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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
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総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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Call my name 10

「今迄日本に帰って来られなかったのも、連絡が途絶えていたのも、司としてはのっぴきならない理由があったらしい。
まあ、一番は会社のゴタゴタのせいだよな。
それでも牧野には偶に連絡を入れているつもりだったそうだ。
司は牧野に専用の携帯電話を渡してた。
2人のホットラインってヤツだな。
事故の時、きっとあの崖下に落ちて壊れたんだろう。
その携帯にメールしたり、電話を掛けたりしても一向に繋がらない。
司としては連絡不足で牧野を怒らせた自分が無視されていると思っていたらしい。
そう思い込むのにも理由があった。
お袋さんだ。
やっぱり鉄の女は鉄の女なんだよ・・・」

司と牧野の事を認めたくない司の母親が、どんな横槍を入れたんだろう。
あの人は牧野の死すら願っていたっておかしくないから・・・

「司のお袋さんは牧野の事故の情報をすぐに知ったんだ。
でも司には伝わらなかった。
どうしてだと思う?」

「知らねえよ。想像したくもねえ。」

「司は牧野の様子を知る為に、日本から定期的に報告が届くようにしてたんだ。
きっといつでも強がる牧野を心配して、何かの時には手を差し伸べられるようにとの考えがあった筈だ。
その報告は実はお袋さんにも流れてた。
司より一足早く牧野の事を聞いたお袋さんは・・・
その報告を握りつぶしただけじゃなく、嘘の情報に差し換えたんだ。
まるで牧野が何も変わらずに元気で過ごしているかのようなものに。
それは司にだけじゃない。
牧野の事を可愛がっている姉ちゃんにも伝わらない様に、道明寺全体の中でひた隠しにされてた。
俺達から情報が伝わる事を遮る為、日本からの連絡は徹底的に管理された上で。
司がいる場所は、自分の陣地なのに味方がいない。
まさに孤立無援の状態だ。
そこに届けられる嘘の報告の中で、牧野は元気だった。
楽し気に暮らす様子が綴られている。
電話が上手く繋がらなくても、メールの返事が届かなくても、司は多忙を極めていたこともあって、それである程度安心していた。
今迄も長い間連絡が取れなかった事はあったし、それで牧野は怒ったとしても、結局最後には司を許していたから。」

お袋さんがお袋さんなら、司も司だ。
そんな報告だけを鵜呑みにして。
顔も見ず、声も聞かずに安心してるだ?
自分の目や耳を一番に信じないでどうするんだよ?
牧野の優しさや忍耐強さに甘えて、それに胡坐をかいて。
その結果がこれか?

自分の事ではないのに胸がムカついて仕方なかった。
でもそのムカつきをどうやって打ち消したらいいのか分からない。

「馬っ鹿じゃねえの?
好きな女から遠く離れて、赤の他人から送られて来る報告だけを信じてるだなんて。
牧野の言葉以外に、司が信じるべきものはねえだろうが!」

「俺に怒るなよ・・・
司だって自分に腹が立って仕方ないんだと思うぜ?
やっと何かがおかしいって気付いた時には、全てが終わってたんだ。
牧野は記憶を失って、大怪我から回復して、西門流の中で静かに暮らしてた。
焦って必死で駆け付けてみれば、自分を見て怯え、総二郎の後ろに隠れるようにしている牧野がいた。
そんな司の胸中だって察してやれ。」

「仕方ねえだろ?
牧野は司を忘れてるんだ。」

「総二郎、お前の事だって同じように忘れてるんだ、牧野は。
だけど目の前で自分の恋人が、自分を拒絶しつつ、自分のダチであるお前には頼り切ってたらどうだ?
俺はあの司がお前に殴り掛からないで大人しくその場を辞しただけでもすごいって思うぜ。」

電話の向こう側であきらが小さく笑いを零した気配がする。
でも俺はちっとも笑えない。

「今の牧野にとっては、司は赤の他人よりも遠い存在だ。
司の事が怖いって言ってる。
いきなりNYに連れて行くって言い出した。
牧野が怖がるのも仕方ねえだろ?」

「まあ、牧野の気持ちも、焦る司の気持ちも分かるような気がするよ・・・」

優しいあきらは友人2人を思い遣っているけれど、俺は司に同情する気にはなれなかった。

今迄の牧野の様子を近くで見て来たから・・・だけじゃない。
分かってる。
自覚している。
自分の心が牧野へと向かっていることを。
司は・・・牧野にとってだけじゃない。
俺にとっても脅威だ。
いつか司が牧野をここから攫っていくのでは・・・と不安だった。
記憶を取り戻した牧野が司の許へ駆けていく日が来るのかと想像しては、胸がつぶれそうに痛んだ。
かといって牧野の手を引き寄せる事も出来ず立ち尽くしている。
今日司が現れるまで、俺にとっては束の間の凪の時だったんだ。
西門の中に牧野を置いて、それをそっと見守ることで、俺は細やかな幸せを得ていた。
このままの時が長く続けばいいのに・・・と願ってた。
司が牧野を切り捨ててくれればいいのにと。
記憶は永遠に深い闇の中に隠されたままであってくれと。
持ってはいけない望みを胸の奥に隠し持っている。

「あきら、司を抑えてくれ。
牧野にはまだ司と対峙する準備が出来てねえ。
どんなに司が牧野を想っていても・・・
今の牧野はそれを受けとめるのは到底無理だ。」

「・・・俺に司が抑えられるとでも?」

「あきら以外にいないだろ?
俺や類じゃ火に油だ。」

「はあ・・・ ったく、お前等はいつも面倒な役回りは俺に押し付けりゃ何とかなるって思ってるだろ。」

「違うだろ、頼りにしてんだよ、俺等は。」

「ホント、調子いいな、こういう時は・・・」

あきらの苦笑い混じりの台詞を聞きながら、牧野を、そして司を思う。

時間稼ぎをしたいんじゃない。
牧野を司に取られたくないからだけじゃない。
何よりも強く願うのは・・・
牧野が手にしたちっぽけな平穏な日々を護りたい。
その一念だった。


__________



お待たせしました。
久しぶりの「Call my name」です。
あきらからの事情説明回。
ちょっと盛り上がりに欠けますが・・・
お話の展開的に必要なので入れさせて頂きました!
そろそろつくし語りの回を入れたいところです。

総誕終わりまして。
次のイベントと言えばクリスマスですね・・・
クリスマスSS、まだ手も付けてないですよ(^_^;)
いいアイデア、どこかから降って来ないかしらー?


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