久々にバカップルのお話を。
__________
こいつが畳み掛けるように話す時は、テンパってる時。
そして大抵ロクでも無い事を口走る。
だけど・・・
今日の話は笑って聞き流せないものだった!
「あ、のさ・・・
あたし、赤ちゃんが・・・欲しい・・・んだけど。
ダメかな?
ダメだよね?
でもね、あたし絶対西門さんに迷惑掛けないで育ててみせるし!
認知してくれ!とか言わないし!
色々調べたんだけど、子供産むなら、やっぱり早い方がいいんだって!
あたしも体力あるうちに産みたいし、子供にとっても、若いママの方がいいじゃない?」
「おい、ちょっと待て。」
こいつは何を言ってる?
俺との子供が欲しいけど、俺には種付けだけやらせて、蚊帳の外だあ?
ったく、ふーざけんな!
そんな事させねえよ!
させるわきゃねーだろ!
「や、あの、そりゃ西門さん、ダメって言うと思うけど・・・
でもさ! あたしもあたしなりに考えたのよ!
どうするのが一番いいかなー?って。
シングルマザーなんてさ、子供に肩身の狭い思いさせちゃうかも知れないし。
お父さんいない寂しさ、味あわせる事になっちゃう。
分かってるよ。こんなの自分の我が儘だって。
でも、でも、あたし、生まれて来る子を絶対に幸せにするって約束する!
あたしがお父さん役とお母さん役やって、その子に2倍の愛情注ぐから!
だから・・・」
こいつ、ホント、バッカじゃねえ?
俺と2人で子供育てるって、丸っきり考えらんないのな。
俺が、はい、そうですかっつって、ヤリ逃げするような男だと思ってんのね。
ったく、俺を見くびり過ぎだろ。
「へえーーーーー、つくしちゃんが父親と母親の二役ねえ。」
「そ、そう! あたし頑張るから!
お金の事だって迷惑掛けない!
今迄のボーナス、全部貯金してるし。
会社、育休しっかり取らせて貰えるの。
その間もお給料通常の8割貰えるって話だから、ちゃんとやって行ける!
安心して欲しいの!」
「はあ? お前、パパさんがまた失業したー!なんて事になったらどうする訳?
つくしー!って泣き付いてきたら、その貯金渡しちまうんじゃねえの?
何てったって、義理人情に厚いつくしちゃんの事ですから。」
「そ、そ、それは・・・
家族は大事だけど。
あたしにとってもっと大事なのは生まれて来る赤ちゃんだもん!
どんな事しても守ってみせるし、パパとママにもちゃんと話して、分かってもらうから!
子供の為のお金には手を付けたりしない!」
何なんだ、その甘い人生設計は。
あのパパさんはきっとまた仕事クビになる日が来るし。
それにあっさり手を差し伸べるお前がいるはずだろうが。
とんでもないお人好しのくせして。
バカだ。この女はホントにバカだ。
ちろりと流し目を送ってやると、頬を真っ赤に染めつつ、上目遣いで俺を睨んでくる。
唇は何か言いたげにちょっと尖ってるし。
眉毛は八の字に下がって、しょぼくれた子犬みたいだ。
つい笑い出しそうなのを、ぐっと堪える。
「ふうん、つくしちゃんは覚悟がある訳だ?」
「う、うんっ! あたし、独りで物凄ーく考えたんだよ、これでも。
だって、だって・・・
子供産むなら好きな人の子供が欲しいじゃない・・・
西門さんとあたしは住む世界が違うから、一緒にいられないけど。
でもさ、独りじゃなくって、大好きな人の子供と一緒なら、あたし、この先西門さんと一緒にいられなくても、絶対に幸せな気持ちで生きていけるから。
その子からもらう幸せと同じくらい大きな幸せ、あたしもその子にあげられるように、それをあたしの使命にするって決めたの!
だから、だから、お願いしますっ!」
テーブルに額をぶつけんばかりの勢いで頭を下げてるから、牧野の旋毛が露わになった。
指先でそこをつんと突いてやりたくなる。
まあ、突いたとて、旋毛のツボは百会だから、コイツが更に元気になってしまうだけだけど。
はあ・・・
腹立つな、全く。
百歩譲って『住む世界が違う』云々のところは、目を瞑るにしても。
それでも、俺の事、全然要らないってところに腹が立つ。
普通、好きになった男がいたら「貴方がいなきゃ生きていけない!」みたいになるだろ。
それがコイツの場合、「貴方はいなくても子供さえいれば!」だもんな。
ホントに俺の事が好きなのか?
赤ん坊が欲しいだけじゃねえの?って疑いたくなる。
うーん、どうやって懲らしめてやろうか?
とりあえず目の前の旋毛を拳骨でぐりぐりっと押して、「いたたっ!」という声を引き出してから、態と盛大な溜息を吐き出した。
「考えといてやるよ。」
「えっ? ホント?」
お前をガッツリ懲らしめる方法をな。
そんな目をキラキラさせて、期待を込めてこっちを見てるお前の度胆を抜くようなヤツ。
「簡単に答え出せるような話じゃねえだろ。」
「そ、そうだよね。
ゆっくりご検討下さいっ!
宜しくお願いしますっ!」
ご検討って・・・
あー、あー、バカにつける薬はねえ。
ゆっくり、じっくり、考えてやるよ。
お前があっと驚くような結末をさ。
俺を見くびった罰だからな!
本当は今夜だって牧野の部屋に入り浸って、思う存分牧野との甘い夜の時間を堪能して・・・と思っていたのだが。
SEX=種付け!みたいな図式が俺の頭の中に浮かび上がってしまうようになったから、何となく手を出しにくくなり・・・
翌朝から仕事が忙しい振りをして、牧野の部屋を後にしたのだった。
__________
音沙汰なしで申し訳ないです。
怒涛の日々を送っております。
師走・・・
センセイじゃなくてオバサンも走り回ります・・・
クリスマスSS、ちょっとくすっと笑えるようなネタを・・・とずっと思っていたのですが。
つくしが暴走してますね(苦笑)
前編はクリスマスよりちょっと前のお話で。
これに続く後編がクリスマスシーンになりますので、もう1話お付き合い下さいませ!
ギリギリ24日のうちにUPです!
花男アプリが終わりましてね・・・
ちょっと抜け殻になっております。
2年と5か月、毎日やってたものが無くなったのよ!
正直寂しいー(;_;)
もう乙ゲーはやらない事にしました。
まあ、時間もないからいいんだけどさ。
花男以外にあんなにのめり込める気がしません!

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
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こいつが畳み掛けるように話す時は、テンパってる時。
そして大抵ロクでも無い事を口走る。
だけど・・・
今日の話は笑って聞き流せないものだった!
「あ、のさ・・・
あたし、赤ちゃんが・・・欲しい・・・んだけど。
ダメかな?
ダメだよね?
でもね、あたし絶対西門さんに迷惑掛けないで育ててみせるし!
認知してくれ!とか言わないし!
色々調べたんだけど、子供産むなら、やっぱり早い方がいいんだって!
あたしも体力あるうちに産みたいし、子供にとっても、若いママの方がいいじゃない?」
「おい、ちょっと待て。」
こいつは何を言ってる?
俺との子供が欲しいけど、俺には種付けだけやらせて、蚊帳の外だあ?
ったく、ふーざけんな!
そんな事させねえよ!
させるわきゃねーだろ!
「や、あの、そりゃ西門さん、ダメって言うと思うけど・・・
でもさ! あたしもあたしなりに考えたのよ!
どうするのが一番いいかなー?って。
シングルマザーなんてさ、子供に肩身の狭い思いさせちゃうかも知れないし。
お父さんいない寂しさ、味あわせる事になっちゃう。
分かってるよ。こんなの自分の我が儘だって。
でも、でも、あたし、生まれて来る子を絶対に幸せにするって約束する!
あたしがお父さん役とお母さん役やって、その子に2倍の愛情注ぐから!
だから・・・」
こいつ、ホント、バッカじゃねえ?
俺と2人で子供育てるって、丸っきり考えらんないのな。
俺が、はい、そうですかっつって、ヤリ逃げするような男だと思ってんのね。
ったく、俺を見くびり過ぎだろ。
「へえーーーーー、つくしちゃんが父親と母親の二役ねえ。」
「そ、そう! あたし頑張るから!
お金の事だって迷惑掛けない!
今迄のボーナス、全部貯金してるし。
会社、育休しっかり取らせて貰えるの。
その間もお給料通常の8割貰えるって話だから、ちゃんとやって行ける!
安心して欲しいの!」
「はあ? お前、パパさんがまた失業したー!なんて事になったらどうする訳?
つくしー!って泣き付いてきたら、その貯金渡しちまうんじゃねえの?
何てったって、義理人情に厚いつくしちゃんの事ですから。」
「そ、そ、それは・・・
家族は大事だけど。
あたしにとってもっと大事なのは生まれて来る赤ちゃんだもん!
どんな事しても守ってみせるし、パパとママにもちゃんと話して、分かってもらうから!
子供の為のお金には手を付けたりしない!」
何なんだ、その甘い人生設計は。
あのパパさんはきっとまた仕事クビになる日が来るし。
それにあっさり手を差し伸べるお前がいるはずだろうが。
とんでもないお人好しのくせして。
バカだ。この女はホントにバカだ。
ちろりと流し目を送ってやると、頬を真っ赤に染めつつ、上目遣いで俺を睨んでくる。
唇は何か言いたげにちょっと尖ってるし。
眉毛は八の字に下がって、しょぼくれた子犬みたいだ。
つい笑い出しそうなのを、ぐっと堪える。
「ふうん、つくしちゃんは覚悟がある訳だ?」
「う、うんっ! あたし、独りで物凄ーく考えたんだよ、これでも。
だって、だって・・・
子供産むなら好きな人の子供が欲しいじゃない・・・
西門さんとあたしは住む世界が違うから、一緒にいられないけど。
でもさ、独りじゃなくって、大好きな人の子供と一緒なら、あたし、この先西門さんと一緒にいられなくても、絶対に幸せな気持ちで生きていけるから。
その子からもらう幸せと同じくらい大きな幸せ、あたしもその子にあげられるように、それをあたしの使命にするって決めたの!
だから、だから、お願いしますっ!」
テーブルに額をぶつけんばかりの勢いで頭を下げてるから、牧野の旋毛が露わになった。
指先でそこをつんと突いてやりたくなる。
まあ、突いたとて、旋毛のツボは百会だから、コイツが更に元気になってしまうだけだけど。
はあ・・・
腹立つな、全く。
百歩譲って『住む世界が違う』云々のところは、目を瞑るにしても。
それでも、俺の事、全然要らないってところに腹が立つ。
普通、好きになった男がいたら「貴方がいなきゃ生きていけない!」みたいになるだろ。
それがコイツの場合、「貴方はいなくても子供さえいれば!」だもんな。
ホントに俺の事が好きなのか?
赤ん坊が欲しいだけじゃねえの?って疑いたくなる。
うーん、どうやって懲らしめてやろうか?
とりあえず目の前の旋毛を拳骨でぐりぐりっと押して、「いたたっ!」という声を引き出してから、態と盛大な溜息を吐き出した。
「考えといてやるよ。」
「えっ? ホント?」
お前をガッツリ懲らしめる方法をな。
そんな目をキラキラさせて、期待を込めてこっちを見てるお前の度胆を抜くようなヤツ。
「簡単に答え出せるような話じゃねえだろ。」
「そ、そうだよね。
ゆっくりご検討下さいっ!
宜しくお願いしますっ!」
ご検討って・・・
あー、あー、バカにつける薬はねえ。
ゆっくり、じっくり、考えてやるよ。
お前があっと驚くような結末をさ。
俺を見くびった罰だからな!
本当は今夜だって牧野の部屋に入り浸って、思う存分牧野との甘い夜の時間を堪能して・・・と思っていたのだが。
SEX=種付け!みたいな図式が俺の頭の中に浮かび上がってしまうようになったから、何となく手を出しにくくなり・・・
翌朝から仕事が忙しい振りをして、牧野の部屋を後にしたのだった。
__________
音沙汰なしで申し訳ないです。
怒涛の日々を送っております。
師走・・・
センセイじゃなくてオバサンも走り回ります・・・
クリスマスSS、ちょっとくすっと笑えるようなネタを・・・とずっと思っていたのですが。
つくしが暴走してますね(苦笑)
前編はクリスマスよりちょっと前のお話で。
これに続く後編がクリスマスシーンになりますので、もう1話お付き合い下さいませ!
ギリギリ24日のうちにUPです!
花男アプリが終わりましてね・・・
ちょっと抜け殻になっております。
2年と5か月、毎日やってたものが無くなったのよ!
正直寂しいー(;_;)
もう乙ゲーはやらない事にしました。
まあ、時間もないからいいんだけどさ。
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