Blog開設4周年のプチイベント開催中!
(昨日はお休みを頂いちゃいました、スミマセン。
連続更新で息切れ気味なのであります!)
第十夜は、満を持してビー玉の瞳の王子様が登場です!
___________
牧野ってば、いつも「貧乏暇無し」とか言って、講義にバイトに大忙しなのに。
更にボランティアまで始めちゃった。
引き取り手のない犬の里親探しのNPOだって。
何事にも一所懸命で、自分の事より人の事を優先させちゃうのが牧野だって、よく知ってるけど。
そのうちオーバーワークでパンクしちゃうんじゃないかって、心配だよ、俺。
最初は週に1日だけの手伝い・・・だったボランティアは、いつの間に週に2回へと増えており。
それも土日に集中してる。
平日は2人で一緒にいる。
いるにはいるけど、講義の合間とか、牧野のバイトの後とかで、ゆっくり会えたりしないのに。
土日も「類、ごめーん! 譲渡会とその準備があるんだぁ・・・」とか、「里親さん希望のご家族と面談があってね。あたしもお手伝いで同席することになっちゃって・・・」とか、上目遣いですまなさそうに言ってくるから、「そう、頑張って。」としか言えなくなる。
それでも時々「頑張り過ぎちゃうあんたが心配だよ。」って付け足してみるけど、「ダイジョーブ!あたしが雑草みたいに物凄い生命力なの、類が一番よく知ってるじゃない!」と跳ね返されるんだよね。
じっとしていられないのは牧野の性分なんだろうけど、俺はもうちょっとゆったりのんびりリラックスした牧野を見ていたい。
ほら、高等部の非常階段で2人で過ごしてたあの頃みたく。
世間はゴールデンウィーク。
土日月と3日休んで、火曜と水曜は平日。
その後日曜日迄の4連休。
間の平日2日間も本来なら大学の講義がある筈だけど、殆どのクラスが休講らしい。
学生は大喜び、教授達も束の間の休息を得て、羽を伸ばしているんだろう。
でもお蔭で、講義の無くなった牧野と過ごせるから、俺も嬉しい。
何をしようか頭を巡らせてみたけれど、牧野が買い物があるというので、それに付き合う事になった。
行った先は『ヒャッキン』だ。
牧野がこの店を愛用してるのは知ってる。
売られている商品の大部分が100円という信じられない店。
そして物凄い品揃え。
食料品から、文房具、キッチン用品、手芸用品、日用雑貨。
色んなものが詰まってる。
余りに色々あり過ぎて、俺はその中から欲しい物を見付けることすら出来ないけど・・・
牧野は店の中を、あっちこっち歩き回って、必要な物をかごに入れていた。
その中には、何に使う物か判然としない物もあって、俺は興味津々だ。
次に連れて行かれたのは牧野のお気に入りのスーパー。
そこで飲み物とサンドイッチを買って、俺達は公園のベンチでランチを摂ることになった。
「あそこのスーパーの中のパン屋さん。
この辺りで一番美味しいの!
だから類にも食べて欲しいなって。
あたしのオススメは、この卵とチキンとレタスのだよ!」
「ん、ありがと。」
一口食べてみれば、外側のパンはふわっと柔らかくしっとりしている。
そこに塩気が効いたサラダチキンと、マヨネーズで和えられた卵、シャキシャキとした歯ごたえのレタスが挟まれていて、そのサンドイッチは本当に美味しかった。
「美味しい? 美味しいでしょ? ね、ね、ね?」と聞いてくる牧野が可愛くて、思わずにっこり笑って頷いてしまう。
ランチは牧野のオススメを食べたから、食後のデザートは俺のオススメを・・・と、馴染のパティスリーへ行くことにした。
ちょっと離れた場所にあるけど、牧野が「お天気もいいし歩きたい!」って言うから、2人で手を繋いで散歩する。
牧野ってば、いつまで経っても慣れないんだよね。
俺達付き合ってるんだから、手位握ってもいいと思うんだけど・・・
手を繋いだ途端に牧野が慌てた様子で喋り始める。
動揺してるのを悟られまいとしてるんだろうけど、逆効果。
俺には手に取るように牧野の気持ちの変化が分かってしまう。
「あ、あのさ、ボランティアに行ってるNPOでね、すっごく可愛い白い赤ちゃんワンコがいるんだよ!
グレートピレニーズだから、毛がもっふもふで、まるでぬいぐるみみたいなの!
この間行った日に、お風呂に入れてあげたんだけど、洗ってる途中で身体をぷるぷるぷるってしちゃったから、そこら中にシャンプーの泡が飛び散って、あたしも泡だらけになっちゃたんだー。
だけど、ドライヤーしてあげたら、ホント大きな毛玉みたいにほわっほわになってね、その後こてって寝ちゃったの!
もー、可愛くて、可愛くて、いっぱい写真撮っちゃった!
類も見る?」
牧野がバッグから携帯を取り出す為に、ひと時手が離れる。
はしゃいだ様子で、携帯の画面を俺に見せてくれた。
そこには赤ちゃんというにはあきらかに大きな白い犬が写ってる。
もう、中型犬の成犬サイズ。
犬の子というより、シロクマの子みたいな太い四肢。
犬なのに、まるで笑ってるみたいに見える表情が頓狂で。
大きな口がぱかっと開いて、今にもワン!という鳴き声が聞こえてきそうだ。
牧野がその白い犬を腕に抱いて破顔してる写真もある。
この写真は俺も欲しい。
悔しいけれど、最高の笑顔の牧野だなあ。
何枚かその犬の写真が続き、最後は安心しきって寝こけている巨大なぬいぐるみみたいな犬の寝姿で終わってた。
「可愛いよねえ!
だけど、グレートピレニーズって、将来すっごく大きくなっちゃうでしょ。
そのせいか、引き取り手がなかなか見付からなくて・・・
譲渡会でも大人気なんだよ、大人にもお子さんにも。
だけど、大きくなると体重が50kgとかになっちゃうし・・・
成犬は力が強いからお散歩も大変になるでしょ?
身体が大きいコはご飯もいっぱい食べるし、飼うのに広い場所も必要だから。
その事を話すと、皆諦めちゃうんだよねえ・・・」
溜息を吐きながら携帯をバッグに戻した牧野の手をまた握る。
勿論、恋人繋ぎで。
だって俺達、恋人同士だから。
ぎこちなく重なる指の感触に胸が躍る。
そして至極簡単な解決方法を口にした。
「ウチで飼えばいいんじゃない、その犬。」
「えぇっ?」
牧野が目を真ん丸く見開いて、ついでに口もぽかんと開けつつ俺を見上げてる。
手を繋いでいることすら忘れているんだろう牧野の驚き顔に、ついくすりと笑ってしまった。
「ウチなら広い庭もあるし。
散歩するのに人手もある。
餌代だって、流石に俺よりもかからないでしょ。
それに牧野だって手伝ってくれるよね、育てるの。」
「・・・いいの?」
「いいんじゃない?」
「だって、だって、類のご両親が何て仰るか・・・
お邸の中には犬が嫌いな方だっていらっしゃるんじゃない?
犬アレルギーの人だっているかもしれない。
それなのに、いきなり犬を飼うだなんて、やっぱりダメだよ!」
「じゃ、デザート食べたらウチに来て。
一緒に聞いてみよ。」
「えーーー、ありがと、類・・・」
「あんたのありがとうは聞き飽きたって。」
「うん、それでもやっぱりありがと・・・
そうやって考えてくれるだけで嬉しい。」
そう言ってはにかむ牧野はとても可愛らしくって。
俺は繋いでいる手をきゅっと握る。
牧野の為なら、なんだってしてあげたい。
牧野の笑顔を見れるなら、それが俺の喜びになる。
本当に牧野って、俺の全てを握ってるんだ。
__________
やっぱり、総二郎、あきら・・・と書いて、類無しには終われないよね?と、頑張って書いてます!
こちらは、大変長らくお待たせしていたのですが、コメント2000件目を送って下さった方からのリクエストです。
ペットもの・・・とのご希望でしたので、ピレネー犬にしてみました。
大好きな犬種です。
ワンコは大きいコが好きです!
えーっと、すぐに続きを書きたいところなのですが、GWだというのに管理人ちょーっと体調不良でして。
書き上がり次第続編をUPするつもりです。
お待たせしてしまったらごめんなさいねー。
そして、この類のお話書き終わったら、溜め込んでるコメントへのお返事をお返ししたいな!と思ってます。
少々お時間下さいませー。

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
(昨日はお休みを頂いちゃいました、スミマセン。
連続更新で息切れ気味なのであります!)
第十夜は、満を持してビー玉の瞳の王子様が登場です!
___________
牧野ってば、いつも「貧乏暇無し」とか言って、講義にバイトに大忙しなのに。
更にボランティアまで始めちゃった。
引き取り手のない犬の里親探しのNPOだって。
何事にも一所懸命で、自分の事より人の事を優先させちゃうのが牧野だって、よく知ってるけど。
そのうちオーバーワークでパンクしちゃうんじゃないかって、心配だよ、俺。
最初は週に1日だけの手伝い・・・だったボランティアは、いつの間に週に2回へと増えており。
それも土日に集中してる。
平日は2人で一緒にいる。
いるにはいるけど、講義の合間とか、牧野のバイトの後とかで、ゆっくり会えたりしないのに。
土日も「類、ごめーん! 譲渡会とその準備があるんだぁ・・・」とか、「里親さん希望のご家族と面談があってね。あたしもお手伝いで同席することになっちゃって・・・」とか、上目遣いですまなさそうに言ってくるから、「そう、頑張って。」としか言えなくなる。
それでも時々「頑張り過ぎちゃうあんたが心配だよ。」って付け足してみるけど、「ダイジョーブ!あたしが雑草みたいに物凄い生命力なの、類が一番よく知ってるじゃない!」と跳ね返されるんだよね。
じっとしていられないのは牧野の性分なんだろうけど、俺はもうちょっとゆったりのんびりリラックスした牧野を見ていたい。
ほら、高等部の非常階段で2人で過ごしてたあの頃みたく。
世間はゴールデンウィーク。
土日月と3日休んで、火曜と水曜は平日。
その後日曜日迄の4連休。
間の平日2日間も本来なら大学の講義がある筈だけど、殆どのクラスが休講らしい。
学生は大喜び、教授達も束の間の休息を得て、羽を伸ばしているんだろう。
でもお蔭で、講義の無くなった牧野と過ごせるから、俺も嬉しい。
何をしようか頭を巡らせてみたけれど、牧野が買い物があるというので、それに付き合う事になった。
行った先は『ヒャッキン』だ。
牧野がこの店を愛用してるのは知ってる。
売られている商品の大部分が100円という信じられない店。
そして物凄い品揃え。
食料品から、文房具、キッチン用品、手芸用品、日用雑貨。
色んなものが詰まってる。
余りに色々あり過ぎて、俺はその中から欲しい物を見付けることすら出来ないけど・・・
牧野は店の中を、あっちこっち歩き回って、必要な物をかごに入れていた。
その中には、何に使う物か判然としない物もあって、俺は興味津々だ。
次に連れて行かれたのは牧野のお気に入りのスーパー。
そこで飲み物とサンドイッチを買って、俺達は公園のベンチでランチを摂ることになった。
「あそこのスーパーの中のパン屋さん。
この辺りで一番美味しいの!
だから類にも食べて欲しいなって。
あたしのオススメは、この卵とチキンとレタスのだよ!」
「ん、ありがと。」
一口食べてみれば、外側のパンはふわっと柔らかくしっとりしている。
そこに塩気が効いたサラダチキンと、マヨネーズで和えられた卵、シャキシャキとした歯ごたえのレタスが挟まれていて、そのサンドイッチは本当に美味しかった。
「美味しい? 美味しいでしょ? ね、ね、ね?」と聞いてくる牧野が可愛くて、思わずにっこり笑って頷いてしまう。
ランチは牧野のオススメを食べたから、食後のデザートは俺のオススメを・・・と、馴染のパティスリーへ行くことにした。
ちょっと離れた場所にあるけど、牧野が「お天気もいいし歩きたい!」って言うから、2人で手を繋いで散歩する。
牧野ってば、いつまで経っても慣れないんだよね。
俺達付き合ってるんだから、手位握ってもいいと思うんだけど・・・
手を繋いだ途端に牧野が慌てた様子で喋り始める。
動揺してるのを悟られまいとしてるんだろうけど、逆効果。
俺には手に取るように牧野の気持ちの変化が分かってしまう。
「あ、あのさ、ボランティアに行ってるNPOでね、すっごく可愛い白い赤ちゃんワンコがいるんだよ!
グレートピレニーズだから、毛がもっふもふで、まるでぬいぐるみみたいなの!
この間行った日に、お風呂に入れてあげたんだけど、洗ってる途中で身体をぷるぷるぷるってしちゃったから、そこら中にシャンプーの泡が飛び散って、あたしも泡だらけになっちゃたんだー。
だけど、ドライヤーしてあげたら、ホント大きな毛玉みたいにほわっほわになってね、その後こてって寝ちゃったの!
もー、可愛くて、可愛くて、いっぱい写真撮っちゃった!
類も見る?」
牧野がバッグから携帯を取り出す為に、ひと時手が離れる。
はしゃいだ様子で、携帯の画面を俺に見せてくれた。
そこには赤ちゃんというにはあきらかに大きな白い犬が写ってる。
もう、中型犬の成犬サイズ。
犬の子というより、シロクマの子みたいな太い四肢。
犬なのに、まるで笑ってるみたいに見える表情が頓狂で。
大きな口がぱかっと開いて、今にもワン!という鳴き声が聞こえてきそうだ。
牧野がその白い犬を腕に抱いて破顔してる写真もある。
この写真は俺も欲しい。
悔しいけれど、最高の笑顔の牧野だなあ。
何枚かその犬の写真が続き、最後は安心しきって寝こけている巨大なぬいぐるみみたいな犬の寝姿で終わってた。
「可愛いよねえ!
だけど、グレートピレニーズって、将来すっごく大きくなっちゃうでしょ。
そのせいか、引き取り手がなかなか見付からなくて・・・
譲渡会でも大人気なんだよ、大人にもお子さんにも。
だけど、大きくなると体重が50kgとかになっちゃうし・・・
成犬は力が強いからお散歩も大変になるでしょ?
身体が大きいコはご飯もいっぱい食べるし、飼うのに広い場所も必要だから。
その事を話すと、皆諦めちゃうんだよねえ・・・」
溜息を吐きながら携帯をバッグに戻した牧野の手をまた握る。
勿論、恋人繋ぎで。
だって俺達、恋人同士だから。
ぎこちなく重なる指の感触に胸が躍る。
そして至極簡単な解決方法を口にした。
「ウチで飼えばいいんじゃない、その犬。」
「えぇっ?」
牧野が目を真ん丸く見開いて、ついでに口もぽかんと開けつつ俺を見上げてる。
手を繋いでいることすら忘れているんだろう牧野の驚き顔に、ついくすりと笑ってしまった。
「ウチなら広い庭もあるし。
散歩するのに人手もある。
餌代だって、流石に俺よりもかからないでしょ。
それに牧野だって手伝ってくれるよね、育てるの。」
「・・・いいの?」
「いいんじゃない?」
「だって、だって、類のご両親が何て仰るか・・・
お邸の中には犬が嫌いな方だっていらっしゃるんじゃない?
犬アレルギーの人だっているかもしれない。
それなのに、いきなり犬を飼うだなんて、やっぱりダメだよ!」
「じゃ、デザート食べたらウチに来て。
一緒に聞いてみよ。」
「えーーー、ありがと、類・・・」
「あんたのありがとうは聞き飽きたって。」
「うん、それでもやっぱりありがと・・・
そうやって考えてくれるだけで嬉しい。」
そう言ってはにかむ牧野はとても可愛らしくって。
俺は繋いでいる手をきゅっと握る。
牧野の為なら、なんだってしてあげたい。
牧野の笑顔を見れるなら、それが俺の喜びになる。
本当に牧野って、俺の全てを握ってるんだ。
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やっぱり、総二郎、あきら・・・と書いて、類無しには終われないよね?と、頑張って書いてます!
こちらは、大変長らくお待たせしていたのですが、コメント2000件目を送って下さった方からのリクエストです。
ペットもの・・・とのご希望でしたので、ピレネー犬にしてみました。
大好きな犬種です。
ワンコは大きいコが好きです!
えーっと、すぐに続きを書きたいところなのですが、GWだというのに管理人ちょーっと体調不良でして。
書き上がり次第続編をUPするつもりです。
お待たせしてしまったらごめんなさいねー。
そして、この類のお話書き終わったら、溜め込んでるコメントへのお返事をお返ししたいな!と思ってます。
少々お時間下さいませー。



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