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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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焼き餅焼くとて手を焼くな! 前編

本日4月23日で、拙宅は開設から4年を迎えることとなりましたー!
ここまでやってこれたのも、読んで下さる皆様あっての事です。
いつも有り難うございます!
細やかながらそのお礼を・・・と思い、4周年記念プチイベントとしてSSをUPしていきます!
今夜はその一夜目。
大学生の2人です。


__________



この頃西門さんがちょーーーっとウザいんだよね・・・
しょっちゅうあたしがバイトしてるファミレスの一番奥の角の席に独りで陣取って、睨みきかせてんの。
そんな事されると、気になって仕事もしにくいんですけど!
バイトの間に何も危ない事とかある訳ないじゃん!
「いらっしゃいませー!」ってお客さん案内して、オーダー取って、お料理運ぶ、食器片づける、そしてレジ打ち。
で、「ありがとーございましたー!」ってお辞儀する仕事。
お店の中は夜でも煌々と灯りが点いてるし、他にも何人もスタッフいるし。
それのどこを見張ってなきゃなんないのよ?
過保護すぎるんだっつーの!
あたし、子供じゃないんだから。
言っちゃあなんだけどね、世間の風には、箱入り息子のお坊ちゃま達より当たってるわよ、あたしは。
なんてったって、ビンボー暇無し。
高校時代から熟して来たバイトの数々。
このファミレスのバイトだって、高校の時から続けてるから、『チーフ』なんて肩書まで付いてんの、あたしは。
役職手当、たったの時給30円UPだけど!
だから、何の問題も無くやれるに決まってるのに・・・
うーん、あの人、かなりメンドクサイっ!

お客さんが帰られたテーブルの食器を片付けて、手早く拭いて、メニューをセットして・・・という作業をしていたら、他のバイトの子から耳打ちされた。

「牧野さーん、あちらの奥の37番テーブルのお客様が、牧野さんに来て欲しいって仰ってるんですけど・・・」
「・・・はい、すぐ行きます。」

37番テーブル。
それは西門さんが気に入ってる奥の席の事だ。

ファミレスのオーダーにウェイトレスの指名とかないから!
コードレスチャイム押したら、手の空いてる近くのスタッフがそのテーブルに行くの!
全くもうっ!
あたしの仕事の邪魔しないでよー!

溜息吐きつつ、西門さんが座ってる席に向かった。
変装のつもりなのか、キャップを目深に被ってシートに座ってる姿が見えてくる。
この仕事、愛想笑いが付き物だけど、ついつい不機嫌な顔になってしまった。

「・・・お待たせ致しました。
ご注文お伺いします。」
「つくしちゃん、その仏頂面、酷くねえ?
お客様にはスマイル、スマイルだろ?
お前、他の客にはヘラヘラしてるくせに、何で俺んとこ来る時だけそんな顔してるんだよ?」
「いいから、さっさとオーダーして!
あたし、仕事中なんだからいちいち呼び出さないでよ。
っていうか、もうバイト先に来ないで!
そもそも西門さんの口に合う物なんか、この店にはないでしょ!」

小声で訴えてみても、暖簾に腕押し、糠に釘。
あたしの小言なんか痛くも痒くもないらしい。

「まあな。つくしちゃん、ここのグラスワイン飲んだことあるか?
渋くて酸味が強くて、香りが全然無い。
まだ飲み頃になってねえんだよ。
よくこんなの客に出せる・・・」
「ちょ、止めてっ!
他の人に聞こえる!
それを飲んでるお客さんもいるんだから。
営業妨害で叩き出すよっ!」
「オイオイ、お客様を叩き出すとか、穏やかじゃねえなあ。
とりあえず、ビールお代わりね。
それからこの生ハムチーズ添えっつーのも。」
「それもどうせ食べない癖に・・・ 残したら勿体ないとは思わないの?」
「あぁ? 何か言ったか?」
「いーえ! ご注文承りました。少々お待ち下さいっ。」

聞こえよがしに大きな溜息を吐き出してから、その場を離れる。

何でこうなっちゃうのかなー?
そんなに暇でもないだろうに・・・
あたしと一緒にいない時、他の女の子と遊んでないってのはこれで実証されてるけど。
どうにもこうにも、やりにくいったらありゃしない!



何故だか、あたしと西門さんは恋人同士だ。
いや、最初はあたしも全然信じてなかったよ。
だって、あの遊び人の西門総二郎だよ?
あたしの事、いっつも鉄パン!とか、勤労処女!とか言って揶揄って、ゲラゲラ笑ってた西門さんだもん。
あたしの事、好きになる・・・なんて思わないじゃん!
口説かれたって、悪い冗談としか思えない。
だってだって、あたし、西門さん好みの綺麗なお姉さんじゃないし。
一般庶民・・・よりもぐっとビンボーな部類の雑草女だし。
噛み合う訳ないじゃん!
友達としてはいいよ。
いい所だっていっぱい知ってる。
でもさあ、男としてはサイテーでしょ、西門さんって。
毎晩のように好きでもない女の人と色々イタしちゃってたんだよ?
その女の人とも3回ベッドを共にしたらサヨウナラとか言ってさ!
誠意の欠片もない。
そんな馬鹿な事繰り返すようになったのは、名門のお坊っちゃまながらの複雑な事情があるってのは分かっていても、自分がその相手になりたいだなんて、一度も思った事なかったんだもん。
そりゃそりゃ、大いに疑ったし、何度も何度も断った。
なのに、どーしても西門さんは全然引かなくて・・・
類や美作さんにも、「そろそろ諦めて付き合ってやったら?」なんて言われる始末。
挙句の果てに、ご両親の前に引っ立てられて、お付き合いするお許しまで取り付けちゃったもんだから・・・
いつの間にか絆されちゃった・・・のかな?
気が付いたら、2人でいるようになってた。
あたしって女は、もしかしたら押しに弱いタイプなのかもしれない。


__________



88888拍手キリ番で頂いたキリリクのお話です(大変お待たせ致しました!)。
ちょっと束縛気味な総二郎(苦笑)
つくしはぐいぐい来られると弱いタイプの人ですよねー。
かと言って、類みたいに優しく包んでくれてるだけだと、お友達で終わっちゃうし。
やっぱり思いっ切りぶつかって押し切るしかないのか!
まだまだお付き合いし始めたばかりの2人。
もう一歩踏み込むにはどうしたらいいのか?
頑張れ、頑張れ、総二郎~♪
続きは25日0時更新予定です!


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焼き餅焼くとて手を焼くな! 中編

Blog開設4周年のプチイベント開催中です!
第三夜目の今夜は管理人のお話の続きです。


__________



牧野の馬鹿め。
何だってあいつはあんなにガードが緩いんだよ?
世の中誰もが善人って訳じゃないんだ。
もうちょっと警戒心持てよ!
バイト先のファミレス。
あそこはホントに許し難い所だ。
まずあの制服。
一見すると清楚そうな雰囲気だけど、スカートがちょっと短いんだよ!
脚随分見えてるし、お辞儀すると裾が上がって太腿まで露わになる。
あの馬鹿女、全然気にしてないみたいだけど、世の中の男達ってのはそういうのを見てるんだぜ?
胸が強調されるようなブラウスのデザインも非常に気に食わない。
ああ、あいつはそんなに胸ねえよ。
それはこの俺が一番よく知ってる。
だけど、あの制服越しの中身を不特定多数の男に想像されるのは、猛烈に腹立たしい。
兎に角ファミレスっていうのは女子供だけじゃなく、色んな客が来るのがダメだ。
中には牧野目当ての常連客のオヤジまでいやがる。
あいつが相手構わず愛想笑いして接客してるから、勘違いしたりする男が現れるんだよ!
あと、一緒に働いてる奴等も要注意だ。
あのメガネの神経質そうな店長は妻子持ちだというからいいとして。
牧野と同じ様に夕方からのシフトに入ってる大学生と高校生の男共。
さり気無さを装って、軽くボディタッチしていたり、ワザとらしく身体を寄せて耳打ちしたりしているのを何度も見てる。
この分じゃ、バックヤードで何されてるか、分かったもんじゃない。
あいつ、ホントに鈍感だからな。
そして、そういうことをされてしまう大きな原因が、俺と付き合ってるってのをここの連中に隠してるって事だ!

「や、だって、あたしと西門さんじゃ釣り合ってないし、バレると騒がれるばっかりじゃない?
あたしも学んだのよ。
隠れてコソコソ付き合うのなんてイヤ!って昔は思ってたけどさ。
あたしと西門さんの事は、ホントに知っててもらいたい友達だけに分かってもらえてればいいのよ。
他の人には態々知らせる必要無いもの。
関係ない人にまで教えて、逆にあれこれ言われるくらいなら、黙っとけばいいって気付いたの!
ね、だから、あたし達が付き合ってるってのは、F3と桜子と滋さんと優紀以外には内緒にして!
お願い、お願い、お願いっ!」

牧野の気持ちは分からないでもない所はある。
司と付き合ってた時、あいつは相当嫌な思いをしたんだろう。
司の母親も酷かったし。
英徳内でのいじめもあった。
マスコミやら、道明寺のSPに追い掛けられたりしたこともある。
雑草魂でそれらを撥ね付けているように見えていたけど、そりゃあそんな事ないに越したことはない。
司の元カノで、類が唯一心を開いてる女。
あきらに妹同然に可愛がられてる存在。
更に俺の恋人だ・・・と世間に知られたら、また何を言われるか分かったもんじゃない!というのがあいつの危惧するところだろ。
だってこれじゃそれぞれ形は違えど、天下のF4が全員牧野が好き!って事になっちまう。
いや、まあ、ホントの事だけど。
4人の中でも一番有り得なさそうな俺の恋人の座に納まったと知られたら、あちこちで大いに騒がれるだろう事は明白だ。
最悪またマスコミにまで取り上げられる?

『西門流次期家元に新恋人!
親友の彼女との略奪愛』

なんて書かれたりして。
勿論略奪愛なんかじゃねえけどな。
司と牧野はとっくのとうに別れてるんだし。
そもそもあの曲がったことが大嫌いな雑草女が、二股なんて出来る訳ねえ。
独りになった寂しさを振り切って、明るく前向きに自分の道を歩き出した牧野が、前よりいっそう眩しくて。
そのせいか、俺の目がおかしくなっちまったんだよ。
何故だかふとした瞬間にふわっと表情を和らげる牧野がとっても可愛く見えたり、『西門さんっ!』て言いながらこちらに振り向く時、キラキラと小さな星を振り撒いてるかのように見えたり。
それが恋だと自分自身が認めるのにも暫しの時間を要したが・・・
あの鉄パン処女を口説き落とすのには更に相当な忍耐を強いられた。
その為に俺はそれまで使っていたプライベート携帯を牧野の目前で解約し、女の名前は、牧野と、桜子と、滋と、優紀ちゃんしか登録していない新しい電話を用意したりまでして。
それでもまだ俺を疑って止まない牧野を信用させるために、邸に連れていって、家元と家元夫人もとい親父とお袋に引き合わせた。

「牧野つくしさんと言います。
将来も考えて付き合っていきたいと思っています。
彼女は何の後ろ盾もない、一般の家庭の出ですが、それでも俺にとっては大事な人です。
お許しいただけるとは思ってませんが・・・」
「あら、どうしてそう思っているの、総二郎さんは?
ねえ、あなた?
総二郎さんが私達にこうやって女の方を紹介してくれる日が来るなんて・・・
永遠に来ないのかと思ってましたわ。
だから私、本当に嬉しい・・・」

口元に手を当てて親父の方を向き、顔を綻ばせているお袋に、黙ってはいるが口角がちょっと上がっている親父。

え? 嘘だろ?
こんなにあっさりこの難関を突破できるなんて思ってなかったぜ?
大反対されて、家を出る、出ないのすったもんだになって、それでも牧野への想いを貫く俺・・・というのをこいつに思いっ切り見せつける筈だったんだけど。
一体どうなってんだ?

「牧野さん、これから総二郎さんの事、宜しくお願いしますね。」

そう言って頭を下げたお袋に、慌てふためいた牧野が、

「え、いや、あの、そんな! お顔を上げて下さい、お母様!」

なんて言うもんだから、お袋の妙なテンションに拍車がかかる。

「あらー、お母様だなんて! 何だかもうお嫁さんが来てくれたみたい。
男の子3人兄弟の家でしょう。
だから私、ずっと気の合うお嫁さんが来てくれる日を心待ちにしていたんですの。」
「あ、あの、スミマセン!
あたし、そんなつもりじゃ!」
「牧野さん・・・ いえ、違うわね。
つくしさん!
これからは総二郎さんだけではなく、私とも仲良くして下さいね。」
「え? そ、そんな、畏れ多いです・・・」

何だ、これ?
マジか?

舞い上がってるお袋は置いといて、親父の気持ちを探ろうと、目を細めてじーっと見詰めてみると、それに気付いた親父はふんと鼻を鳴らして小さく笑った。

「・・・いいのかよ?」
「華乃がこう言っているんだ。
いいも悪いもないだろう。」
「どっかのお嬢を娶らなくてもいいのか?」
「この家を取り仕切っているのは華乃だ。
その華乃がこんなに喜んでいるのに、それを止める事など。
それに、華乃がそれを許すのは何故だと思う?」

首を傾げる俺に、悪戯っぽい笑みを浮かべた親父が告げる。

「初めてお前の本音を聞けたからだよ。
今迄私達両親に、お前が本当の想いを打ち明けた事など一度も無かった。
それを許さなかった私達がいたのも事実だ。
だが、華乃はお前がいつか心を開いてくれたら・・・と願ってたんだろう。」
「あなた!およしになって!
私、恥ずかしいわ。」
「そして、そんな風に総二郎を変えたのは、きっとこの牧野さんなんだろう。
牧野さん、私からも・・・
総二郎を宜しく頼みます。」

牧野に向かって親父が頭を下げる。

「こ、こ、こちらこそ、宜しくお願いしますっ!」

牧野が座卓に額をぶつけんばかりに頭をぶん!と下げたから・・・
俺も苦笑いしながら、ゆるりと座卓の向こう側の親父とお袋に頭を下げる。

図らずも、親父とお袋に、俺の気持ちがマジだって証明してもらえちまったな。
それにきっと牧野は深く考えずに喋ってるんだろうけど。
牧野の言葉は俺と結婚前提のお付き合いをします!と宣言してるも同然。
どうにも愉快だ。

顔がにやけてくのを止められない。
大きなハードルを2ついっぺんに飛び越えられて、俺は頗る上機嫌だった。


__________



西門家にあっさり受け入れられちゃう、庶民のつくし。
うん、いや、まあ、多分あり得ないけど!
これ、妄想だから、いいよね?(笑)
続きは27日の0時更新予定です!


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焼き餅焼くとて手を焼くな! 後編

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第五夜は管理人のお話。
初々しいつくしと、焦れてる総二郎、後編です。


__________



西門家という最大の難関をあっさりと突破し、俺達はとうとう付き合い始めた。
でも、他にも難題はあったんだ。
兎に角、牧野が初心すぎる。
一応数か月とはいえ、昔司と付き合ってたんだぜ。
何の経験もない訳じゃないだろ?
ま、牧野がまだ鉄パン穿いてるってのは俺ら皆が知ってはいたけど。
ちょっと抱き寄せても、ぎゃっ!とか言って身体ガッチガチに強張らせてるし。
キスしようと顔近付けたら、顔真っ赤にして後ろに飛び退ってく。
隣を歩いてる時に、さり気無く腰に手を回したら、ひゃあっ!と叫んで急に地面に蹲った。
俺は一体どうすりゃいいんだよ?
最終的に、まずは手を繋いで歩くところからのスタートとなった。
手を繋ぐって・・・
幼稚園児ぐらいのレベルじゃね?
それも指と指を絡ませての恋人繋ぎでもない!
牧野が小さい手で、俺の人差し指と中指だけをきゅっと握ってんの。
俺・・・ こんな事したことねえよ。
逆に無茶苦茶恥ずかしい気持ちになるのは何でだ?

そして、人前では恋人同士なのを隠したい・・・という牧野の希望も気に食わない。
英徳内で過ごす時も、他の奴等の目がない俺達専用ラウンジ以外では、隣に立つのを許してくれない。
今迄通り、牧野は類やあきらや桜子と並んで歩いてて、俺はその後ろを付いてくだけ。
車に乗せる時は、スモーク貼りの運転手付きの車の時だけ隣に座ってくれるけど、俺が運転する車の助手席には乗りたくない!という徹底ぶりだ。
類やあきらの車の助手席には乗ってるんだから、俺の車に乗ったって同じだろうが!と言いたいところだけど。
牧野の上目遣いの「お願いっ!」を食らうと、俺は言葉をググッと飲み込んでしまう。

英徳内では牧野は俺らと同じぐらい顔バレしてるし、しょっちゅう俺らといるから、牧野に手を出そうなんて事を考える奴は現れないけれど、バイト先では「恋人なんか何年もいません!」と言い続けてるから、牧野に言い寄る男共が絶えない訳で。
まあ、この鈍感過ぎる女には、それも全く通じていないのが唯一の救いだ。
仕方がないから、時間がある日には、牧野を迎えに行くのを兼ねて、バイト中の牧野を見守ることにした。

それにしても、夜のファミレスってところは、何だってこんなに騒がしいんだ?
そして、何を食べてもうーん・・・と唸ってしまう料理の数々。
牧野の庶民メシの方がはるかに美味い。
仕方ないから、いつもビールを飲みながら牧野が仕事を終えるのを待っている俺。
我ながら健気だと思う。
これが惚れた弱みってやつなんだろうか?

また同僚バイトの男が、牧野に不必要に近付いてる。
仕事中に何だってそんなに顔と顔を近づけて話しなきゃなんねえんだよ?
フツーに距離取って、フツーに喋りやがれ!
その手で牧野の肩を掴むな!
ブラウス越しだとしても触っていい訳ねえんだよ!
そいつは俺の女なんだ!

握り拳をテーブルに振り下ろしたいのを何とか堪えつつ歯噛みする。
あと30分。
あと30分で牧野の勤務時間は終わる。
着替えて裏口から出てくる牧野を車に乗せて、やっと俺達は2人きりになれる!
いや、運転手いるから、ホントは車内には3人だけど・・・
兎に角、後30分の我慢だ!

やっとバイトが終わる時間。
俺は一足先に店を出て、裏口から牧野が出てくるのを少し離れた駐車場で待っていた。

「お疲れ様でしたー。」
「お疲れでーす。」
「お疲れっしたー。」

帰りの挨拶をしている声が漏れ聞こえてくる。
同じ時間帯で働いていた数人のバイト仲間と一緒に、やっと牧野が現れた。
店の中から零れてくる光で、あいつがにこやかに笑いながら挨拶している様子が暗がりの中に浮かび上がる。

挨拶なんかそこそこにして、さっさと俺んとこに駆け寄って来いよ!
俺、ずっと待ってんだから!
お前だって知ってる癖に!

じりじりとしながら車の横に立っているのに、あいつはバイト仲間と話しつつ、ダラダラと歩いてる。
とうとう我慢しきれなくなった俺は、車から離れて、牧野の方に向かって歩きながら名前を呼んだ。

「牧野!」

人々の視線がこちらにさーっと集まる。

「牧野さん、知り合い?」
「あの人、ずっと端っこの席でキャップ被ってたお客さんだよな?
この頃よく見かけるけど・・・
もしかして・・・ 牧野ちゃん、付き纏われたりしてるんじゃねーの?」
「え? 違う違う、そんなんじゃないの!」
「つくしちゃんのストーカー?
だったら隠さないでそう言って。
俺らが護ってあげるよ!」
「あ、あの、ストーカーなんかじゃないの!
大丈夫! あたし、大丈夫だから!
皆さん、お疲れ様でした!」

・・・何で俺がストーカーなんだよ?
俺はその女の恋人だ!
親公認で付き合ってんだよ。
ホントなら世界中に知らしめたいとこなのに、そいつがヤダっつーから、堪えてんだ。
ふざけた事言ってんじゃねえぞ!

慌ててこちらに駆け出そうとした牧野の手を1人の男が捕えて、それを阻んでる。

「つくしちゃん、あいつ、ストーカーなんだろ?
ダメだよ、行ったりしたら!
危ないって!」
「や、ホントに違うんだってば!
大学の先輩がお店に来てくれて、あたしが上がるの待っててくれただけなの!」

牧野がその手を振りほどこうにも、全然放さない男。
それを見たら、怒りがぐわーっと湧いてきた。
俺の忍耐力もこれまでだ!
ずっと被ってたキャップをもぎ取って、ポケットにぐいと突っ込む。
そして奴らの前に進み出た。

「おい、その手を放せ。」
「な、なんだよ!」
「に、西門さん、ちょっと待って!」
「散々待ったんだ。もう待たねえよ。
なあ、聞こえなかったか?
お・れ・の・オ・ン・ナ・か・ら・手・を・は・な・せ!」
「あーーーあ・・・・・・。」

がっくりと項垂れる馬鹿牧野。
隠し事なんかしてるからこういうややこしいことになるんだよ!

驚いて突っ立ってる男から、牧野を奪還する。
これ見よがしにぎゅうっと抱き締めながら、牧野の頭越しに男共に薄くニヤリと笑って話し掛けた。

「コイツ、俺の女だから。
ちょっかい出そうなんて思うなよ。」
「や、ちょっと、放してっ!
皆見てるでしょっ!」

俺の腕の中でジタバタ暴れてる牧野。
でも逃がしゃしねえ!
皆見てるって・・・ 見せつけてるんだよ、バーカ!

ぽかーんとこっちを見ていたバイト仲間達の中の女子が騒ぎ始めた。

「ね、ねえ、私この人、テレビで見た事ある気がする・・・」
「え? 芸能人? チョーカッコイイけど。」
「えっと、えっと、何だっけ・・・?
この前ワイドショーで・・・
あ、分かった! F4の西門総二郎だ!」
「F4って、あのお金持ちイケメン4人組の?」
「えー? ウソー? そんな人が牧野さんの彼氏なの?」

そ。俺がカッコよくて、イケメンで、お金持ちの、F4の西門総二郎。
ただ残念なのは、この俺の腕の中でもがいてる恋人にとっちゃ、それが全く意味がないってトコ。

女の子の方に視線を投げて、ふっと表情を緩めて、お愛想程度に微笑んでやる。
途端に「キャー!」と黄色い声が上がった。
ボケーっと突っ立てる、牧野に馴れ馴れしくしてた男達に最後の一言を。

「コイツとは、仕事仲間として宜しくな。
でも、それ以上の付き合いはお断りだから。
そのつもりでいてくれ。
ほら、そろそろ帰るぞ、つくしちゃん!」
「はーなーせー、西門っ!
つくしちゃんって言うなー!」

半ば牧野を持ち上げるようにして歩かせて、車の中に押し込めた。
走り始めた車の中で、牧野ががなり立ててる。

「あんたねーーーーー! 何してくれんのよっ!
あたし、明日からあの店で働き辛くなっちゃったじゃないのよ!
内緒にしてって言ったのにー!
西門さんのバカーーーーー!」
「バカはお前だろ?
あんな男共に気軽に身体触らせたり、顔寄せ合ったりしやがって!
お前には警戒心ってもんがないのか?
男は皆狼なんだよ!」
「・・・・・っ! 誰もが皆西門さんみたいに女の人に手を出そうって考えてる訳じゃないんだからっ!
皆、一緒に働く仲間でしょーが!」
「お前、鈍感過ぎて男の下心見抜けねえんだよ!
いい加減気付け!」

こんなに牧野が大切だって想いの丈をぶつけたくて。
他の男なんかに近寄られたり、触られるのが耐え難くて。
自分の気持ちを言葉ではうまく伝えられないから、思い余って牧野を抱き締めた。

「なあ、俺を不安にさせんなよ・・・」

小さな声で耳元に俺の本音をそっと響かせる。
すると、牧野がぴたりと動きを止めて、静かになった。
俺の気持ちがやっと伝わった!かと、胸がじん・・・と温かいもので満たされたその瞬間・・・
俺の鳩尾に牧野の拳が撃ち込まれ、油断しきっていた俺は不覚にもまともに食らってしまった。

「おま・・・ 何すんだよ・・・」
「人前であたしに抱きつくなー!」

俺の腕から抜け出して、顔を真っ赤にした牧野が怒鳴ってる。

ああ、俺達の恋路は前途多難だ・・・
最大の難関は、西門の家なんかじゃねえ。
牧野だよ。


__________



『大学生のつくしちゃんが、西門さんとつきあっているのを隠しているためバイト先でもてまくっていて、それに気づかずにいるつくしちゃんにメラメラする・・・』というお題をキリリクで頂きました。
うーん、お題通りに書けたのかはビミョーですが、お楽しみ頂けていたら幸いです。
つくしとの恋。
健気ながらも、焼き餅焼き過ぎて痛い目にあう総二郎でした!

さてさて、明日からGWスタートですね!
皆様、どちらかへお出掛けになるのでしょうか?
管理人、めちゃめちゃブラックな会社に勤めてますが、なんと!GWは9連休でーす!
ま、これ終わったら夏休みまでまとまった休み無しですけどね・・・
因みに9日中、予定がある日は今のところ2日だけです。
基本的に家の開かずの間の片付けをするよぉ・・・


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