お友達・りく様とのコラボ企画、本日よりスタートします!
__________
ヤダっ! ホントに困る!
ここは逃げるしかないでしょ!
「牧野サン、ちょっと待ってって!」
順平君があたしに向かって手を伸ばすのを目の端っこで捉えた。
肘の辺りにその指先が掠ったら、背筋がイヤーな感じにぞわりとして。
掴まってなるものかと、身を翻して走り出す。
低めとはいえ靴はヒールだし、タイトスカートだし、思ったように早く走れないけど、必死で逃げた。
後ろからは足音と、「牧野サンってば!」という声が追い掛けてくる。
すっかり日が暮れた夜道は、何故か人っ子一人いない。
もっと人通りのあるところに行かなきゃ。
大きな道路はどっちだっけ?
頭の中はフル回転。
でも身体はバテバテ。
息も乱れて、脚も重たくなってきた。
ああ、もうダメだ、掴まっちゃう・・・
そう思いながらも動かない脚を無理矢理前に押し出しつつ何とか走っていたら、隣に車が爆音と共に滑り込んできて、あたしの真横でキキーーーっと音を立てて止まった。
メタリックシルバーの流線型の車。
あれ? これって・・・
「牧野!」
助手席のドアがすっと開き、中からはよく知っている人の声がする。
「西門さん?!」
「早く乗れ!」
その声に導かれるように、慌てて車に乗り込んだ。
バシンと音を立ててドアを閉めた途端、一気にアクセルを踏み込んだ車はまた爆音を響かせ、更にキュキュキュとタイヤを軋ませながら走り出す。
訳も分からないまま、ドアミラーを覗き込むと、道路に立ち尽している順平君が映っていた。
「はぁ・・・ はぁ・・・ はぁ・・・」
走り過ぎて息が苦しいのを、深呼吸して何とか整えようとする。
あぁ、助かった・・・
って、あたし、何でこの車に乗ってるんだっけ?
恐る恐る運転席の方に顔を向けると、西門さんのいつも通り整った綺麗な横顔。
でもこの冷たいオーラに覆われてるってことは・・・
もしかしてちょーーーっとお怒りモード?
「ね、西門さん・・・?」
どうしてあそこを走ってたの?
何であたしを助けてくれたの?
そう聞こうとした時に逆に西門さんが質問を投げてきた。
「牧野、お前、何があったんだよ?」
そう聞かれて、さっき順平君にされたことが頭の中に一気にフラッシュバックしてきた。
言葉で説明するよりも先に、恐怖と安堵のせいで涙が溢れ出す。
ぽろぽろと涙を零していたはずが、だんだんしゃくりあげる様に泣いてしまった。
そうなると涙は止まるところを知らず、後から後から湧いてくる。
まるで子供に戻ったかのように、わんわん泣いて。
でも西門さんは、それ以上は聞かずにあたしを放っておいてくれた。
いつも強がってるところばかりを見せてた西門さんの隣で、あんな風に泣いちゃうなんて。
あの時のあたしは、どうかしてたんだと思う。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
大学を卒業後、類と美作さんは、早速海外への武者修行に出された。
ゆくゆくは日本の本社でそれなりの役職につくであろう2人。
海外でその腕を磨いて来いという親心なんだろう。
道明寺がNYで頑張っているのも、刺激になったのかもしれない。
そうやってF2が各々の決まったレールに乗って仕事を始めた頃、あたしは必死に就職活動をしていた。
それを一番近くで見ていたのが、大学院に残った西門さんだった。
まだまだ気儘な学生生活を続けたい。
西門にどっぷり浸かるのを少しでも遅くしたいという悪足掻き。
そんな言い訳をしながらあっさりと院試をパスした西門さんは、春になっても以前と変わらずVIP専用ラウンジの主として君臨し、その友人という恩恵に与ったあたしと桜子も、そこに出入りしていた。
ゼミと、就職課通いと、手応えの薄い就職活動、そしてバイト。
それの繰り返しでへロっていたあたしが、ラウンジのソファで桜子相手に就職戦線の厳しさを滔々と語っていた時、それまで素知らぬ振りしていた西門さんがぽろっと言ったんだ。
「牧野、西門の茶道資料館で新卒募集してたぞ。
お前、食いっぱぐれないようにとか言って、図書館司書と学芸員の資格取ってたろ。
試しに応募してみたらいいんじゃねえの?」
「え? そんな募集あるの?
いっぱい応募先調べたのに、全然知らなかったよ!」
「ああ、あんまり大々的に公募してないらしいからな。
普段から付き合いのある大学にしか募集かけてないんじゃないのか?
倍率低そうだし、お前、一応茶道経験もあるんだから、ま、ひょっとするとひょっとするかもな?」
そう、あたしは時々お茶のお稽古をつけてもらってる。
次期家元である、西門さんから直々に。
お稽古代は「別にタダでいいよ。つくしちゃんから儲けようとは思ってねえ。」という西門さんに、そうはいかないから出世払いにしてくれと頼み込んで、これから払うつもりでいるんだけどね。
1対1は気詰まりだから、桜子も巻き込もうと思ったんだけど、桜子のお家は昔から懇意にしている違う流派があるんだって、あっさり断られた。
だから、お稽古はいつも西門さんと2人きりだ。
「免状を貰えるまで頑張れば、履歴書にも書ける。お得だぞ!」・・・と西門さんに唆されたこともあり、細々と続けてきた。
図書館司書と学芸員の資格と、茶道の経験。
この3つが揃ってる新卒の人なんて少ないんじゃない?
狭き門かも知れないけど、これは今迄の玉砕してきた会社よりも見込み有りかも・・・?
「西門さんっ!」
「ああ?」
「その募集の詳細、どうしたら教えてもらえるのっ?」
「茶道資料館のHPに載ってるじゃねえの?
何なら俺から話通すか?」
「ううんっ! 特別扱いされたくはないから、大丈夫っ!
でもありがとねっ!」
そんな西門さんの一言で、あたしは絶好の応募先を得た。
早速HPの募集要綱を見て、エントリーシートを送ったあたし。
今思えば・・・
あれは最初から全部仕組まれていた事なんじゃないかと思ったりもするんだけど・・・
西門さんは絶対に認めないし、誰も口を割らないから、ホントのところは分からない。
トントン拍子に話は進み、ペーパーの試験は無く、個別の面接があると連絡があって、茶道資料館に足を運んだ。
2度目の面接の時、長いテーブルの向こうの真ん中に座られていた方の台詞に度胆を抜かれることとなる。
「館長の西門祥太郎です。」
そ、そのお名前は存じ上げております。
一応、末端の末端とはいえ、門下生の端くれなんです、お家元ーーーー!
途端にカッチンコッチンになったあたしに、「緊張せずとも大丈夫ですよ。」と優しく声を掛けて下さったのは、前回の面接の時にもいらした眼鏡のオジサン。
いや、この眼鏡のオジサンもきっと偉い人なんだろうけど。
西門流のTop of the topが目の前に・・・となると、多少なりともお茶を齧っている者としては普通の就職面接よりもはるかに緊張してしまった。
裏返りそうな声を必死に堪えて、受け答えしたけれど、自分が何を言ったのか記憶が定かでない・・・
ただ一番最後にお家元が「牧野さんはお茶がお好きですか?」とお尋ねになった事だけは覚えている。
あんなテンパっていた面接のどこが決め手になったのか分からないけれど。
後日、あたしは内定の連絡をもらった。
更に、人手不足なので、正式採用までアルバイトとして働きに来ないかというお話まで。
やっと就職が決まった嬉しさと、提示されたバイト代がいい時給だったこともあり、「ぜひお願いします!」とその場でお返事して、あたしは一気に色んなものから解放された。
あとは高額時給のバイトしながら、卒論を仕上げるだけ!
早速あたしは西門さんに報告の電話を掛けた。
「西門さーん! お蔭で就職決まったよー!
西門さんが教えてくれた茶道資料館のお仕事、内定もらえたの!
どうも有り難うっ!」
「へえー。よかったじゃん、つくしちゃん。
地味な仕事ばっかかもしんねえけど、子供相手の茶道体験なんかもやってるし。
そういうの、牧野向きじゃね?」
「どんなお仕事をさせてもらえるかはまだ分からないけど、正式にお勤めするまではアルバイトとして伺う事にもなったんだ。
どうぞ宜しくお願いします、次期家元!」
「ま、俺は資料館の方には顔出さねえけどな。
肩肘張らずに頑張れよ。」
「うんっ! ホントにありがとっ!」
こんなことがあって、あたしは西門流の茶道資料館に通い始めた。
司書や学芸員の資格は持っていても、実務には就いたことのないあたし。
最初は郵便物の封筒詰めやら、宛名シール貼りといった雑用や電話番から始まって。
慣れてきたら、呈茶のお客様のご案内もさせて頂くようになった。
西門さんにお茶習ってて良かったなーと、しみじみ思う日々。
3か月も通ったらすっかり資料館にも馴染めて、楽しくお仕事させてもらうようになった。
収入も安定しているという安心感があたしの気持ちを落ち着かせ、卒論もいい具合に仕上がったし。
あとは卒業式に出るだけ・・・という、心安らかな日々を送っていたある日、あたしは急に嵐に巻き込まれることになる。
__________
先日予告しました、りく様と互いの作品をリメイクし合うコラボ企画なんですけど、今夜2人同時にスタートです♪
りく様のお部屋の「契約愛人(絶賛連載中!)」を、総つくでリライトさせて頂きます。
大好きなお話なので、「いつか完結した時に、リメイクさせてねー!」とお願いしていたのですが、りく様があっさり「完結してなくても書いていいよー。」と言って下さったので、お言葉に甘えて、今回キリのいいところまで書かせて頂くことになりました。
1話目前半は、りく様の「契約愛人 1」を、きっちり踏襲させて頂いてますので、良かったら読み比べてみて下さいね。
週1ペースくらいで続きをUPしていけたらなあ・・・と思ってます。←自分に発破を掛けるために書いてみた!
また、りく様のお部屋 恋花-koibana- で始まりました、「天邪鬼」と「似た者同士」のリメイクも、どうぞお楽しみ下さいね!
あのちょっとオトナなつくしと総二郎の話を、どんな風に料理して鷹瑠璃にして頂けるのか、管理人もワクワクです♪
それにしても、齢なのかしら・・・
何だか何だか身体が思うように動かない・・・
風邪は抜けてきたのに、偏頭痛やら、胸のムカムカやら、お腹がしくしくしたり・・・
元気出ませーん!
毎日ぐってりしております。

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
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ヤダっ! ホントに困る!
ここは逃げるしかないでしょ!
「牧野サン、ちょっと待ってって!」
順平君があたしに向かって手を伸ばすのを目の端っこで捉えた。
肘の辺りにその指先が掠ったら、背筋がイヤーな感じにぞわりとして。
掴まってなるものかと、身を翻して走り出す。
低めとはいえ靴はヒールだし、タイトスカートだし、思ったように早く走れないけど、必死で逃げた。
後ろからは足音と、「牧野サンってば!」という声が追い掛けてくる。
すっかり日が暮れた夜道は、何故か人っ子一人いない。
もっと人通りのあるところに行かなきゃ。
大きな道路はどっちだっけ?
頭の中はフル回転。
でも身体はバテバテ。
息も乱れて、脚も重たくなってきた。
ああ、もうダメだ、掴まっちゃう・・・
そう思いながらも動かない脚を無理矢理前に押し出しつつ何とか走っていたら、隣に車が爆音と共に滑り込んできて、あたしの真横でキキーーーっと音を立てて止まった。
メタリックシルバーの流線型の車。
あれ? これって・・・
「牧野!」
助手席のドアがすっと開き、中からはよく知っている人の声がする。
「西門さん?!」
「早く乗れ!」
その声に導かれるように、慌てて車に乗り込んだ。
バシンと音を立ててドアを閉めた途端、一気にアクセルを踏み込んだ車はまた爆音を響かせ、更にキュキュキュとタイヤを軋ませながら走り出す。
訳も分からないまま、ドアミラーを覗き込むと、道路に立ち尽している順平君が映っていた。
「はぁ・・・ はぁ・・・ はぁ・・・」
走り過ぎて息が苦しいのを、深呼吸して何とか整えようとする。
あぁ、助かった・・・
って、あたし、何でこの車に乗ってるんだっけ?
恐る恐る運転席の方に顔を向けると、西門さんのいつも通り整った綺麗な横顔。
でもこの冷たいオーラに覆われてるってことは・・・
もしかしてちょーーーっとお怒りモード?
「ね、西門さん・・・?」
どうしてあそこを走ってたの?
何であたしを助けてくれたの?
そう聞こうとした時に逆に西門さんが質問を投げてきた。
「牧野、お前、何があったんだよ?」
そう聞かれて、さっき順平君にされたことが頭の中に一気にフラッシュバックしてきた。
言葉で説明するよりも先に、恐怖と安堵のせいで涙が溢れ出す。
ぽろぽろと涙を零していたはずが、だんだんしゃくりあげる様に泣いてしまった。
そうなると涙は止まるところを知らず、後から後から湧いてくる。
まるで子供に戻ったかのように、わんわん泣いて。
でも西門さんは、それ以上は聞かずにあたしを放っておいてくれた。
いつも強がってるところばかりを見せてた西門さんの隣で、あんな風に泣いちゃうなんて。
あの時のあたしは、どうかしてたんだと思う。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
大学を卒業後、類と美作さんは、早速海外への武者修行に出された。
ゆくゆくは日本の本社でそれなりの役職につくであろう2人。
海外でその腕を磨いて来いという親心なんだろう。
道明寺がNYで頑張っているのも、刺激になったのかもしれない。
そうやってF2が各々の決まったレールに乗って仕事を始めた頃、あたしは必死に就職活動をしていた。
それを一番近くで見ていたのが、大学院に残った西門さんだった。
まだまだ気儘な学生生活を続けたい。
西門にどっぷり浸かるのを少しでも遅くしたいという悪足掻き。
そんな言い訳をしながらあっさりと院試をパスした西門さんは、春になっても以前と変わらずVIP専用ラウンジの主として君臨し、その友人という恩恵に与ったあたしと桜子も、そこに出入りしていた。
ゼミと、就職課通いと、手応えの薄い就職活動、そしてバイト。
それの繰り返しでへロっていたあたしが、ラウンジのソファで桜子相手に就職戦線の厳しさを滔々と語っていた時、それまで素知らぬ振りしていた西門さんがぽろっと言ったんだ。
「牧野、西門の茶道資料館で新卒募集してたぞ。
お前、食いっぱぐれないようにとか言って、図書館司書と学芸員の資格取ってたろ。
試しに応募してみたらいいんじゃねえの?」
「え? そんな募集あるの?
いっぱい応募先調べたのに、全然知らなかったよ!」
「ああ、あんまり大々的に公募してないらしいからな。
普段から付き合いのある大学にしか募集かけてないんじゃないのか?
倍率低そうだし、お前、一応茶道経験もあるんだから、ま、ひょっとするとひょっとするかもな?」
そう、あたしは時々お茶のお稽古をつけてもらってる。
次期家元である、西門さんから直々に。
お稽古代は「別にタダでいいよ。つくしちゃんから儲けようとは思ってねえ。」という西門さんに、そうはいかないから出世払いにしてくれと頼み込んで、これから払うつもりでいるんだけどね。
1対1は気詰まりだから、桜子も巻き込もうと思ったんだけど、桜子のお家は昔から懇意にしている違う流派があるんだって、あっさり断られた。
だから、お稽古はいつも西門さんと2人きりだ。
「免状を貰えるまで頑張れば、履歴書にも書ける。お得だぞ!」・・・と西門さんに唆されたこともあり、細々と続けてきた。
図書館司書と学芸員の資格と、茶道の経験。
この3つが揃ってる新卒の人なんて少ないんじゃない?
狭き門かも知れないけど、これは今迄の玉砕してきた会社よりも見込み有りかも・・・?
「西門さんっ!」
「ああ?」
「その募集の詳細、どうしたら教えてもらえるのっ?」
「茶道資料館のHPに載ってるじゃねえの?
何なら俺から話通すか?」
「ううんっ! 特別扱いされたくはないから、大丈夫っ!
でもありがとねっ!」
そんな西門さんの一言で、あたしは絶好の応募先を得た。
早速HPの募集要綱を見て、エントリーシートを送ったあたし。
今思えば・・・
あれは最初から全部仕組まれていた事なんじゃないかと思ったりもするんだけど・・・
西門さんは絶対に認めないし、誰も口を割らないから、ホントのところは分からない。
トントン拍子に話は進み、ペーパーの試験は無く、個別の面接があると連絡があって、茶道資料館に足を運んだ。
2度目の面接の時、長いテーブルの向こうの真ん中に座られていた方の台詞に度胆を抜かれることとなる。
「館長の西門祥太郎です。」
そ、そのお名前は存じ上げております。
一応、末端の末端とはいえ、門下生の端くれなんです、お家元ーーーー!
途端にカッチンコッチンになったあたしに、「緊張せずとも大丈夫ですよ。」と優しく声を掛けて下さったのは、前回の面接の時にもいらした眼鏡のオジサン。
いや、この眼鏡のオジサンもきっと偉い人なんだろうけど。
西門流のTop of the topが目の前に・・・となると、多少なりともお茶を齧っている者としては普通の就職面接よりもはるかに緊張してしまった。
裏返りそうな声を必死に堪えて、受け答えしたけれど、自分が何を言ったのか記憶が定かでない・・・
ただ一番最後にお家元が「牧野さんはお茶がお好きですか?」とお尋ねになった事だけは覚えている。
あんなテンパっていた面接のどこが決め手になったのか分からないけれど。
後日、あたしは内定の連絡をもらった。
更に、人手不足なので、正式採用までアルバイトとして働きに来ないかというお話まで。
やっと就職が決まった嬉しさと、提示されたバイト代がいい時給だったこともあり、「ぜひお願いします!」とその場でお返事して、あたしは一気に色んなものから解放された。
あとは高額時給のバイトしながら、卒論を仕上げるだけ!
早速あたしは西門さんに報告の電話を掛けた。
「西門さーん! お蔭で就職決まったよー!
西門さんが教えてくれた茶道資料館のお仕事、内定もらえたの!
どうも有り難うっ!」
「へえー。よかったじゃん、つくしちゃん。
地味な仕事ばっかかもしんねえけど、子供相手の茶道体験なんかもやってるし。
そういうの、牧野向きじゃね?」
「どんなお仕事をさせてもらえるかはまだ分からないけど、正式にお勤めするまではアルバイトとして伺う事にもなったんだ。
どうぞ宜しくお願いします、次期家元!」
「ま、俺は資料館の方には顔出さねえけどな。
肩肘張らずに頑張れよ。」
「うんっ! ホントにありがとっ!」
こんなことがあって、あたしは西門流の茶道資料館に通い始めた。
司書や学芸員の資格は持っていても、実務には就いたことのないあたし。
最初は郵便物の封筒詰めやら、宛名シール貼りといった雑用や電話番から始まって。
慣れてきたら、呈茶のお客様のご案内もさせて頂くようになった。
西門さんにお茶習ってて良かったなーと、しみじみ思う日々。
3か月も通ったらすっかり資料館にも馴染めて、楽しくお仕事させてもらうようになった。
収入も安定しているという安心感があたしの気持ちを落ち着かせ、卒論もいい具合に仕上がったし。
あとは卒業式に出るだけ・・・という、心安らかな日々を送っていたある日、あたしは急に嵐に巻き込まれることになる。
__________
先日予告しました、りく様と互いの作品をリメイクし合うコラボ企画なんですけど、今夜2人同時にスタートです♪
りく様のお部屋の「契約愛人(絶賛連載中!)」を、総つくでリライトさせて頂きます。
大好きなお話なので、「いつか完結した時に、リメイクさせてねー!」とお願いしていたのですが、りく様があっさり「完結してなくても書いていいよー。」と言って下さったので、お言葉に甘えて、今回キリのいいところまで書かせて頂くことになりました。
1話目前半は、りく様の「契約愛人 1」を、きっちり踏襲させて頂いてますので、良かったら読み比べてみて下さいね。
週1ペースくらいで続きをUPしていけたらなあ・・・と思ってます。←自分に発破を掛けるために書いてみた!
また、りく様のお部屋 恋花-koibana- で始まりました、「天邪鬼」と「似た者同士」のリメイクも、どうぞお楽しみ下さいね!
あのちょっとオトナなつくしと総二郎の話を、どんな風に料理して鷹瑠璃にして頂けるのか、管理人もワクワクです♪
それにしても、齢なのかしら・・・
何だか何だか身体が思うように動かない・・・
風邪は抜けてきたのに、偏頭痛やら、胸のムカムカやら、お腹がしくしくしたり・・・
元気出ませーん!
毎日ぐってりしております。



ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
