プロフィール

hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

アクセスカウンター
カテゴリ
最新記事
ランキングボタン
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ



ご訪問有り難うございます
カウントダウンタイマー
花男Blogリンク
君を愛するために
明日咲く花
お友達Blogリンク
恋花-koibana-
沫雪の唄
ブログ村ランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR

私、風邪を引きました -side 総二郎- 後編

イライラを何とか押し殺し、店員の手からもぎ取るように布団を貰い、出口へ向かいつつ、ふと気付いた。
看病するには他にも要る物があるんじゃないかって。
出入口近くの壁には、フロアマップなるものが掲示されており、俺はそれの中から『医薬品』と書かれているコーナーを見付け出した。
妙にデカい布団を片手で運びつつ、店内の通路を医薬品売り場へと急ぐ。
この荷物、大して重くはないが嵩張るのが難点だ。
医薬品売り場の棚に布団を引っ掛けそうになりながら掻い潜り、白衣を着た薬剤師らしきオッサンを掴まえた。

「あのー、熱を出してるヤツがいまして。
看病するのに何が必要か分からなくて。
教えてもらってもいいですか?」
「はい。ご病気の方、症状はどんな感じですか?」
「風邪薬はあるんです、医者から処方されたものが。
薬以外で必要な物があったら買いたくて。」
「そうですねえ、体温計はお持ちですか?」
「や、ちょっと分かんないです。」
「そうしたら、体温計と、熱冷まし用のジェルシート。
冷凍庫に入れても固くならないタイプの冷し枕。こちらは2つあった方が便利ですね。
一つを冷やしておいて、交互に使えますから。
あと、食欲が無くても水分補給は必要ですから、スポーツドリンクや経口補水液、ゼリー飲料もお薦めですよ。」
「じゃ、それ全部。
適当に揃えてもらっていいですか?」
「は、はい、分かりました!」

オッサンは売り場を行ったり来たりしながら、商品を集めて、会計をする。
ガサゴソと音をたてながら、のろまな動きで二つのショッピングバッグにそれらを詰めた。
その間も俺は足踏みしたい程に焦っているけどどうしようもない。
そして最後にこのオッサン、もとい薬剤師は、品物を俺に手渡しながら、勘違い満載の台詞までくれた。

「奥様がご病気だと心配ですねえ。
ご主人、看病大変でしょうけど頑張って。どうぞお大事になさって下さい。」
「・・・はあ、どうも。」

俺、そんな老けてるか?
結婚・・・してるように見える・・・のか?
まあ、今はそんな事はどーでもいい。
とっとと牧野の部屋に戻るぞ!

駅前のタクシー乗り場から牧野の部屋までの短い距離を急がせて。
やっと戻って来た時も、牧野はベッドの中で「さ、寒い・・・」と呟いていた。
買って来たばかりの羽毛布団。
ケースから取り出すと、一層デカくなり、それにカバーを掛けるなんてとても面倒だ。
でも牧野の為だと、ギュウギュウ詰め込み、バタバタと振って、何とか形を整えた。
それを牧野の上に掛けて、包んでやる。
そしてショッピングバッグの中から、冷却ジェルのシートを取り出して、牧野の額の髪を指先でそっと掻き上げた。
ぺたりとそれを貼った途端、牧野が「ひあっ!」と素っ頓狂な掠れ声を上げて、目を覚ます。
多分冷たい物を額に当てられ、ビックリしたのだろう。

「わりぃ、起こしたか?」
「・・・ふえ?」

牧野は熱のせいか、寝ていたせいか、ぼんやりしていて何が起きているか瞬時には分からなかったらしい。
瞼をゆっくり開け閉めしてる。
それでも薬を飲まないと、良くなるものも良くならないだろうと、重ねて声を掛けた。

「ミヤコさんから貰った薬あったろ。
起きたならあれ飲め。」
「うん・・・?」

生返事をしながら、また力無く目を瞑ってしまうから、薬を飲ませたい一心で大きな声を出してしまう。

「おい、牧野、寝るな!
薬飲んでからにしろって言ってんだろ!」

今度はさっきよりもしっかりと目開けた牧野。
背中に腕を差し入れて、上体を起こす。
ぐらつきそうな身体を支える為に、掛けてやっていた羽毛布団を牧野の背中に詰め込んだ。
そして牧野のバッグを探って、ミヤコさんがくれていた薬を引っ張り出す。
買って来た経口補水液のペットボトルの蓋を捻って開けてやった。
こんな惚けた状態では、どの薬を何錠飲むかも分からなさそうだ・・・と思い、ミヤコさんの書きつけ通りに用意して、ぷちりぷちりと包装を破って錠剤を取り出す。
ぼーっと座ったままの牧野の掌を開かせて、そこに薬を載せたら、やっと意味のある言葉を呟いた。

「あ、ありがと・・・
でも、何で・・・?」
「お前、どんどん熱上がってんだよ。
そんなの置いて帰れる訳ねえだろ。」
「ご、ごめん・・・
もういいよ、大丈夫だよ。
西門さんに風邪うつんない前に帰って。」
「病人は余計な事考えないで、とっと寝ろ!
で、早く治せ。」
「ん・・・」

いつもの牧野の勢いは全くない。
俺に言われるがままに薬を飲み、羽毛布団に埋もれながら、飲み物をゆっくり口に含んでる。
憎まれ口を全然言わないところからして、本当に具合が悪いんだろう。
ふらつきながらトイレに立ち、その後、着替えたい・・・なんて呟きながら脱衣所に消えていった。
気にしない、気にしない・・・と自分に言い聞かせても、ドア一枚隔てた向こう側で牧野が裸に近い姿になってるかも?なんて思えば、思考のどこかがそれに引っ張られるのは否めない。

仕方ない。
それはもう仕方ないだろ!
俺だって聖人君子じゃねえんだから!

ふらーっと幽霊の如く脱衣所から出て来た牧野に手を貸して、またベッドに寝かせた。
さっき買った羽毛布団には説明書が付いている。
さっと一読したところによると、まず羽毛布団を掛け、それに蓋をするように軽めの毛布などを掛けるとより暖かくなるらしい。
その通りに、まず羽毛布団で蒲鉾を作るかのように牧野を包んで。
その上から元々使ってた毛布を掛けた。
されるがままだった牧野がぽつりぽつりと言葉を発する。

「ねえ、このお布団・・・」
「お前が寒い寒い言うから買ってきた。
もう寒くないか?」
「まだ背中ゾクゾクするけど、大丈夫・・・」

背中ゾクゾクしてるって事は、まだ寒いんじゃねえか!
何が大丈夫だよ!
強がりもいい加減にしろよ?

そうっと指を伸ばして頰に触れる。
真っ赤な見た目から想像してはいたけれど、そこはほてほてと熱いままだった。
ふう・・・と肺の奥から熱い空気を吐き出す牧野が辛そうで。
早く薬が効いて、熱が下がるのを願わずにいられない。
頬の熱さを吸い取ってやりたくて、自分の掌で包んで冷やそうとしているうちに、牧野はすうすうと寝息をたて始めた。
それを見てやっと一息つける気がする。
何か飲み物でも飲もう・・・とさっき自分が買って来た物の中から、スポーツドリンクを選んで取り出した。
ごくりごくりと喉を鳴らして飲んで、ペットボトルの半分程を空けた。
俺は思いの外、この状況に緊張していたらしい。
牧野の部屋は狭くて、でも碌に物もない。
身の置き所がなくて、取り敢えず、ベッドの側面を背凭れ代わりにして座ってみた。
そこから床に置いた牧野のバッグが倒れているのが見える。
薬を取り出した時に慌てていて、倒してしまったのかもしれない。
中から何かが飛び出していたから、戻しておいてやろう・・・とはみ出した何かをひょいと拾い上げた。
それは・・・HAPPY BIRTHDAYと書かれたカードがくっついた包みで。
その文字を見た途端、はっとした。
もしかして自分宛てのものなんじゃないかと思い至ったら、カードを捲る手を止められない。

西門さん、お誕生日おめでとう!
西門さんが欲しい物なんか、何も用意出来ないけど・・・
あたしが出来る事はこれぐらいだから、作ってみました。
良かったら食べてね。
つくし

続けて包みを開く。
中には緑色したカップケーキが綺麗にラッピングされ、いくつか詰められていた。
その一つを取り出す。
透明なラッピングを外すと、ふわっと立ち上がるのはバターと微かな抹茶の香り。
俺に合わせて作ってくれたらしい。
齧り付くと中にはホワイトチョコの砕いたものが入っていて、優しい甘さとほろ苦さが口に広がった。
なんだか嬉しくて、勝手に口角が上がっていく。
それと同時に、擽ったくて恥ずかしい感覚も背中を這い上がってきた。

あいつ、こんな物用意してくれてたのか・・・
知り合って3年以上の時が流れて。
その間一度もコイツから誕生日を祝ってもらったことも、何かを貰ったことも無かったけど。
今年は違ったってことだろ?
それって、意味があるって思ってもおかしくねえよな?

ベッドで紅い顔して「寒いよう・・・」と譫言を呟いてる牧野を見遣った。
じわじわと温かくて、ワクワクするような感情が湧いてきて、身体を駆け巡る。
だらしなくにやけてしまうのを止められない。

誕生日の夜に、幸せってこんな気持ちだって知るなんて。
今すぐぎゅうっと抱き締めて、お前が好きだって叫びたい。
なのに、熱出して寝てるんだぜ!
何てタイミングの悪いオンナなんだよ。
でも、そんなのも、牧野つくしらしいのかもな。

狭い部屋の中、一歩二歩・・・と吸い寄せられるように牧野の元へ近付いた。
震えながら小さく丸くなっている背中を、布団ごと優しく抱き締める。

早く元気になれよ。
そうしたらこれからの事をゆっくり話そう。
俺の気持ちも、お前の気持ちもさ。

誕生日プレゼントを有り難う。


__________



「私、風邪を引きました」の総二郎side、これにて終わりでございます!
今回は後編でつくしが寝ている間の裏話でした!
つくしの気持ちに気付けたから、翌朝「ま、俺は、好きなオンナと過ごせてラッキーな一夜だったけど。」なんて台詞が総二郎から飛び出しますね。
お姫様抱っこの仕切り直しシーンのご希望を頂いてましたが、ちょっと書ききれませんでした。ゴメンナサイm(_ _)m
取り敢えず目前のバレンタイン、その後のあき誕に取り掛からねば!
時間なーい!
でもアイデアもなーい!
ピンチっ!


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!

関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

Comment

非公開コメント