sweet sweet my lover ー中編ー
美作さんがこんな仕草するなんて、初めての事だと思う。
そもそもいつもあたしが一方的に甘やかされていて、美作さんがあたしに甘えてくる・・・なんてシチュエーションになった事がない。
だから、お酒が入ってるとはいえ、こんないつもと違う美作さんが現れて、なんとも言えない気持ちが湧いてきた。
ちょっと嬉しくて、どこか気恥ずかしくもある。
いつものドキドキとはちょっと種類の違う胸の高鳴りが生まれてくるような気がする。
それはやっぱり美作さんがいつもより肩の力を抜いて、あたしに自分を見せてくれてるからなんだろう。
「あぁ、牧野だ。」
「・・・うん?」
「こうして身体を寄せ合っていると、俺達別々の人間の筈なのに、一緒にいる方が自然だなぁって思うんだよ。
離れてる時は俺にとっての『牧野』ってピースが欠けているみたいな気がして。
会えて温もりを確かめられたら、物凄くほっとする。
足りなかったものが一気に満たされてく。
それで、俺に必要なのは牧野なんだなって、改めてしみじみ思うんだ。」
そう言って、美作さんはあたしを抱き寄せて、今度は首筋に顔を埋めてる。
熱のこもった言葉と首元の擽ったい感触に、あたしは身動ぎも出来ず、その腕の中で浅く息をするだけだ。
「今日さ・・・、この打ち合わせと会食が終わったら牧野に会いに行けるって胸の内で思ってた。
顔や態度には出してないつもりだったんだ。
だけど、どこかに滲み出てたのかなぁ。
早く帰りたんだろう、そうはさせるか!みたいに言われて散々付き合わされちゃったんだ。
これはとっとと相手を酔わせてお開きにするしかないと思って酌み交わしているうちに、俺も少し酔っちゃったみたいだ。」
「・・・飲みの席でのお付き合いも大事な仕事だものね。
ほんとにお疲れ様。」
「ん・・・、でももうここに来るまでにあったことは全部忘れる。
今は牧野のことだけ感じてたい・・・。」
よ、よ、酔ってるとはいえ、この甘々モードの美作さんを連発されると、あたしなんか到底太刀打ち出来ないっ!
応える言葉も出てこないし、美作さんの腕の中でカチンコチンに固まっているばかりになっちゃう。
首筋にふわり・・・、またふわり・・・と美作さんの吐息が吹き掛かるから、背中にぞくんとしたものが走ってく。
「牧野、寒いのか?」
「う、ううん! 寒くないっ!」
「そう? 震えてないか?」
おでことおでこをくっ付けて、話し掛けてくる美作さん。
顔が近過ぎてドキドキドキドキ。
頬っぺたが熱いのが冷めるタイミングがないよ、さっきから!
「だ、大丈夫っ!」
「そう?」
「うんっ、ホント大丈夫!」
「牧野の大丈夫は当てにならない事が多いからなぁ。」
そう言ってふふふと小さく笑ってる。
お酒のせいとはいえ、この美作さん・・・
ものすごーく取り扱いに困るんですけど!
いつも優しくって、紳士的で、あたしの気持ちを第一にって心砕いてくれてて。
その優しさに包まれてぽーっとなっちゃってるあたし。
今夜のこの何処どこまでも甘ーく熱っぽい美作さんといると、のぼせ上がって倒れそうになるよ!
「見て、牧野。
もうすぐ日付けが変わる。」
美作さんの腕に巻かれた高級時計。
多分1秒の狂いもないんだろう。
秒針が12のところに近付いていくのを2人で見詰めた。
5、4、3、2、1・・・
「お誕生日おめでとう、美作さん。」
「ありがとう、牧野。」
甘くとろけそうな微笑みを浮かべてる美作さんが目の前にいる。
何か言葉を付け足したいけれど、いい台詞は思い付けなくて。
言葉の代わりに、思い切って美作さんの唇にキスをした!
ほんの一瞬唇が重なりあっただけのキス。
あたしの精一杯の勇気を振り絞ったアクション。
ヨシ!
良くやったわ、つくし!
細やかながら、気持ちを伝えられる事が出来た喜びと、自分からキスしちゃった照れ臭さで、うきゃー!と叫び出したいくらいだよ!
そっと顔を離したら、また美作さんが笑ってる。
あたし達の周りの空気まで甘くなり、今度こそ美作さんに酔わされてこの場に倒れ込みそうだ。
「誕生日祝いにキスをくれたの?」
眇めた目でそんな事囁かれたら、こくこくと頷くしかない。
「嬉しいな。
じゃあ俺からもお礼をしないと。」
美作さんの右手があたしの頬っぺたを優しく撫で下ろした・・・と思ったら、そのまま首の後ろに差し込まれる。
整ったお顔がこっちに近付いてくる気配に思わずきゅっと目を閉じた。
何度も優しく唇を啄まれていると、もっとキスしたい・・・なんて思っちゃって。
あたしがそう思ってるのが美作さんに伝わっているかのように、段々と熱く深い口付けへと変わってく。
互いの顔が離れた時には、息は乱れて、唇はじんじんと痺れて、身体には力が入らない程骨抜きにされていたあたし。
「駄目だよ、牧野。
そんな潤んだ瞳で見詰められたって、もっとキスしたくなるだけだ・・・」
ちょっとあたしもう無理ー!と言おうと思ったのに、その前に次のキスに翻弄されてしまったのだった。
_________
このあきらはー、本当に酔っ払いなのかー?
それとも策士の計算のうちなのかー?
もう一段階甘くしたいんですけど、ちゃんと書き切れるかしら?
本格的に花粉の季節ですね。
気がつくと鼻がたらたら。
咳が止まらん!と思ったら換気扇回してました。
うー辛い・・・。・゚(´□`)゚・。

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そもそもいつもあたしが一方的に甘やかされていて、美作さんがあたしに甘えてくる・・・なんてシチュエーションになった事がない。
だから、お酒が入ってるとはいえ、こんないつもと違う美作さんが現れて、なんとも言えない気持ちが湧いてきた。
ちょっと嬉しくて、どこか気恥ずかしくもある。
いつものドキドキとはちょっと種類の違う胸の高鳴りが生まれてくるような気がする。
それはやっぱり美作さんがいつもより肩の力を抜いて、あたしに自分を見せてくれてるからなんだろう。
「あぁ、牧野だ。」
「・・・うん?」
「こうして身体を寄せ合っていると、俺達別々の人間の筈なのに、一緒にいる方が自然だなぁって思うんだよ。
離れてる時は俺にとっての『牧野』ってピースが欠けているみたいな気がして。
会えて温もりを確かめられたら、物凄くほっとする。
足りなかったものが一気に満たされてく。
それで、俺に必要なのは牧野なんだなって、改めてしみじみ思うんだ。」
そう言って、美作さんはあたしを抱き寄せて、今度は首筋に顔を埋めてる。
熱のこもった言葉と首元の擽ったい感触に、あたしは身動ぎも出来ず、その腕の中で浅く息をするだけだ。
「今日さ・・・、この打ち合わせと会食が終わったら牧野に会いに行けるって胸の内で思ってた。
顔や態度には出してないつもりだったんだ。
だけど、どこかに滲み出てたのかなぁ。
早く帰りたんだろう、そうはさせるか!みたいに言われて散々付き合わされちゃったんだ。
これはとっとと相手を酔わせてお開きにするしかないと思って酌み交わしているうちに、俺も少し酔っちゃったみたいだ。」
「・・・飲みの席でのお付き合いも大事な仕事だものね。
ほんとにお疲れ様。」
「ん・・・、でももうここに来るまでにあったことは全部忘れる。
今は牧野のことだけ感じてたい・・・。」
よ、よ、酔ってるとはいえ、この甘々モードの美作さんを連発されると、あたしなんか到底太刀打ち出来ないっ!
応える言葉も出てこないし、美作さんの腕の中でカチンコチンに固まっているばかりになっちゃう。
首筋にふわり・・・、またふわり・・・と美作さんの吐息が吹き掛かるから、背中にぞくんとしたものが走ってく。
「牧野、寒いのか?」
「う、ううん! 寒くないっ!」
「そう? 震えてないか?」
おでことおでこをくっ付けて、話し掛けてくる美作さん。
顔が近過ぎてドキドキドキドキ。
頬っぺたが熱いのが冷めるタイミングがないよ、さっきから!
「だ、大丈夫っ!」
「そう?」
「うんっ、ホント大丈夫!」
「牧野の大丈夫は当てにならない事が多いからなぁ。」
そう言ってふふふと小さく笑ってる。
お酒のせいとはいえ、この美作さん・・・
ものすごーく取り扱いに困るんですけど!
いつも優しくって、紳士的で、あたしの気持ちを第一にって心砕いてくれてて。
その優しさに包まれてぽーっとなっちゃってるあたし。
今夜のこの何処どこまでも甘ーく熱っぽい美作さんといると、のぼせ上がって倒れそうになるよ!
「見て、牧野。
もうすぐ日付けが変わる。」
美作さんの腕に巻かれた高級時計。
多分1秒の狂いもないんだろう。
秒針が12のところに近付いていくのを2人で見詰めた。
5、4、3、2、1・・・
「お誕生日おめでとう、美作さん。」
「ありがとう、牧野。」
甘くとろけそうな微笑みを浮かべてる美作さんが目の前にいる。
何か言葉を付け足したいけれど、いい台詞は思い付けなくて。
言葉の代わりに、思い切って美作さんの唇にキスをした!
ほんの一瞬唇が重なりあっただけのキス。
あたしの精一杯の勇気を振り絞ったアクション。
ヨシ!
良くやったわ、つくし!
細やかながら、気持ちを伝えられる事が出来た喜びと、自分からキスしちゃった照れ臭さで、うきゃー!と叫び出したいくらいだよ!
そっと顔を離したら、また美作さんが笑ってる。
あたし達の周りの空気まで甘くなり、今度こそ美作さんに酔わされてこの場に倒れ込みそうだ。
「誕生日祝いにキスをくれたの?」
眇めた目でそんな事囁かれたら、こくこくと頷くしかない。
「嬉しいな。
じゃあ俺からもお礼をしないと。」
美作さんの右手があたしの頬っぺたを優しく撫で下ろした・・・と思ったら、そのまま首の後ろに差し込まれる。
整ったお顔がこっちに近付いてくる気配に思わずきゅっと目を閉じた。
何度も優しく唇を啄まれていると、もっとキスしたい・・・なんて思っちゃって。
あたしがそう思ってるのが美作さんに伝わっているかのように、段々と熱く深い口付けへと変わってく。
互いの顔が離れた時には、息は乱れて、唇はじんじんと痺れて、身体には力が入らない程骨抜きにされていたあたし。
「駄目だよ、牧野。
そんな潤んだ瞳で見詰められたって、もっとキスしたくなるだけだ・・・」
ちょっとあたしもう無理ー!と言おうと思ったのに、その前に次のキスに翻弄されてしまったのだった。
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このあきらはー、本当に酔っ払いなのかー?
それとも策士の計算のうちなのかー?
もう一段階甘くしたいんですけど、ちゃんと書き切れるかしら?
本格的に花粉の季節ですね。
気がつくと鼻がたらたら。
咳が止まらん!と思ったら換気扇回してました。
うー辛い・・・。・゚(´□`)゚・。



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