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Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
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粉雪舞い降りる君の肩先 11

いつもなら、色んな料理を口にする度にくるくると表情を変え、楽しそうに食事をする牧野だけど。
今夜はどこか上の空で、言葉少なだった。
帰りの車の中でもそれは同じで。
不安げな表情を浮かべながら時々俺の方を見詰めてくる。
信号待ちのタイミングで牧野の方を向いて、『大丈夫だよ』という気持ちを込めて笑い掛ける。
それでも牧野の憂いを取り除く事は出来ない。
きっとこれから時間をかけて、少しずつ少しずつ心を解していかなければならないのだろう。
そんなの元より覚悟の上だ。
ちらちらと降っていた粉雪は、東京に近づくにつれて雨へと変わり、牧野のアパートの前に着いた時にはその雨も止んでいた。

「美作さん、今日は朝からいっぱい運転して疲れたよね。
あたし、免許無くて運転代われなくてごめん。
免許あったとしても、役には立たなかったと思うけど・・・
ありがとう。」
「俺こそ1日連れ回して、牧野を疲れさせちゃったな。」
「ううん、そんな事・・・」
「だって牧野、ずっと元気ないぞ。」

気になっていた事を口にした。
ただ単に疲れているんじゃない事は勿論分かってる。

「あの・・・、元気ないんじゃなくて・・・」
「なあ、牧野。」

皆まで言わせたくなくて、つい話しているのを遮ってしまった。
名前を呼ばれて、ぱちりぱちりと瞬きして、俺を見返してくる牧野。
そんな仕草に、儚げな雰囲気に、俺を見詰める視線に、愛しさが湧いてくるのを止められない。

「俺、今夜、牧野と一緒にいてもいいか?」
「・・・えっと、あの・・・」
「何もしないよ。
牧野が嫌がるような事は何もしない。
ただもう少し一緒にいたくて。
もっと話もしたくて。
牧野はバイト休みなのは今日と明日だけだろう?
ゆっくり話せるとしたら今夜なのかと思って。
ああ勿論、もう疲れて寝てしまいたいっていうなら、俺はこのまま帰る。
牧野に無理はさせたくないから。」

また不安げに瞳が揺れている。
俺が急に送り狼になるのを危惧しているのか。
それとももっと他の事を心配しているのか。
小さな身体に沢山の憂いを詰め込んでいるんだろう牧野に寄り添って、少しでも不安を取り除けたら・・・と、心から思う。

「あたし・・・
あたしも、美作さんともっと話したいって思ってた。」
「うん。じゃあ、牧野は先に部屋に戻ってて。
俺、この車をどこかに停めてくるよ。」
「ん・・・、分かった。」

牧野をアパートの前で降ろし、俺は近くのコインパーキングに車を入れた。
女性の一人暮らしの部屋にいきなり上げてもらうなんて非常識だけれども、今このまま離れてしまうなんて出来やしない。
あんな不安定な牧野を独り置いて帰るなんて無理だった。
甘い物でも食べたら、少しは気が緩むかも知れないと思って、近くのコンビニで牧野の好きそうなスイーツを探した。
いくつか選んだ品を携えて部屋のドアをノックする。
「牧野。」と名前を呼ぶと、直ぐにドアが開けられた。

「入ってもいいか?」
「う、うん。
ご存知の通りのボロアパートだけど・・・、どうぞ。」

何度か来た事のあるこの部屋。
でもここで2人きりになるのは初めての事だ。

「お邪魔します。
あと、これは今そこで買った物だけど、手土産。」
「ええっ? 何してるのよ、美作さん。
そんな事しなくてもいいのに。」
「疲れた時は甘い物・・・って言うだろ?」
「・・・うん。ありがと。」

あまり物の置かれていない牧野の部屋。
その中で存在感を放っているのが部屋の真ん中に置かれた炬燵だった。

「ごめん、この部屋、エアコン効きが悪くて・・・
美作さんに炬燵なんて似合わないけど。
でもあったかいから入って?」
「嬉しいよ、炬燵。
うちでは絶対使わないものだから。」
「まあ、あのお邸に炬燵あったら逆に驚くよね。」

そう言って牧野がちょっと笑ってる。
それを見られてほっとした。
牧野が淹れてくれたコーヒーと、さっき俺が買ってきたスイーツが炬燵に運ばれてきた。
2人で照れ臭さから生まれた笑みを零しながら、マグカップを手にする。

「ホントは疲れてるだろ?
もう帰って欲しいって思ったら直ぐ言ってくれよ。」
「美作さんこそ。
お家に帰って寝たい・・・って思ったら、さっさと帰っていいんだからね?」

そう言い合って、2人ともつい笑いが溢れる。

「俺達・・・」「あたし達・・・」
「さっきから同じ様な事言い合って、馬鹿みたいだな。」
「あたしも今そう言おうと思ってた。」

くすくす笑ってる牧野。
それを見て頬が緩む俺。
総二郎にでもこんな場面見られたら「飯事みてえな事してんじゃねーよ。」とか言われそうだが、こんな些細な事すら嬉しくなるのが今夜の俺だ。

「牧野、どれ食べる?」
「美作さんは?」
「俺は余ったのでいいよ。」
「あたしこそ、美作さんが選んでからにするから。」
「正直、どれでもいいんだけど・・・」
「あ、コンビニスイーツ、馬鹿にしてるでしょ。
最近のは美味しいんだから!
じゃあ美作さんはこれ。
あたしはこっち!」

牧野が俺の前に置いたのはティラミスのカップで、自分が手にしたのは苺の載ったミニパフェだった。

「んふふ、美味しーい!」

やっと牧野らしさを取り戻したのは、自分の部屋に帰って来たからだろうか。
それとも狙い通り甘い物がもたらす効果なのか。

「うん、こっちもなかなか。」
「そうでしょ?
まあ、いつも美作さんが食べてるのなんかと比べたら、足元にも及ばないだろうけど。
でも美作さんがコンビニスイーツ食べてるなんて、ミスマッチすぎる。」

牧野が食べるものを一緒に食べたい。
それが今迄食べたことのないものだとしてもチャレンジしたいし。
食べずに頭ごなしに否定はしたくない。
もしかして、牧野に会う前の俺だったら、絶対に口にしなかったかもしれないけれど。
今はそんな事思わない。

「・・・なあ、牧野。
そうやって俺との間に線を引くの、やめにしないか?
俺だって牧野と同じ人間で、一介の学生だろう?
これからは、俺の知らない事は牧野が俺に教えてくれたらいいし。
牧野の知らない事は俺が牧野に教えていく。
そうしていったらそのうち2人とも互いの事がもっと分かる様になれる。
そう思わない?」

牧野の表情が暗くなる。
俺はおかしなことを言ってるんだろうか?

「そう・・・かも知れないけれど。
美作さんとあたし、ホント全てが違うし。」
「違うから、分かり合いたいからこそ、いっぱい話そう。
今日からは1人と1人じゃなくて。
牧野と俺とで2人だから。
同じものを食べて美味しいなって思いたいし、同じ景色を見て綺麗だねって言い合いたい。
牧野が辛い時には助けてって言って欲しい。
寂しい時には真っ先に俺を呼んで欲しい。
そして嬉しい事や楽しい事、沢山積み重ねよう。
そうやってこれから2人で生きていこう。」

牧野が涙を堪えてるのが見て取れた。
唇をぎゅっと結んで、目を見開いて、涙が零れ落ちないように耐えてる。
牧野の背後に回って、背中からそっと抱き締めた。

「何か俺、牧野が泣きたくなるような嫌な事言ったか?」
「違うの。
嫌な事なんかじゃなくて・・・、胸がぎゅうーってなっちゃって・・・。
1人じゃなくて、2人?」
「うん、2人だ。
だからもう1人で泣かないで。
泣くなら俺の胸の中だけにして。」
「そんな事言われたら、もっと泣けちゃうよ・・・」

さめざめと涙を流す牧野をそっと護るように抱き締めていた。
きっと独りで沢山涙を流して来たことだろう。
これからは、その弱さをも隠さず俺に見せてくれたら・・・と願う。
牧野の強さも弱さも。
微笑みも涙も。
全てを知りたいと思った。


________________



えーっと、ここは非常に壁の薄い風呂無しボロアパートでありますからして。
今日の2人はこれくらいまででございますよ。
誰ですか?怒涛の展開をイメージしちゃってる方はー?
このあきらはきっとかなり我慢強い方のあきらですので。
ここまで来るのに相ーーー当時間掛けてますから。
(まあ、お語的には秋から冬にかけての数ヶ月なんですけども。)
これからも我慢強くあって欲しいなー、なんてね(苦笑)

頭の中で「粉雪」のあきらと、「Call my name」の総二郎が争ってて、今日はどっちを書いたらいいの?状態です。
23日、拙ブログ開設記念日なんですけども。
何かSSを書こうか悩み中です。


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ジャンル:小説・文学

Comment

みゆ様

いつも有り難うございます!
あきらは人の気持ちに寄り添おうとする力が強いんだと思うんですよね。
それによって、自分を犠牲にしちゃうところもあるんだけど。
この、耐えて耐えて耐えてるあきらは、どこで爆発するんでしょうね?
未知数…
今暫く静かな時間の中を揺蕩う2人でいるのかなー?
つくしにとってのヒーリングタイムかと思います。
また宜しくお願いします!
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