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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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後悔先に立たず!

久々に毛色の違ったのを書きたくて!
バカップルの登場です。

__________


牧野と擦れ違った時、ふわっと鼻をくすぐったシャンプーの香りがいつもの物と違ってる事に気がついた。

はぁ?
何であいつ、あんな匂いさせてんだ?
違うシャンプー使うって事は・・・
他所でシャワー浴びてくるような事したって・・・?
いーや、あいつに限ってそんな事ある訳ねえ!
そうだよ、あいつは俺一筋で・・・
浮気なんて出来る性質じゃねえし。
他の男との逢瀬の後、何食わぬ顔して俺と一緒にいられたりするタマじゃねえ。
でも、でも・・・何でだよ?!

そっと背後から近付いて、抱き竦める。
鼻先を髪に埋めて香りを確かめるけれど、やはり全然知らない匂いだ。

「え? え? 何? どしたの?」

慌てた声の調子で、俺の腕の中でジタバタしている牧野。

何か後ろ暗いところがあるんだろうか?
それともいつも通りの牧野の過剰反応なのか?

「いや、別に。
お前、俺がいたって見向きもしねえから。
俺からお前を捕まえに来ただけ。」
「えー? だってご飯作るのはあたしの役目でしょ?
西門さんはテレビでも観て待っててよ。
ね、これじゃ危なくて包丁使えない!」
「じゃあメシは何かデリバリーでも頼めばいいんじゃねぇの?
ちょっとイチャイチャしようぜ、つ・く・しちゃん!」
「・・・早い時間からサカるなっ!このエロ門っ!」

この暴力オンナは、問答無用で、ガスっと俺の鳩尾に肘鉄を食らわせてきた。
油断していたから真面に食らってしまう。
仕方ないから、痛みを堪えながらスゴスゴとソファに引き返した。

それにしても・・・
あのシャンプー、一体どうして、どこで使ったんだ?
今日あいつは何してた?
優紀ちゃんと会ってたんじゃなくて・・・
俺の知らない裏の顔があったりするってのか?

問い質したいけれど、怖い気がする。
本当のことを知りたいけれど、知りたくない。

あー、どうしたらいい?
聞くの怖いけど、聞くしかねぇよなぁ・・・

モヤモヤした気持ちを抱えながら迎えた夕餉の時間。
牧野はいつもと変わらない。
違うシャンプーの香りをさせてる以外は!

「西門さーん、ビールでいいのー?」
「え? あ、あぁ。頼む。」
「あたしも一杯だけ頂こっと!」

ビールとグラスを運んできた牧野が向かいの席に着く。
ニコニコ笑顔で俺のグラスにビールを注いでる。
いっただっきまーす!と言って、自分で作った料理に箸を付け出した。
俺はこんな気分でメシなんか食える気がしない。

「なぁ・・・
今日お前、優紀ちゃんと会ってたのか?」
「うん。そう言ったじゃん。」
「・・・げ、元気だったか、優紀ちゃん?」
「うん、仕事忙しくしてるって言ってたけど。
あ、西門さんも会いたかった?
随分会ってないでしょー。
今度一緒に会いに行こっか?
優紀の彼氏も呼んで、4人でご飯でもさ。」

悪いけど、優紀ちゃんとその彼氏にも興味は無い。
俺が気になってんのは、お前の事だけだ!

「あ、ああ、いいんじゃねぇの。」
「うん! 今度優紀と相談しとくね!」

至っていつも通り。
俺が疑ってるような事してきたようには到底見えない。
じゃあ何でだよ?
あー、ダメだ!
気になって仕方ねえ!
やっぱ聞くしかねえ!

「お前、その髪・・・」
「え! 気付いてくれたの?」

くりくりした目を輝かせてこちらを向いて、少し食い気味に喜びの声を上げてる。

そんなバカな!
浮気してきた事を嬉々として白状するなんて。
ありえねえだろ?
何でだよ?

カーッと頭に血が上り、テーブルを掌でバンと叩いて、その場に立ち上がろうかと、身体が動きそうになった時に、牧野がつらつらと喋り出した。

「やっぱり西門さんは凄いねー!
他の人なら気付かないような事に気付いちゃうんだもん!
長さは変えたく無かったから、内側少しすいて、トリートメントして貰っただけなんだよ。
なのに分かっちゃうんだぁ。
えへへ、すっごいサラッサラなんだよ、トリートメントのお陰で。
西門さんも後でちょっと触ってみる?」

小首を傾げ、そのサラサラヘアを撫でつつ、俺に笑顔を向けてくる牧野。

「・・・トリートメント?」
「うん、ヘアサロンで使ってるのって、市販のと違うみたいで、すっごく手触り良くなるんだよね。
今夜洗っちゃうの勿体ない気がする。」
「ヘアサロン、行った・・・のか?」
「え? それに気付いてくれたんじゃないの?
優紀のお気に入りのスタイリストさんが、今日しか予約取れなかったからって、会ってた途中で、一緒に優紀の行きつけのヘアサロンに行ったの。
待ってるだけのつもりだったんだけど、シャンプーだけでもどうですか?ってお勧めされて。
ちょっと重たい気がしてたから、それならカットもお願いしちゃお!って、内側だけ切ってもらったんだー。」
「あ・・・ そう、なのか。
それでか・・・」
「なあに? 変な西門さん!」

くすっと笑いを零して、また飯を口に運び始めた牧野。
俺は張り詰めてたものが一気に弛んで、妙な感覚に襲われる。

そ、そうだよな。
こいつが俺の事裏切るなんて、ある訳ねえんだよ。
悪い、牧野!
一瞬でもお前の事疑っちまった、馬鹿な俺を許してくれ!

大声で謝ってしまいたいけど、そうする事は出来ないし・・・
代わりに一心不乱に目の前に並べられた飯を食べた。

「ご、ごめん、西門さん、お腹減ってたんだね。
もっと早くご飯にすれば良かった。
炊き込みご飯も、澄まし汁もお代わりいっぱいあるから!」

いや、違う! 違うんだ、牧野!
お前が謝る必要はねえんだよ!
俺が・・・ 俺がお前を信じ切れないばっかりに!

「うわあーーーーー!」
「な、何? 何かあった?」
「・・・メシ、お代わり・・・」
「う、うん。待ってて・・・」

怪訝な顔した牧野がキッチンに立った隙に、はあぁ・・・と深い溜息を吐き出した。
自己嫌悪で、床をのたうち回りたい衝動に駆られる。

ダメだ・・・
俺は自分を許せねえよ・・・
何で俺は牧野を疑ったりしたんだ?
馬鹿だ!
何て馬鹿なんだ、俺は!!!

斯くして俺は飯を食い過ぎ、罪悪感から杯を重ね、深酔いし・・・
翌朝、最悪な気分で目覚める事になるのだった。


__________



「fake」を書き終わって、暫く封印していたおバカな2人を書きたくなって!
って、これはおバカなのは総二郎だけですけどね。
精々反省するがいいわ!
違うシャンプーの匂いがするのは、他所でシャワー使う時とは限らないのよっ!
自分の経験を元に考えるから、こんな事になるのよねぇ。
皆様もおバカな総二郎を鼻でふふんと笑ってやって下さいませ。

「fake」完結にあたり、沢山のコメント、有り難うございます!
なるべく早くお返事出来るように頑張りますので、少々お待ち下さい!


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