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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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失恋には男薬 前編

Blog開設4周年のプチイベント開催中!
第七夜は恋に破れたつくしの登場です。


__________



結婚しようと思っていた。
いや、絶対にこの人と結婚するんだと思ってた。
互いの両親にも挨拶して。
彼氏のご実家にも何度も遊びに行かせてもらって、お母様とも仲良くなった。
ご実家にお泊りさせてもらう時は、一緒にキッチンに立ってお料理するくらい。
そんな時いつも「あー、こいつに何でもやらせて。」という彼氏の台詞に、ちょっとした引っ掛かりを感じたりもしていたけれど。
お家にお邪魔して挨拶しても、碌に目も合わせて下さらないお父様の亭主関白っぷりを見ていたから、彼氏の態度もそういうお家に育っているせいなのかと思って、自分を納得させていた。
新婚旅行はハワイがいい!というあたしの希望を聞いて、それならば結婚式も向こうで・・・なんて彼氏が言ってくれて。
リゾートウェディングのパンフレットを捲り夢を描く幸せな日々。
だけど、彼氏が転勤になった事から、それまでなんとか合わせていた歯車が段々合わなくなっていった。
電車で2時間という微妙な距離。
今迄のように仕事の後には気軽に会えなくなった。
金曜日の夜、急いで仕事を終えて、晩ご飯の材料を買い込んで駆け付ける彼氏の部屋。
だけどそれも仕事が繁忙期に入れば出来ない訳で。
「ごめん、今日も仕事終わらない!今夜は行けない・・・」なんて連絡を入れる度に、そっけない返事が返って来る。
そのうち「金曜日は来なくてもいいよ、会社の奴等と飲みに行くから。」と言われ、土曜日だけ泊りに行くようになったけれど。
今度は彼が土曜出勤になって、部屋で独り掃除と洗濯をしてあげる、まるで家政婦さんのような状況になった。
これがあたしが鈍感・・・と言われる所以で。
普通の人ならここに女の人の影を感じるんだろうけど、彼を信じ切っていたものだから、「土曜日までお仕事大変だなぁ、せめて美味しいご飯作って待ってよう!」なんていそいそと買い物して、晩御飯を作って待ってたバカなあたし。
そんな週末が何度も過ぎていって。
とある土曜日に目撃したのだ。
電車に揺られてやっと辿り着いた彼が住む街の駅ビルで、彼が他の女の子と私服姿で、仲睦まじく腕組みして歩いているのを。

今日も仕事だって言ってたじゃない。
スーツは何処いったの?
部屋に帰ってくるときはいつもスーツ着てるのに。
もしかして、その子と別れた後に着替えて部屋に戻って来るつもり?

でも、こんな姿見つけてまで彼を信じられる程、あたしもお人好しじゃない。
その場から踵を返して駅の中へと引き返した。
そしてそのまま、2時間かけて自分の住む街へと戻る。

今思えば、気になる事は多々あったのだ。
だけど彼氏を信じたいって思ったから、敢えて無視してきたんだと思う。
だってあたし達結婚するんだから。
この先ずっと一緒にいられるんだから。
そう思って、自分を誤魔化して来たけれど・・・
金曜日のアフター5も土曜日も全然会えなくなったし、彼氏からあたしに会いに来ることも無くなってたのは、紛れもない事実。
ガタンゴトンと電車に揺られながら、独りであれこれ考えるうちに、もう誤魔化しがきかない所に辿り着いてしまったのだ・・・とやっと分かった。

その夜、彼氏から、「何で今日来てないんだよ?」と電話があったけれど、明確な言葉を返せない。
今日目撃したことを話すことすら面倒に思えてしまって。
「ちょっと具合悪いからゴメン。」とだけ告げて電話を切る。
彼氏からもそれ以上「大丈夫か?」とか「俺がそっち行こうか?」なんて言ってきたりもせず、その週末は終わってしまった。
次の週末の前に決着をつけてしまわないと、また連絡が来てしまうのかと思うと、気持ちはどんどん重たくなる。
でも今はもう会いたくもないし、声も聞きたくない・・・と思い、短い手紙を書き送ることにした。
果たしてちゃんと読んでくれるかも怪しい・・・と思ったので、彼氏との関係を断ち切るべく、携帯電話の番号を変えようと思い付く。
急な出費と、友達に新しい電話番号を知らせる手間はかかったけれど、新しい携帯電話を手に入れたあたしの気持ちは、少しスッキリした部分があった。
F3と桜子にも連絡を入れると、遠くの国にいる筈の類からはすぐに折り返しの電話があった。

「牧野、電話変えたんだ?」
「うん、ちょっと、心機一転したくて。」
「ふうん・・・ あんた、元気なの?」
「え? あ、うん、元気にしてるよ。
類こそ、忙しくて身体壊してない?
そっち寒いんでしょ、テレビで見たよ、春なのに寒波って。」
「バカみたいに寒い・・・
早く日本帰りたいよ。もうヤダ。」
「そんな子供みたいな事言わないで、頑張って!」
「ヤダよ、頑張らない。
あんたはいつも頑張り過ぎ。
適当に力抜いていかないと持たないよ。
俺はあんたに笑ってて欲しい。
ねえ、牧野、今笑えてる?」
「・・・どうかな?」

流石、類。鋭い所を突いてくる。
類相手に嘘も吐けなくて、言葉を濁したあたしに、なるべく早く日本に戻れるようにする・・・と優しく囁いて、通話は終わった。

西門さんからは「了解!」という至極あっさりしたメッセージが届いた。
美作さんからは「登録変更したよ。態々連絡ありがとな。」という気遣いの人らしい言葉を貰う。
その一方、桜子からは厳しい尋問をされた。
仕事終わりに呼び出されたお洒落なレストラン。
そこで待ち構えていた桜子は、興味津々な目つきだ。
そして最初から核心を突いてくる。

「先輩、彼氏さんとお別れになったんじゃありません?」
「・・・何でそう思うのよ?」
「携帯電話の機種変更されただけなら、新しい電話をお持ちになりたかったんだなって思いますけど。
番号を変えられるって言うのには、それなりの理由があるものなんです。
どうなんですか?」

桜子に隠し事したって隠し通せない。
それならさっさと素直に白状してしまった方が楽だ。

「まあ、そう・・・かな。
他の女の子と歩いてるの見ちゃって。
それまで気付かないようにしてた違和感を一気に感じちゃったんだよねー。」
「そこまでされないと浮気されてることを感じられないって、本当に先輩は鈍感ですよねえ。
私なんて他の方に他所見した途端にピンときますわよ。
まあ、他所見なんかさせませんけどね。」

そう言いながらふわりと髪を揺らした桜子は、本当に狙った獲物は逃がさない女豹のように、キラーンと瞳を輝かせてる。

「でも、良かったんじゃございませんこと?
私、あの彼氏さん、ちょっと苦手だったんです。
先輩が彼氏さんの前ではどこか遠慮してるような気がして。
女は男を立てるもの・・・なんて古いですよ。
今時、殿方が自分のパートナーを輝かせるように引き立て役に回るべきなんです。
先輩には、きっともっと先輩という地味な花でもそれなりに美しく咲かせて下さるような器の男性が必要なんですわ。」
「桜子・・・ 励ましてるつもり? それともあたしを貶してるの?」
「私はいつだって先輩のお味方ですわ。
ご存知でしょう?
先輩の気持ちが落ち着かれたら、男性とのお食事会にでもお誘いしますわね。」
「えー? いいよ、いいよ、そういうのは・・・
桜子セレクトの男の人と、あたしが合う気がしないもん。」
「失礼ですわねー、私の篩にかけられた男性は、それなりのステイタスをお持ちの優良物件ばかりなんですから。
安心してお付き合いして頂けますよ。」
「いや、逆にあたしと釣り合わなくて、付き合いにくいし、そんな人・・・」
「まあ、失恋には日にち薬って言いますからね。
暫く時間を置いて、お気持ちが変わった頃、お声掛けしますから。」
「だから、いいんだってば、あたしは・・・」
「まあまあ、今日は美味しいお食事と、美味しいお酒でお口直ししましょうよ!」

桜子が小首を傾げてにっこり微笑むと、そこに控えていたギャルソンが恭しくワインを運んでくる。
ワイングラスが満たされ、ヒラメのカルパッチョはカラフルなソースが掛かっていて、とても美味しそうに目に映った。
フルーティーな白ワインはキリリと冷えていて、すいすい口の中に消えていく。
「おっいしー、これ!」
「そうなんですよ、こちらのシャトーのボルドーブラン、本当にお薦めなんです。
先輩、今度の夏のお休みにでもヨーロッパへワインを楽しむ旅に行きませんこと?」
「そんなお金ないもん。」
「花沢さんにでもお願いしたら、連れて行って下さるんじゃないですか?
ご自分で葡萄畑お持ちなくらいなんですから。」
「それじゃ、類に迷惑掛けちゃうじゃん。」
「花沢さんは迷惑どころか、喜ばれると思いますけど。」
「とーにーかーく! 山梨か長野位なら付き合うけど!
海外旅行なんか行かないからっ!」

そう言い放つと、桜子がクスクス笑いを押し殺してる。
睨んでやると、「いつもの先輩がやっとお顔を出したからホッとしました。」なんて言ってる。
どこからどこまでが気遣いで、どこからが揶揄いなのか。
でもやっぱり、その全てが桜子流の優しさなんだと思う。


__________



まだ失恋のつくしを癒す男薬が出てこないよ!
スミマセン。
振られるつくしと、桜子にからかわれるのを書くのが楽しくて(ひどっ!)、ついつい筆が滑りました(苦笑)
次回こそ出てきまーす。

ふう・・・ 連日の更新、そろそろ息切れしてきたよ。
良かったら、応援のお言葉やご感想をお聞かせください!
ぐっとやる気が出まーす!
続きは明日、4月30日0時更新予定です!


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失恋には男薬 中編

Blog開設4周年のプチイベント開催中!
第八夜は、美味しい物に弱いつくしです(苦笑)


__________



独りになって、ちょっと驚いた事がある。
それは、結婚まで考えていた恋人がいなくなったのにも関わらず、あたしはあんまり落ち込まなかったって事。
寧ろどこかほっとしていたり、重荷が無くなって身軽な感じすらする。
少しの喪失感と、自分の為だけに使える自由な時間があたしには降って来た。
折しも季節は外に出掛けるのに最適な、新緑の美しい爽やかな頃。
お休みの日の朝、カーテンを開けてお天気がいいだけで心がウキウキする。
掃除と洗濯を済ませたら、自転車漕いでちょっと遠くの公園までサイクリング。
持って来たお茶とお握りを陽だまりで食べる時の幸せと言ったらない!
公園の花壇には季節の花々が咲いていて、それを観ながらゆっくりお散歩したり、のんびり木陰で風を感じてみたり。
このところ、そんな事する時間を忘れてた。
ひとつしたい事を始めると、次々とやりたい事が浮かんでくる。
パパとママの所に遊びに行く週末。
近所のカフェで大好きなケーキと紅茶を頂く午後。
好きなDVDを借りて来て、お気に入りのお菓子を食べながら思う存分笑ったり泣いたりする夕べ。
静かな図書館の端っこの席で、思う存分読書。
インテリアショップに行って、新しい布団カバーと枕カバーを買ったから、ちょっぴり部屋の模様替え。
とってもいい香りのバスエッセンスを見付けたのが嬉しくて、のんびりお風呂タイム。
忙しいから・・・と怠っていたネイルのお手入れもしてみると、心が浮き立つ。
次から次へと自分をちょっとずつ楽しくしちゃう種を見付けちゃう。
あたしって彼氏要らなかったんじゃない?と思えて、何だか可笑しくなった。

時々桜子からお呼びが掛かる。
当分彼氏なんか要らないや!という気分になったものだから、桜子の誘ってくる『男性とのお食事会』、つまるところの『合コン』に行く気はさらさらなく、滋さんが東京にいるタイミングで開かれるT4の女子会にだけOKの返事を出した。
優紀もOLさんで色々忙しいし、彼氏もいるし・・・で、この頃の出席率は低い。
ある夜、桜子の仕切りで、滋さんとの3人でご飯を食べに行ったのは、お洒落な高層ビルの上ーーーーーの方にある、あたしにとっては落ち着きがあり過ぎて逆に落ち着かないフレンチレストラン。
近頃、桜子のお気に入りのお店らしい。
久々に会った滋さんは、あたしの別れ話を聞いた途端、

「つくし! 失恋なんて次の素敵な出会いへのステップだよ!気にしないで、次行こう、次!
滋ちゃんもさあ、司とのお見合い結婚に失敗した後、その噂が広まったせいで、どこからも声が掛からなくなって、せいせいしてるの!
出来れば恋した人と結婚したいから、仕事しながらも目光らせてるんだ!」

と大声で捲し立ててる。

ここが個室で良かった・・・
世間に大河原財閥のお嬢様がこんな事大声で話してるって知られちゃマズイもんね。
滋さんなら個室じゃなくてもこの声のボリュームで喋っちゃいそうだし。

「お仕事モードの滋さんと、普段の滋さんのギャップに耐えられる方でないといけませんから、その人選はなかなか難しいですよね。
大河原財閥のお嬢様かと思いきや、極度のコスプレイヤーでらっしゃるし。」
「桜子ー、この世の中、人間多少は裏表があるのがフツーだよ!
それに滋ちゃんのはコスプレじゃないの、へ・ん・そ・う!
ゲームやアニメみたいなジャンルだけにとどまらず、多岐に亘ってたーっくさん衣装用意してるんだから。
結婚する相手なら、趣味のひとつやふたつ、受け入れてくれる人じゃないとね。
滋ちゃんよりも、桜子の方がギャップあるよ。
桜子の裏の顔なんか知ったら、男の人皆一目散に逃げ出すんじゃないの?」
「ふふふ、この方!と決めた殿方にはそんな事一生悟らせませんから、私。」
「こわっ!つくしー!桜子が怖いよー!」

そう言って、あたしの方に態々椅子を引っ張って来て、むぎゅっと身体を寄せてくる。
全く2人の掛け合いはいつもコントみたいだ。
そしてやってる2人もすっごく楽しそう。
全然違う性格だけど、この2人はとっても気が合ってるんだよね。
勿論あたしも2人が大好きだし。

3人で食事した夜からまた暫くして、桜子から「先輩、お食事付き合って下さい。」と電話があった。

「『男性とのお食事会』とやらならぜーったい行かないから。」
「それはもうお誘いするのを諦めましたわ。
ほら、前に先輩とご一緒して、美味しい!を連呼してらしたイタリアンレストラン。
庭の薔薇が見頃を迎えるってお知らせを頂いたんです。
如何です?」
「わー、行きたーい! 是非是非行ってみたい!
桜子、誘ってくれてありがと!
折角の親切を余計なお世話だなんて疑ってごめんっ!」
「先輩って・・・ 正直が美徳と思ってらっしゃるところが可愛らしくもあり、憎らしくもありますよね。」

と鼻で笑われもしたけれど・・・

5月の連休が明けた後の土曜日。
薔薇のアーチが美しいエントランスを抜けた先にある、真っ白な一軒家レストランを訪れた。
暖かな陽気に合わせて、テラス席が設けられたオーニングの下、美味しいお食事を頂く。
お庭が本当に綺麗で、食べ終わったらお散歩させてもらおう・・・なんて思いつつ、デザートのグレープフルーツのシャーベットを口に滑り込ませていると、どこかで聞いたことがある声が後ろからふわん・・・と優しく響いて来た。

「いらっしゃい、2人とも。
食事はどうだった?
良かったらシェフに挨拶させるけど。」

慌てて後ろを振り返ると、あたしと桜子の椅子のすぐ後ろの所に、美作さんが立っていた。

「み、み、み、美作さんっ?」
「よ、牧野。」
「美作さん、お邪魔しております。」
「桜子もようこそ。
ご予約有り難うございました、お嬢様方。」

目映く輝く日の光をバックにお道化てお辞儀した美作さんが、優雅に身体を起こして甘く微笑む。
休日の美作さんは、とてもリラックスしていて、雰囲気が柔らかかった。

「な、何で美作さん?
いらっしゃいとか、ようこそとか、どういう意味?
ここって、ここって、ここって・・・」
「何だ、牧野、知らなかったのか?
この店、俺のお袋の趣味の店なんだ。
この庭見て気付かなかった?」

そう言われてみれば、このお庭は美作さんちのお庭と雰囲気がよく似ていて・・・
一面バラに埋め尽くされている。
真っ白な一軒家も、美作さんのお母さんのお好みにぴったりだ。

ちょっと目を細めつつ小首を傾げた美作さんを、呆気にとられつつ見詰めてた。

「だあって・・・ 気付くも何も・・・
そんな事、考え付く訳ないじゃん!
っていうか、桜子は何であたしにそれを言わないの?!」
「てっきりご存じなのかとばかり。」
「知らないよ!
この前来た時だって、教えてくれなかったじゃない!」
「そうでした?」
「そうだよ!」
「まあまあ、いいだろ、そんな事。
俺の好きなデザート、ここに運ばせるから、俺も一緒に食べてもいいかな?」
「勿論ですわ。ね、先輩。」
「う、うん・・・」

美作さんの目配せひとつで、新しい紅茶のポットと、真っ白な中に少し焦げ目の付いたメレンゲが載ったデザートが運ばれてくる。

「La torta al limone。
メレンゲとレモンカードの組み合わせが最高なんだ。
さあ、どうぞ召し上がれ。」

テーブルの向こう側で優雅な手付きでティーカップを持ちあげる美作さんと、目の前の可愛いデザートを見比べる。
甘くて爽やかな香りに、お腹がいっぱいだったのも忘れて、つい、ぱくりと一口。

メレンゲの表面がカリっとしてるのに、中がふわっ!しゅわっ!
タルトのところはさくっ、ほろっ、そしてバターの風味が格別。
それと一緒にとろーりとしたレモンカードが口の中に広がって・・・甘酸っぱーい!
何とも美味しい! 頬っぺた落ちそう!

「美味し・・・」
「牧野ならそう言ってくれるって思った。」

くすっと笑っている美作さんと、妙に満足気な桜子を後目にもう一口。
香り高い紅茶と一緒に頂くもの、とても合ってる。
甘酸っぱいレモンタルトを口に運ぶ手を止める事が出来ず、あたしはあっさり一切れ完食してしまったのだった。


__________



男薬、やっと登場出来ました!
レモンタルトのレモンカードが好きです。
作るの、ちょっと面倒なんだけど(苦笑)

おお、気付けばこのプチイベントも、お友達のお力添えもあり、今夜で八日目。
全然プチちゃう!
ビッグイベントやん!!
総二郎、あきら・・・と来て、類はどうなってんの?って事になりますが・・・
まだそこは書きかけなんだなあ(^_^;)
頑張って書いて、間に合ったらイベント延長します。
そんな煮詰まってきてる管理人に応援のお声をお願いします。
それを力に変えて、自分に鞭打ちたいと思います!
続きの後編は明日、5月1日0時更新予定です!


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失恋には男薬 後編

Blog開設4周年のプチイベント開催中!
第九夜は、甘~い人がやって来ます(笑)


__________



あたしがレモンタルトを食べ終わったタイミングを見計らったかのように、桜子が席を立った。

「先輩、すみません。
私、ちょっと急用が出来てしまって。
ここで失礼しなければならなくなったんです。」
「あ、じゃあ、あたしももう帰るよ!」
「いえいえ、どうぞ先輩はごゆっくりなさっていって下さい。」
美作さん、今日はご馳走様でした。
とても美味しゅうございましたわ。
それではお二人とも、ご機嫌よう。」
「えええー? 桜子ー?」

慌てて桜子を追い掛けて立ち上がろうとしたあたしのティーカップに、またいい香りの紅茶が注がれる。

「牧野、まだ時間いいんだろ?」
「え、あ、うん・・・ あたしは大丈夫だけど。」
「折角だから、ここの庭を案内させてくれよ。
沢山の種類の薔薇があるんだけど、今が一番いい時期なんだ。」

元々お庭をお散歩したい・・・と思ってたあたしにはとっても魅力的なお誘い。
美作さんのお母様の趣味・・・という事なら、それはそれは綺麗な薔薇が咲き誇っているんだろう。

「・・・じゃあ、お言葉に甘えて。」

食後にお化粧直しに立ったお手洗いの鏡の前でルージュを付け直した。
ついでに携帯のメッセージをチェックする。
するとそこにはさっき帰ったばかりの桜子からのメールが届いていた。
何か忘れ物でもしたのかな?なんて思いつつ、メールを開くと・・・

「先輩、どんな男性とのお食事会もお断りになられるから、私が勝手に篩にかけて、先輩のお相手を決めておきました。
先輩があるがままのお姿でお付き合い出来て、先輩の事を誰よりも大切にして下さって、結婚するに当たって大きな障害もなく、先輩という花を美しく咲かせ、一生守り抜いて下さる方・・・と言ったら、もうこの世にお一人しかいらっしゃいませんでした。
ごゆっくりお庭をお散歩されて、互いの距離を近付けてきて下さいね。」

へ? 嘘でしょ?
これってまるで、そのお相手とやらが美作さんだって言ってるみたいじゃない?
ここでのお食事自体、あたしと美作さんをくっつける為のお膳立てだったって事?
あの子、一体何しちゃってるのよ?
美作さんと、あたし?
いやいやいやいや、ないないない。
なんてったって、もう何年もずーっと友達だし。
それにあたし独身だから!
訳アリの女の人じゃないもん。
美作さんのターゲット範囲外!
うん、桜子の悪い冗談だ、これは。

一人で納得し、そのメールをまるっと無視することに決めたあたしは、美作さんが待つテラスの席に戻った。

「美作さん、お待たせ・・・」
「じゃあ、少し歩こうか?
ああ、荷物はクロークで預かるから、そのままで大丈夫だ。」

そう言って、あたしの方に手を差し伸べてくれてる。
でもその手を取るのを咄嗟に躊躇ったが故に、あたしは電池切れのロボットのように動きをがくんと止めてしまった。

な、なんで手出してんの、美作さんは?

「え、え、え、えーっと・・・」
「庭に降りるのにステップがあるから。
お手をどうぞ、お嬢様。」
「あ、ありがと・・・」

そんな風に言われて断るのも失礼だろうと、そっと自分の手を重ねた。
あくまでも優しくホールドしてくれてるその手。
男の人の手なのにゴツゴツしていなくてしなやかで、あたしのそれよりちょっとだけ温かい。
手を握られてちょっと気恥ずかしい一方で、大きな安心感を貰ってしまうその温もり。
これがあの妹ちゃん達も大好きな、『お兄ちゃまの手』だからなんだろうか?
テラスから庭に降りても、その手が解かれる事はなく、繋がれたままで・・・
折角の薔薇を見るのも忘れて、繋がってる手の事ばかり見ているあたし。

手、離してくれないのはどうしてー?
なんか緊張しちゃうじゃん!
あたしの手、汗ばんできてない?
ううう・・・ 困った!
振り払うのは違うし・・・

時折そうっと美作さんの方を見上げると、その度に、あたしを見て笑い掛けてくれる。
そうされると照れちゃって、慌てて目線を反らしちゃう。
何で手を繋いだままなのか聞けないまま、色々な種類の薔薇の間をゆっくりと歩いていった。
美作さんが薔薇の名前を教えてくれるけど、全然覚えられない。
ただ相槌を打って聞いている振りをしていたら、途中で美作さんがクスクス笑いを零し始めた。

「牧野、お前、俺の話全然聞いてないだろ。」
「ち、違うよ! 聞いてないんじゃないの。
聞きたいんだけど、全然頭に入ってこないっていうか、まるで知らない国の言葉みたいに右から左へ出てっちゃうっていうか・・・」
「ふうん・・・ それって、これのせい?」

そう言って美作さんが繋いでいる手を持ち上げ、あたしの目線の辺りで小さく揺らして見せる。

「そ、そうだよ。
あたし達友達なのに、こんな風に手繋いで歩くなんて、変でしょ・・・?」
「へえ、桜子の言う事も一理あるのか。」
「な、何の事?
あの子、美作さんに何言ったの?!」
「知りたい?」
「そりゃあそうだよ。
誰だって自分のいないところで、噂されたって知ったら気になるよ。」
「別に悪い噂じゃなかった。」
「それでも気になるの!」

あの毒舌桜子の口から出るあたしの話題の中で、果たしていい話があるのか疑問だ。
一体何を美作さんに吹き込んだんだろ?

「『押して押して押しまくれば、可能性はありますよ。』だって。」

・・・?
一体何を押すの?
可能性って、何の可能性?

「あと、『先輩はボディタッチに弱いから、言葉だけじゃなくて態度で示すのも作戦のひとつじゃないですか?』とも言ってたな。」

ぼ、ボディタッチに弱いって!
まるであたしがふしだらな女みたいな言い方止めてよ!
誰だってそうじゃない?
こーんなカッコいい異性と手繋いでドキドキしない人いるの?
それも相手は美作さんだよ?
F4の美作あきら!
世の女性達が少しでもお近づきになりたいって狙ってる、美作家の貴公子なんだから。
ドギマギしちゃうのがフツーでしょうが!

またくすりと笑った美作さんが立ち止まって、薔薇の花々に囲まれた庭の一角であたしと向かい合わせになる。
あたしの顔を覗き込みつつ、

「少しは俺の事、意識してくれてるんだな、牧野は。」

何て甘ーい声音で言ってくるから、顔からぼっと火が出る程に熱くなった。

ち、ち、近いよ、顔っ!
そんな綺麗なお顔を近づけて話されると、余計にドギマギが激しくなって、どんどん訳が分からなくなる!

「俺は、牧野の男薬なんだ。」
「??? おとこぐすり? 何それ?」

初めて聞く単語につい鸚鵡返しになる。
あたしが美作さんに質問した筈なのに、逆に質問された。

「牧野、付き合ってた男と別れたんだって?」
「・・・・・・っ! 桜子、話したのっ?」

何だって人の失恋話を勝手に広めてんのよ、あの子はっ?!

「俺が桜子に頼んでたんだよ。
チャンスが巡って来るようなら知らせてくれって。」
「チャンス・・・? 何のチャンス?」
「そりゃあ勿論、牧野を口説くチャンス。」
「何の冗談・・・?」
「冗談じゃないさ。
俺は、きっとずっと羨ましかったんだよな。
牧野の笑顔を独占することが出来た、司や類が。」
「そんなの・・・」

あたしの笑ってる顔なんて、別に珍しくもないでしょ。
美作さんは何を言ってるの?

「だから、今日から俺が牧野の男薬。
お前が失った恋で傷付いた心も。
独りになった寂しさも。
牧野が忘れかけてる恋するときめきも。
俺が、全部治してみせるから、任せといて。」

パチンと片眼を瞑ってウインクしてくる美作さんは、まるで知らない男の人みたいに見える。
今日は妙に王子様っぽいっていうか、色気があるっていうか・・・
ああ、そうか。
きっとあたしは美作さんのほんの一部しか見てなかったんだ、今迄。
仲間の前にいる時の、ちょっぴり大人で人当たりのいい美作さん。
お家で優しいお兄ちゃまやいい息子でいる美作さん。
西門さんと2人でふざけてる時の面白い美作さん。
そんな美作さんとは違う、甘く、艶っぽい雰囲気に包まれて、何だか目が回りそう。

「早速薬、服用してみる?」
「へ?」

言葉の意味を理解出来ず、目をぱちくりしている間に、美作さんの顔がすうっと近付いてきて・・・
唇に仄かな温もりが舞い降りた。
またすうっと離れていって、向かいで可笑しそうに破顔している美作さんを仰ぎ見る事しか出来ない。

「・・・え?」
「うーん、この様子じゃ、きっと一度に服用すると、効き過ぎて逆効果になりそうだから。
ちょっとずつにしような?」

何、これ?
破壊的に甘い微笑みが目の前にある。
心臓がドキドキし過ぎてて苦しい。
何だか胸の奥がきゅうっとしてる。
これがその『男薬』の効果なの?
だとしたら、もう既に効き過ぎてると思う!
だって、だって、男の人と手を繋ぐのも、キスするのも初めてでもないのに、今のあたし、何だかおかしいもの!

「もう少し、このまま手を繋いで庭を歩こうか。
それもきっといい薬だから。」

美作さんに手を引かれ、幾つもの薔薇のアーチを潜り抜け、薔薇の香を吸い込みながら、2人で奥へ奥へと進んでく。

この小径は一体どこに向かってるの?
っていうか、あたしは?
あたしの未来はどこに向かってるの?
もしかして、もしかしなくても、これって、すっかり桜子の思惑通り?
とびきり強力な男薬、物凄い効き目です。
あたし、過剰摂取で倒れそう!


__________



お話の流れは決めてたんですが、オチがいい感じに纏められなくて、何度も書き直しました(^_^;)
こんな風で如何でしょうか?

本日22:00~24:00に、「花晴れ」ドラマリアタイチャット開催します!
ドラマを観ながらチャットしましょう♪
だって、だって、だって、もしかしたら・・・?だからさ!
チャットルームへのご案内は21:30にUPします!
どうぞ宜しくお願いします!


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