ熱があるんだろうか?
牧野の住むマンションの前で車を降り、部屋のドアの前まで送っていく。

「ね、もうここでいいってば。
いつもマンションの前で車降りてバイバイするじゃん。」
「今日は運転手がいるからいいんだよ。」
「病み上がりの人はさっさと帰ってベッドに戻るの!」
「もう復活したよ、つくしちゃんの看病のお蔭で。」

牧野が鍵を回して、ドアを開ける。
そしてその前でくるっと振り返って、ちろりと上目遣いで俺を見上げた。

「ん、じゃあ、送ってくれてありがと。
早く風邪治してね。」

ドアノブをくいっと引っ張って。
牧野の手が離れた隙に身体ごと俺の胸に抱き込んで、一歩、二歩。
後ろ手でドアを閉めたら、そこは2人だけの密室空間。

「ぇえっ? 何っ?」
「つくしちゃん、今日何の日か知ってる?」
「へ???」
「2月14日、バレンタインデー。」
「あー、 あたし、チョコの用意なんかないよ。
皆にブラウニー焼くつもりだったのに、西門さんちに缶詰だったんだから!」
「そっか、じゃあ、それはまた後日頂くとして。
今日はこれだけでいいよ。」

腕の中でジタバタしている牧野の頤を捕まえて、可愛い唇に自分のそれをそっと重ねる。
暴れていた牧野の動きがぴたりと止まった。

「な、熱が下がったからもう一度言うよ。
牧野、俺と付き合ってくれ。
俺、牧野が好きだから。」
「う、嘘っ! またあたしの事、からかってんでしょ?」
「嘘じゃねえ!」
「あれは熱のせいなんでしょ?」
「熱のせいで抑え込んでた本音が零れたとは思わねえの?」
「……え?」

その真ん丸目玉、見開き過ぎて落っことすなよ?

「じゃ、牧野がちゃんと俺の気持ち分かるまでこうしてるから。」

かちんこちんに固まってる牧野をぎゅっと抱き寄せて、また唇を寄せていく。

おいおい、目、閉じろよ。
全く、ムードも何もあったもんじゃねえな。
でもそんな女が俺は好きなんだから始末に負えねえ。

くすりと笑ってまた唇を重ねる。
甘い甘いキスに俺も牧野も溶けていく。

今日はチョコレートよりもこっちがいい。
いや、これからずっとそうかもな。


__________


うーん、随分予定と違うバレンタインになってしまいました(笑)
チョコなしだもの!
ブラウニー焼く話にするはずだったのに!
(管理人がブラウニー好きだから!)
「下弦の月」のオマケなのに、月の影も形もありゃしないしー。
ま、それはそうと、どうぞ皆様も素敵なバレンタインデーをお過ごしください。
管理人は… まだチョコも買ってないよ。
忙しくてブラウニーも焼けないよ…

えー、忙しさのピークがやってきてしまいまして。
もしかすると1週間程更新止まるかもしれません。
書ける余裕が出来た時にランダムにUPさせて頂くかもしれません。
誠に勝手ではございますが、のんびりお待ちいただけたら幸いです。
ではでは、どうぞ宜しくお願いします。


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2人で見る月<Whiteday 2015> 前編

「下弦の月」シリーズ。
バレンタインSSの1か月後。
ホワイトデーSSです。

__________


ひと月前のバレンタインデーに、人生初の「本気の告白」ってモンをして。
そして人生初の「恋人」と呼べる存在を手に入れた。
幸せ真っ只中にいるはずの俺だけど。
相手はあの初心で鉄パン穿いてる牧野だ。
そうとんとん拍子に事が進むわけも無い。
互いに仕事もある訳で、週に1回牧野が仕事帰りに稽古に来る時と、牧野が休みの土日で俺に空いてる時間があったら会えるくらいで。
これって今迄とあんまり変わらなくねえか?
ま、今迄と違うトコって言ったら、2人きりになった時に抱き締めたりキスしたり出来るようになったってとこ。
でもしょっちゅうキスしようとすると「エロ門っ!」って真っ赤な顔で睨み付けてくるし。
抱き締めてる時に、少しでも手が妖しい動きをしようものなら、ギャーギャー騒いで逃げてくし。
俺の中には色んな女を簡単に誑し込むテクはあっても、それはこの年まで鉄パン処女を貫いてる牧野をその気にさせるには役立たないらしい。
いや、別に事を急いでる訳じゃねえけど…
何年もずっと友達の振りをしつつ、見つめてきた女と恋人同士になれたんだから。
ちょっとでも長く一緒にいて、沢山触れ合って。
長年の飢えを満たしたいって思ったっておかしくないだろ?
結局俺と付き合ってるんだから、牧野も俺の事好きだったって事だろ?
どうしてこんなにガードが固いんだよ!

1ヶ月前より明らかに変わったことは他にもあった。
それはお袋の態度と、邸の中の空気。
どうやら俺が牧野を好きだったことは、ずっと前からお袋にはバレていたらしい。
一般庶民の中でも貧乏な部類に入るであろう牧野との交際なんか、認められる訳ないって思ってたのに、

「複数の方と同時に浮名を流す放蕩息子より、一人の女性を愛し抜いて幸せに笑ってくれてる息子の方がいいに決まっているでしょう。」

と、さらりと言われてしまった。

「え、いいのか?」
「良いも悪いも、全て貴方次第なのではなくって、総二郎さん?
母親としては勿論貴方に愛すべき人が出来たという事は嬉しいことですよ。
でも牧野さんとお付き合いするということが、次期家元の足を引っ張っている…と人様に受け取られるような事があってはなりません。
そういうことを耳にしたら、牧野さんだってお辛いでしょう。
その想い、貫き通したいのなら、貴方がまずしっかり自分のやるべきことをやらないと。
貴方の本気、見せてくださいね。」

涼しい顔してそんな事を俺には言いつつ、牧野の稽古の日にはタイミングよく現れて、母屋で牧野に美味い物を食わせたり、さり気無く着物のお古を着せたり、自分も楽しんでる節がある。
でも、そうやっている事が、牧野は唯の通い弟子じゃなくて、家元夫人のお気に入り…という雰囲気を邸の中に浸透させている。
そうなってくると、邸の中の人の目も、どこか柔らかいものになっていて。
毎日そこで暮らす俺にとっては擽ったくもあり、面映ゆくもある。
俺にとってこの邸は、こんなアットホームな場所じゃなかったはずだ。
親父もお袋も弟も、同じ屋根の下には暮らしているけれど、まるで他人のようで。
内弟子や使用人に至っては、居て当たり前、働いて当たり前、空気のような存在だとすら思っていた。
それは相手にとっても同じ事。
次期家元という看板を背負わされた張子の虎。
見かけは整っていても、中身は空っぽ。
通り一遍の事を無難にこなす、ちゃらんぽらん。
ずっとそんな風に思われていただろう。
そしてそれは大体当たっている。
態とそんな風に振る舞っていたのだから。
でも牧野に稽古をつけているうちに、俺の気持ちは徐々に変わっていったんだ。
牧野が真剣に稽古に取り組めば取り組む程、俺は牧野の師として恥ずかしくない男になりたいと思うようになったから。
真面目に茶道と向き合うようになったのは、牧野を想ったからこそだった。
牧野と係わると、色んな人間の心が動く。
俺も、お袋も、そしてこの邸に住まう人にまでも、その不思議な力が連鎖していく。


牧野にホワイトデーはどこかに出掛けるか?と尋ねたら、どこにも行かなくていいよ、一緒にご飯を食べれれば…なんて言う。
女ってこんな日は特別な事して欲しいモンじゃねえの?
いや、俺は今迄そういうのは徹底的に避けてきたんだけど、恋人には我儘言われたい。
偶々土曜日だったから、俺の仕事が終わった後に、牧野を連れ出して外で食事をした。
いかにも牧野が好きそうな小洒落たロケーションのイタリアン。
広い落ち着いた雰囲気の個室で食べる、季節の食材をふんだんに使った料理は、一皿ごとに違うアートを見ているかのように美しい盛り付けで、牧野は目を輝かせている。

「ねー、西門さん、見ても綺麗だし、食べても美味しいっ!」
「良かったな、つくしちゃん。
俺ってちゃんとお前の好きなモン分かってる、良い彼氏だろ?」
「なんか、一言多いけどね…」
「照れんなって。ま、こんなカッコいい彼氏とサシで飯食ってたら、照れちゃう気持ちも分かるけど。」
「だから、そういうのがウルサイって言ってんの!
ワインばっか飲んでないで、ちゃんとご飯食べなさいよー!」

他愛もない掛け合いをして、食事をして。
デザートには、これまた牧野好みの、沢山の種類を少しずつ盛り付けたデザートプレートを。
そこに書かれた自分の名前に、キャーキャー喜んで写メまで撮ってる。

「バレンタインにブラウニー作ってくれたろ。そのお返しな。」
「お誕生日でもないのに、こんなデザート出てきてビックリ!
ありがと、西門さん!」

にっこり笑って、デザートをパクつく牧野が可愛くて。
それだけでも、今日ここに来た甲斐あったななんて思ってる自分がいる。

ふうん、コイビトがいるって、こういう気持ちなのか。
照れ臭いけど、これって幸せってやつだよなぁ。

そんな笑顔に癒されて、今日の食事は俺的には大成功。
牧野の部屋まで戻ってきた俺達は、狭いソファに並んで座り、牧野の入れてくれたコーヒーを飲んでいる。
この狭いソファは座り心地は全然良くないが、牧野と密着して座れる点が唯一の利点だ。
照れ屋の牧野も、ここでなら大人しく俺の隣にいてくれるし。
そっと肩を抱き寄せて、頬にちゅっとキスをすると、首を縮めて赤くなってる。
ふふふと笑って髪を梳いてやると、もっと赤くなった。

初心いのも可愛いけど、どうやったら攻略できるんだ、これ?
無理矢理っつーのは趣味じゃないしな…

「好きだ、牧野…」

耳元で囁いて、そこにも唇を寄せる。
びくんと身体を震わせて、それを受けた牧野が、小さな声で

「あたしも西門さんが好きだよ…」

って答えてくれたから、ぎゅっと抱き寄せた。
お前といると、俺までエロ門じゃなくて、晩生な男になっちまいそうだよ、全く。


__________


えー、後編がございますが、付き合って1ヶ月の初心いつくしはそう簡単に攻略できませんので、R展開ございません!ということを真っ先にお伝えしておきます(笑)

お休みしてしまってスミマセン…
とても辛いのよ…
咳止まらないのよ。
咳と鼻詰まりが苦しくて、寝不足であります。
やわらかティッシュが物凄い勢いで無くなります。
明日は買いに行かないと…

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今月の下弦の月は、ドンピシャ本日14日でございます。
タイムリーに「下弦の月」の続きかけて良かった(笑)
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