ずっとこの時を待っていた -中編-
次に気が付いた時には、西門さんはもう買い物から帰って来ていた。
あたしがソファを占領してしまっているから、ソファとコーヒーテーブルの隙間に座っているのだろう。
すぐ目の前に広い背中と後頭部が見える。
「帰ってきたなら起こしてくれていいのに。」
そう声を掛けると、振り返ってあたしのおでこにそっと柔らかな唇を押し当ててる。
おでこへのキスって好き。
そこにキスされると、とってもあたしの事大事に思ってくれてる・・・って気持ちになるから。
「気持ち良さそうに寝てたからそのままにしといたんだよ。
今日はのんびりしようって言ったろ?」
「うん。」
「ゼリーとアイス、買ってきたぜ。
今食べるか?」
「んー、ゼリーを今おやつに食べて、アイスはご飯の後のデザートにしようかなぁ?」
「ちょっと待ってろ。持ってきてやるよ。」
西門さんが妙に優しい。
あたしが元気ないとか、疲れてるとか弱音吐いちゃったからなんだろうか?
ゼリーとスプーンを手にキッチンから戻ってきて、更に甲斐甲斐しくゼリーの蓋を開けてくれている。
「食べさせてやろうか、つくしちゃん?
あーんって。」
「そんなの・・・、病人じゃないんだから自分で食べれるよ。」
身体を起こして、ソファに座り直した。
冷たくてさっぱりしたグレープフルーツのゼリーはとっても美味しくて、ツルツルと喉を滑り落ちてく。
隣に腰を下ろした西門さんがあたしの一挙手一投足をじーっと見てる気がして、ちらっとそっちを向いてみたら、甘ーく微笑みかけられたから、慌ててゼリーに視線を戻した。
「た、食べたいの、これ?」
「いいや、食ってるお前を見てるだけ。」
えー? 何なの?
何だか過保護じゃない?
それにこのキラースマイル攻撃。
その後に無理難題を吹っかけてくる布石じゃないかと疑心暗鬼になるわ。
西門さんが不必要にニタニタ笑ってる時ってろくな事起こんないのよ!
食べ終わって、ふわぁーと満足の溜息を吐いた。
「あー、美味しかった。
買ってきてくれてありがとね。」
「そんなゼリーの一つや二つ、いつでも買ってやるよ。」
「ん。でもありがと。」
「食欲ないって言ってたけどこれは食えたな。」
「そうだね、今は平気。
あのー、あたし病気じゃないから。
単に疲れからくる胃もたれでしょ。
そんな心配しないで。」
あたしの言葉を聞いてた西門さんが、ちょっと真面目な顔して目をぱちぱちさせてる。
そして改まった感じであたしを呼んだ。
「牧野。」
「うん?」
さっきまで『つくしちゃん』とか『お前』って呼んでたのに、何故か急に『牧野』呼びに戻ってる。
な、何?
一体何を言うつもり?
「あのさ・・・、ちょっとこれ試してみてくんねえ?」
そう言いながら西門さんがあたしの目の前に差し出したのは『妊娠検査薬』と書かれた細長い箱だった。
『簡単!』『1分判定』『99%以上の正確さ!』といった文言が躍っているパッケージがインパクト大。
「な、何で?
何であたし検査しなくちゃなんないの?
それに何でこんな物持ってんの?」
「今買ってきたんだよ、そこのドラッグストアで。
何もなきゃ、ないって分かってスッキリするだろ?」
「え? だっていつも、その、あの、アレ・・・、ちゃんとしてくれてるんだよね?」
「あのな、どんな避妊にも100%はねーんだよ。
だから、念の為に。なっ!」
そう言われて、小箱を手に持たされ、背中をぐいぐい押されてトイレに押し込まれてしまった。
えーーー?
妊娠検査薬って・・・。
自分とは関係ない代物だと思ってたのに。
それにほら、妊娠って、炊き立てのご飯の匂いで「うっ・・・!」とかなって、トイレに駆け込むとか、そういうのだよね?
あたしのは単なる疲れの蓄積だし・・・。
こんなの買ってきちゃって、お金の無駄だと思うんだけど。
まあ、何だか心配してくれてるみたいだし、なんともなかったって分かったら安心してくれるでしょ。
小箱を開けて。
説明書通りに検査して。
「1分程で検査結果が判ります。』って書いてあるのに、あっという間に二つの小窓に2本の線が浮かび上がった。
ん?
んんん?
あたし勘違いしてる?
ここに線が出なかったら妊娠反応なし、出たら妊娠反応ありじゃなかった?
逆だっけ?
もう一度説明書や入っていた箱をしげしげと眺めるけど、やっぱり線が2本で妊娠反応ありって書いてある。
そして、その写真の下にはこんな文章が太字で強調されて印刷されていた。
妊娠している可能性があります。 できるだけ早く医師の診断を受けてください。
に、妊娠?
あたしが妊娠?
妊娠してるって事は、お腹に赤ちゃんがいるって事で・・・。
その子の父親は西門さんで・・・。
え? あたし、どうしたらいいの?
心臓が急にばくんと鳴った。
それと同時にどんどん頭がこんがらがっていく。
_________
予想されてた方多かったんじゃないかと思いますが。
疲労の蓄積・・・じゃなくて、総つくbabyがお腹に!という場面でした。
もう1話続きます。
でこチューのお話を書きたくてー(笑)
総二郎が優しくでこチューしてくれるの、萌えません?
あきらなら双子ちゃんにしてるみたいにさらっとしてそう。
類も何でもない振りして簡単にちゅっとかしそう。
一番しなさそうな総二郎がしてくれるところに意味があるっていうかね(〃艸〃)ムフッ
古くはキャンディ・キャンディとアルバートのでこチューから憧れてました。
自分が幸せなでこチューをしてもらった記憶は・・・ないな(爆)
皆様の羨ましくなるようなでこチュー体験談、こっそり教えて下さい。
お待ちしております(。-∀-)ニヒ♪
今日は関東でも雪予報が出ています。
まだ何も降り始めていないので、どれだけ降るのかしら?と思ってるのですが・・・
お出掛けになる方はどうぞお気を付けて。
雪道歩く時は小股でちょこちょこ歩くのが滑らないコツですよー。
あと、人が通った轍を歩きたくなりますが、踏み荒らされていない新雪部分の方が滑らないです!
↑ ↑ ↑
(北国育ちの経験から)

ぽちっと押して頂けたら嬉しいです!
あたしがソファを占領してしまっているから、ソファとコーヒーテーブルの隙間に座っているのだろう。
すぐ目の前に広い背中と後頭部が見える。
「帰ってきたなら起こしてくれていいのに。」
そう声を掛けると、振り返ってあたしのおでこにそっと柔らかな唇を押し当ててる。
おでこへのキスって好き。
そこにキスされると、とってもあたしの事大事に思ってくれてる・・・って気持ちになるから。
「気持ち良さそうに寝てたからそのままにしといたんだよ。
今日はのんびりしようって言ったろ?」
「うん。」
「ゼリーとアイス、買ってきたぜ。
今食べるか?」
「んー、ゼリーを今おやつに食べて、アイスはご飯の後のデザートにしようかなぁ?」
「ちょっと待ってろ。持ってきてやるよ。」
西門さんが妙に優しい。
あたしが元気ないとか、疲れてるとか弱音吐いちゃったからなんだろうか?
ゼリーとスプーンを手にキッチンから戻ってきて、更に甲斐甲斐しくゼリーの蓋を開けてくれている。
「食べさせてやろうか、つくしちゃん?
あーんって。」
「そんなの・・・、病人じゃないんだから自分で食べれるよ。」
身体を起こして、ソファに座り直した。
冷たくてさっぱりしたグレープフルーツのゼリーはとっても美味しくて、ツルツルと喉を滑り落ちてく。
隣に腰を下ろした西門さんがあたしの一挙手一投足をじーっと見てる気がして、ちらっとそっちを向いてみたら、甘ーく微笑みかけられたから、慌ててゼリーに視線を戻した。
「た、食べたいの、これ?」
「いいや、食ってるお前を見てるだけ。」
えー? 何なの?
何だか過保護じゃない?
それにこのキラースマイル攻撃。
その後に無理難題を吹っかけてくる布石じゃないかと疑心暗鬼になるわ。
西門さんが不必要にニタニタ笑ってる時ってろくな事起こんないのよ!
食べ終わって、ふわぁーと満足の溜息を吐いた。
「あー、美味しかった。
買ってきてくれてありがとね。」
「そんなゼリーの一つや二つ、いつでも買ってやるよ。」
「ん。でもありがと。」
「食欲ないって言ってたけどこれは食えたな。」
「そうだね、今は平気。
あのー、あたし病気じゃないから。
単に疲れからくる胃もたれでしょ。
そんな心配しないで。」
あたしの言葉を聞いてた西門さんが、ちょっと真面目な顔して目をぱちぱちさせてる。
そして改まった感じであたしを呼んだ。
「牧野。」
「うん?」
さっきまで『つくしちゃん』とか『お前』って呼んでたのに、何故か急に『牧野』呼びに戻ってる。
な、何?
一体何を言うつもり?
「あのさ・・・、ちょっとこれ試してみてくんねえ?」
そう言いながら西門さんがあたしの目の前に差し出したのは『妊娠検査薬』と書かれた細長い箱だった。
『簡単!』『1分判定』『99%以上の正確さ!』といった文言が躍っているパッケージがインパクト大。
「な、何で?
何であたし検査しなくちゃなんないの?
それに何でこんな物持ってんの?」
「今買ってきたんだよ、そこのドラッグストアで。
何もなきゃ、ないって分かってスッキリするだろ?」
「え? だっていつも、その、あの、アレ・・・、ちゃんとしてくれてるんだよね?」
「あのな、どんな避妊にも100%はねーんだよ。
だから、念の為に。なっ!」
そう言われて、小箱を手に持たされ、背中をぐいぐい押されてトイレに押し込まれてしまった。
えーーー?
妊娠検査薬って・・・。
自分とは関係ない代物だと思ってたのに。
それにほら、妊娠って、炊き立てのご飯の匂いで「うっ・・・!」とかなって、トイレに駆け込むとか、そういうのだよね?
あたしのは単なる疲れの蓄積だし・・・。
こんなの買ってきちゃって、お金の無駄だと思うんだけど。
まあ、何だか心配してくれてるみたいだし、なんともなかったって分かったら安心してくれるでしょ。
小箱を開けて。
説明書通りに検査して。
「1分程で検査結果が判ります。』って書いてあるのに、あっという間に二つの小窓に2本の線が浮かび上がった。
ん?
んんん?
あたし勘違いしてる?
ここに線が出なかったら妊娠反応なし、出たら妊娠反応ありじゃなかった?
逆だっけ?
もう一度説明書や入っていた箱をしげしげと眺めるけど、やっぱり線が2本で妊娠反応ありって書いてある。
そして、その写真の下にはこんな文章が太字で強調されて印刷されていた。
妊娠している可能性があります。 できるだけ早く医師の診断を受けてください。
に、妊娠?
あたしが妊娠?
妊娠してるって事は、お腹に赤ちゃんがいるって事で・・・。
その子の父親は西門さんで・・・。
え? あたし、どうしたらいいの?
心臓が急にばくんと鳴った。
それと同時にどんどん頭がこんがらがっていく。
_________
予想されてた方多かったんじゃないかと思いますが。
疲労の蓄積・・・じゃなくて、総つくbabyがお腹に!という場面でした。
もう1話続きます。
でこチューのお話を書きたくてー(笑)
総二郎が優しくでこチューしてくれるの、萌えません?
あきらなら双子ちゃんにしてるみたいにさらっとしてそう。
類も何でもない振りして簡単にちゅっとかしそう。
一番しなさそうな総二郎がしてくれるところに意味があるっていうかね(〃艸〃)ムフッ
古くはキャンディ・キャンディとアルバートのでこチューから憧れてました。
自分が幸せなでこチューをしてもらった記憶は・・・ないな(爆)
皆様の羨ましくなるようなでこチュー体験談、こっそり教えて下さい。
お待ちしております(。-∀-)ニヒ♪
今日は関東でも雪予報が出ています。
まだ何も降り始めていないので、どれだけ降るのかしら?と思ってるのですが・・・
お出掛けになる方はどうぞお気を付けて。
雪道歩く時は小股でちょこちょこ歩くのが滑らないコツですよー。
あと、人が通った轍を歩きたくなりますが、踏み荒らされていない新雪部分の方が滑らないです!
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