プロフィール

hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

アクセスカウンター
近況とかつぶやいてます
カテゴリ
最新記事
ランキングボタン
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ



ご訪問有り難うございます
カウントダウンタイマー
花男Blogリンク
君を愛するために
明日咲く花
お友達Blogリンク
恋花-koibana-
沫雪の唄
ブログ村ランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR

時間よ止まれ 後編

日が傾くまで牧野は波打ち際と砂浜を行ったり来たりして遊んでいた。
流石に夕焼け空になった頃、水が冷たくなってきたのか、俺のところに戻ってきた。

「あー、楽しかったぁ!」

掌には小さな貝とシーグラス。

「これ、持って帰ってガラスの瓶に詰めようと思って。」
「うん、いいんじゃない。」
「類の分も作るからね。」

そう言いながら俺に微笑みかける。
今日の思い出の瓶詰め。
俺はそれを見る度、今日の事を、そして牧野の今の微笑みを思い出すんだろう。

牧野は防波堤に寄り掛かりながら、太陽が沈んで行くのをぼうっと見ていた。

何を思っているんだろう。
俺の事を思って欲しい。

そう願いながら後ろからそっと近づいて、ポニーテールの尻尾に口付けた。
ふわっと潮の香りがした。

本当にKissしたいのはここじゃない。
牧野の可愛い柔らかな唇に。
後れ毛がふわふわと揺れている白い項に。
俺の抑えきれない気持ちを込めた言葉を載せつつ、その耳元に。
でもまだそんな事をしたらあんたを戸惑わせるだけだから。
今はポニーテールの尻尾にだけ。

「お腹減ったでしょ。そろそろ行こう。」

と車に促した。
風を受けながらのサンセットドライブ。
ポニーテールが風にたなびく。
ラベンダー色の空気の中に、牧野が溶けていくように思えた。

「風が気持ちいいね、類。あたし、今とっても幸せな気分!
海に来て、目一杯遊んで、オープンカーでドライブだよ。
すごい1日。ぜーんぶ類のお陰だね。ありがと、類。」

違うよ、牧野。
あんたが俺に幸せをくれてるんだ。

ディナーを予約していた丘の上のホテルのレストラン。
すっかり暗くなって、遠くに小さな灯りが瞬く海を見ながら食事した。

お酒が飲めない今夜は、ノンアルコールのカクテルを。
夏が終わってしまうのが急に名残惜しくなって、サマー・ディライトで乾杯した。
『夏の歓び』。
俺にとっては今日一日が、この夏の記憶全てになりそうだよ、牧野。

牧野に食べさせてあげたかったのは、捕れたての魚介類と、この地でしか食べられない限定の和牛のステーキ。
海に行くと決めた時、ここに来ようとすぐに閃いた。
魚介類は素材の味を生かすためにシンプルな味付けであっさりと。
柔らかくて甘みのある和牛はとびきりレアで。
全ての料理を目を白黒させながら食べている牧野を見ているのが楽しくて仕方ない。

「昼も夜もフレンチになっちゃったね。良かった?」
「あ、あたしは全然大丈夫。
こんなに美味しいもの頂けて嬉しいよ!ありがとね。」

ほんとにいつもありがとうばっかりだね、あんたは。
でもごめんねじゃなくてありがとうを聞いていたい。
俺はそのためなら何でもするんだよ。

帰りの車で、牧野はあっさり夢の国へ。
遊び疲れて、お腹がいっぱいになったらお眠って、子供みたいだね。
まぁ、予想してたけれど。
ついつい笑みがこぼれてしまう。

車を止めて牧野を見つめる。

この寝顔を永遠に俺のものだけにしたい。
他の誰にも見せたくない。
時間が止まればいいのに。

もう一度ポニーテールの尻尾に小さなKiss。
眠り姫はもちろん起きない。
くすりと笑って、再び車を走らせる。
待ってて、眠り姫。
いつか俺のKissで目を覚ましてもらうから。


-fin-


__________


類とつくしが食べてるご飯、美味しそう・・・
フレンチ、食べたい・・・(←煩悩がはみ出ています)
基本的に、自分の行ったことのあるお店や、食べたことのある食べ物をイメージしているので、書きながらお腹が減ります(笑)

この話はとあるJ-POPからシチュを頂きました。
本当は永遠の別れの歌ですが、希望があるような話にしたいと、書き換えちゃいました。
この曲です!
どうしても類のイメージと相容れない部分は変えたり、エピソードに盛り込めなかったものははしょったりしましたが、海辺での部分はこの曲が元になっています。
このお話を書いてる時、暗記しちゃうんじゃない?というくらいリピートして聞きました。
お楽しみいただけたら幸いです。

まったりした海でのデート。
総つくではしっくりこず、類つくとなりました。
後編はちょっと短かったですねー。スミマセン。
いつか、その後の2人を書けたらいいなと思います。


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!

関連記事

テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

Comment

非公開コメント