「Milk tea」を他のキャラに替えるとどうなるの?とのお声を頂きました。
うーん、同じ話になっちゃうんじゃないの?と思ったんですけど・・・
同じ話じゃ意味ないからね・・・
無理矢理ひねり出してみましたよ(苦笑)
__________
寝つきがよくて、一度寝たら全然起きない。
そんなあたしが、夜、よく眠れなくなったのは、大学に入って、一人暮らしを始めた頃からだ。
どんなに講義やバイトで疲れて帰って来て、吸い込まれるように布団に倒れ込んで寝ても、夜中の2時か3時頃に、怖い夢を見て、目を覚ますようになった。
夢の中ではいつも何か黒いお化けみたいなものに追い掛けられている。
腕や足をひやりとした感触の何かに掴まれ、払い除けたくても出来なくて。
パニックになって、恐怖の絶頂で叫び声を上げそうになった瞬間に目が覚めた。
目を開けると、自分の部屋にいるのに気付いて、心底ホッとする。
それでも心臓はばくばく鳴りっぱなしで、カラカラに乾ききっている口ではあはあと息を繰り返す。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。
おまじないのように自分に言い聞かせているうちに、少しずつ動悸が治まり、身体の緊張が解けてくる。
やっと動かすことが出来るようになった身体を起こして、枕元に置いてある水を飲んで、再び布団に潜り込んだ。
また怖い夢を見てしまうかもしれない・・・と思いつつ、睡魔に負けてもう一度目を瞑ると、程無くして意識は闇の中に溶けていく。
そしてまた同じ夢を見て、目を覚ましてしまう。
目覚まし時計を見ると、さっきから30分程しか経っていないことにウンザリさせられるけど、どうしようもない。
毎日朝までこの繰り返し。
2~3日に一度、極限まで眠くなると、朝までぐっすり眠れる日があって。
そんな朝は、起きるとホッとするようになっていた。
夜、よく眠れない代わりに、他の人の気配がある場所ではちょっとした時間でも寝てしまう。
講義の合間に教室の机で。
お昼ご飯をかき込んだ後の学食のテーブルで。
ざわざわとした人の声や、周りの様々な音が子守歌になって、あたしを眠りの世界に誘ってくる。
ほぼF3と桜子専用になっているVIP専用ラウンジの高級ソファなんか、座った途端に眠気が襲ってくる絶好の昼寝ポイント。
あんまりよく寝るようになったあたしを、皆は訝しがっていた。
「なあ、牧野ってば寝過ぎじゃね?
俺がコイツを見る時は、いっつも転寝してるけど。
類の眠り癖がうつったのか?」
「そんなの、うつる訳ないでしょ。
総二郎って案外バカだね。
どうせまた牧野の事だから、バイトに精出し過ぎてるんじゃないかと思うんだけど。
俺が言っても聞かないんだ。
『貧乏暇無しなの!』っていうばっかりでさ・・・」
「まあ、なんにせよ、病気だったりしなきゃいいんだけど・・・
ナルコレプシーとはちょっと違うみたいだよなあ。
起きなきゃいけない時間にはちゃんと目を覚まして動いてるし。
アラーム鳴った途端に飛び起きてるもんな。」
F3にそんな事を言われてたなんて、ちっとも知らずに、あたしはいつも通り昼寝をしていたんだけれど。
その日の授業終わりに、美作さんに捕まった。
「牧野、病院行くぞ。」
「病院? 何で? あたし、どこも悪くないけど?」
「あんなに毎日空き時間は昏々と寝てるんだ。
もしかしたら身体のどこかが調子が悪いのかもしれない。
一度ちゃんと調べよう。」
「えー? 大丈夫だよ。
大学の健康診断だって何の問題もなかったもん。
あたしは元気だってば!」
「大丈夫、ウチの妹達もいつもお世話になってる、信頼できる医者だ。
女医さんだし、怖がらなくてもいい。」
そう言って、あたしの腕を掴んで、ぐいぐい引っ張って歩こうとする。
掴まれて、痛くはないけれど、優しい気遣いの人らしくない性急な行動に、思わず眉をしかめた。
力を込めて、あたしを掴んでいる手を振りほどく。
「ね、ちょっと! 勝手に決めないで!
あたし、病気でもなんでもないのっ!」
「それは医者が判断してくれるから。
な、俺を安心させるためと思って、一度病院に行こう!」
「みっ、美作さんが心配するような事、何もないってば。」
そうムキになって言い募ったら、ちょっと哀しそうに眇めた目で、更にダメ押しなのか小首を傾げて、あたしをじいっと見詰めて来た。
そういうの、止めて欲しい。
言葉であれこれ言われるより、よっぽど胸が痛む。
「な、何よ・・・?」
「じゃあ、牧野には心当たりがあるの?」
「え?」
「どこでもあっという間に寝てしまう理由の心当たり。」
ありますとも。
大ありです。
でもカッコ悪くて言えないんだけど!
一人暮らしが怖くって、よく夜眠れないだなんて、カッコ悪すぎる!
「えーっと、あの・・・ その・・・」
「あるんなら、ちゃんと聞かせて。
俺を安心させて。」
結局、美作さんの車に押し込まれて。
その中で、優しくも厳しい尋問を受けて、つい話してしまった。
とってもカッコ悪い、眠れない理由を。
そんな話を聞いた美作さんは、ふうとひとつ溜息を吐いて。
車を走らせて、あの夢の国のような美作さんちへとあたしを運んで来た。
そして例の可愛い東屋のソファにあたしを座らせると、お茶の用意をしている。
てっきり美作家ご自慢の美味しい紅茶がサーヴされるものだと思っていたのに、あたしの目の前に置かれたのはホットココアだった。
それも小さなマシュマロがいくつか浮かんでいて、見ているだけでワクワクしてくる。
「どうぞ。」
「イタダキマス・・・」
左手の親指と人差し指で、かーるく顎を支える様な仕草をした美作さんが、テーブルの向かい側で優しく微笑む。
スプーンでくるりと掻き混ぜて、一口飲んだら、甘くて、ほろ苦くって、優しい味が広がる。
スプーンでマシュマロを掬って食べたら、しゅわしゅわと溶けていくのが面白く感じられた。
「美味しいね、ココアって。このマシュマロも。」
「牧野向きだろ? ウチの妹達も大好きだぜ。」
「・・・またあたしを子供扱いして。」
「夜一人で寝るのが怖いなんて、子供だろ?」
そう言われて、かあっと顔が熱くなる。
事実だけど・・・
はっきり言わないで欲しいのよ!
「牧野、一人暮らし、止めろ。」
「そんな事言われたって、パパとママが今いるところから大学に通うには、片道2時間以上かかっちゃうのよ。
時間の無駄だし、疲れるでしょ。
バイトする時間も減っちゃうし。」
「時給のいい、住み込みのバイトを紹介する。
だからもう一人暮らししなくてもいいし、他所でバイトする必要もないから。」
「何それ? なんか怪しいよね・・・
うまい話には裏があるんじゃないの?」
「んー、まあ、無いとは言えないか。」
くすりと笑って、目尻を下げた美作さんが、優雅な手つきでカップを持ってココアを飲むのに、自然と目が吸い寄せられる。
「ま、一応、話を聞くだけなら聞いてもいいけど・・・」
「そうか? 聞いたら断れなくなると思うぜ。
バイト先はここ。俺のウチだ。
住む所もここ。
邸の中の、バス、トイレ、ウォークインクローゼット付きの部屋が住まいになる。
バイト内容は、双子の遊び相手。
『お兄ちゃま、お兄ちゃま!』と纏わりついてくるのを、上手く止めさせて、俺が家でリラックス出来る時間を増やす事。
あと、お袋の話し相手もかな。
3食、おやつ、双子と一緒の昼寝付き。
時給は牧野が今迄していたバイトの時給の倍。
どうだ? いい話だろ?」
今度は目をキラキラさせて、悪戯っぽく微笑んでくる。
「うまい話過ぎて、怖いんですけど・・・」
「お前は一人暮らししなくて良くなる。
俺は、外で気晴らしなんてせずに、家でゆっくり出来るようになる。
利害が一致したろ?」
「お家でゆっくりしたいんだ?」
「そりゃまあ、そうだろ。
自分の家なのに、落ち着かないって嫌なもんだぜ?」
まあ、あの双子ちゃんたちのお兄ちゃまLOVE度合を見ていたら、分かる様な気もするけど・・・
「時給が倍っていうのは困る。
住む所も食事も付いてくるのに・・・
今迄のバイト代と同じっていうなら・・・」
「よし、決まった。
今夜からここに住めよ、牧野!」
「え? 今夜から? ちょっと無理、そんなの・・・」
あたしの言葉も聞かないで、さっさと母屋に連絡を入れてる美作さん。
お夕飯の人数が1人追加になる事と、空き部屋を整える様にと指示を出してる。
あまりの急展開にぼーっとしていると、電話を終えた美作さんが、あたしに話し掛けて来た。
「牧野、口が開きっ放し。
ココアが出てきそうだぞ。」
慌てて口をきゅっと結ぶ。
そんな事しなくても、ココアが出てくる訳ないんだけど!
お夕飯の席で、ご家族全員に事の次第を話して、あっさり皆さんの了承を取り付けちゃった美作さん。
「今日から牧野も我が家の一員だから。」
そう言われて、擽ったくも嬉しかったのは本当だ。
美作邸に住み込むようになって、毎日寝る前に美作さんとココアを飲むのが習慣になった。
ほっと出来て。
心の底からあったまって。
安心して眠れる、美作さんがかけてくれる魔法の1杯。
あたしは、ココアが大好きになった。
でもホントは・・・ ココアを一緒に飲んでくれる人の事が、大好き。
__________
書いてみたら、思いの外、可愛いつくしになりました(笑)
あきつくも久々でした。
「お兄様はいらない!」以来だったので、去年の夏から書いてなかったのね。
ごめんね、あきら!
あきつくをお待ちの皆様、ひとまずこれでお許しを!
飲み物シリーズ、類も、あきらも・・・となると、切り口が難しくなってきたのですが。
さらに拙宅の主人公を放っておくと、これまた怒られそうですなぁ・・・
ボチボチ頑張ります(苦笑)
気付いたら120万HIT、超えておりました!
いつも遊びに来て下さる皆様、本当に有り難うございます!

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
うーん、同じ話になっちゃうんじゃないの?と思ったんですけど・・・
同じ話じゃ意味ないからね・・・
無理矢理ひねり出してみましたよ(苦笑)
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寝つきがよくて、一度寝たら全然起きない。
そんなあたしが、夜、よく眠れなくなったのは、大学に入って、一人暮らしを始めた頃からだ。
どんなに講義やバイトで疲れて帰って来て、吸い込まれるように布団に倒れ込んで寝ても、夜中の2時か3時頃に、怖い夢を見て、目を覚ますようになった。
夢の中ではいつも何か黒いお化けみたいなものに追い掛けられている。
腕や足をひやりとした感触の何かに掴まれ、払い除けたくても出来なくて。
パニックになって、恐怖の絶頂で叫び声を上げそうになった瞬間に目が覚めた。
目を開けると、自分の部屋にいるのに気付いて、心底ホッとする。
それでも心臓はばくばく鳴りっぱなしで、カラカラに乾ききっている口ではあはあと息を繰り返す。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。
おまじないのように自分に言い聞かせているうちに、少しずつ動悸が治まり、身体の緊張が解けてくる。
やっと動かすことが出来るようになった身体を起こして、枕元に置いてある水を飲んで、再び布団に潜り込んだ。
また怖い夢を見てしまうかもしれない・・・と思いつつ、睡魔に負けてもう一度目を瞑ると、程無くして意識は闇の中に溶けていく。
そしてまた同じ夢を見て、目を覚ましてしまう。
目覚まし時計を見ると、さっきから30分程しか経っていないことにウンザリさせられるけど、どうしようもない。
毎日朝までこの繰り返し。
2~3日に一度、極限まで眠くなると、朝までぐっすり眠れる日があって。
そんな朝は、起きるとホッとするようになっていた。
夜、よく眠れない代わりに、他の人の気配がある場所ではちょっとした時間でも寝てしまう。
講義の合間に教室の机で。
お昼ご飯をかき込んだ後の学食のテーブルで。
ざわざわとした人の声や、周りの様々な音が子守歌になって、あたしを眠りの世界に誘ってくる。
ほぼF3と桜子専用になっているVIP専用ラウンジの高級ソファなんか、座った途端に眠気が襲ってくる絶好の昼寝ポイント。
あんまりよく寝るようになったあたしを、皆は訝しがっていた。
「なあ、牧野ってば寝過ぎじゃね?
俺がコイツを見る時は、いっつも転寝してるけど。
類の眠り癖がうつったのか?」
「そんなの、うつる訳ないでしょ。
総二郎って案外バカだね。
どうせまた牧野の事だから、バイトに精出し過ぎてるんじゃないかと思うんだけど。
俺が言っても聞かないんだ。
『貧乏暇無しなの!』っていうばっかりでさ・・・」
「まあ、なんにせよ、病気だったりしなきゃいいんだけど・・・
ナルコレプシーとはちょっと違うみたいだよなあ。
起きなきゃいけない時間にはちゃんと目を覚まして動いてるし。
アラーム鳴った途端に飛び起きてるもんな。」
F3にそんな事を言われてたなんて、ちっとも知らずに、あたしはいつも通り昼寝をしていたんだけれど。
その日の授業終わりに、美作さんに捕まった。
「牧野、病院行くぞ。」
「病院? 何で? あたし、どこも悪くないけど?」
「あんなに毎日空き時間は昏々と寝てるんだ。
もしかしたら身体のどこかが調子が悪いのかもしれない。
一度ちゃんと調べよう。」
「えー? 大丈夫だよ。
大学の健康診断だって何の問題もなかったもん。
あたしは元気だってば!」
「大丈夫、ウチの妹達もいつもお世話になってる、信頼できる医者だ。
女医さんだし、怖がらなくてもいい。」
そう言って、あたしの腕を掴んで、ぐいぐい引っ張って歩こうとする。
掴まれて、痛くはないけれど、優しい気遣いの人らしくない性急な行動に、思わず眉をしかめた。
力を込めて、あたしを掴んでいる手を振りほどく。
「ね、ちょっと! 勝手に決めないで!
あたし、病気でもなんでもないのっ!」
「それは医者が判断してくれるから。
な、俺を安心させるためと思って、一度病院に行こう!」
「みっ、美作さんが心配するような事、何もないってば。」
そうムキになって言い募ったら、ちょっと哀しそうに眇めた目で、更にダメ押しなのか小首を傾げて、あたしをじいっと見詰めて来た。
そういうの、止めて欲しい。
言葉であれこれ言われるより、よっぽど胸が痛む。
「な、何よ・・・?」
「じゃあ、牧野には心当たりがあるの?」
「え?」
「どこでもあっという間に寝てしまう理由の心当たり。」
ありますとも。
大ありです。
でもカッコ悪くて言えないんだけど!
一人暮らしが怖くって、よく夜眠れないだなんて、カッコ悪すぎる!
「えーっと、あの・・・ その・・・」
「あるんなら、ちゃんと聞かせて。
俺を安心させて。」
結局、美作さんの車に押し込まれて。
その中で、優しくも厳しい尋問を受けて、つい話してしまった。
とってもカッコ悪い、眠れない理由を。
そんな話を聞いた美作さんは、ふうとひとつ溜息を吐いて。
車を走らせて、あの夢の国のような美作さんちへとあたしを運んで来た。
そして例の可愛い東屋のソファにあたしを座らせると、お茶の用意をしている。
てっきり美作家ご自慢の美味しい紅茶がサーヴされるものだと思っていたのに、あたしの目の前に置かれたのはホットココアだった。
それも小さなマシュマロがいくつか浮かんでいて、見ているだけでワクワクしてくる。
「どうぞ。」
「イタダキマス・・・」
左手の親指と人差し指で、かーるく顎を支える様な仕草をした美作さんが、テーブルの向かい側で優しく微笑む。
スプーンでくるりと掻き混ぜて、一口飲んだら、甘くて、ほろ苦くって、優しい味が広がる。
スプーンでマシュマロを掬って食べたら、しゅわしゅわと溶けていくのが面白く感じられた。
「美味しいね、ココアって。このマシュマロも。」
「牧野向きだろ? ウチの妹達も大好きだぜ。」
「・・・またあたしを子供扱いして。」
「夜一人で寝るのが怖いなんて、子供だろ?」
そう言われて、かあっと顔が熱くなる。
事実だけど・・・
はっきり言わないで欲しいのよ!
「牧野、一人暮らし、止めろ。」
「そんな事言われたって、パパとママが今いるところから大学に通うには、片道2時間以上かかっちゃうのよ。
時間の無駄だし、疲れるでしょ。
バイトする時間も減っちゃうし。」
「時給のいい、住み込みのバイトを紹介する。
だからもう一人暮らししなくてもいいし、他所でバイトする必要もないから。」
「何それ? なんか怪しいよね・・・
うまい話には裏があるんじゃないの?」
「んー、まあ、無いとは言えないか。」
くすりと笑って、目尻を下げた美作さんが、優雅な手つきでカップを持ってココアを飲むのに、自然と目が吸い寄せられる。
「ま、一応、話を聞くだけなら聞いてもいいけど・・・」
「そうか? 聞いたら断れなくなると思うぜ。
バイト先はここ。俺のウチだ。
住む所もここ。
邸の中の、バス、トイレ、ウォークインクローゼット付きの部屋が住まいになる。
バイト内容は、双子の遊び相手。
『お兄ちゃま、お兄ちゃま!』と纏わりついてくるのを、上手く止めさせて、俺が家でリラックス出来る時間を増やす事。
あと、お袋の話し相手もかな。
3食、おやつ、双子と一緒の昼寝付き。
時給は牧野が今迄していたバイトの時給の倍。
どうだ? いい話だろ?」
今度は目をキラキラさせて、悪戯っぽく微笑んでくる。
「うまい話過ぎて、怖いんですけど・・・」
「お前は一人暮らししなくて良くなる。
俺は、外で気晴らしなんてせずに、家でゆっくり出来るようになる。
利害が一致したろ?」
「お家でゆっくりしたいんだ?」
「そりゃまあ、そうだろ。
自分の家なのに、落ち着かないって嫌なもんだぜ?」
まあ、あの双子ちゃんたちのお兄ちゃまLOVE度合を見ていたら、分かる様な気もするけど・・・
「時給が倍っていうのは困る。
住む所も食事も付いてくるのに・・・
今迄のバイト代と同じっていうなら・・・」
「よし、決まった。
今夜からここに住めよ、牧野!」
「え? 今夜から? ちょっと無理、そんなの・・・」
あたしの言葉も聞かないで、さっさと母屋に連絡を入れてる美作さん。
お夕飯の人数が1人追加になる事と、空き部屋を整える様にと指示を出してる。
あまりの急展開にぼーっとしていると、電話を終えた美作さんが、あたしに話し掛けて来た。
「牧野、口が開きっ放し。
ココアが出てきそうだぞ。」
慌てて口をきゅっと結ぶ。
そんな事しなくても、ココアが出てくる訳ないんだけど!
お夕飯の席で、ご家族全員に事の次第を話して、あっさり皆さんの了承を取り付けちゃった美作さん。
「今日から牧野も我が家の一員だから。」
そう言われて、擽ったくも嬉しかったのは本当だ。
美作邸に住み込むようになって、毎日寝る前に美作さんとココアを飲むのが習慣になった。
ほっと出来て。
心の底からあったまって。
安心して眠れる、美作さんがかけてくれる魔法の1杯。
あたしは、ココアが大好きになった。
でもホントは・・・ ココアを一緒に飲んでくれる人の事が、大好き。
__________
書いてみたら、思いの外、可愛いつくしになりました(笑)
あきつくも久々でした。
「お兄様はいらない!」以来だったので、去年の夏から書いてなかったのね。
ごめんね、あきら!
あきつくをお待ちの皆様、ひとまずこれでお許しを!
飲み物シリーズ、類も、あきらも・・・となると、切り口が難しくなってきたのですが。
さらに拙宅の主人公を放っておくと、これまた怒られそうですなぁ・・・
ボチボチ頑張ります(苦笑)
気付いたら120万HIT、超えておりました!
いつも遊びに来て下さる皆様、本当に有り難うございます!



ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
