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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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粉雪舞い降りる君の肩先 17

美作さんの腕の中はドキドキする。
ただドキドキするだけじゃなくて、優しく護られている安心感もある。
なのに同時に、足元を何かに掬われそうな心許ない気持ちも湧いてきて、広く温かな胸に触れてしまった緊張で身体をカチコチにさせながら、自分の中の様々な感情の波に揺られて混乱していた。
頭の上から「はぁ・・・」という溜息が小さく聞こえてくる。
その意味に思いを巡らす前に、美作さんが「ヤバい。」と呟いた。

え?
何がヤバいんだろ?
あたし、何かおかしいのかな?
それともあたしから変な匂いがするとか?
お風呂屋さんは昨日の夜行ったんだけど・・・
こんなくっ付いてないで離れた方がいいのかな?

そんな事を思って、つい聞いてしまった。

「な、何が?」

「幸せ過ぎてヤバい。
離したくなくなる。」

そう言われて、急に鼻の奥につーんと痛みが走った。
あたしだって美作さんとこうしていられるようになって幸せなのに、どうしても幸せな気分だけに浸れない。
どこか不安で、怖くて、切なくて、胸苦しい。
言葉に詰まってしまって、美作さんの肩口を睨みながら目を瞬いた。
うっかりすると目から何かが出てきそうだったから。
なのに美作さんはそんなあたしに追い打ちをかける。
耳に吐息が吹きかけられぞくりとした直後、そっと甘く囁く声が忍び込んで来た。

「好きだよ、牧野。」

今度こそ本当に目の奥がじん・・・と熱くなり、胸がキュンと締め付けられる。

あたしも何か気持ちを伝える言葉を言わなくちゃ・・・

そう思っているうちに、あたしと美作さんの身体の間には少し隙間が出来て、スローモーションのように美作さんの顔があたしの方へと近付いてくるのが見えた。
あたしはとびきり鈍感な筈なのに、今は次に何が起こるか自然と分かる。

あ、キスされる・・・

気付けば互いの唇が淡く重なっていた。
ほんの少し離れて、また直ぐに優しく啄まれて。
合間に溢れる自分の吐息が熱いのか、それともそれは美作さんの熱なのか分からない。
触れ合っている唇はじんじんとして、頭の中もびりびりと痺れていて、心臓はばくんばくんと大きな音を立てている。
それでも止めたいとは思わなかった。
寧ろこの時をずっと待っていたような気すらする。
いつしかこつり・・・とあたしのおでこに美作さんのそれが当たって、キスは止んだ。

「ごめん。」

何を謝られているのか分からないから、つい聞き返す。

「・・・何?」

「いや、さっきハグする時は先にしてもいいかって尋ねたのに、キスする前には聞かなかったから。
でも聞くタイミングがなかったんだよ。
気が付いたらキスしてた。」

「・・・事前に聞くものなの?」

「どうだろう? 牧野を驚かせない為には聞いた方が良かったのかと思って。」

「謝らないでよ。だってあたし・・・」

「嫌じゃなかった?」

「・・・なかった。」

「それなら良かった。」

今度はおでこに唇が押し当てられた。
普段おでこを意識する事なんてないのに、今は神経がそこに集中してしまったかのように敏感になっている。

あー、あたし、もう、心臓保たないかも・・・

そんな風に胸の中で呟いた時、唇は離れていき、ホッとしたのも束の間、また温かな胸に抱き寄せられた。

「なぁ、牧野。」

「ん・・・?」

「誕生日の祝いに託けて、ひとつ頼み事してもいいか?」

そう言われて、さっきまでとは違う感じに心臓がぐっと苦しくなった。
何故ならたった一つしかその『頼み事』を思い付けなかったから。
お付き合いして、ハグをして、キスをして・・・
その先へと進むのは、恋人同士ならば自然なことなんだと思う。
けれどあたしの心はまだその準備が出来ていないみたいで、とても狼狽えてしまった。

ど、どうしよ・・・
どうしたらいいんだろ・・・
何て言ったらいいの?

「・・・あ、あの、どんなこと?」

おずおずとそう聞いたあたしへの美作さんの答えは、予想したものとは全く違っていた。

「牧野、ここから引っ越ししないか?」

「え・・・?」

「この部屋、女の子の一人暮らしをするには向いていないってずっと思ってたんだ。
でも『友達』が口出しするのは違うかと思って、黙ってた。
今は牧野は俺の大事な女の子になってくれたろ?
恋人って立場なら、言ってもいいかと思って。
ここはセキュリティもしっかりしていないし。
バスも無いから牧野だって不便だろう?
とにかく心配なんだよ、俺は。」

的外れな想像をして思い悩んでしまったのからは解放されたけれど、思ってもいなかった事を言われて、あたしはちょっとぽかんとしていた。

「・・・引っ越し?」

「そう。引っ越して欲しい。」

『いつかはお風呂付きの物件に住みたいな。』
あたしだって今迄そう考えなかった訳じゃない。
でも引っ越しをするとしたら、就職して、勤務地が決まった時なんだろうと思っていた。

「あ、のさ、何でここに住んでるかって言うと、お家賃が安いからなの。
セキュリティが心配って美作さん言うけど、庶民の住む所はこんなものだよ。
あたしは大丈夫。」

「大丈夫じゃないよ、牧野。
泥棒に入られた事だってあったろ?」

「あー、うん、でも、何も無かったし。
そもそも盗られるような物ないよ、この部屋。」

「そういう問題じゃない。
冬の寒い夜でも歩いて銭湯に行ってるんだろう?
湯冷めするし、夜道を1人で歩くのだって危険だ。」

「それも大丈夫だよ。
ちゃんとコート着てマフラー巻いて帰ってくるし。
何も怖い目に遭ったことないもん。」

また頭の上から「はぁ・・・」と溜息が降って来た。
だけどそれはさっきのとはニュアンスがちょっと違いそうだ。

「それなら俺は毎日車で牧野が銭湯に行くのを送り迎えするし、しっかりドアに鍵を掛けるのを確認しないと帰らない。」

何て過保護な・・・と思うけれど、どうやら美作さんは本気らしい。

「そんなの困るよ。」

「じゃあ、俺を安心させると思って、安全な所へ引っ越ししてくれ。」

「いや、あのね、引っ越しって、敷金、礼金、前家賃、不動産屋さんへの手数料ってまとまったお金が必要になるし。
荷物を運ぶのだってお金掛かるのよ。
だから、なるべく回数少ないに越した事ないの。
就職する時に引っ越しするつもりでいるから・・・」

「牧野、就職ってあと2年も先だよ。」

「うん、そうだけど・・・」

「あと2年も俺を心配させたままでいるつもりか?」

「いや、あの、ホントにあたし・・・」

「頼むよ、牧野。
金の事なら心配いらない。
荷物はうちの車で運べばいいし、俺名義のマンションの空き部屋に住んでくれるなら、敷金も礼金も手数料も掛からない。」

俺名義のマンション!
さらっと凄いことを言ってくれちゃう。
それにしたって、そんなのあたしだけ得をしてしまって、美作さんには一利もない。

ちゃんと断ろうと決意して、美作さんから身体を離そうと胸をそっと押したのに、美作さんはそれを許してくれなかった。
至近距離で見詰め合う形になる。

「美作さん・・・、あたし、迷惑掛けるばっかりの存在にはなりたくないの。」

「迷惑だなんて思ってない。
俺が頼んでるんだ。
これは俺の我儘だよ。」

「んー・・・、あのね、あたしはここで大丈夫。」

美作さんはちょっと目を細めて、苦い物を食べてしまったような表情を浮かべた。


_________



下書きを保存し損ねて、1話分丸々喪失…
ヒジョーにショックでした。
100%書き直しでお送りしております、粉雪17話です。
書き直したら、流れは変わらない筈なのに、当初書いたのより長くなってました。
なーぜー?
あと、何か書き忘れてる事もありそう。

さてさて、初チューの場面でしたね。
多分あきらとしては、もっと素敵なシチュでしようと思ってた筈。
なのに気持ちが溢れたら、ボロアパートでもキスしちゃう…と。
管理人の妄想極まれり。
って言うか、初チュー迄何話さ?
この分で行くと、いつ終わるの?
心配になりますね。

残暑厳しいですねー。
エアコン24時間稼働をやめられません!
早く気軽に散歩とか出来るようになったらいいなぁ。
皆様も体調にお気をつけてお過ごし下さいね。


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