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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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全てはきっとタイミング

「ねえ西門さん、起きて。もう朝だよ。」

牧野が俺に囁いている。
何でこいつはいつも早起きなんだ?
昨夜は俺にアレコレされてくってりしてた癖に。
貧乏性故なのか?
俺は眠くてまだ目が開かない。

「あぁ? まだ夜明け前だろ?
もうちょっと寝てようぜ。」
「だめだよ。
一度お邸に戻って支度してからお仕事に出掛けるんでしょ?
もう起きて帰らないと・・・
ほら、雀がちゅんちゅん鳴いてるもん。
もう朝日が昇っている証拠だよー。
あたしの所に泊まったせいで、お仕事に遅刻しちゃう・・・とか絶対イヤなの!」

まるで『ロミオとジュリエット』みたいな台詞だな。
それも想い人をその場に引き留めたいジュリエットが俺で、もう行かなきゃならないとその手を振り切ろうとするロミオが牧野。
男女が入れ替わってるじゃねえか。

寝惚けた頭でそんな事を思う。

「んー、もうちょっとだけ・・・」

そう言って身体を横向きにして、牧野をすっぽり自分の腕の輪の中に取り込んでしまった。
小さくて、温かくて、柔らかで、最高に幸せな気持ちをもたらす、俺の抱き枕。
まあ、じっとしてくれないところが難点だけど。

「なあ、あと5分・・・」
「えー? うーん・・・
じゃああと5分だけ。」

髪の毛からはやけに甘いシャンプーの香り。
いや、昨夜濡れ髪に付けてたヘアオイルか。
この頃牧野が気に入って付けてる優希ちゃんからのバリ島土産の、カラフルなカプセルに入ってるやつ。
バリ島土産なのにモロッカンオイルって書いてあるのも全く解せないけど、牧野は何の疑問も持たずに愛用してる。
その香りが鼻を擽り、柔らかな髪は俺の顎先を刺激する。
牧野が言っていたように、窓の外では朝の訪れを喜んでいるかのように、そこらの木々に住まう小鳥達が囀り始めているのが耳に届いた。

あーあ、起きたくねえ。
ずうっとこのままでいいんだけどな。
それはロミオとジュリエットも同じ気持ちだった筈。
牧野を胸に抱いて迎える幸せな朝に連想するには残念過ぎるストーリー。
ナイチンゲールだ、いやひばりだと言い合って、結局ロミオはジュリエットの元を離れて行く。
2人が再会する時は互いの死に絶望する時だ。
何故もう少しだけ早くジュリエットは目を覚せなかったんだろう?
何故ロミオは、そんなにさっさと毒薬を煽ってしまったのか?
そういう悲劇をシェイクスピアが書いたから・・・と言ったらそれまでだけれど。
こんなタイミングの悪い事を重ねて死んでいく恋なんて酷すぎる。
じゃあ自分はどうなんだろう?
タイミング・・・
タイミングって大事だよなあ。
牧野と出逢ってから今日に至るまで、俺達の間には色々あって・・・
まあ、他人からみたら絶対にありえない組み合わせの2人なんだと思うけど。
特に司と類には今でもまだ邪魔され続けているけども!
それでも色んなタイミングが重なって・・・
こうして2人で身体を寄せ合って眠る仲になったんだ。

なーんてことをしみじみと考えながら、牧野の体温を堪能しつつ微睡んでいたら、「はい、5分経った!起きるよ!」と俺の温かな抱き枕は布団を飛び出していき、挙句の果てに上掛けも剥がれて強制的に目覚めさせられる。

「さみーよ、つくしちゃん・・・
ヒートショックで死んだらどうすんだよ?」
「何馬鹿な事言ってんの?
部屋はちゃんとエアコンのタイマー設定で温かくしてあるし。
何よりお仕事に遅れたら困るのは西門さんでしょー?
さっさと顔洗って着替える!
あたしは朝ご飯作るからっ!」

身支度を整えて、小さなダイニングテーブルで向かい合って食べる朝食は、コーヒーと、オムレツ、サラダ、ベーコン、イングリッシュマフィンが載ったワンプレート。
それを食べながら言ってみた。

「お前さ、春に転職しねえ?」
「え? 何言ってんの?
転職なんてする理由ないじゃん。
今の会社、お給料もまあまあ貰えてるし・・・」
「衣食住がきっちり保証されたいい転職先があるんだよ。
まあ、仕事も忙しいけどな。」
「何それ、胡散臭い。」
「しっかりしてるとこだって。
絶対に倒産したりしねえし。」

ちらっとマフィンにかぶり付いてる牧野を見遣る。
何も感じるところがないらしい。
全く・・・
鈍感過ぎるのも罪だ。
コーヒーの入っていたマグを空にして、テーブルに戻す。

「転職先は西門流本家。
仕事の中身は、とりあえずは家元夫人の補佐。
住まいは邸の中の離れの一つ。
衣装は娘のいないお袋からのお下がりがたんまり。
まあ、俺も買ってやるけどな。
って事で、考えておけよ。
ご馳走さん。」

そう言い切って立ち上がれば、俺を見上げてぽかんと口開けてる牧野がいる。
一応食べ物は飲み込んであるらしい。
くくくと笑いが込み上げてきた。

少しは思い悩めばいい。
俺の本気を受け止めて。

何でもない朝だけど。
きっと今がタイミング。
俺達が新しい扉を開けて踏み出す、きっかけの時。


________________



『ロミオとジュリエット』の台詞が何となく浮かんできて・・・
それを総つくにしたら・・・と思ったら、総二郎がジュリエットで、つくしがロミオになってしまいました。
うん、でも「行かないで!」なんて、つくしは縋らないもんなぁ(苦笑)

すっかり明けてしまいましたね。
鏡開きも終わったし・・・
年末に悲しい事があって、寿ぐ気持ちになれないでぐずぐずしておりました。
こんな拙宅ですが、本年もどうぞよろしくお願いします。


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