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花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
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Trick or Treat ?

Halloween的なものを書かねば・・・!と、祭りが終わってすっかりスカスカな脳味噌を絞ってみました。
社会人の2人です。

__________


あきらが2週間だけ帰国すると言ってきた。
「折角なら久し振りに集まるか?」と言ったのは俺。
こんな時、皆に声を掛けて、お膳立てをするのはいつもならあきらの役目だが、そのご当人の帰国祝いだからさせる訳にもいかず。
俺は手っ取り早くやっつける為に、牧野を巻き込むことにした。

「もしもーし、つくしちゃん? 俺。」
「・・・俺って言うだけで分かってもらえるって思い込んでるのが、あんた達らしいよねぇ。
美作さんだけだよ、電話してきてちゃんと名乗るのは。」
「何だよ、すぐに俺だって気付いてんじゃんか。
こんないい声独り占めできんだから嬉しいだろ?
分かってる、分かってる。照れ隠しだろ、それ。」
「・・・一体何処まで自信過剰なの?
それで、用件は?」
「ああ、あきらが月末から2週間くらい帰って来るんだってよ。
それで久々に皆で一杯やろうかって話になって。
お前、連絡係な。皆の都合聞いて日時決めて。
で、俺、会場押える係。」
「西門さんの係って、電話一本で済むけど、あたしの方が負担が大きいでしょ、それ。」
「細かいこと言うなって。
俺が連絡回すより、牧野がやった方が話が早いだろ?
ほら、類なんか、俺からのLINEは未読スルーだからな。」
「・・・んー、わかった。で、美作さんのスケジュールは?」
「それはメールが来てたから後で転送する。」
「じゃあ、それ見て、皆に連絡取ってみる。」
「頼んだわ! 今度なんか美味いモン奢ってやっから。」
「あーっ! 丁度食べたい物あったんだ。
パティスリーMのレモンチーズケーキ!
予約も取れないし、長時間並ばないと買えないの。
西門さんならすぐ買えるでしょ。あれ、ホールで!」
「つくしちゃん、太るぜ、それ…」
「冷凍しといて、ちょっとずつ食べるからぜーんぜん平気!
じゃあ、宜しくねー!」

何ともカロリー高そうな見返りを要求されたな。
まあ、あいつはちょっとふくよかになった方がいい位細っこいから、謹んで進呈するとしますか。

結局、調整役牧野のお陰で、忙しい筈のメンバー全員が集まれる日も決まり、無事に帰国祝いの宴開催と相成った。
大勢で集まれるのも久し振り。
賑やか過ぎるっちゃそうかもしれないが、気の置けない仲間との食事や酒の席は、笑い声が絶えず、楽しいものだ。

「美作さん、さらにカッコよくなっちゃったよね。
何ていうの、纏う空気が大人っぽいっていうか、雰囲気があるっていうか・・・
さてはあっちで素敵な恋人でも見つけた?」
「残念ながらご期待には沿えないなぁ。
寝る間も惜しんで、仕事、仕事の毎日だよ。
仕事が恋人・・・だなんて言いたくないけど、まさにそんな状態。
って言うか、牧野、お前こそ綺麗になったよ。
さては新しい恋でも始めたか?」

あきらのからかいに、あっという間に茹蛸状態になった牧野がムキになって否定する。

「そ、そ、そんな事ないよっ!
あたしも仕事が恋人だもんっ!」
「先輩が綺麗に見えるようになったとしたら、私と滋さんのお陰ですわよね。
お休みの日に、彼方此方連れ回して、磨きを掛けているんですもの。」
「えー? でも同じ事してるのに滋ちゃんと桜子には、アッキーは綺麗になったって言ってくれないじゃん!
やっぱりつくしには、何か秘密があるんじゃないの?」
「ふふふ。元から美しい花園と、全く手入れされていなかった雑草だらけの原っぱを、そこそこ小ざっぱりと整えたのを見比べた時、後者の方が進歩があるように見えるものなんですよ、人は。」
「・・・桜子、あんたね、何気に酷い事言ってるよ!」

女共3人がギャースーやり取りしてるのを苦笑しながら酒を酌み交わす。
そんなのも懐かしく、学生時代に戻ったような気分だ。

でも、まあ、あきらじゃねえけど・・・
牧野は綺麗になったよな。
歳を重ねたから子供っぽさが抜けて、化粧もそこそこ上手くなったせいかと思ってたけど・・・
ふとした瞬間にこちらをはっとさせる表情をする時があって、自分の目を疑うんだ。
「あれ? これって牧野だよな?」って。
それは恰も、固く閉じていた花の蕾が綻び出したかのような、目を惹く美しさがあるんだ。
まあ、こうやって喧々囂々と煩くやり合ってる時には学生時代の牧野に戻っちまってるけど。

その次の週末、牧野の食いたがっていたケーキを手に入れた俺は、また電話を掛けた。

「お前の言ってたケーキ、邸に届いてるけど。」
「えー! やったあ! さすが西門さん。
仕事早いねー。ホント予約とれないんだよ、特にホールでは!」
「俺、後で出掛けるついでにつくしちゃんちまで持ってってやろうか?」
「 いいの? 配達までしてもらっちゃって、至れり尽くせりだね。
じゃ、美味しい紅茶準備して、お待ちしてまーす!」

調子のいい奴め・・・と苦笑いしながらも、ケーキを渡した時の牧野の弾ける様な笑顔を夢想して、何故だかちょっと幸せな気分になったりして。

ん・・・? 何で俺が幸せにならなきゃいけないんだ?
ケーキ食えて幸せになるのは牧野だろ?

何だか変な方に思考が引っ張られて行きそうで、頭を振って、それをどこかに追いやろうと努めた。
パティスリーの紙袋を携えて、牧野の部屋を訪ねれば、目当ての品を待ち侘びていた牧野から歓待を受ける。

「わー、西門さん、ありがと!
すっごくすっごく嬉しい!
まあ入って。一緒にケーキ食べよ!」
「や、俺はケーキは別にいいんだけど・・・」
「そんな事言わないでよ。
折角持ってきてくれたんだし!
誰かと一緒に食べた方があたしも美味しいんだもん。」

だもん。って、お前はコドモか?
結構いい歳になったっつーのに、いつまで経ってもお子ちゃま牧野だ。
結局牧野に押し切られて、テーブルで向かい合わせにそのチーズケーキとやらを食べることになったけど。
俺の胸の中は、何かもやっとしていて、落ち着かない。
その正体が分からずに、目の前のチーズケーキをじーっと見詰めてみる。
季節柄、ハロウィンのデコレーションが施されたそのケーキを前に、牧野はひとり大盛り上がりで、切り分ける前に写真を撮ったりしていた。

「うわー、見た目も可愛かったけど、味も最高!
おっいしー! ほっぺた落ちそう!」

一口頬張った牧野が、俺に大きな花が咲いたかのような笑みを見せる。
想像通りの、いやそれ以上に幸せそうな顔して俺の方を見て破顔している牧野に、きゅんと胸の奥が絞られたような感覚が走った。

きゅんって何だ、きゅんって?
え・・・? もしかしてこれって・・・
いやいや、この俺がそんな訳ねえだろ・・・
相手は牧野だし。
うん、きっと違う。断じて違う。
これは「恋」なんかじゃねえよな?
この俺が、よりによってそんな・・・

頭の中では必死に否定してみるけど、身体は正直で、耳の奥で血が流れる音がどくんどくんと聞こえ出した。

嘘だろ?
おいおい、一体どうしたんだよ、西門総二郎!

「あれえ? 西門さん、どしたの? 顔赤い。
熱でもあるの?」

すっと伸びて来た牧野の手が、ぴたっと俺の額に当てられて。

「うーん、ちょっと熱いかな・・・?
よく分かんないな・・・」

そう言って、今度は牧野が顔を近づけてくる!

お、オイ! 気軽にそんなくっついてくるんじゃねえよ!

そう思ってるのに避ける間もなく、額と額がぴたっとくっついて・・・
俺の心臓がばくんと音を立てた。
ほんの一瞬で牧野の顔はすうっと離れていき、俺が呆気にとられて固まっていると、元の位置に戻った牧野が、ふっと表情を緩める。

「大丈夫、熱ないよっ!
あ、でも暑いなら、何か冷たい飲み物出そうか?」

馬鹿! 飲み物なんかどーでもいいんだよ!
俺は・・・
俺は・・・
今、猛烈に混乱してんだ!

胸に湧いた恋心。
絶対この女は気付いてないし。
っていうか、俺も今気付いたばかりだし!
どうしたもんか・・・

Trick or Treat ?

今年のハロウィンは、花より団子の牧野には甘いお菓子を。
俺には神様の悪戯としか思えない感情を運んで来た。

目の前で幸せそうにケーキをパクつく牧野を前に、つい小さく溜息を吐く。

世界中で一番面倒な女だぜ、こいつは。
それを俺のものにするなんて・・・
やってやろうじゃねえか!
俺に出来ない事はない!・・・筈だよな?
牧野、今のうちにたっぷり栄養補給しとけよ。
これから怒涛の攻撃、繰り広げてやるからな!


__________



総二郎の恋心発覚場面でございましたー。
美味しいお菓子をあげたから、代わりにお前をいただきまーす!ってか?(笑)
ちょっと苦しいこじ付けですが、まあ、笑って許して下さいませ!


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Between you and me 前編

諸般の事情でいっぱいお休み頂いておりますが、なんとか準備しました。
「総二郎生誕祭2015」スタートです!
まずはHalloweenの2人(「Trick or Treat?」)の続きからどうぞ!

__________


「また来てたの?」

折角会社の目の前で出迎えてやってるってのにこの台詞と、ちょっとうんざりしたようなその表情。
俺に向かってそんな態度取るのはお前ぐらいだぜ、牧野。

「そっ。また来たの、つくしちゃんに会いに。」
「・・・別に頼んでないし。
っていうか、最近あたしの前に現れる回数多くない?
お仕事暇なの、この季節?
あー! 分かった。美作さんが忙しいんでしょ。
西門さん、相手にされてないんでしょー?」

俺は別に暇な訳じゃねえ。
今日だって、事前に予定空けれるように必死に調整してきたんだし。
あきらは・・・全く関係ない。
そもそもあいつが忙しいのかどうかさえ知らねえよ!

「メシでもどうかと思って誘いに来てやった俺にそんな事言うのか?
今夜はチーズフォンデュの美味い店なんかどうかなー?って思ってたのによ・・・」
「えぇっ? チーズフォンデュっ?」

いきなり牧野の顔が明るくなる。
声もワントーン高くなる。

そうか・・・ そんなに食い物が好きか・・・

俺を見ても顔を輝かせはしないのに、食い物の名前を聞いただけでぱっと嬉しそうな表情になるから、なんだか胸の中がモヤっとする。

いやいや、こんなことでへこたれてる場合じゃない!
だって今日は・・・ 今日こそ俺は!
絶対に・・・!

「そ、絶品のチーズフォンデュと、それに合う美味いワイン出す店があるんだよなー。
でも、牧野が行かないっつーなら・・・」
「行くっ! 行きますっ!
是非行かせて頂きますっ!」
「ふふん。そうこなくっちゃ。」

パチンとウインクひとつ送って、ゆっくり歩き出せば、慌てた足音を立てて、俺の隣に並んだ。

「ねえ、西門さん、お店近いの?
歩いて行ける?」

俺を斜め下から見上げてくる視線を感じられるのが擽ったかったりする。

何だよ、こんな些細な事で気持ちが浮き立つだなんて。
全くこの女は凄えよな。
静のように誰もが振り向く美女でもなく。
桜子のようにパーフェクトなボディを持ってる訳でもなく。
金も立場もない、極々普通の・・・ いや、普通よりもかなり貧乏な部類に入る庶民で。
それなのに何故か人の心を掴んじまう、不思議な女。

「んー、寒いし、ちょっと距離あるからタクシー乗ろうぜ。」
「うん、分かった・・・」


ハロウィンにこいつへの恋心を自覚した俺。
あんなに真心を捧げた類の事さえ、結局ソウルメイトという立場しか認めなかった難攻不落の鉄パン処女。
そんな牧野を振り向かせるのは、並大抵のことじゃないというのは分かってるから。
兎に角時間を見つけては会いに来る・・・という初歩的な手段に出た。
だって、会わない事には話になんねえだろ?

最初は仕事で使ってる、運転手付きの黒塗りの車で自分の仕事帰りに待ち伏せた。
会社の目の前に横付けされた目立つ車に、目を剥いて怒った牧野。

「あたしはあんた達と違って、フツーのOLとしてこーんな小さな会社に勤めてんの!
人に見られたら何事かと騒がれちゃうでしょ。
そーいうのがあたしの職場での立場を悪くするんだから。
二度とこんなダックスフンドみたいな車で会社の前に来ないでっ!」

と一喝された。
それなら・・・と、二度目は俺にしては控え目な国産のセダンで来てみれば、

「西門さんさぁ・・・
この前より気を遣ってくれたのは分かるけど・・・
この車、ウチの社長が乗ってるのより遥かに高級な車なの。
そんなのにあたしが会社の前から乗り込むなんて、有り得ないんだよね。
類はいつも離れたところで車降りて、歩いてきてくれるのになぁ・・・」

なんて呟かれたから、俺は頭にかーーーっと血が上った。

そーかよ!
俺は類程にはお前の事理解出来てないって言ってんだな。
仕方ねえだろ!
お前の事好きだって気付いたの、つい最近の事なんだよ!
だけどな、類に出来て、俺に出来ない事なんかねえ!

それ以来、会社帰りの牧野を捕まえる時は、車は近くで降りて邸に帰すようにした。
牧野の会社の前にある、不味いコーヒーを出すチェーン店の窓際で、牧野が出てくるのをじっと待つ。
なんて健気な俺!
そうやって不意に現れる俺の事を、やっといちゃもんつけなくなった牧野。
普段タクシーにすら乗らないであろうこの女も、俺が電車や地下鉄で移動する事は無いというのは納得してくれているようで、歩いていけない場所に向かう時や、牧野を部屋に送って行く時にタクシーを使うのは文句を言わない。


連れて行った先は、とあるホテルの上層階にあるフレンチレストランの個室。
夜景も当然美しいだろうが、海外の有名デザイナーが手掛けたという内装が、まるでヨーロッパにいるかのような気分にさせてくれる。
いかにも牧野が喜びそうな場所を選んだ。

ふわりと白ワインの香りが立ち上る、トロトロのチーズが入った鍋を目の前にして、牧野の大きく開かれた瞳はそこに釘付け。
あまりに幸せそうな笑顔に、こっちもつられて顔が緩む。

「うわー、いい香りー!
どれから食べようかなー?」

カットされたフランスパンの他に、色とりどりの温野菜、ソーセージ、サイコロステーキが盛られた皿を見て、楽しげに悩んでる。
2人でひとつのチーズ鍋を共有するのが、互いの距離をちょっと縮めてくれるような気もして。
普通のフレンチのコースを食べてるより、俺まで楽しくなってきた。
串に刺したパンに熱々のチーズを絡めて、ハフハフと食べてる牧野の百面相もまた面白いし。

「あ、西門さん、じゃが芋が合うね!」
「やっぱり、この柔らかーいお肉とチーズのコンビネーション、サイコー!」
「やばーい、白ワイン進んじゃう!」

食べながらよく喋る。
行儀は悪いけど、それを見聞きするのが何とも楽しいんだから仕方ない。

熱々のチーズフォンデュを2人で食べる。
俺達の間の距離感は、今の所、こんな感じ。
いや、ホントはもっと縮めたいんだけどな。
そう簡単にはいかねえよ。
だって相手は牧野なんだ。


__________


さてさて。Halloweenの2人の続きを!とのお声が多かったので、Birthday SSで書いてみることにしました!
チーズケーキを食べてた2人が、チーズフォンデュを食べているのは、深く考えずに書いちゃっただけで、リンクさせた訳ではございません(苦笑)
寒くなって来たし、お鍋を・・・と考えた時にぱっと浮かんだのがチーズフォンデュでした。
久々の食べ物ネタ。書いてて、チーズフォンデュ食べたくなったよ・・・
まだお誕生日っぽくないですね。
そこのところはまた明日!ということで宜しくお願いします!

「総二郎生誕祭2015」ということで。
今後の予定は・・・
2日12時 にお話更新。
2日23時~3日1時 にチャット会。
3日0時 にお話更新。
3日12時 にお話更新。
となってます! 管理人もりく様も頑張ってます!
応援よろしくお願いします!


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Between you and me 中編

口当たりのいい白ワインが効いたのか、頬を紅潮させ、瞳をちょっと潤ませた牧野が、ふにゃりと顔を崩して笑ってる。

「あー、美味しかったぁ。
こーんなに美味しいチーズフォンデュは初めてだったかも!
デザートの洋梨のタルトとピスタチオのアイスも、ほっぺた落ちそうだったし。
あたし、今チョー幸せ!」

そう言って、落ちそうだという頬を両手で包みながらうっとりと目を閉じて、食ったものを反芻してる、夢見心地な牧野。
俺はと言えば、そのぷるぷるとした唇を食んだら、どんなに柔らかく甘美なんだろうか・・・なんて事を夢想して、ゴクリと喉を鳴らしてしまった。
気付けば心臓も普段よりどくどくと大きな音を立てている。

キスするのを想像するだけで胸が高鳴るだなんて!
この俺が!?
どんな女と時間を過ごしたって、終ぞ平常心を失ったことが無いってのに。
牧野の唇に目が吸い寄せられて。
それを見てるだけで胸の中がざわざわして。
はぁ・・・ やってらんねーよ、まったく!
恋をするって、こんなに気分の変動があって疲れるものなのか?
世の中の男と女は、皆こんな体験してるのか?
マジで?

「ふうん、そりゃ良かったな。
幸せついでに、このホテルのスイートルームも堪能してみるか?
お姫様気分になれるゴージャスな部屋で、とびきり幸せな世界につくしちゃんを連れてってやるぜ。」

自分の胸のざわつきを誤魔化すように、本音半分、からかい半分の台詞を飛ばせば、途端に眉間にしわを寄せて、「ばっかじゃないの、このエロ門っ!」と返してきた。

「冗談だろ、冗談。
さ、帰るぞ。
お前、酒入ってるし、のんびりしてると寝るだろ?
ま、寝ちまったら朝まで俺の好きにしていいって解釈して、それこそお姫様抱っこでスイートに直行するけどな。」
「絶対にそんな事にはなりませんからっ!
あたしはあたしの部屋に帰って、自分のベッドでぐっすり眠らせてもらいます!
今夜はご馳走様でしたっ!」

勢いよくぶんと頭を下げた牧野が、バッグとコートを引っ掴んで、ひとりで個室を出て行こうとするから、苦笑しながら追い掛けた。

「つくしちゃん、待てって。送ってくから。」
「電車で帰れるから平気っ! ほっといて!」
「酔っぱらってる女を、独りで電車で帰したりしねえよ。
一緒にタクシーで帰ろうぜ。
どうせ通り道なんだし、牧野は電車賃無駄にしないで済むだろ?」
「う・・・、まあ、そうだけど・・・」
「何、警戒しちゃってんの? 俺と2人きりでいると意識しちゃうのか、牧野は?」
「べ、別にっ。折角楽しくご飯食べたのに、食事が終わったら急にエロい事言い始めたから、聞くに堪えないって思っただけだもん!」
「ハイハイ、ちょーっとからかっただけだろ?
これだから鉄パン処女はな・・・」
「そういうこと、人に聞こえよがしに言わないでよっ!
あたしだって、コンプレックスなんだからっ!」

お前の声がデカくて、周りの注目集めてるって、お前は分かってんのか?
ホント、単細胞だよな、牧野は。
ひとつの事に夢中になると、他の事が見えなくなる。

「つくしちゃん、ちょっと声のボリューム落とせ。
お前の声、響き渡ってるぜ?」
「ひえっ?」

妙な声を上げて、恐る恐る周囲を見回し、急に縮こまった牧野はまるで辺りの様子を窺ってるリスみたいだ。
くすっと堪え切れずに笑っちまった後、視線をくれてる奴らに爽やかな微笑みを振りまきつつ、牧野の背中をそっと押して、その場を後にした。
タクシーの中でも、まだ何やらぶつぶつ言ってる牧野の言葉尻を捕えては、からかって、笑わせてもらって。
牧野がむくれてそっぽを向いたり、俺を可愛く睨み付けたりするのを見ながらの道中。
俺はそれをすっかり楽しんでいた。
車が牧野の部屋の程近くまで来た時、窓の外を見てはっとした牧野が、「あ、運転手さん、ここで停めて下さい!」と声を上げた。

「お前んち、まだじゃん。部屋の前まで送ってくから。」
「あ、いーの、いーの。コンビニ寄りたいし。
あたし、ここで!
じゃ、西門さん、今夜はご馳走様でした。
またねえ!」

開いたドアからするりと抜け出し、にっこり笑って別れを告げる。

オイ! ちょっと待て!
酔っぱらってるお前を、独りで歩かせたりしたくねえんだよ!
それに、今日こそは・・・って思ってたのに、俺、まだ何も出来てねえじゃん!

とっととタクシーに背を向けて歩き出した牧野を追うべく、タクシー代を運転手に押し付けて、急いで車を降りた。
目の前の、煌々としたネオンと店内の照明が目に痛いコンビニの中に、牧野の黒髪と後姿が垣間見えたから、店の前のガードレールに凭れつつ、出てくるのを待つ事にする。

はぁ・・・ 今日何度目の溜息だ?
あいつ、ホント思い通りにならねえなあ・・・
食い物で釣る以外に、こっちを向かせる方法は無いのか?
食い終わったらあっさりお別れになっちまうしなー。
どうしたらもうちょっとあいつの中に踏み込めんのかな?

初冬の夜の冷たい空気に晒されながら、そんな事を考えていたら、牧野がガラスの自動ドアの向こうから出て来た。

「に、西門さん? どーしたの? タクシーは?」
「部屋まで送ってく。タクシーはまた捕まえりゃいいから。」
「え? あたし大丈夫だから、もう帰りなよ。」
「だー、かー、らー! 酒入ってるお前を、夜道で一人歩きさせたくねえんだよ。
とっとと行くぞ!」
「えっ・・・と、あの・・・ ちょっと待ってて!」

そう言ってまた店の中に取って返した牧野は、何かを買ってまた出て来た。

「お待たせ。はい、これ。」

そう言って突き出されたコンビニの袋の中からは、何やら甘い香りと白い湯気が漂う。

「何これ?」
「いーから受け取ってよ。はい!」

押し付けられた袋の中身は何やら温かい・・・というか、寧ろ熱い!

「・・・寒い中待たせちゃったから、湯たんぽ代わりにね。
焼き芋だよ。
食べても美味しいけど、暖も取れるって素晴らしいよねー。」
「はあ・・・」
「あたしからの細やかな誕生日プレゼント。」

そんな言葉に、思わず焼き芋から牧野の顔へと視線を戻した。

「あぁっ? お前、知って・・・?」
「そりゃ知ってるよ、あんた達の誕生日位。
もう何年の付き合いだと思ってんの?」

何故か勝ち誇ったように笑ってる牧野がいた。

あれ? こんな展開、俺の予想の中には無かったんだけど。
えーっと、えーっと・・・ つまりどういう事なんだ?


__________


純情総二郎、思い通りに事が運ばなくて、焦れ焦れしたり、目が点になったり(笑)
もうちょっとだけ続きます!

本日12月3日が、我らが西門総二郎のお誕生日です!
Happy Birthday 総二郎!
貴方のお蔭で、楽しい毎日が送れています。
この世に現れてくれて有り難う(笑)


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Between you and me 後編

「じゃ、行こっか?」

小首をちょっと傾げて、悪戯っぽく笑う牧野がすたすたと歩き出したから、俺もそれに倣う。

「うわあー、寒いねー!
折角あっつあつのチーズフォンデュとワインで身体ポカポカしたのに、ちょっと歩くだけで冷えちゃいそ!」

自分も焼き芋が入っているコンビニ袋で手元を温めながら、首は妙に短くなり、肩に力が入ってる牧野。
ホントに寒いんだろう。

「お前、そんなぺらっぺらなコート着てるからだよ。
もっといいヤツ、俺が買ってやろうか?」
「な、なんで、西門さんが買うのよ?」
「だって12月が誕生月なのは、俺だけじゃねえだろ?」
「まあね・・・ でも遠慮しとくよ。
もうすぐボーナスも出るし!
コートの一着くらい、自分で買えるから。
それに、コンビニの焼き芋のお礼がコートじゃ釣り合わないじゃない。
お茶の一杯くらいでいいよ。
あ、ケーキも付いてると嬉しいけどさっ。」

にっこり笑って、俺を振り仰ぐその表情に目を奪われた。
薄暗い夜道だというのに、牧野の笑顔の周りには小さな光の粒みたいなものがぱっと舞い、その光の欠片がちくちくと俺のハートに突き刺さる。

何だ、これ?
目の錯覚だろ?
なのに何で、胸がちくりと痛むんだ?

「お茶やケーキなんて普段でも奢ってんだろ。
今日だってメシ一緒に食ったんだし。」
「それもそうだ。
ごめんね、お誕生日だっていうのに、あたしがすっかりご馳走になっちゃってさ。
じゃ、ほんの気持ち・・・と言ってはなんだけど・・・ コーヒー1杯飲んでから帰る?」

いつの間にか着いていた牧野の部屋の前。
俺にとっちゃ絶好のチャンス到来?

「いいのか、つくしちゃん?
夜に俺を部屋に上げても?」

ちろっと流し目を送ってやると、急に慌て出した。

「あ、変な事しないでよ! コーヒー飲むだけっ!分かってる?」
「ハイハイ。分かった、分かった。」

そうは言いつつも、急に頭の中で色んなことが回り出す。

ま、兎に角部屋に入っちまおう。
なし崩し的に何とかなる・・・ってなことは無いにしても、ちょっとこの微妙な距離感、詰められるようになるかもしれないし。

冷えた部屋を暖めるべく、牧野はエアコンのスイッチを入れ、ホットカーペットを最強にセットし、キッチンではガスに火を点けて湯を沸かし始めた。
じわじわと暖まり始めたホットカーペットの上に腰を下ろし、ちょこまかと狭い部屋の中を動き回る牧野を見ている。

部屋に帰って来て、コーヒー淹れるってだけで、何でこんな落ち着きねえんだ、こいつは?
パタパタと足音立てながらあっちに行ったり、こっちに来たり・・・

そう思っていると、

「なあに、変ににやにやしちゃって。やな感じー!」

なんて言いながらコーヒーを運んで来た。

「や、別に何でもねえよ。
じゃ、お言葉に甘えて、ご相伴に与るとしますかね。」

カップに手を伸ばそうとすると、また牧野がキッチンに消えていく。

「今お茶請け出すからー!」
「や、甘いモンはいいよ、コーヒーだけで十分。」
「そう言わないで、ちょっとだけでも食べてみてよ。」

牧野が慎重に運んで来たトレーの上には・・・ ケーキ?
カタリと置かれたそのトレーの上の物をまじまじと見れば、お世辞にも上手いとは言えない手作り感満載のチョコペンの文字で
『HAPPY BIRTHDAY SOJIRO』と書かれている。
驚き過ぎて言葉が出なかった。
目を何度かパチパチと瞬かせて、ケーキから牧野の方に向き直れば、恥ずかしそうに頬を赤らめて、モジモジしている。

「えーっと・・・ お誕生日おめでと、西門さん。
あんまり上手には出来なかったけど・・・
味はまあまあだと思うから、食べてみる?」
「・・・牧野、これ・・・」

今日会うって約束なんかしてなかったし。
今だって部屋に誘われたのは、俺がタクシー降りてコンビニの前に立ってたからで・・・
なのに、これが用意されてたって事は・・・

「だあって、お誕生日って言ったらケーキでしょ?」
「いや、そうじゃなくて!
お前、どうしてこんなの作ってんだよ?
何も言わなかったじゃん。」
「んー? まあ、ちょっとした賭けだったんだよね。
今日あたしの前に現れるかどうか。
絶対に女の人とは過ごさないって公言してたお誕生日に、あたしのところに来てくれたら本物なのかなって。
こんな日だからこそ、エロ門封印して、あたしとしっかり向き合ってくれたら、信じてもいいのかなって。
まあちょっと、ポイント減なトコあったけど。
タクシー降りて追い掛けて来てくれたから、プラマイゼロにしてあげた!
だから、このケーキを食べれる権利を手に出来たのよ。
心して食べなさいよね!」

一気に捲し立てた牧野の頬は、今日見た中で一番紅く染まってる。
照れているのか、俺と目を合わせない。
何だか俺まで顔が熱くなってきた。

「なあ、牧野・・・ これって、そういう事か?」
「な、なによ、そういう事って?」
「だから・・・ 俺は牧野のテストに合格出来たって事?」
「う・・・ まあ、そういう事になる・・・のか・・・な?
あ。でも、いつ落第になるかは西門さん次第だからねっ!」

はぁ・・・ してやられた!
俺がこいつに踊らされるなんて!
いつも俺が仕掛ける方だと思ってたのに、いつの間にか牧野に俺の気持ちを看破されてたって事だよな?
随分すらっとぼけてくれてたじゃねえか、鈍感牧野の癖に!
何にも気付かないふりされてた、このひと月!
それを思うと小っ恥ずかしくてやってらんねえけど・・・
落第なんかするかよ。
一度手に入れた大事なモン、簡単に手放せるワケねえんだよ!

思い余って牧野ににじり寄り、ぎゅうっと胸に抱き込んだ。
色気のねえこの女は、「ぎゃっ!」なんて叫び声あげてるけど気にしない。

「牧野・・・ 俺、すげえ嬉しいわ。」
「ケ、ケーキ、そんなに嬉しかった?」
「違えよ、お前の気持ちが嬉しいっつってんの!
俺の気持ち、受け止めてくれるって事だろ?」
「あのー、えーっと、あたしの独りよがりじゃなきゃいいなと思ってたんだけど・・・」
「・・・好きだ。お前が好きなんだ。
だから・・・ 俺と付き合って。」
「・・・お手柔らかにお願いします。」

はぁ・・・
ホッとして、緊張が解けて、気が抜けて。
今度は安堵の溜息が溢れた。

さっきまで微妙な距離があった俺と牧野の間は、今は服に遮られてるだけで。
互いの温もりが感じられる距離へと変わった。
ま、そのうち、この服すら取っ払って、ダイレクトに体温を伝え合う仲になってみせるけど。
今夜はこの温もりだけで充分幸せだ。

何より手に入れたかった「牧野の気持ち」。
どんな高価な物よりも嬉しい誕生日プレゼント。
俺はこの手に掴めたんだ。


__________


と、まあ、こんなオチでございました(笑)
いつもとちょっと違う感じを出したくて、つくしの方がちょい上手!というシチュにしましたが、気に入って頂けたかなー?
Birthday SS 3話、これにてお終いでごさいます!
続きはまたChristmasかつく誕にでも書きたいなと。

さてさて、昨日、一昨日とやって来ました「総二郎生誕祭2015」、お楽しみ頂けましたでしょうか?
昨夜のお誕生日お祝いチャット会にも沢山のお客様にご参加頂き、嬉しかったです♪
有り難うございました!
また何かの折には集まってお喋りしましょうねー。

えーっと、病人は帰宅したのですが、まだまだ手が掛かる状況でして。
今暫く更新はお休みがちになるかと思うのですが、のんびりお待ち頂けたら幸いです。
どうぞ宜しくお願いします!


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Before Christmas 前編

「Between you and me」の2人のその後です。

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「な、クリスマス、どうする?」

隣を歩く牧野の顔をちょっと覗き込みながら、甘い笑みと共に聞いてみた。

この俺の口から、こんな台詞が飛び出すなんて。
人は変われば変わるもんだよな。

だけど牧野は碌にこっちも見ないでこう宣った。

「え? クリスマスイブも、クリスマスも平日でしょ?
フツーに仕事行くけど。」
「はあーーー?」

オイオイ、俺達、付き合い始めて3週間目。
今が一番ラブラブ&ワクワクな時期の筈だろ?
何だってこの女はこんなにそっけない?

「はあーーー?って言われても・・・
だって、お仕事は休めないし・・・
西門さんだって12月は色々忙しいんでしょ?
特に年末近くなってくるとさ。
あたしは23日と26日、27日がお休みだから、ちょっと早めか、ちょっと遅めにプレゼント交換でもしよっか?」

プレゼント交換って何だよ・・・
小学生じゃあるまいし。
まあ、俺からは飛び切りのプレゼントは用意するけど、お前からは手渡しできるようなモノじゃなくて、2人きりの密室空間で頂きたいモノがある訳で・・・
それに28日はお前の誕生日じゃねえか!
俺はなあ、色々と思い描いてることがあるんだよ!

「クリスマスっつったら、一番気分的に盛り上がるのは24日の夜じゃん。」
「そうかもしれないけど、あたし別にキリスト教徒でもないしー。
西門さんだってそうでしょ?
拘る必要ないんじゃない?」

クリスマスはな、ここ日本じゃ宗教行事じゃなくて、恋人たちのイベントなんだよ!
俺が今迄どんな女とも過ごさないで来たのは、『クリスマスに一緒にいる=恋人同士』という認識を相手に持たさない為で。
初めて本気で惚れた女とは一緒にいたいに決まってる!

「でも仕事の後にメシ一緒に行くぐらいはいいだろ?」
「う・・・ん。それは大丈夫だけど・・・。
今からお店予約出来たりするの?
もう結構ギリギリじゃない。
何処も混んでるんじゃないのかなあ?」
「それは俺に任せとけって。」

OKの返事をもぎ取れて、自然と声がデカくなる。
ついつい頬がだらしなく緩む。
街灯に照らされる牧野の頬が紅いのは、この寒さのせいなのか、それとも少しは何かを感じて照れているのか。
どうも俺の方が振り回されてる感じが否めない。

おっかしーなー?
相手は鉄パン処女で、俺はどんな女でもイチコロの西門総二郎だぜ?
何で思い通りにならねえんだろ・・・?

首をちょっと傾げながら、牧野の隣を歩いてく俺。

何でこの寒い季節に夜道を歩いてるかっていうと・・・
この牧野つくしという女は俺の車に乗りたがらない。
付き合う前までは、TAXIは何とか文句を言わずに一緒に乗ってくれていたが、付き合い始めてみると、「歩いて行ける場所はお金をかけずに歩く主義」を俺にも押し付けられた。

「これぐらいの事、あたしに合わせられないんだったら、あたし達これからやってけないよね?」
「ふふん、つくしちゃんにならトコトン合わせられるぜ、俺。
そもそも俺の方が足が長いんだから、そんなの訳ねえって。」

そんなやり取りがあっての、デートの度の寒空散歩なのだ。
今日も食事の後、牧野ご用達の深夜営業しているスーパーまではTAXIで戻って来たんだが、スーパーから牧野の部屋までは当然の如く徒歩の旅。
互いに白い息を吐きつつ、牧野の部屋に向かって歩いてきた。
そしてようやく着いた安普請のアパート。
今夜は・・・ 入れてくれんのかな?

「あれ? あたしの部屋、電気点いてる・・・
朝消して出たと思ったけどなあ・・・?」

そう言いながら鍵を挿し込むと、いつもと違ってカチャリという音がしない。
どうやら鍵がかかっていないらしい。
もしや泥棒?と思って、俺が先に部屋に入ろうと思ったのに、この迂闊な女はさっさとドアを開けてしまった!
慌てて牧野の腕を引っ張って、俺の後ろに隠したが・・・
部屋の奥からは「姉ちゃん、お帰り~!」という間延びした声が聞こえて来た。

「す、進っ?」

牧野が素っ頓狂な声を上げつつ、俺の後ろから飛び出してくる。

「に・・・しかどさん? あ、えーっと、ご無沙汰しています・・・」

俺達の目の前には、いかにも会社帰りのサラリーマンといった感じの、牧野の弟・進が目を丸くして立っていた。

「あ、あんた、何の連絡もしないで、勝手に部屋に入んないでよっ!」
「さっきから何度も電話したって。
姉ちゃん、全然出ないんだもん。
残業で遅くなって、明日も朝早いから泊めてもらおうと思って・・・
で、でも、お邪魔なら俺、駅前のカプセルホテルにでも行くから!」
「に、に、に、西門さんは送って来てくれただけだからっ!
変な気回さないでっ!」

あーあ、今日もここまでか・・・
この女が弟蔑ろにして俺とイチャイチャしてくれるなんてあり得ないし。

「そうそう、俺はもう失礼するから、今夜は姉弟水入らずでごゆっくり。
進君、今度時間があるときに酒でも飲もうな。」
「は、はいっ! 有り難うございますっ!」
「じゃあな、牧野。
お休み。また連絡するから。」

そう言って、持っていてやったスーパーで買った物を詰めたエコバッグを牧野に手渡す。

「あ、ありがと・・・
お休みなさい・・・」

今頬が紅いのは、確実に進に俺とのことがバレてテンパってるせいだよな。
精々たっぷり根掘り葉掘り聞かれて照れとけよ、牧野!


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クリスマス前にちょっと距離縮まったらいいなー!と思ったけど、なかなかね(笑)

長々とお休み頂いてスミマセン。
年の瀬も近いので、リアがバッタバッタでございます。
合間を見つけて妄想して参ります。
なんとかこのお話と、クリスマスSS、つく誕SSと書いていきたいと思ってますので、応援よろしくお願いします!

今日21日の夜(だと思うんですけど)、お友達のりく様のお部屋 恋花-koibana- にて、ブログ開設4周年のお祝いに贈らせて頂いたSSをUPして頂く予定となってます。
鷹瑠璃になります。
初めて花男以外のお話書きました。
良かったらお邪魔してみて下さいねー。


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