先日、拙宅は5万拍手&90万HIT達成と相成りました。
本当にいつも読んで下さっている皆様のお蔭です!
有り難うございます♪
そんな皆様への感謝の気持ちをお届けするのは、大学生の総二郎&つくし。
恋人未満の2人です。
__________
「蝉、うるせえ・・・」
朝からミーンミンミンと派手に合唱している蝉の声。
これが日本の夏。
和の風情。
そう言われればそうなのかもしれないが・・・
毎年毎年こんなに煩く鳴かれると、残暑の厳しさを余計に助長させる鬱陶しい雑音として耳に届く。
俺がそんな事を思ってしまう原因は、この西門の広い庭にある。
蝉は地面の中で数年の幼虫期を過ごし、時が満ちると地上に出て来て1ヶ月程のミンミン鳴く成虫期を迎える。
つまり、その幼虫期の数年間にアスファルトで蓋をされてしまったり、何らかの工事や移植で穿り返されたりせず、ずっとのんびり出来る木の根元・・・という住処が必要不可欠なのだ。
コンクリートジャングル・東京に於いて、この我が家の庭は、蝉が暮らすには格好の場所。
絶対に無くならないオアシスって訳だ。
広い敷地のお蔭で、都会の喧騒とは一線を画したこの邸も、庭に住まう蝉の声は排除できない。
今日も太陽がじりじりと照り付け始めた庭に、蝉の鳴き声が響いているのを、ガラス窓越しに聞いていた。
俺は朝茶事終わった後は、ゆっくりのんびり過ごしたいんだよ!
宵っ張りの俺が早起きしてんだから。
そんな寝不足の頭に、蝉の鳴き声が響いてイライラするんだっての!
イライラしたって、蝉はいなくはならないと分かっているのに、俺はどんどん不機嫌になってく。
どうせどこ行ったって、暑いしな。
蝉が鳴いてるのはウチだけじゃねえし。
でも、どうせ暑いなら波の音でも聞いて、耳だけでも爽やかな夏を満喫したい。
砂浜にザザーンと寄せては返す波。
そこで弾けるように笑う牧野。
うん、いいよな、そんな光景。
独りでそんな事を思い浮かべたら、次第に気持ちが解れて来て。
俺はいつの間にか転寝していたらしい。
目を覚ましてみれば、もう太陽は天高く昇り、立秋を過ぎたとはいえ、外は猛暑日。
ギラギラとした日射しは殺人的にも思える。
その暑さのせいか、蝉の鳴き声も幾分控えめになっている程だ。
夏って言えばやっぱ海だろ!
そりゃ、高原の別荘の方が涼しいだろうけど。
圧倒的に海がいい。
なんてったって、水着の牧野を拝めるかもしれないし。
そう思い立った俺は、牧野に電話を掛けた。
「もしもし、牧野? 俺だけど。」
「・・・どちらの俺様でしょう?」
「お前なあ・・・ 携帯の画面に俺の名が出てたろうが!」
「それで? 何の用よ?」
「ああ、つくしちゃん、海行かねえ?
俺ちょっと波乗りしたくなってな。
独りで行くのもなんだし、一緒に行く相方探してんの。」
って、牧野以外に連絡する気はサラサラないけどな!
「え? 海? 行きたいかもー! 今年まだ一度も行けてないよ。
いつ? いつ行くの、西門さん?」
「や、それはお前の都合も聞いてからって思って。」
「他の皆は行かないって?」
「類が好んで海なんか行くと思うか?」
「うーん、あんまり似合わないよね、花沢類とアウトドアって。
寝てばっかりだし、テレビっ子だし。」
「あきらはビーチは好きそうだけど、水に入りたくねえとかいうタイプだろ。」
「あー、確かに。
そこらを歩いてる綺麗なお姉さんに捕まって、その相手してるだけで、一日過ごしてそうだよね。
って、西門さんだってそうじゃん!」
牧野の俺とあきらへの評価は酷いもんだ。
俺達だって一応選り好みしてるっつーの。
それに俺は、お前を振り向かせたいって思ってから、女遊び封印してんだ!
「バーカ。俺は純粋に波乗りしたいんだよ。
だから、水に入るのは明け方からな。
そんな時間にビーチには綺麗なオネーチャンなんかいねえの。」
「ふーん、そうなんだ。桜子は誘っても絶対に日本の海なんか入らないだろうしなー。
滋さんは海外に行っちゃってるし・・・
しょうがない、あたしが付き合ったげるよ。」
ヨッシャー!
あっさりOKを取り付けられて、心が浮き立つ。
「おう! 昼間は牧野の水遊びに付き合ってやるから、行こうぜ。
前の日の夜にこっち出て、明け方から海入りたいんだ。
一日遊んで、日が暮れたら帰ってくるってスケジュールで、予定が空いてる日ないか?」
「うーんと・・・ バイトが休みの日の前の夜に出掛けるってことでしょ?
バイトがないのは、明日か、次の日曜日だけど。」
「じゃ、今夜出発だ。
日曜は海も道も混むだろ。」
「え、急だね・・・」
「何の支度も要らねえぜ。
何なら俺がサーフショップで水着選んでやるよ!」
結構本気でそう言ったのに、向きになって断ってくる牧野の大声が、携帯から飛び出してくる。
「水着位持ってますから結構ですっ!
それより、どこに泊まるの?」
「ウチの別荘。」
「・・・分かった。」
ホントは別荘と言うよりも、俺の海辺の隠れ家的マンション。
波乗りしたい時だけ使ってる。
管理はさせてるけど、常駐する使用人はいない、2人っきりの世界ってヤツ。
これは・・・ もしかしたら、もしかして・・・?
俺、本気出してもいいんじゃね?
そう思ったらほくそ笑むのを止められない。
誰も見てねえんだから、顔が緩んだって構わねえよな。
だって、牧野は気付いてないようだけど、これって、好きな女と2人きりで1泊旅行だぜ!
「じゃ、今夜、牧野のバイト先に迎えに行くわ。
何時に終わる?」
「今日は閉店までだから8時半には出てこれるかな・・・?」
「了解。じゃ、あとでな、つくしちゃん!」
急に俺の身体中にやる気が漲って来た。
牧野との夏の思い出の1ページ。
いや、1ページじゃ済まない位の色んな事、やってやろうじゃねえか!
__________
PCの不具合などで、書いたものが消えたりしまして・・・
ちょっと心折れたりしてました(苦笑)
更新にお時間がかかってスミマセン。
5万拍手と90万HIT達成のお礼に、夏っぽいSSにチャレンジです。
そう上手くいくのか、総二郎?(笑)
お盆が終わりましたねー。
ホーント疲れました。
忙しいんだよね、お盆って。
色々やることあって・・・
今はほっと一息つけたところです。
皆様は休み疲れしてませんかー?
あ、頂いているコメントへのお返事は、もう少々お時間下さいませ<(_ _)>

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
本当にいつも読んで下さっている皆様のお蔭です!
有り難うございます♪
そんな皆様への感謝の気持ちをお届けするのは、大学生の総二郎&つくし。
恋人未満の2人です。
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「蝉、うるせえ・・・」
朝からミーンミンミンと派手に合唱している蝉の声。
これが日本の夏。
和の風情。
そう言われればそうなのかもしれないが・・・
毎年毎年こんなに煩く鳴かれると、残暑の厳しさを余計に助長させる鬱陶しい雑音として耳に届く。
俺がそんな事を思ってしまう原因は、この西門の広い庭にある。
蝉は地面の中で数年の幼虫期を過ごし、時が満ちると地上に出て来て1ヶ月程のミンミン鳴く成虫期を迎える。
つまり、その幼虫期の数年間にアスファルトで蓋をされてしまったり、何らかの工事や移植で穿り返されたりせず、ずっとのんびり出来る木の根元・・・という住処が必要不可欠なのだ。
コンクリートジャングル・東京に於いて、この我が家の庭は、蝉が暮らすには格好の場所。
絶対に無くならないオアシスって訳だ。
広い敷地のお蔭で、都会の喧騒とは一線を画したこの邸も、庭に住まう蝉の声は排除できない。
今日も太陽がじりじりと照り付け始めた庭に、蝉の鳴き声が響いているのを、ガラス窓越しに聞いていた。
俺は朝茶事終わった後は、ゆっくりのんびり過ごしたいんだよ!
宵っ張りの俺が早起きしてんだから。
そんな寝不足の頭に、蝉の鳴き声が響いてイライラするんだっての!
イライラしたって、蝉はいなくはならないと分かっているのに、俺はどんどん不機嫌になってく。
どうせどこ行ったって、暑いしな。
蝉が鳴いてるのはウチだけじゃねえし。
でも、どうせ暑いなら波の音でも聞いて、耳だけでも爽やかな夏を満喫したい。
砂浜にザザーンと寄せては返す波。
そこで弾けるように笑う牧野。
うん、いいよな、そんな光景。
独りでそんな事を思い浮かべたら、次第に気持ちが解れて来て。
俺はいつの間にか転寝していたらしい。
目を覚ましてみれば、もう太陽は天高く昇り、立秋を過ぎたとはいえ、外は猛暑日。
ギラギラとした日射しは殺人的にも思える。
その暑さのせいか、蝉の鳴き声も幾分控えめになっている程だ。
夏って言えばやっぱ海だろ!
そりゃ、高原の別荘の方が涼しいだろうけど。
圧倒的に海がいい。
なんてったって、水着の牧野を拝めるかもしれないし。
そう思い立った俺は、牧野に電話を掛けた。
「もしもし、牧野? 俺だけど。」
「・・・どちらの俺様でしょう?」
「お前なあ・・・ 携帯の画面に俺の名が出てたろうが!」
「それで? 何の用よ?」
「ああ、つくしちゃん、海行かねえ?
俺ちょっと波乗りしたくなってな。
独りで行くのもなんだし、一緒に行く相方探してんの。」
って、牧野以外に連絡する気はサラサラないけどな!
「え? 海? 行きたいかもー! 今年まだ一度も行けてないよ。
いつ? いつ行くの、西門さん?」
「や、それはお前の都合も聞いてからって思って。」
「他の皆は行かないって?」
「類が好んで海なんか行くと思うか?」
「うーん、あんまり似合わないよね、花沢類とアウトドアって。
寝てばっかりだし、テレビっ子だし。」
「あきらはビーチは好きそうだけど、水に入りたくねえとかいうタイプだろ。」
「あー、確かに。
そこらを歩いてる綺麗なお姉さんに捕まって、その相手してるだけで、一日過ごしてそうだよね。
って、西門さんだってそうじゃん!」
牧野の俺とあきらへの評価は酷いもんだ。
俺達だって一応選り好みしてるっつーの。
それに俺は、お前を振り向かせたいって思ってから、女遊び封印してんだ!
「バーカ。俺は純粋に波乗りしたいんだよ。
だから、水に入るのは明け方からな。
そんな時間にビーチには綺麗なオネーチャンなんかいねえの。」
「ふーん、そうなんだ。桜子は誘っても絶対に日本の海なんか入らないだろうしなー。
滋さんは海外に行っちゃってるし・・・
しょうがない、あたしが付き合ったげるよ。」
ヨッシャー!
あっさりOKを取り付けられて、心が浮き立つ。
「おう! 昼間は牧野の水遊びに付き合ってやるから、行こうぜ。
前の日の夜にこっち出て、明け方から海入りたいんだ。
一日遊んで、日が暮れたら帰ってくるってスケジュールで、予定が空いてる日ないか?」
「うーんと・・・ バイトが休みの日の前の夜に出掛けるってことでしょ?
バイトがないのは、明日か、次の日曜日だけど。」
「じゃ、今夜出発だ。
日曜は海も道も混むだろ。」
「え、急だね・・・」
「何の支度も要らねえぜ。
何なら俺がサーフショップで水着選んでやるよ!」
結構本気でそう言ったのに、向きになって断ってくる牧野の大声が、携帯から飛び出してくる。
「水着位持ってますから結構ですっ!
それより、どこに泊まるの?」
「ウチの別荘。」
「・・・分かった。」
ホントは別荘と言うよりも、俺の海辺の隠れ家的マンション。
波乗りしたい時だけ使ってる。
管理はさせてるけど、常駐する使用人はいない、2人っきりの世界ってヤツ。
これは・・・ もしかしたら、もしかして・・・?
俺、本気出してもいいんじゃね?
そう思ったらほくそ笑むのを止められない。
誰も見てねえんだから、顔が緩んだって構わねえよな。
だって、牧野は気付いてないようだけど、これって、好きな女と2人きりで1泊旅行だぜ!
「じゃ、今夜、牧野のバイト先に迎えに行くわ。
何時に終わる?」
「今日は閉店までだから8時半には出てこれるかな・・・?」
「了解。じゃ、あとでな、つくしちゃん!」
急に俺の身体中にやる気が漲って来た。
牧野との夏の思い出の1ページ。
いや、1ページじゃ済まない位の色んな事、やってやろうじゃねえか!
__________
PCの不具合などで、書いたものが消えたりしまして・・・
ちょっと心折れたりしてました(苦笑)
更新にお時間がかかってスミマセン。
5万拍手と90万HIT達成のお礼に、夏っぽいSSにチャレンジです。
そう上手くいくのか、総二郎?(笑)
お盆が終わりましたねー。
ホーント疲れました。
忙しいんだよね、お盆って。
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