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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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The best birthday present ever !

He is my Prince Charming」のその後です。
あのプロポーズより数年経ったある夜の事。

__________


明け方、ふと目が覚めた。
目を開けると、昨夜消し忘れたベッドサイドの灯りに照らされた、つくしの穏やかな寝顔がある。
白い滑らかな頬に指を伸ばし触れると、少しひやりとした頬は心地よくて。
顔に掛かった髪を、起こさぬようにそっと横に流した。
伏せられた睫毛の長い事に改めて気付く。
ちょっと丸みを帯びた可愛い鼻にも、その下にある、ぷっくりとした柔らかそうな唇にも触れたくなって、指先で優しくなぞると、指が妙に擽ったく感じられた。
って、こんな事してる事自体が擽ったいのだろうか?
顔を寄せて、触れるだけのキスを落とせば、頬と鼻先は冷たく、額と唇はほんのり温かい。
流石にこれだけ触れると、深く眠っていてもちょっとは何かの気配を感じたのか、くるりと寝返って、俺に背を向けたつくしは、小さく身体を折り畳んで、子猫の様に丸くなった。
思わず小さな笑い声が自分の口から漏れる。
どうしてつくしはこんなに小さな身体を、さらに小さくして寝てるんだろう?
でももう少ししたら、こんな姿も見れなくなるのか…とちょっと寂しく思う気持ちもあったりして。
人の心は複雑なものだ。
その小さく丸まった身を俺の方に引き寄せて、すっぽりと抱き込む。
小さくて、柔らかくて、温かくて。
掛け替えのない俺の宝物。
そしてこの宝物の中には、とびきりのプレゼントが秘められてる。

「有り難う。」

心からの感謝を込めて、そう呟く。
何度告げても足りない。
だからずっと言葉にして伝えていこう。

数え切れない「有り難う。」をつくしに贈るよ。
今迄も、そしてこれからも。


-*-*-*-*-*-


仕事を終えて帰った2人の愛の巣。
リビングへのドアを開けた途端、暖かな空気と美味しそうな料理の匂いが俺を包む。
キッチンカウンターの向こう側で、忙しそうに立ち回るつくしに「只今。」と声を掛けた。
俺の声に反応して、ぱっと顔を上げて。
こちらを向いてにっこり笑ったつくしが「お帰り、あきら。お仕事、お疲れ様!」って言ってくれるから、今日も一日頑張ってきた甲斐があったな…なんて思う。
この笑顔の為に俺は働いているのかも知れない。

「もうすぐご飯だからね。
手を洗って、着替えてきてー!」

まるで小学生にでも言い聞かすような事を毎日言うのが可笑しくて。
くすりと笑いながら「はい、奥さん。」と返事をすることにしてる。
つくしもそれを聞いてふふふと笑ってる。
他愛もないやり取りを日々繰り返す。
これって物凄く幸せな事じゃないかって思うんだ。

俺の好きな物ばかりが並ぶダイニングテーブル。
向かい合わせで食事すると、より一層美味しく感じられる。
つくしが掛ける魔法。
つくしが「美味しい!」って言う度に、更に料理が美味しくなる。
幸せそうに顔をくしゃっとさせて食べてるのを見るにつけ、食欲が湧く。
俺は食事するのに、つくし以上に最適の相手を知らない。
そんな奥さんと暮らしてる俺って、やっぱり幸せなんだと思う。

食事を食べ終わって、2人で食器をシンクに運んで。

「あきら、コーヒー? 紅茶? ハーブティー?」と聞いてくる。
「んー… つくしは何飲むんだ?」
「あたしは今日はローズヒップティー!」
「じゃあ、俺もそれがいいな。」

うん、と頷いてお茶を淹れる準備を始めた。
俺は食器棚から、つくしお気に入りのティーカップとソーサーを2組取り出してカウンターに置く。

「後はあたしがやるから、あきらは座って待っててー。」

お言葉に甘えて…とソファに座って、タブレット端末でヨーロッパの株式市場をチェックしていたら、ふいに部屋の照明が暗くなった。
何だろう?と顔を上げると、キッチンカウンターの向こうにぼんやりした灯りが揺れている。

「Happy Birthday to you ~♪」と1人で歌いながら、つくしがケーキを抱えて現れた。
その顔をキャンドルの炎がオレンジ色に染めている。
落とさぬように、火を消さないように注意しながら、目を煌めかせてそろりそろりと歩いてくる。

「Happy Birthday Dear Akira ~♪」のところで、ことりとケーキを載せた皿がテーブルの上に着地して。
一拍置いて、「Happy Birthday to you ~♪ あきら、ほら、消して! 蝋が垂れちゃう!」とつくしがはしゃぐ。
こっちも擽ったい思いで頬を緩めながら、ケーキの上で揺らめくキャンドルを吹き消した。

ぱっと部屋が明るくなり、悪戯っぽい笑みを浮かべたつくしが、俺の前に立つ。

「あきら、お誕生日忘れてたでしょ。」
「あ、いや… 朝の時点では覚えてたんだけど…
仕事してたら忘れたっていうか…」
「はぁ… 忙し過ぎかなぁ?
でも仕方ないよね、春には専務になるんだし。」
「ケーキ、作ってくれたのか?」
「うん! 2人でのんびり食べたいなって思って。
外食しないでお家で誕生日お祝いしたかったから。」
「有り難う、つくし。」

つくしの身体を引き寄せて、腕の中に抱き締める。
顔を寄せた胸元はフワフワと柔らかく俺を包んでくれる。

「食べてから言ったら? 美味しくなかったらどうするの?」
「美味いに決まってるだろ? つくしが俺の為に作ってくれたんだから。」

くすくす笑いながら、俺の髪を優しく指で梳いてくれる。
上を向いたら、ちゅっと音を立てて、柔らかな唇が一瞬だけ降ってきた。
照れ屋な奥さんからの精一杯のプレゼントらしい。
赤い顔して腕の中から抜け出して、ナイフやら取り皿、ハーブティーが載ったトレーを運んできた。

「さ、食べよ! 苺たっぷりだよー!」
「苺が好きなのは、俺じゃなくてつくしだろ?」
「えー? あきらだって美味しい美味しいっていつも食べてるじゃない。」

つくしが美味しそうに食べるから、ついついつられて食べちゃうんだよ。
そう思いつつも、2人でつくしの力作の苺たっぷりケーキを食べた。

「おっいしー!」

自分の作ったケーキを頬張り、今日一番の笑顔を見せてくれるから、俺は心底幸せな誕生日を満喫する。
心尽くしの料理やケーキより、その笑顔が俺を幸せにするんだ。

食べ終わって、2人で並んでソファに座った。

「あ、のね… もう一つ、プレゼントがあるんだよ。」
「美味しい料理もケーキも作って、キスもくれたのに、まだくれるの?」

茶化すようにその耳元に口を寄せると、急につくしが身体に力を込めるのが分かった。
なんて初心な奥さんだろう。
一緒に暮らして何年だ?
いつまで経っても初めての夜を迎える様なそぶりをする。
可愛くて、ちょっと苛めたくて。
耳元にふうっと吐息を吹き掛けると、はっとした顔して、俺を見た。

「あきら… あの…さ…」
「うん、何?」

なんて言って俺を誘ってくれるんだ?
きっと俺は相当だらしない顔をしているに違いない。

「プレゼントはあたしからじゃなくって… 神様からなんだけど…」
「え…?」

予想と違う発言に、つい聞き返した。

神様? 神様って何の神様だ?
ベッドルームに宿る神様なんているんだっけ?

つくしが俺の手を取って、自分の方に引き寄せる。
俺を見つめて優しく微笑むつくしの顔がとても眩しい。

「ここにね、天使がきたみたいだよ。」


__________



今日、2月28日は、あきらのお誕生日でございます!
このお誕生日SSは、「いつの日か、こんな未来が来るのかな?」と思って書きました。
やー、でも書いてて照れましたー。
擽ったかったー!
タイトルの「The best birthday present ever !」は「今迄で一番最高の誕生日プレゼント!」という意味でつけました。
英語、合ってんのかしら…?
赤ペンセンセー、間違ってたら教えてー!

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あきら、Happy Birthday!


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