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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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my happiness ~sequel of 独り占め~

このお話は「fake」の後日譚「独り占め」の更にその後…の2人です。
とっくに書き終わったお話でしたが、あのソファで2人はどんな風に過ごしてるのかな?とぼんやり考えていたのです。
お誕生日SSとしてお納め下さい。


♡┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈♡


お早う。
頂きます。
ご馳走様。
行ってきます。
ただいま。
お休み。

そんな日常の挨拶にいちいち律儀に応えてくれる。

お早う。
召し上がれ。
お粗末様でした。
行ってらっしゃい。
お帰りなさい。
お休みなさい。

ただそれだけの事なのに。
言葉を交わす度に胸に温もりが広がっていく。
それは、他の誰でもない、牧野が俺に笑い掛けながら言ってくれるから。
ありふれた言葉に、こんな価値があるだなんて。
俺は牧野と暮らすようになって知ったんだ。



牧野が気に入ってるリビングのソファ。
そこに凭れながら、牧野を背中から柔く抱き締めてる。
日曜日の午後。
窓の外はそれなりに寒いのかもしれないが、室内は程よく暖められている上に、牧野からじんわりと体温が伝わってくるから、薄手のニット1枚でもちっとも寒くない。
録り貯めていた録画を観ている振りをしているけど、ホントはろくにテレビ画面なんか観ていなかった。
ちらちらと牧野を見下ろして、牧野の事ばかり考えている。
当の牧野は寛ぎながら雑誌のページを捲っている。

「『若き伝統芸能の担い手』だってー。
畏まって写ってておっかしー。」

牧野が見ていたのは俺がインタビューを受けた雑誌の特集だったらしい。
献本をこの部屋に持ち帰った記憶はないから、これは牧野が買ってきた物なのだろう。

「何買ってんだよ。
欲しいなら一言俺に言やあいいのに。」
「偶々買ったら載ってたんだもーん。」

その返事に思わず声を殺して笑ってしまった。
絶対俺が載っていたから買ったに違いない。
普段この雑誌を買って来たところを見た事なんかない。

「『茶道は己の血脈』だって。
西門さん、緑の血なの? 人間じゃないじゃん。」

そう言って今度は牧野が肩を震わせている。

「あのなぁ、俺はそんな事言ってねえ。
編集者がテキトーな見出し付けたんだろ。」

確か「貴方にとって茶道とは何ですか?」というようなありきたりな質問があって、俺は「自分の一部・・・というよりは、体の中を駆け巡る血液のように必要不可欠で、常に自分の中に息づいてるもの・・・と感じています。」とか何とか答えた気がする。
大分意訳というか、端折られている。

「また随分きりっとした表情のお写真だね。」
「ニヤニヤにやけた茶道の若宗匠じゃ収まりが悪いんだろ。
真面目で一本気な男に見えるのが使われてんだよ。」
「真面目で! 一本気!」

また牧野がけたけた笑ってる。

「世間の人はこうやって騙されていくのかぁ。
情報って操作されてるってホントなんだね。」

何が情報操作だ。
俺はこんなにも真面目に仕事に取り組んで、お前といる時はお前の事ばかり考えてるってのに。

文句を言い返す代わりにふうーっと深く息を吐く。
短気は損気だ。

「あ、F4の事まで書かれてる。
んーと、『花の4人組、Flower 4としても有名な若宗匠ですが、他の方々との交流は続いてらっしゃいますか?』って、変な質問ー。
友達なんだから当たり前じゃん。
『親友といいますか、悪友といいますか・・・、子供の頃からの付き合いですから、多少会えない時間があったとしても、縁は切れたりしません。互いに何かあった時にはいつでも駆け付ける、そんな気持ちでおります。』
えー? 悪友なの?」
「音読すんなよ。」

俺の言葉を無視して牧野は続きを読み上げる。

「『各々多忙ですから4人で会える事も稀ですが、先日あきら(美作あきらさん・美作商事専務)の結婚式では久々に集合出来ました。友人の門出を揃って祝えた事は嬉しかったですね。』
うん、美作さんの結婚式、ホントに素敵だったもんねー。」

あきらは今年結婚した。
それは牧野がうっとりするようなお伽噺の中の一場面のような結婚式だった。
あきらは王子様役が案外ハマってた。
あの家で生まれ育つと自然と『王子様』になるらしい。
あの式はあきらのお袋さんの意見が多分に反映されているに違いなかったけど。

「つくしちゃんもあんな結婚式したいのか?」
「えー? いやいやいやいや、あんなのは見るだけでいいや。
あたしは・・・」
「西門さんのお嫁さんになれればどんなお式でもいいの、だろ?」
「言ってない。」
「言わなくても分かってるから。」
「勝手に分かってるつもりになってるだけでしょ!」

準備は着々と進んでいる。
牧野のあずかり知らぬところで。
あともう少し色んな事が整ったら、こんな冗談じゃなくてちゃんと言ってやれる。
西門つくしになってくれと。

なあ、牧野。
とびきり綺麗なお姫様にしてやるよ。
あきらんちとは違って純白のウェディングドレスじゃなくて正絹の白無垢だけどな。

腕の輪を狭めて、牧野をしっかりと抱き締めた。
頭の天辺にそっと唇を落とす。
それだけで幸せで胸がぐっと苦しくなる。

「ねぇ、西門さん、手首に香水つけてる?
すっごくいい匂いがする、目の前から。」

牧野の胸元でクロスしている俺の両腕。
朝、ほんの一滴付けたパルファンがまだ香っているらしい。

「手首じゃなくて、肘の内側。」
「へえ、そんな所につけるんだ?」
「手首だと、香り過ぎるから。
ちょっと隠れたところにつけるのがセオリー。」
「ふうん・・・、そういうものなの?
いい匂い。
甘い香りの中にふわんとお茶みたいな匂いがしてくる。」

そう、これは、グリーンティーベースのパルファンで。
牧野が好きそうなブレンドにしてもらっている、俺専用の香り。
俺にとっての香水というのは、かつては身嗜みだったり女を落とすための小道具の一つだったりした。
でも今ではベッドに入る前か、仕事が休みの日にひっそりとつけるだけ。
これが俺の香りなんだと牧野に知らしめる為につけている。
あわよくば、牧野にもこの香りが移ればいいのに・・・と思いながら。

「好きだろ?」
「うん、いい匂いで好き。」
「俺の事大好きだもんな、つくしちゃんは。」
「だから、この香りが好きなんだって言ってるんでしょうが。」
「照れるな、照れるな。」
「もーーーっ! いつだってあたしの事揶揄って!」

揶揄ってるんじゃねえ。
こんな遣り取りすら大切なんだよ。
他愛もない事を言い合えるのが嬉しい。
こうやって体温が伝わる距離でいられるのが、何にも代え難い幸せだから、絶対に護りたいって思うんだ。

「好きだよ、つくしちゃん。」
「はいはい。」
「愛してる。」
「っ・・・! もう、ずるい!
そう言ったらあたしが黙るって思ってるんでしょ!」
「お前、ちっとも黙ってないじゃん。」

艶やかな髪の毛に顔を埋めて、もう一度口付ける。
少しでも多く想いが伝わるように。

「なぁ、いい誕生日だな、今日。」
「何もしてないよ、まだ。ソファでダラダラしてるだけじゃない。」
「いいんだよ、折角取れた休みに、混んでるとこ出掛けたりしたくねぇし。
誰かに会ったりしても疲れるし。
のんびり過ごすのが最高の贅沢。」
「お誕生日なのに、お家ご飯で本当にいいの?
ケーキもあたしの手作りので?」
「ああ、それがいいんだって。
つくしちゃんの愛情たっぷりの手料理が。」
「はぁ・・・、またそんな事言って。」

牧野がちょっと身体の力を抜いて、俺の肩口に頭をこてんと凭せ掛けた。

「でも・・・、あたしも2人きりでお誕生日お祝い出来るのが一番の贅沢だな。」

俺達は誕生日なんて祝い合えない関係の時も、離れ離れで声すら聞く事が出来なかった時もあったから。
こうやって2人でいられる時間が途轍もなく大切に思える。
当たり前のようで当たり前じゃない。
恋人と2人で過ごすという、巷ではありふれた時間も宝物だ。

「お前の誕生日も2人で過ごそうな。」
「あー、えーと、うーんと・・・
滋さんが年末年始は東京にいるから忘年会兼ねてパーティーしようって言ってたけど・・・。」
「そんなの誕生日当日じゃなくてもいいだろ!
滋に言っとけ! 28日はダメだって。」
「う、うん、言ってみる・・・。」

友達思いで、家族思いで、だけど一番に俺の事を想っていてくれる。
そんな牧野が好きだ。
こうして牧野の体温を感じていると、俺は牧野を手にするまでずっと独りで、ずっと寂しかったんだなと思い至る。
俺はきっと長い間探していたんだ。
俺の心を暖めてくれる唯一人の、牧野という存在を。

「絶対だからな。
28日は俺がお前を独占する日。」
「え? あたしが好きな事する日じゃないの?」
「さっき言ってたろ。2人きりで誕生祝い出来るのが一番の贅沢だって。だから、一日中思いっきり甘やかしてやるよ。」
「いやー、あのー、あたし、フツーでいいから。」
「そういうなよ、つくしちゃん。
楽しみにしとけ。」
「逆に怖いんですけど・・・」

今日よりも牧野を幸せにする方法を考えよう。
ありふれた、だけど俺達にとっては大切な一瞬一瞬を積み重ねて、誰よりも幸せと思える時間を牧野にあげたい。
そして牧野が幸せなら、俺はそれよりもっと幸せなんだ。


_________



fake」は、ずっと気持ちがすれ違っている2人で、最後の最後にやっと気持ちが通じ合う…という
話にしてしまったので、イチャイチャが足りなかったな~と思ってたのです。
だから、やっと2人で暮らせるようになって、あのつくしお気に入りのソファでのんびりと、肩の力を抜いて過ごしている所を覗き見…というような気分で書きました。
楽しんで頂けたら幸いです。

開店休業状態でホント申し訳ないです。
ちょーっと体調が優れませんで。
お話を書く余裕を失くしてます。
これはやっぱり加齢かね?笑
何とか少しずつでも書いていけたらなぁ…と思っていますので。
時々遊びに来てやって下さいませ。


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