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hortensia

Author:hortensia
花男にはまって幾星霜…
いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。
コミックは類派!
二次は総二郎派!(笑)
総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
まず初めに「ご案内&パスワードについて」をお読み下さい。
https://potofu.me/hortensia

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Full of smiles 《Akira’s view》

「あいつ、綺麗だな。」

隣で司がそんな事を呟くから、つい横顔をじっと見詰めてしまった。
司の視線は真っ直ぐに牧野に向かってる。

「ホントに綺麗だ。」

言葉の響きは、とびきり優しく、司の想いが滲んでいて、俺まで切なくなってしまった。
だけどそれきり口を結んだ司の横顔は、少しだけ口角が上がっているように見える。
俺ももう一度2人の方へと顔を向けると、そこには今まで見てきた中で一番眩しく輝いている牧野の笑顔と、こんな顔を見る日が来るなんて・・・と思ってしまう程に蕩けるような表情を晒している総二郎がいた。
今日は総二郎と牧野の婚約披露パーティー。
様々な困難を乗り越えて、2人は半年後に結婚する。
茶道の流派の中でも名を知られている西門家の総領と、極々一般の家庭に育った牧野との恋路は、とても険しいものだったのは想像に難くない。
それでも総二郎は様々なものを跳ね除け、牧野を護りつつ、一方では面倒な相手を懐柔し、時間を掛けて道なき道を切り拓き、今日ここに立っている。
それは本当は司が掴み取りたかった未来。
牧野と手を携えて生きていくという、司こそが一番強く望んでいた人生。
でもそれは叶わなかった。
どんなに足掻いても、牧野を道明寺に迎え入れる事が出来ないと悟った司は牧野を手離して。
次に牧野の手を取るのは類だろう・・・と誰もが思っていたのに、いつの間にか牧野の隣に立っていたのは総二郎だった。
あの稀代の遊び人だった総二郎が、まるで別人になったかのように仕事に打ち込み、周囲も応援したくなる程に真摯に牧野に想いを伝え続け、『次期家元をここまで変えたのは牧野つくし』、『次期家元は牧野つくしとしか結婚しないそうだ』と、両親である家元夫妻はもとより流派の面々にも受け入れられるまでになった。
本気になった総二郎はここまでやる男だったのか・・・と改めて知る事になり、俺は内心驚いていた。
総二郎が初めて顕にした強い気持ちと、行動力に。
司と総二郎。
何が違ったのか。
2人の気持ちの強さの話じゃない。
牧野を息子の伴侶として迎え入れる余地が、鉄の女には全くなく、家元夫妻には多少なりともあった。
多分そういう事だ。
総二郎は仮面夫婦の冷え切った家庭で育ったからこそ、暖かい太陽のような牧野を求めたんだろうし、そんな環境しか与えられなかった事を後悔していた両親は、自分達の二の舞にならぬよう、総二郎が心の底から欲した牧野と一緒になる事を認めたのかも知れない。
司が不運だったのは、鉄の女にはそのような人の心が備わっていなかった、その一点に尽きるのだろう。

「牧野、無理し過ぎないといいけど。」

類はこんな日にも感情を露わにしない。
いつも通り、淡々とした調子で、手にしたグラスを弄びながら牧野を気遣う言葉を口にした。

「多分色んな洗礼を受けるんだろうけど、それを総二郎が精一杯守って支えるんだろ。」
「ふうん・・・。
俺は総二郎が必死になったとこなんか見たことないから、信じられない。」
「大丈夫だろ。
その覚悟があるから、今日を迎えられたんだろうし。」
「まあ俺は、牧野がああやって笑ってられるなら、それでいいんだけどね。」

多分総二郎が牧野の為に選んだのであろう振袖は、淡い色合いの中に沢山の花が散りばめられていて、笑顔の花を咲かせている牧野を優しく包んでいる。

「ホント、今日の牧野はいつもより可愛く見えるな。」
「でも牧野にあんな顔させるのが総二郎だっていうのはやっぱりムカつくんだけど。」
「おいおい、類・・・。」
「仕方ないよね。
その牧野本人が総二郎がいいって言うんだからさ。」

類はそう呟いて、今日初めて表情を緩めてくすりと笑った。
類にとって特別な存在の牧野が嫁いでいくのは、どうしても複雑な気持ちを抱かせるんだろう。
司のように恋仲だった事も無ければ、類のように誰よりも近しい立場になった事もない俺でさえ、なんだかちょっと残念で寂しいような気持ちになるのだから。
そう、相手が子供の頃から一緒に過ごしてきた、かけがえの無い友人の総二郎だとしても。

色んなテーブルを挨拶して回り、やっと俺達の所まで辿り着いた2人は、気疲れしているだろうにやっぱり笑顔だ。

「わぁー、3人とも来てくれてありがとー!忙しいのに。」
「おめでとう、牧野。」
「類! ありがと!」
「おい、類、俺にも言えよ、祝いの言葉を。」
「総二郎に言いたいのは、牧野を幸せにしなかったら攫いに来るよって事だけだね。」
「ふーざけんな!
これから幸せな家庭を築こうって俺達に言う事じゃねえだろ、それ。」

そうは言いつつも総二郎はにやけている。
今日という日を迎えられたことが嬉しくて嬉しくて仕方ないのが滲み出ている。

「おい、牧野。」
「ん?」
「幸せにな。」
「うん、ありがと。
道明寺も滋さんとお幸せにね。
滋さんさぁ、あのお見合いの時からずーっと道明寺の事好きだったんだって。
長い間、一途に想い続けてくれてたんだから。
絶対、絶対、大事にしないと駄目なんだよ!」
「分かってるよ、そんなん。
ったく、うるせえ女だな、お前は。」
「それならいいんだけどさ。」

司の受け答えにちょっとほっとしたのか、目尻を下げた牧野を総二郎が優しく見下ろしてる。
これ以上大切なものはない・・・と、その眼差しが言っているようで、見ているこっちの方が照れてしまいそうだ。

「2人とも、今日は本当におめでとう。
これから結婚式まで色々準備が大変だと思うけど。
喧嘩したりしないで力合わせて頑張れよ。」
「ありがと、美作さん・・・。
あたし、それ自信ない。
すぐ口喧嘩しちゃいそう。」
「喧嘩なんかしねえよ。
ただ単につくしちゃんが1人でギャーギャー騒いでるだけだろ、いつも。」
「ちょっと!皆の前で『つくしちゃん』なんて呼ぶなっ!」
「これだもんなー。先が思いやられるぜ。」
「うっさい! バカ門!」
「婚約者様にこの言動。
流石『牧野つくし』だろ?」

先が思いやられるなんて言いながらも、総二郎はとても楽しそうだ。

ああ、やっと、総二郎は本当に心を許せる相手を得られたんだな。
これからは、牧野と2人で嬉しい事も大変な事も分かち合って、支え合っていける。
ずっと纏っていた孤独の影は、もうどこにも見当たらない。

「本当におめでとう。俺も嬉しいよ。」
「おう、ありがとな、あきら。」

5人でグラスを掲げて乾杯した。
久しぶりにF4と牧野という5人で輪になっている。
それが総二郎と牧野の婚約披露の場だというのだから、つくづく不思議な縁だ。
今、そんな幸せいっぱいの二人を前にして思うこと。
それは・・・

May your smile last forever !

俺の胸はこんな思いで満ちている。


_________



珍しく野獣が出て来たよ!
9周年SSは、実は3部作だったんです。
3つ目のお話は、『Midnight call』の少し後の場面です。
あきら語りなのは、野獣語りを書けなかったので代わりに語ってもらったのでした笑
1話毎に集中しないで、気の向くままに3つのお話を並行して書いてたので、結局どれも23日迄に書き終われませんでしたけども…
3つのお話、2人の幸せまでの道程を楽しんで頂けていたら嬉しいです。

さあ、今日からGWですね。
リアル拙宅では病人が寝込んでますので、ステイホームというか、缶詰というか…
早く元気になってくれて、少しは外に出たいものです。
久々に遠方へお出掛けの方もいらっしゃるのかな?
良かったら、こんな所行って来たよー!ってお話、聞かせて下さい。
そんな空気だけでも味わいたい!


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