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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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punishment 前編

久々にバカップルのお話を。


__________



こいつが畳み掛けるように話す時は、テンパってる時。
そして大抵ロクでも無い事を口走る。
だけど・・・
今日の話は笑って聞き流せないものだった!


「あ、のさ・・・
あたし、赤ちゃんが・・・欲しい・・・んだけど。
ダメかな?
ダメだよね?
でもね、あたし絶対西門さんに迷惑掛けないで育ててみせるし!
認知してくれ!とか言わないし!
色々調べたんだけど、子供産むなら、やっぱり早い方がいいんだって!
あたしも体力あるうちに産みたいし、子供にとっても、若いママの方がいいじゃない?」
「おい、ちょっと待て。」

こいつは何を言ってる?
俺との子供が欲しいけど、俺には種付けだけやらせて、蚊帳の外だあ?
ったく、ふーざけんな!
そんな事させねえよ!
させるわきゃねーだろ!

「や、あの、そりゃ西門さん、ダメって言うと思うけど・・・
でもさ! あたしもあたしなりに考えたのよ!
どうするのが一番いいかなー?って。
シングルマザーなんてさ、子供に肩身の狭い思いさせちゃうかも知れないし。
お父さんいない寂しさ、味あわせる事になっちゃう。
分かってるよ。こんなの自分の我が儘だって。
でも、でも、あたし、生まれて来る子を絶対に幸せにするって約束する!
あたしがお父さん役とお母さん役やって、その子に2倍の愛情注ぐから!
だから・・・」

こいつ、ホント、バッカじゃねえ?
俺と2人で子供育てるって、丸っきり考えらんないのな。
俺が、はい、そうですかっつって、ヤリ逃げするような男だと思ってんのね。
ったく、俺を見くびり過ぎだろ。

「へえーーーーー、つくしちゃんが父親と母親の二役ねえ。」
「そ、そう! あたし頑張るから!
お金の事だって迷惑掛けない!
今迄のボーナス、全部貯金してるし。
会社、育休しっかり取らせて貰えるの。
その間もお給料通常の8割貰えるって話だから、ちゃんとやって行ける!
安心して欲しいの!」
「はあ? お前、パパさんがまた失業したー!なんて事になったらどうする訳?
つくしー!って泣き付いてきたら、その貯金渡しちまうんじゃねえの?
何てったって、義理人情に厚いつくしちゃんの事ですから。」
「そ、そ、それは・・・
家族は大事だけど。
あたしにとってもっと大事なのは生まれて来る赤ちゃんだもん!
どんな事しても守ってみせるし、パパとママにもちゃんと話して、分かってもらうから!
子供の為のお金には手を付けたりしない!」

何なんだ、その甘い人生設計は。
あのパパさんはきっとまた仕事クビになる日が来るし。
それにあっさり手を差し伸べるお前がいるはずだろうが。
とんでもないお人好しのくせして。
バカだ。この女はホントにバカだ。

ちろりと流し目を送ってやると、頬を真っ赤に染めつつ、上目遣いで俺を睨んでくる。
唇は何か言いたげにちょっと尖ってるし。
眉毛は八の字に下がって、しょぼくれた子犬みたいだ。
つい笑い出しそうなのを、ぐっと堪える。

「ふうん、つくしちゃんは覚悟がある訳だ?」
「う、うんっ! あたし、独りで物凄ーく考えたんだよ、これでも。
だって、だって・・・
子供産むなら好きな人の子供が欲しいじゃない・・・
西門さんとあたしは住む世界が違うから、一緒にいられないけど。
でもさ、独りじゃなくって、大好きな人の子供と一緒なら、あたし、この先西門さんと一緒にいられなくても、絶対に幸せな気持ちで生きていけるから。
その子からもらう幸せと同じくらい大きな幸せ、あたしもその子にあげられるように、それをあたしの使命にするって決めたの!
だから、だから、お願いしますっ!」

テーブルに額をぶつけんばかりの勢いで頭を下げてるから、牧野の旋毛が露わになった。
指先でそこをつんと突いてやりたくなる。
まあ、突いたとて、旋毛のツボは百会だから、コイツが更に元気になってしまうだけだけど。

はあ・・・
腹立つな、全く。
百歩譲って『住む世界が違う』云々のところは、目を瞑るにしても。
それでも、俺の事、全然要らないってところに腹が立つ。
普通、好きになった男がいたら「貴方がいなきゃ生きていけない!」みたいになるだろ。
それがコイツの場合、「貴方はいなくても子供さえいれば!」だもんな。
ホントに俺の事が好きなのか?
赤ん坊が欲しいだけじゃねえの?って疑いたくなる。
うーん、どうやって懲らしめてやろうか?

とりあえず目の前の旋毛を拳骨でぐりぐりっと押して、「いたたっ!」という声を引き出してから、態と盛大な溜息を吐き出した。

「考えといてやるよ。」
「えっ? ホント?」

お前をガッツリ懲らしめる方法をな。
そんな目をキラキラさせて、期待を込めてこっちを見てるお前の度胆を抜くようなヤツ。

「簡単に答え出せるような話じゃねえだろ。」
「そ、そうだよね。
ゆっくりご検討下さいっ!
宜しくお願いしますっ!」

ご検討って・・・
あー、あー、バカにつける薬はねえ。
ゆっくり、じっくり、考えてやるよ。
お前があっと驚くような結末をさ。
俺を見くびった罰だからな!

本当は今夜だって牧野の部屋に入り浸って、思う存分牧野との甘い夜の時間を堪能して・・・と思っていたのだが。
SEX=種付け!みたいな図式が俺の頭の中に浮かび上がってしまうようになったから、何となく手を出しにくくなり・・・
翌朝から仕事が忙しい振りをして、牧野の部屋を後にしたのだった。


__________



音沙汰なしで申し訳ないです。
怒涛の日々を送っております。
師走・・・
センセイじゃなくてオバサンも走り回ります・・・

クリスマスSS、ちょっとくすっと笑えるようなネタを・・・とずっと思っていたのですが。
つくしが暴走してますね(苦笑)
前編はクリスマスよりちょっと前のお話で。
これに続く後編がクリスマスシーンになりますので、もう1話お付き合い下さいませ!
ギリギリ24日のうちにUPです!

花男アプリが終わりましてね・・・
ちょっと抜け殻になっております。
2年と5か月、毎日やってたものが無くなったのよ!
正直寂しいー(;_;)
もう乙ゲーはやらない事にしました。
まあ、時間もないからいいんだけどさ。
花男以外にあんなにのめり込める気がしません!


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punishment 中編

クリスマスは終わってしまいましたが・・・
やっとクリスマスイヴのシーンです(^_^;)


__________



あのバカ女に、二度とあんな下らない事を考えさせない為に、俺は計画を練った。
それはもう綿密に。
抜かりなく手配して、その日を迎える事となった。

ぐうの音も出ないくらい、コテンパンにしてやろうじゃないか。
俺と離れてもいいなんて思ったあいつへの罰だ、これは。
後悔したってもう遅い。
逃げらんねえぞ、牧野!


12月24日、クリスマスイヴ。
牧野曰く、ここ日本においては、子供から大人まで、チキンとケーキを食べて、プレゼント交換をするイベントデー・・・らしい。
計画の第一弾はこの日に決行する。
牧野には一緒に出掛けようと、行き先を告げずに誘っておいた。
多分、どこかのレストランにメシを食いに行くとでも思ってるんだろう。
これからあいつが鳩が豆鉄砲を食ったような顔して驚くところが見られると思ったら、どうしても笑いが堪え切れない。
迎えに行く車の後部座席で、笑い声を押し殺しつつ、肩を震わせていた。
ちょっとめかし込んだ牧野を車に載せ、着いた先は、こじんまりした礼拝堂だ。

「え? 何で教会?」
「んーーー? 何でだと思う?」
「そうやって、質問に質問で返すの、ズルイ。
あたしが聞いてるのに。」
「今夜はここででクリスマスイヴ礼拝があるらしいぜ。
パイプオルガンの調べが見事なんだとよ。
そういうのって、クリスマスっぽいんだろ?」
「えー、すごーい! 聞いてみたい!
あたし、一度もそういうの行ったことないの。」

暢気に笑って、ご機嫌に冷え込んでいる夜の小径を礼拝堂の方に向かって歩き出してる。

このお人好しめ。
いくら時間限定とはいえ、クリスマスイヴの夜の礼拝堂を無理言って貸切にしてる事を知らないもんな。
足を踏み入れてから、口をあんぐり開けてるところが目に浮かぶぜ。

礼拝堂の正面のステンドグラスからは柔らかな灯りが零れている。
重厚な木製の扉の向こうに何が待ち受けているのか、牧野が絶句するまであと1分。

「ね、入っていいのかな?
礼拝の途中で、ご迷惑だったりしない?」

ここまで来ておいて、そんな事を心配している。
左腕に嵌めている腕時計に目を遣る。
俺の計算通り、予定時刻ぴったりだ。

「いや、大丈夫だ。
丁度いい時間だから。」
「そうなの? じゃ、入ろっか?」

えいっ!と小さく掛け声を漏らしながら、重たい扉の取っ手を引っ張ってるから、俺がぐいとそれを引いて、牧野の背中をそっと押した。
一歩、二歩・・・と中を進んでいくにつれて、鈍感なこいつでも違和感を感じたらしい。
キョロキョロと彼方此方に視線を走らせ、その後、俺の方に振り返った。

「ねえ、西門さん・・・」

牧野の呟きをかき消すように、パイプオルガンの調べが始まった。
だけどこれはクリスマスを祝うための曲じゃない。
結婚行進曲だ。
きょとんとしている牧野の手を引いて、真っ白なカーペットが敷かれたバージンロードを歩いて行く。

「え? え? え?」
「つくしちゃん、覚悟あるんだろ?」
「ねえ、どういう事っ?」
「だーかーらー、俺の子供を産む覚悟、あるんだろ?
だったら、腹くくれ。
もう牧師様の前に着いちまうから。」
「や、ちょっと、あたし・・・」

あれよあれよという間に祭壇の前に辿り着いた。
サンタクロースならぬ牧師様が、にこやかに俺達を待ち受ける。
慌てた牧野が逃げ出さぬよう、繋いだ牧野の右手をぎゅうっと握り締めた。

「先輩っ! おめでとうございます!」
「さ、桜子・・・?」

突然姿を現した桜子に面食らっている牧野。
そんな牧野に桜子はふわりとヴェールを被せていく。

「ねえ、これって一体・・・」

俺は素知らぬ振りをして、前を向き、牧師様に準備が整った旨を目配せした。

「それでは皆様、ご起立下さい。
ご一緒に讃美歌を斉唱いたしましょう。」

皆様・・・と言っても、俺達2人の他に、桜子と和也、そしてあきらと類しか参列者がいない堂内。
そこに荘厳なパイプオルガンの調べが流れ始める。
だけど、この女に落ち着いて讃美歌を歌えと言うのは無理な話だ。
左を向いて、「桜子っ? どういう事なのっ?」と小声で問い質し。
今度は右側の席に立っているあきらと類に「ねえ、助けてよっ!花沢類ー! 美作さーん!」と泣きついたけど、あっさり流されたらしい。
類はにっこり笑って手を振り、あきらは口パクで「諦めろ、牧野。」とでも告げているんだろう。
あいつらに助けを求めるのをあきらめたのか、今度は俺の脇腹を肘で突いてくる。

「何してくれちゃってんのよ?
あたしが言ってたのはこういう事じゃないんだけど!
あたし、結婚したいなんて言ってないじゃん!」

ったく、煩いオンナだな。
もう後戻りなんて出来ねえんだ。
っつーか、俺がさせないけどな。
そろそろ現状を理解して、受け入れろよ。

左側から突き刺さるように送られてくる抗議の視線。
それを斜め上から受け止めて、ニヤリと笑ってみせる。
人差し指を唇に当てて、『静かにしろよ』とジェスチャーで示した。
途端に困り顔になった牧野。
もしかして泣き出すのかもしれないと思う程に、情けなーい表情を浮かべている。

あーあ、好きな男と結婚できるって分かった場面で、こんな顔するのは、世界中探してもお前だけだって。
何で素直に喜べないかねえ?
『あたし、西門さんと結婚できるの?』って、目を輝かせてみろよ。
それとも、これを、単なるロールプレイだとでも思ってんのか?

牧師が聖書の中の、愛の教えを朗読し、結婚とは、人を愛する事とは・・・と説いているけれど、牧野の頭には全く入っていない気がする。
繋いだ牧野の右手と俺の左手。
牧野の気持ちを宥めようと、親指で何度も手の甲を優しく撫でた。

お前はさ、子供さえいれば、俺は要らないって言ってた。
だけどそれは強がりだろ?
俺がお前を離せないように、お前だって俺が必要な筈だ。
だって、その証拠に、お前は俺の手を振り切ってこの場から逃げ出そうとしないじゃねえか。
大声を出して、式をストップさせたりもしない。
本当は、お前だって望んでる筈なんだ。
この先の人生を共にする事を。

「西門総二郎。
あなたは、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

左隣の牧野を見下ろす。
本気なの?と黒目がちな瞳が聞いてくるから、そっと笑い掛けてから前を向いた。

「はい、誓います。」

俺の声がしんとしている堂内に響く。

「牧野つくし。
あなたは、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

なあ牧野、応えてくれよ。
俺達、同じ気持ちだろ?

「・・・・・・はい、誓います。」

牧野の事を信じていたけれど。
それでもやはり安堵の溜息をそっと吐き出す。
ほんの一言の言葉がもたらす大きな幸せに、心がどんどん満たされていくのが分かる。
牧野を懲らしめようと考えた事だったと言うのに、結果、自分の求めていたものを手にする事になるとは。
いや、本当はずっと俺が望んでいたのだ。
未来を共に歩む事を。

ゆっくりとヴェールを上げる。
俺を見詰める牧野の瞳はうるうると濡れていて。
それを認めるだけで、胸がぎゅっと絞られるような感覚に襲われた。
ああ、俺はこの目に弱いんだ・・・と再認識しながら、唇を寄せていく。

誓いのキスは優しく甘く・・・なんて思ってんだろ?
皆の前で披露するには濃厚過ぎるようなのをお見舞いしてやるよ。
それがお前にとってのお仕置きだ。
顔を真っ赤にして恥ずかしがればいいさ。
俺がどれだけお前の事愛してるか思い知れ!

牧野をガッチリホールドして、蕩けるような誓いのキスをした。


__________



うー、クリスマス終わっちゃいましたが、クリスマスシーンをお届けしています。
総二郎からのお仕置き(?)、もうちょっとあるんですよね。
あと1話、お付き合い下さいませ!


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punishment 後編

クリスマスイヴに、親しい友人たちに見守られながら挙式をして。
まだ互いの両親に挨拶に行っていない故に、この事は暫く秘密にしないといけないから、その後、ホテルのスイートルームで6人だけの細やかなパーティーをした。
皆に祝われても、まだ信じられない・・・と言った体でぼんやりしている牧野。
思いもよらない事が起こった時、人はこんなにも思考が停止しているものなのか?
新婚初夜を邪魔するな!と、ベッドルームに入り込もうとしていた類や、朝まで居座ろうとしていた桜子を撃退し、日付が変わる頃、やっと2人きりになった。
ソファに身体を埋めて、そこに牧野を呼び寄せる。
すっぽりと背中から抱き締めながら、耳元に唇を寄せた。

「やっと帰ったな、あいつら。」
「うん・・・」
「何だよ、疲れたのか?」
「ううん・・・」
「じゃあもっと幸せそうにしろよ。
お前、さっき結婚式してきた人間には見えないぜ。」
「だって・・・」
「だって?」
「ホントに、ホントなの?
西門さん、あたしと結婚するの?
それじゃ困るんでしょう?
あたしじゃ西門さんちのお嫁さんなんて務まらないもん。」

やっぱりそれか。
ずっとそれを引け目に感じつつ、俺の隣にいたんだもんな。
でも俺も、好きでもない家柄だけの女と結婚するなんてご免なんだ。
一緒に人生を共にするなら、愛し愛される相手がいい。
いや、そうじゃなきゃ駄目なんだって、お前といるようになってやっと分かったんだ。

「んーーー、じゃあ、家出るか?
兄貴って前例があるから、何とかなるだろ。
全部を修に押し付けてさ。」
「やっ! そんなのダメっ!
修三郎くんに申し訳ないし。
第一、西門さんはそれでいいの?
次期家元になるんだって思ってやって来た10年が無駄になっちゃうよ!
お茶、好きでしょう?
家を出たいなんて思ってないでしょ?
あたしの為に、そんな事しないで!」
「じゃあ、お前が西門に入るしか道はないだろ。
まあ、お袋に絞られる事になるだろうけど、つくしちゃんの雑草魂をもってすりゃ、乗り越えられるんじゃね?
勿論俺も助けるし。」

サラサラと零れる黒髪を掬い取ってキスを落とす。
肝心の牧野は、アリエナイ・・・とか、シンジラレナイ・・・とかブツブツ呟いてるけど。
いい加減目を覚ませよな!

「じゃ、折角の新婚初夜ですから。
子作りでもするとしますか!
俺の子供、欲しいんだろ、つくしちゃん?」
「いや、ちょっと、今それどころじゃないってば。」
「バカ、お前。
このシチュエーションでヤらずに寝るヤツはいねえだろうが!
クリスマスイヴ、結婚式、スイートルーム、2人きり。
舞台は整った!」

そう言って、ソファに押し倒す。
だけど両手を突っ張って俺を押し戻そうとしている牧野に阻まれた。

「ちょっと待ってよ、西門さんっ!」
「待てねえよ。やっとお前を俺だけのものに出来たっつーのに、指くわえて見てるだけなんて拷問だろうが。」
「だって、だって・・・」
「お前、さっきからだってばっかりだな。」
「だって・・・」
「つくし。」

牧野がびくりと身体を震わせる。
初めて牧野の事を『つくし』と呼んだから。

「つくし、愛してる。
苦労掛けると思うけど、俺と一緒になってくれ。」

そうだった。
プロポーズって手順をすっ飛ばしてた。
計画を知られる訳にいかなかったからな。

「本気・・・なの?」
「俺を信じろ。」

そう言ったら、ぶわりと牧野の瞳に涙が浮んで、零れ落ちんばかりになる。
俺はそんな牧野をしっかりとこの胸に抱き締めた。



普通新婚初夜の後はハネムーンと決まっているんじゃないか?
しかし、我が花嫁・牧野つくしはというと、翌朝目を覚ますと、絶対に仕事に行く!とホテルの部屋を飛び出していった。
まあ、年末年始は俺も仕事が忙しいから、ハネムーンなんて無理な話だ。
それにしたって余韻も何もあったもんじゃない。
独りきりにされたベッドの上でついつい、はははと苦笑する。

責任感とか義務感をごっそり背負ってる女に、余韻なんて求めても無駄だとは分かってたけど。
ホント自覚ねえな、アイツ。
これからの自分の立場、嫌でも分かってもらわねえと。
やっぱり計画第二弾も実行しないとなぁ。

目を白黒させて、キョドってる牧野を夢想する。
想像するだけで楽しくて、今度は独りでに顔がにやけてしまう。
次の計画実行は3日後。
牧野の誕生日だ!


12月28日。
牧野の24歳の誕生日。
仕事納めの日だから、職場の片付けと掃除と挨拶だけで、昼頃に解放されるらしい。
それならば午後は一緒に過ごそうと、会社の近くまで車で迎えに行った。
メシを食おうと連れて行ったのは、先頃リニューアルオープンした、メープル・ザ・タワーの南欧料理のレストラン。
食い物に弱い牧野。
開放的な景色の個室でフルコースのランチをたっぷりと食べさせて、油断させる。
あれだけ食べたのに、『Joyeux anniversaire!』と書かれたデザートプレートがやって来ると、それもぺろりと食べてしまった。
残念ながら、普通の誕生日はここまで。
これからは怒涛の半日がやって来る。

「今日、お前誕生日だろ?
折角だから記念に写真撮ってもらおうぜ。」
「えー? いいよ、いいよ、そんな事しなくって。」
「俺がしたいんだよ。
これからはお前の誕生日毎に記念写真撮る事にしようぜ。
だって俺達、家族になるんだから。」

飛び切り甘ーい声音と、流し目で、牧野の頬がぽっと色付くのを認めて嬉しくなる。

「う、うん、じゃあ、そうしようか・・・?」

ちょろい! ちょろいぜ!
お前って、ホント俺のこういうとこ、好きだよなあ。
まあ、それを知ってて使ってる俺はスゲー悪いヤツだけど。

恥ずかしそうにしつつも、それでも嬉しそうにしている牧野を誘って、連れて行ったのはとある部屋。

「え? 写真撮るんじゃないの?」
「その前に綺麗にしてもらわないとなー。
ヘアメイク、頼んどいた。」

中にはメープルのスタッフが5人ばかり控えている。

「西門様、牧野様、本日はおめでとうございます。」
「あ、有り難うございます・・・」

誕生日を祝われていると思い込んでる牧野をスタッフに託し、俺も別の部屋で着替えをする。

黒五つ紋付き羽織袴。
牧野にこれを着ている意味が分かんのか?
いや、多分分かんねえだろ。
「あ、西門さんも和装なんだー。」って位で。
因みに牧野の振袖の柄は束ね熨斗だ。
地の色はあいつが青が好きだからと、濃紺を選んだ。
これを俺がずっと前から用意してたなんて、気付かねえよなあ・・・

1時間程経った頃、準備が出来たと連絡が来て、俺は牧野の部屋に入った。
綺麗に髪を結い上げられ、いつもより大人っぽくメイクされた牧野がいる。
次は振袖だ。
これは他の誰にも任せない。
俺の手だけで着せてやりたかった。
2人きりでいる時間なんて、今迄も幾らでもあったというのに、着付けをしているこの時は妙に気恥ずかしい気がする。
牧野もそうなのか、何の言葉も発せずに、少し頰を赤らめながらされるがままになっていた。
帯を結び終わり、最後に帯揚げと帯締めを整えて、牧野を姿見の前に立たせた。
鏡の中の牧野を一緒に見詰める。
落ち着きがある色合いながら、銀通しの生地が輝いて、華やかに牧野を彩る。
我ながらいいチョイスだったと頬が緩んだ。

「ねえ、これ高かったんじゃない?
お写真1枚撮る位なら、あたしレンタルで良かったんだけど・・・」
「何言ってんだよ、折角の誕生日だろ?
俺の選んだ着物着てろ。」
「・・・ありがと、西門さん。」

はにかみながら、上目遣いで礼を言う牧野。
それが可愛くて、今すぐ抱き締めて、口付けを贈りたいところだが・・・
これから始まる『牧野を驚かせる仕掛け』の為にも、口紅を落としてしまうようなことは出来やしない。
手を差し伸べて、繋ぐだけで良しとした。

「よし、じゃあ、行くか!」
「うん。」

まだ記念写真を撮ると信じている牧野と、手を携えてメープルの廊下を歩く。
行き先はホテル内の写真館なんかじゃないんだが。

スタッフに案内されて、とあるドアの前に立つ。
中の騒めきがこちらにも伝わって来る。
途端に牧野の顔色が変わった。

「ねえ、ちょっと! 何企んでんの?」
「だから、写真撮ってもらうんだろ?」
「そういう感じじゃないじゃん!
またあたしの事騙したの?」
「騙すなんて人聞き悪いな。
俺は嘘なんか吐いちゃいないぜ。」

肝心な事は話してないけどな。

パチリとウインクを送っても、牧野の憤慨した顔は解れない。

あーあ、お前、その顔でこの部屋入ったら、全国的な笑い者だぜ?
引き攣っててもいいから、笑ってろって。

マイクを通した司会者の声が俺達の耳に届く。

「大変長らくお待たせいたしました。
只今より、西門流次期家元・西門総二郎の、結婚ご報告会見を始めさせて頂きたいと思います。」

まだ俺を睨み付けてる牧野の蟀谷あたりにチュッと小さなキスをひとつ。

「つくし。」
「・・・・・・何よ?」
「お前は俺の事だけ見て、笑ってればそれでいいから。
行くぞ。」

バンケットホールのドアが開けられ、中からスポットライトが照らされる。
それと同時に、バシャバシャとシャッター音が鳴り出した。

なあ、これ、お前にとって最大の罰ゲームみたいなもんだろ?
元カレの経営するホテルのバンケットで、人目に晒されるって。
でもこうする事で、道明寺との関係が良好で、更にお前をバックアップしてくれるって、世間に印象付けられるし。
実は既に話は通してある西門の煩型達にも、これ以上の文句を言わせないで、結婚認めさせるって事も出来るんだ。
一石二鳥なんだよ。
もしかして、これって、初めての共同作業ってヤツか?

俺は今、愛想笑いじゃなくて、本当に内から滲み出てくる笑いを浮かべてる。
牧野の手を引いて、2人の未来を確かなものにすべく、バンケット内へと足を踏み出した。


__________



総二郎のもう一つのお仕置き(?)は、記者会見でした!
それはそれは、流暢に喋り倒す総二郎が頭の中に浮かんできます。
クリスマスイヴの結婚式からの、つくしの誕生日の記者会見でございました!
何とかつく誕に滑り込めましたよう。
最終話、お祝いという事もあり、ちょっと増量しておきました。
お楽しみ頂ければ幸いです。

年内、時間があれば書きかけのアレやらコレやらを更新したいのですが・・・
まだ大掃除も終わらず、年賀状は買ってきただけの状態でして。
先行きはヒジョーに不透明です。
何とかどこかでコメ返だけでもさせて頂いて、年を越したいな・・・と思っているのですが。
兎に角、ガンバリマス・・・

ひとつお知らせです!
お友達・りく様(恋花-koibana-)がこの12月でBlog開設6周年を迎えられました!
パチパチパチパチー!
という訳で、お祝いに拙いながらもお話を贈らせて頂きました。
鷹瑠璃のお話で全4話になります。
今現在3話目までUPして頂いてます。
ご興味ありましたら、是非そちらもお訪ね頂ければと思います!
「溜息を微笑みに変えて」 1話目2話目3話目 です!
宜しくお願い致しますm(__)m


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